X(旧Twitter)は、ユーザー同士が相互にフォローし合っているアカウント(相互フォロー)の投稿が、より多く表示されるようにアルゴリズムをアップデートしたと発表しました。
自分がフォローした相手の投稿が優先的に表示されるのは、SNSとしてごく当たり前の基本機能のように思えます。しかし、驚くべきことにこの条件がこれまでのアルゴリズムのコードから抜け落ちていたため、今回改めて再導入される形となりました。
リプライ欄の「戦場化」を防ぐための改善
Xのプロダクト部門責任者であるニキータ・ビアー氏は、今回の変更について次のように説明しています。
「相互フォロー(フォローバックし合っている人たち)の投稿の表示回数を増やすための小規模な調整を行っています。実はこれまで、アルゴリズムからこのデータが抜け落ちており、リプライ欄に友人が表示されにくくなっていました。その結果、リプライ欄が見知らぬ人たちばかりの『戦場』のように感じられる状態になっていたのです。今回の修正により、ユーザーの要望も多かった『共通の興味・関心に基づくコミュニティ(クラスター)』がより形成しやすくなるはずです」
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「AIのおすすめ」至上主義がもたらしたSNSのジレンマ
本来、ユーザーが「この人の投稿を見たい」と意思表示をしてフォローしている以上、その人の投稿が優先的に表示されるのは、エンゲージメントを重視するプラットフォームにおいて最優先されるべき事項です。
しかし、ユーザーの行動データに基づいて構築される現代の「エンゲージメント・アルゴリズム」の時代においては、これが必ずしも当たり前ではなくなっています。プラットフォーム側は、「フォローしている人の投稿を確実に見せる」ためのパラメータを、わざわざコードとして組み込まなければならなくなっているのです。
これには一定の合理性もあります。実際のところ、ユーザーが「誰をフォローしているか」よりも、「実際にどんなコンテンツを見て、反応しているか」という行動データに基づいてAIがおすすめを表示する方が、SNS全体のエンゲージメントが高まるというデータが示されているからです。
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「見たいものが見られない」不満の解消へ
一方で、この「AIによる過度なレコメンド」は、長きにわたって多くのSNSアプリにおける課題(ペインポイント)でもありました。AIによるおすすめコンテンツばかりがあふれ返ることで、ユーザーが本来知りたいはずの友人や、自らフォローしたアカウントの最新情報が埋もれてしまい、「システムに見たいと伝えているはずの投稿が見逃される」という本末転倒な事態を引き起こしていたのです。
本来であれば「わざわざアップデートする必要のない当たり前の機能」をアップデートとして発表しなければならないのは、少し奇妙に感じるかもしれません。しかし、これは個人の明確な好みよりも「AIによるレコメンド」が中心となっている、現代のソーシャルメディアの現状を如実に表していると言えます。
少なくとも今後のXでは、見知らぬ人のおすすめ投稿に埋もれることなく、友人や親しいクリエイターとの交流がより快適なものへと変化していくことが期待できそうです。
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