百貨店は、古くから日本の商業・文化の中心として、最新のトレンドを人々に発信し続けてきました。
現在では、SNSの普及に伴い、様々なジャンルにおける最新トレンドを簡単に得られるようになったことで、百貨店の在り方も少しづつ変わってきています。
中でも、Instagramのアカウント運営している百貨店は増えてきており、Instagramの美しい写真コンテンツが、従来の百貨店のショーケースの役割を担うように変化してきました。
本記事では、「商品が勢ぞろい!百貨店のInstagram企業アカウント成功事例」と題し、百貨店のInstagramアカウント成功事例をご紹介します。
百貨店がどのようにInstagramで流行を発信し、顧客の集客に繋げているのか、アカウント運用の優れているポイントを交えながら解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
商品が勢ぞろい!百貨店のInstagram企業アカウント成功事例
それではさっそく、百貨店のInstagram企業アカウント成功事例をご紹介してきましょう。
阪急うめだ本店 イベント情報
画像:阪急うめだ本店 イベント情報(@hankyu_event)|Instagram
アカウント:阪急うめだ本店 イベント情報(@hankyu_event)|Instagram
フォロワー:約5.2万人(2022年2月現在)
まず最初に紹介する百貨店が運営する公式Instagramアカウントは、「阪急うめだ本店 イベント情報」です。
阪急うめだ本店は、1929年に阪急電鉄の創始者、小林一三が創業した世界初のターミナルデパートとして有名。
創業以来、“乗降客の利便性と沿線住民へのサービス”を掲げ、多くの旅行客や地域住民に愛され続けている百貨店です。
「阪急うめだ イベント情報」のInstagramアカウントでは、アカウント名の通り、阪急うめだ本店の催事スペースで行われる最新のイベント情報などを発信しています。
上記の投稿では、バレンタインに合わせたイベント「バレンタインチョコレート博覧会2022」が紹介されています。
本アカウントの参考にしたいポイントとしては、
- ハッシュタグでUGC(=一般ユーザーによって作られた投稿)を促し、新規客への認知獲得~集客を狙っている
- インフルエンサーとして活躍するテナントスタッフを巻き込んだプロモーションを行なっている
などが挙げられます。
投稿の中には「#阪急チョコ写真部 でつながろう!」とあり、ハッシュタグを用いることで、ユーザーをチョコレート販売のイベントに上手く巻き込もうとしています。
イベントでチョコレートを購入したユーザーによるUGCが増えれば、イベント情報が新規ユーザーの目に触れる機会が増え、おのずと集客や売り上げ拡大に繋げていくことが可能に。
また、「写真部」というワードの使い方もポイントになっており、
- 〇〇部
- チーム〇〇
というワードは、ユーザー同士の共感や仲間意識が生まれやすく、個人ではなく集団で参加して楽しめる印象を与えることができるので、ハッシュタグへの参加率向上に期待できます。
さらに興味深い事例として、上記の投稿では、百貨店内のアパレルブランドのスタッフでありながら、インフルエンサーとしても活躍する、あーこ(@hankyu_chubby)さんがプロモーションを実施。
上記の投稿のように、あーこさんがセレクトしたチョコレートを紹介することで、百貨店で普段はアパレル商品を購入しているユーザーを、催事イベントに促す効果が期待できますね。
アパレルブランドをはじめとする販売店舗の中には、顧客と親密な信頼関係を築くことで、インフルエンサーとして多くのユーザーから支持されているスタッフの方も多くいらっしゃいます。
本事例のように、店舗の垣根を越えて一丸となったプロモーションを行うことで、施設全体の活気や、店舗間での顧客循環による売上拡大を期待できるのです。
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日本橋高島屋S.C.本館 公式アカウント
画像:日本橋高島屋S.C.本館 公式アカウント(@takashimaya_nihombashi)|Instagram
アカウント:日本橋高島屋S.C.本館 公式アカウント(@takashimaya_nihombashi)|Instagram
フォロワー:約1.9万人(2022年2月現在)
次に紹介する百貨店が運営する公式Instagramアカウントは、「日本橋高島屋S.C.本館 公式アカウント」です。
日本橋高島屋S.C.本館は、日本を代表する大型百貨店の一つとして知られ、昭和8年の創業から現在に至るまで、商業・文化の拠点として多くの人々に利用されています。
「日本橋高島屋S.C.本館 公式アカウント」のInstagramアカウントでは、
- 百貨店で行われるイベント情報の発信
- おすすめ商品や店舗の紹介
などが投稿されています。
上記は、日本橋高島屋ジュエリーサロンとブライダルフェアを紹介する投稿です。
当投稿では、
- 取扱ブランドの一覧
- ブライダルフェアの特典と日時
など、ユーザーが百貨店に訪れる際に事前に知っておきたい情報がわかりやすくまとめられてますね。
また、「日本橋高島屋S.C.本館 公式アカウント」で参考にしたいポイントとして、Instagramストーリーズのアンケート機能を使って、ユーザーとコミュニケーションを取っているという点が挙げられます。
上記の投稿は、「あんぱんの日」にちなんで行われた、Instagramユーザー参加型で行われたアンケートです。
本投稿では、Instagramストーリーズ機能を活用し、「こし餡派」か「つぶあん派」かというアンケートを実施。
アンケートには、1000人を超えるユーザーが参加して盛り上がりました。
Instagramのアンケート機能は、ユーザーがワンクリックで投票できるため参加しやすく、企業からユーザーにコミュニケーションを試みるきっかけとして、非常に最適です。
また、「こし餡派」「つぶ餡派」それぞれを選んだユーザー向けに、おすすめのあんぱんを提案するなど、Instagramアンケートでユーザーの関心を集めた上で、店舗の商品の販売促進に繋げている点が素晴らしいですね。
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阪神百貨店【公式】
画像:阪神百貨店【公式】(@hanshin_dept)|Instagram
アカウント:阪神百貨店【公式】(@hanshin_dept)|Instagram
フォロワー:約2.4万人(2022年2月現在)
続いて紹介する百貨店が運営する公式Instagramアカウントは、「阪神百貨店【公式】」です。
阪神百貨店(阪神梅田本店)は、特にフードホールやレストランフロアが充実していることから「食の阪神」と呼ばれ、旅行客はもちろん、地域住民から親しまれる百貨店です。
本アカウントの参考にしたいポイントとしては、
- いちごアンバサダーという話題性のある企画を拡散し、企業ブランディングを高めている
- 「ナビゲーター」 と呼ばれる百貨店スタッフと、そのInstagramアカウントを紹介している
などが挙げられます。
阪神百貨店は、2019年よりいちごアンバサダーという企画を立ち上げ、熱意のある顧客をアンバサダーに抜擢して、
- いちごを主役とした商品開発やイベントの展開
- Instagramコンテンツの制作、拡散
などを行い、特にバレンタインシーズンの話題作りに力を入れています。
下記の投稿は、2022年の「阪神のいちごとチョコフェス」の予告動画の投稿です。
本動画はまさに苺づくしとった内容で、イベントのコンセプトがストレートに伝わる内容になっています。
また、アンバサダーの方たちが、商品の撮影で活躍している様子なども見受けられますね。
本投稿の「#いちごバレンタイン」や「#阪神のいちごとチョコフェス」というハッシュタグを見てみると、毎年バレンタインの時期に数多くの投稿が寄せられており、企画の定番化に成功していることがわかります。
ハッシュタグを用いたイベントが定番化されることで、
- 毎年同じ時期のイベント開催を待ち望むファンが生まれる
- 初めてイベントを知ったユーザーにも、#ハッシュタグを通して過去の様子を伝えることが出来る
など、長期的なメリットにも繋がりますね。
尚、アンバサダー(PR大使)は、Instagramで活躍する通常のインフルエンサーとは異なります。
一人で数多くのフォロワーに大きな影響力を与えることはできませんが、熱意のある顧客にアンバサダー(PR大使)として販促に協力してもらうことで、ユーザーの目線に合わせた訴求力の高いコンテンツ作りを期待することが可能になります。
上記の投稿のように、阪神百貨店では、各店舗のスタッフが「ナビゲーター」として紹介されています。
そして、写真からはナビゲーターそれぞれのInstagramアカウントがタグ付けされており、ナビゲーターのInstagramアカウントでは、詳しい商品の紹介などが投稿されています。
Instagramユーザーは、気になるお店のナビゲーター(スタッフ)のInstagramを事前に訪れることで、事前におすすめの商品がチェックできるほか、来店時にも気軽に声をかけやすくなりますよね。
スタッフがInstagramアカウントを運営することで、
- 専門性に長けた内容の濃い商品情報を届けられる
- ユーザーとの距離が縮まり、来店のしやすさやリピーター獲得に繋がる
など多くのメリットに期待できるため、採用している企業や店舗も増えてきています。
ぜひ本事例を参考に、スタッフによるInstagram運用の施策を導入してみてはいかがでしょうか。
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松坂屋名古屋店公式
画像:松坂屋名古屋店公式(@matsuzakayangy)|Instagram
アカウント:松坂屋名古屋店公式(@matsuzakayangy)|Instagram
フォロワー:約1.3万人(2022年2月現在)
続いて紹介する百貨店が運営する公式Instagramアカウントは、「松坂屋名古屋店公式」です。
松坂屋名古屋店は、名古屋駅最大の繁華街である栄に店舗を構える百貨店で、名古屋民のコミュニティの中心として親しまれています。
「松坂屋名古屋店」のInstagramアカウントでは、
- 季節に合わせた選りすぐりの商品
- 季節の催事などイベントの紹介
などが発信されています。
本アカウントのアイコンのキャラクターは、運営する大丸松坂屋百貨店の公式マスコットキャラクター「さくらパンダ」です。
上記の投稿では、「さくらパンダ」がサンタクロースに扮してよい子のみんなにプレゼントを届けにいく場面が紹介されています。
「まつぅ〜」という独特な語尾が愛らしく、なんだか微笑ましい投稿ですね。
企業のInstagramアカウント運営では、集客や商品のプロモーションを意識しすぎることで、ついつい情報過多になってしまうことがあります。
あえて商品紹介のない、何気ない日常の投稿などを挟み、アカウントのガス抜きを行うことで、
- ユーザーを飽きさせず、親しみを持ってもらえる
- メリハリのある投稿で、推しだしたい商品のプロモーションが引き立つ
- 広告臭の少ない企業アカウントだという印象を与える
といった効果が期待できます。
特に、今回の松坂屋名古屋店の事例ように、マスコットキャラクターがいる場合には、積極的に活用することで、企業アカウント特有の広告臭を和らげていきましょう。
また、本アカウントの重要なポイントとして、松坂屋名古屋店がインフルエンサーとタイアップしている事例があります。
上記の投稿は、大人気料理ブロガーかつインスタグラマーとしても活躍中のインフルエンサー、Mizuki(@mizuki_31cafe)さんとのタイアップ投稿です。
本投稿では、電子レンジを使わずに鍋で蒸して作る「ガトーショコラ」のレシピ紹介を通して、
- 松坂屋のオンラインショップで取り扱っている鍋
- MIZUKIさんのレシピ本
双方のプロモーションを行なっていることから、企業とインフルエンサー共にメリットがある、win-winの関係性が実現されている点がいいですね。
本投稿において参考にしたいポイントとしては、
- 常に配信画面にフリップで材料が提示されている
- 視聴者のコメントを拾って、積極的に丁寧に質問に答えている
- 実物のレシピ本や鍋が動画で紹介されている
点が挙げられます。
インフルエンサーとコラボ配信を行う際には、ぜひ本記事の視聴者目線での配慮を感じる親切な投稿を参考にしてみましょう。
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東武百貨店 TOBU IKEBUKURO
画像:東武百貨店 TOBU IKEBUKURO(@tobu_ikebukuro)|Instagram
アカウント:東武百貨店 TOBU IKEBUKURO(@tobu_ikebukuro)|Instagram
フォロワー:約7400人(2022年2月現在)
最後に紹介する百貨店が運営する公式Instagramアカウントは、「東武百貨店 TOBU IKEBUKURO」です。
東武百貨店は、東武鉄道グループ傘下の百貨店。
今回ご紹介している東武百貨店池袋店は、国内最大級のデパ地下を有しており、学生から年配まで、幅広い年齢層の人たちに親しまれています。
「東武百貨店」のInstagramアカウントでは、催事で開かれる物産展の食材やスイーツなど、美味しそうなグルメ紹介が人気です。
上記の投稿では、催事場で行われる北海道物産展のおすすめ商品として、タラバ蟹を使った海鮮弁当が紹介されています。
インパクトのあるタラバ蟹の写真など、Instagramの特徴を活かした鮮やかなコンテンツを通して、ユーザーに当百貨店の魅力を最大限アピールしています。
また、本Instagramアカウントの参考にしたいポイントとして、Instagramキャンペーンの事例をご紹介いたします。
上記のInstagramキャンペーンは、チョコレートの催事イベントに合わせて行われました。
当キャンペーンの内容は、催事に参加するブランドの人気商品から「推しチョコ」を選んで投票することで、抽選で20名にチョコレートセットが当たるというものです。
ルールは非常にシンプルで、
- アカウントをフォロー
- 9つの人気ブランドチョコレートの投稿から一つに「いいね」して投票
と、ユーザーが簡単な条件でInstagramキャンペーンに参加できる点がいいですね。
また、キャンペーンの応募方法や応募規約が画像でまとめられているので、親切でわかりやすいキャンペーンになっています。
投票式のInstagramキャンペーンは、ユーザーが、投票先を選ぶ過程を通じて全ての商品を一通りチェックすることになるので、商品の魅力を漏れなく見てもらえることに繋がります。
ぜひ本事例を参考にして、Instagramキャンペーンの施策を検討してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
今回は、百貨店のInstagramアカウント運用について、優れているポイントを交えながら解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
百貨店のInstagramアカウントの運用を通じて、ユーザーが店舗に来店するよりも、もっと前の段階で、いかに他の企業と差別化を図り、消費者の関心を勝ち取れるか、ということが非常に重要であることがわかりましたね。
特に具体的なポイントとして挙げた、
- 多くのユーザーを巻き込んだキャンペーン
- 店舗スタッフアカウントの導入
- インフルエンサーの活用
などについて、事例の解説から理解を深めることができたのではないでしょうか。
ぜひ今後のInstagram運営の参考にしていただき、他の企業との差別化による集客、売上向上に繋げていきましょう。
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