SNSを何気なく利用している際、広告を目にする回数が年々増えているように感じる方も多いのではないでしょうか。
現在、SNSでは日々多くの投稿が更新されている中、同様にして様々な企業が広告を出稿しています。
しかし、中には繰り返し表示される類似した広告や興味の無い広告に対して飽き飽きしてしまう・嫌悪感を抱いてしまうといった経験のある方もいらっしゃるでしょう。
今回は、そんなSNS広告に対してユーザーはどんな意識を抱いているのか、また、ユーザーに好まれる広告とはいったいどんな広告なのかといった点を分析していきます!
SNS広告運用に力を入れたいというSNSご担当者様は、是非最後までご一読ください。
目次
SNS広告の特徴
現在、広告市場の中でもインターネット広告の成長率は年々増加しており、2021年にはインターネット広告費がマスコミ四媒体広告費(新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディアの媒体費と製作費の合算)を初めて上回るといった結果も出ています。
Web検索によるリスティング広告なども伸びを見せていますが、SNS上ではタイムラインやおすすめ欄に表示される広告投稿、動画の途中に挟まれる動画広告といったSNS広告が多く利用されています。
SNSではプロフィール登録を行うという手順があるため、広告を出稿する際にプロフィールに合った精度の高いアプローチを行えるといった特性があります。
住んでいる地域や年齢、性別に加え、興味がある内容といった詳細を設定して広告出稿を行えるため、幅広いジャンルにおいて企業が活用を行っています。
また、従来のチラシや雑誌広告に比べ、安価に広告をスタートすることができるのもSNS広告の魅力です。
一方、冒頭で先述したように、懸念されるのはSNS広告に対するユーザーからの反応です。
目的の投稿や動画の間に挟まれるSNS広告に対し、「飛ばすのが面倒くさい」「邪魔に感じる」という感情を抱いた経験のある方も少なくないのではないでしょうか。
では、実際ユーザーはSNS広告に対し、どのような意識を持っているのでしょうか。
SNS広告に対するユーザーの意識
SNS広告に関する調査結果
以下は2022年に企業のWebマーケティング担当者を対象として株式会社ニュートラルワークスによって行われたアンケート結果です。
引用:約6割が「内容によってはSNS広告をクリックしている」と回答。SNS広告に関するユーザー意識調査結果 | Neutrral Works
「普段の生活においてSNS広告を意識していますか?」という問いに対しては、全体の約6割の方が広告の存在を意識しながらSNSを利用しているとの調査結果が出ました。
年代別では、SNS広告を意識している割合は20代が最多の73.9%となり、SNSの利用が活発な若い世代ほど、通常の投稿と広告を区別して認識しているとの結果が出ています。
引用:約6割が「内容によってはSNS広告をクリックしている」と回答。SNS広告に関するユーザー意識調査結果 | Neutrral Works
一方、「あなたは普段の生活において、SNS広告をクリックしますか?」という質問に対しては、58%が「内容によってはSNS広告をクリックしている」と回答しました。
上記2つの調査結果から、ユーザーは広告であることを認識していながらも、自身にとって興味のある内容であれば半数以上の方がクリックをして情報を得ているということが分かりました。
引用:約6割が「内容によってはSNS広告をクリックしている」と回答。SNS広告に関するユーザー意識調査結果 | Neutrral Works
また、「SNS広告をクリックして商品購入・問い合わせをした経験がある」と答えた方に向けて行った「SNS広告から商品を購入・お問い合わせを行った動機を教えてください」という質問に対しては、「ちょうど欲しい・興味があったから(30.4%)」や「セールやキャンペーンが行われていたから(23.5%)」などといった、タイミングを理由とした回答が半数を占めました。
そのほかにも、「広告で表示された画像・動画の内容が魅力的だった(28.7%)」など、SNS広告において視覚的要素が重要視されていることが伺える結果となりました。
Instagram広告についての調査
Instagram マーケティング JPのTwitterでは、以下のようにInstagramの広告についての調査を報告しています。
調査によると、Instagramの動画視聴者の60%以上が動画再生中に表示される広告に対して「広告を楽しんでいる、気にしない」との意見を述べていることが分かりました。
Instagramでは、特定の情報を検索する目的で使用されることが多い検索エンジンと違い利用する際の娯楽感が強く、「好きなものに関連した情報を知りたい」という幅広いニーズがある傾向にあります。
上記のようなニーズに対しては、広告も一つの有益情報や楽しむコンテンツとして受け入れられやすい傾向があるのです。
SNSでは上記のように娯楽目的・情報を得るという2つの目的がバランスよくユーザーのニーズとして挙げられ、広告への受容性が高くなっていることが伺えます。
好まれるSNS広告を作るには
自身の興味のない分野に関する広告に対しては嫌悪感を感じるユーザーも多いですが、趣味嗜好に沿った広告であれば有益なコンテンツであると感じ、クリックや購入に至るケースも存在するということが分かりました。
ユーザーが欲しいと思う商品やサービスにまつわる情報をSNS広告で訴求することは、企業とユーザー双方にメリットがある行為です。
SNS広告のコンテンツ作りにおいては、CPA(顧客獲得単価)を下げることや、コンバージョン数をゴールに運用を行ってしまいがちですが、ターゲティングをしっかり行い、ユーザーがどんなコンテンツに魅力を感じるかといった分析を行うことが重要となります。
年齢や性別といった分かりやすいターゲティングに収まらず、想定するターゲットがどんな状態になってほしいのか、どんな行動をとってもらいたいかといった深い部分まで掘り下げ、ユーザーにとって役に立つコンテンツを作成することが重要となってくるでしょう。
また、FacebookやInstagramなどの主要なSNSは、広告が広告として分かりやすく表示されないよう、自然にタイムラインに表示されるような仕組み作りが行われています。
上記のような広告はタイムライン上に表示される広告は他のユーザーの投稿とほぼ同じように表示されるので、ユーザーが広告をクリックするまでの心理的負担を軽減する効果があります。
しかし、ユーザーが広告と分からずクリックし、「だまされた」と感じることが懸念されるため、広告であることを明示することも時に必要となるでしょう。
SNS広告の活用事例
Pinterestは、画像や動画を検索し、そこから生活のあらゆるシーンのアイデアを発見できる「ビジュアル探索型」のプラットフォームです。
他人の投稿、あるいは「いいね」や「シェア数」など他者の評価ではなく、主観的な視点でこれから実現したいアイデアを探すために活用することができます。
Pinterestでは、2022年6月より「Pinterestアド」の提供を日本でも開始しました。
Pinterest上に広告を掲載できる運用型広告が「Pinterest アド」です。
Pinterstの強みとして、自分の興味関心に関する情報に対して意欲的なユーザーが多いことや、ユーザーの好みを機械学習していく点、似た画像を認識するコンピュータービジョンによって適切な広告を表示できる精度の高さが挙げられます。
その結果、Pinterstアドでは、まだ購入先がいない検討初期の段階のユーザーであっても購入に繋がりやすいという傾向があることが伺えます。
広告メニューは主に「画像ピン」という静止画タイプのもの、複数の画像を含めた「コレクション」機能、ショッピングアド、ビデオフォーマットがあります。
Pinterest ではショッピング広告のソリューションにも力を入れており、中でも「Pinterestカタログ」というデータフィードを利用した「ショッピングアド」と最近導入された「アイデアアド(クリエイターとのタイアップコンテンツを広告配信できるフォーマット)」は特徴的な広告です。
画像・引用:新規率が2倍!広告をポジティブに届けられる「Pinterestアド」活用のヒント | MarkeZine
商品やサービスについて「知りたい」と感じているユーザーに向けて、的確な情報を訴求できるシステムを作成したことがPinterstアドの成功のカギであると言えます。
また、2020年にはコロナに関する誤った情報を排除、2021年にはダイエット広告をいち早く禁止し広告のポリシーを厳しく制限するといった、ユーザーが安心して利用できる取り組みを積極的に行っている点も、Pinterestユーザーから広告に対してのマイナスイメージを無くすことに作用していると言えるでしょう。
日本航空 | Instgram広告
日本最大の空港会社である日本航空(@japanairlines_jal)はラグビーの世界的イベントにあわせ、当時話題性の高かったラグビー日本代表を起用し、Instagramのストーリーズ広告で成功しました。
画像:@japanairlines_jal | Instagram
熱狂的ラグビーファン以外にも、ブームに乗ったライトなファン層も楽しめるよう、ラグビーのルールや情報を15秒の動画にまとめてInstagram広告を配信することで多くのユーザーに訴求しました。
ストーリーズ広告ではフルスクリーンで動画や画像が表示されるため、著名アスリートを起用し、一目で主役が分かるような動画を作成することでユーザーの興味関心を引く広告を作成しました。
また、作り込みすぎない遊び心を大事にし、見た人を楽しませる動画にしたというのも、動画の離脱率を下げるためのポイントです。
その結果1,000万人以上にリーチし、目標値と比較して26%の増加を達成、リーチ単価の改善率も目標に対し、13%の改善を果たしました。
話題性に沿った内容の採用・ユーザーが広告に興味を持つコンテンツ作りが成功の理由といえるでしょう。
まとめ
以上、SNS広告に対してユーザーはどんな意識を抱いているのか、また、ユーザーに好まれる広告とはいったいどんな広告なのかといった点を分析してきましたが、いかがでしたか。
SNS広告は、ユーザー・企業の両者にとってメリットの高いものであることが分かりました。
もちろん、ユーザに嫌悪されてしまうような広告にならないよう、正確なターゲティングを行うことや、興味を抱いてもらうためのコンテンツ作成を行うことが必要不可欠になります。
この記事を参考に、SNS広告を有効に活用していきましょう。
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