
SNSが身近になった昨今では、SNS広告が主要なマーケティング手法として活用されるようになりました。
中でもInstagramの広告機能は、詳細なターゲティングと豊富なフォーマットが特徴であり、アパレル、コスメ、食品、旅行といった多様な商材に対して高い訴求効果を発揮します。
特に最近は、外国人観光客をターゲットにしたインバウンド集客や、実店舗を持たないD2CブランドのECサイト販促など、幅広いビジネスで活用されるようになりました。
しかし一方で、「インスタ広告を始めたいけどやり方がわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで本記事では、インスタ広告について、
- 概要やメリット
- 広告の掲載箇所や種類
- 広告の出し方や費用相場
- 成功させるためのポイント
などを徹底的に解説します。
インスタ広告の基礎知識や成功のポイントがわかる内容になっておりますので、ぜひ最後までご覧ください!
※本メディアの掲載事例は、弊社で取り扱っている事例以外にも他社様の事例もご紹介しております。詳細は各URLをご確認ください。
目次
インスタ広告とは?
インスタ広告(Instagram広告)とは、Instagram上の様々な場所に広告配信することができる広告機能のことを指します。
フィード(タイムライン)やストーリーズ、検索結果など、様々な場所からアプローチできるため拡散性が高く、一般投稿の間に違和感なく溶け込む点も特徴です。
また、同じMeta社のアプリ「Facebook」と連携可能であり、一括管理のもと広告配信できる使い勝手の良さや、ターゲティング精度の高さも大きな魅力になっています。
インスタ広告が注目される理由
インスタ広告が注目される主な理由には、次の3つが挙げられます。
- ユーザー数が多く規模成長が続く
- 市場の中心となる世代にリーチしやすい
- 他の施策と併用しやすい
1.ユーザー数が多く規模成長が続く

Instagramの全世界のユーザー数は20億人を突破※しています。(※2024年発表時点)
しかもこの数字は単にアプリに登録した人数ではなく、月間のアクティブユーザーを集計したものです。
同様に日本国内のアクティブユーザーも増加傾向を示しており、多くの人々にアプローチ可能なインスタ広告の有用性が高まってきています。
アクティブユーザー(AU)とは?:特定の期間内にサイトを訪れたりアプリを利用したユーザー数を表わす指標のこと。 |
2.市場の中心となる世代にリーチしやすい
出典:
- 2023年8月 総務省『人口推計-2023年(令和5年)8月報-』2023年9月現在(概算値)
- 2023年6月 総務省情報通信政策研究所『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 概要』
- Facebook(Instagram)広告マネージャー
日本国内のインスタユーザーを年代別に見ると、20代の利用率が最も高く、次いで30代、40代と続いています。これらの世代は、購買意欲が高く、市場への影響力が大きい世代です。
昨今では、従来の四大メディアを見るほとんどが高齢層となりつつありますが、インスタ広告であれば、次世代の中心となる層への広告効果が期待できます。
3.他の施策と併用しやすい
インスタ広告には、投稿済のコンテンツを広告として配信する機能が備わっており、他の施策と併用しやすい点が強みです。
- インフルエンサーとのタイアップ投稿を広告配信して話題性につなげる
- キャンペーン投稿を広告配信で拡散して参加者を増やす
といった応用的な使い方ができるため、SNSマーケティングを活用したい多くの企業がインスタ広告に注目しています。
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インスタ広告の最新事例
以下、2025年1月時点に配信されている様々な企業によるインスタ広告の事例です。
シャーメゾン(積水ハウス株式会社)
画僧:シャーメゾン(積水ハウス株式会社)のインスタ広告
インスタ広告では、ダイナミックな画像や動画を広告用クリエイティブに使用することが可能です。
特に映像素材を用いた広告では、ストーリー性のある動画広告で共感性の高いアプローチに期待できるでしょう。
レクサス(トヨタ自動車株式会社)
画像:レクサス(トヨタ自動車株式会社)のインスタ広告
CTAボタンは、広告目的に応じて様々なフレーズを設定することができます。
上記のレクサスの例のように、ブランド公式アカウントのフォローを促す広告配信も非常に効果的です。
SHEIN
画像:SHEINのインスタ広告
上記のSHEINの例のように、商品ラインナップをカタログのように表示して購入を促すことも可能です。
そのまま販売ページに遷移させることもできるため、購買意欲を逃さず購入に結び付けることに期待できます。
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インスタ広告のメリット
インスタ広告の概要や重要性を踏まえた上で、次は、インスタ広告のメリットについて解説します。
インスタ広告の機能や特徴が、実際にどのようなシーンで力を発揮するのかを具体的にみていきましょう。
精度の高いターゲティングができる
インスタ広告は、同じくMeta社が運営するFacebookと同じターゲティング機能を有している点が特徴です。
実名制の高いFacebookは、利用者の性別・職業・興味関心・コンテンツの視聴傾向といった膨大なデータを蓄積しており、インスタ広告においても非常に高いターゲティング性能を発揮します。
初心者でも広告配信の自動最適化機能によって成果を出しやすい利点があり、一方で「興味関心」「行動」といった詳細なカスタム設定により、自社の商材や目的に合わせた配信設定の最適化も可能です。
- 「興味関心」の例:エンターテイメント、スポーツ、買い物・ファッション、食品・飲料品 など
- 「行動」の例:よく旅行に行く人、近日予定のイベントに興味あり など
上記はほんの一例であり、インスタ広告には他にも詳細なターゲティング項目があるため、商材特有のコアなターゲット層にもリーチさせることができるでしょう。
少ない費用で広告配信できる
インスタ広告は、予算に合わせて広告配信できる点も大きなメリットです。
1日の最低予算は、キャンペーンの目的や通貨設定などによって変動しますが、例えば「1日500円」のような少額でも広告配信を始めることができます。
また、状況に応じて予算の変更、広告配信の中断やクリエイティブ画像の切り替えなどができるので、柔軟な広告運用が可能です。
なお、少ない費用で広告配信する場合は、配信エリアや年齢層などを小さく絞り、ピンポイントに広告効果を狙っていくことがポイントになります。
目的ごとに様々な種類の広告を配信できる
インスタ広告では、目的ごとに様々な種類の広告を配信することができます。
基本的な配信例としては、
- 動画広告で商品の機能やサービスの魅力をわかりやすく説明する
- カルーセル広告(複数枚の素材をスライド表示)でブランドストーリーを伝える
などがあり、一般投稿の合間に溶け込みつつも、ダイナミックなクリエイティブによる訴求が可能です。
また目的や施策によって、次のような活用方法も効果的です。
- 投稿に「商品タグ」をつけてファッションコーデに使われているアイテムの購入を促す(ショッピング広告)
- インフルエンサーのタイアップ投稿を広告配信して大きな売上や集客を獲得する(パートナーシップ広告)
集客、売上、認知拡大など、企業の幅広いニーズに応えられる点は、配信スタイルが豊富なインスタ広告の大きなメリットでしょう。
女性ユーザーやZ世代・ミレニアル世代にアプローチしやすい
「インスタ映え」の言葉に代表されるように、美しいクリエイティブを特徴として人気を博してきたInstagramは、記事冒頭のデータが示すように女性ユーザーが多い点が特徴です。
特に、主婦層やファミリー世帯の利用者が多いので、コスメやグルメ、ライフスタイル系の商材では、高い訴求力を発揮することに期待できるでしょう。
また同時に、Z世代やミレニアル世代にアプローチしやすい点もインスタ広告の強みです。
インスタのユーザー層は、20~30代がボリュームゾーンであり、
- 働き盛りで消費の中心である「ミレニアル世代」
- 最新情報に敏感でトレンド形成に影響力を持つ「Z世代」
に対してアプローチしやすいSNSといえます。
近年では、商品やサービスの口コミをインスタで検索する人が増えてきているので、検索結果に表示されるインスタ広告をきっかけとした認知、売上に期待することができるでしょう。
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インスタ広告の注意点
メリットが多いインスタ広告ですが、活用の際には、次のような注意点を十分に理解する必要があります。
効果が出るまでに時間がかかる場合がある
インスタに限らず広告は、配信してすぐに効果が出るとは限りません。
特に、新しい商品やサービス、認知度が低いブランドの場合、ユーザーに認知されて興味を持ってもらうまでに時間がかかることがあります。
例えば、広告配信を開始して最初の1週間は、クリック率やコンバージョン率が低い状態が続くことも珍しくありません。
短期間で結果を求めるのではなく、効果測定を踏まえてクリエイティブやターゲティングを改善しながら、中長期的な視点で運用していく根気も求められるでしょう。
炎上リスクがある
不適切な表現や誤解を招く表現を含む広告が配信されると、ユーザーからの批判や炎上につながる可能性があります。
具体的には、以下のような内容に気を付ける必要があるでしょう。
- 【差別的な表現】:特定の人種、性別、宗教、性的指向などを差別する、または排除するような表現。
- 【虚偽・誇大広告】:事実と異なる情報や、過度に誇張した表現で、商品・サービスを宣伝する広告。
- 【不快感を与える表現】:性的、暴力的、またはグロテスクな表現など、ユーザーに不快感を与える可能性のある広告。
- 【著作権・肖像権侵害】:他者の著作物や肖像を無断で使用した広告。
- 【ステルスマーケティング】:広告であることを隠して、商品・サービスを宣伝する行為。
これらは法律に抵触する内容も含んでおり、ブランドイメージや信頼の失墜、経営悪化につながりかねません。
炎上を防ぐためにも、広告クリエイティブ(画像、動画、テキスト)の段階で複数人チェックを徹底するなど、十分な対策を立てることが重要でしょう。
インスタ広告の掲載箇所
では、インスタ広告を配信すると、どこにどのように表示されるのでしょうか?
本項では、インスタ広告の掲載箇所について解説します。
フィード広告
画像:Facebook広告ガイドより
「フィード広告」は、ユーザーの投稿表示されるフィード(タイムライン)に掲載されます。
フィードは、アプリを開いたときに最初に表示される場所であるため、認知されやすい点が特徴です。
また、ユーザーが普段よく閲覧しているコンテンツのカテゴリーに基づき表示されるため、興味・関心を得やすい点がメリットになるでしょう。
ストーリーズ広告
「ストーリーズ広告」は、他のユーザーのストーリーズを閲覧している合間に掲載されます。
フォロー中のユーザーのストーリーズを見ているところに自然な形で挿入されるため、広告臭を押さえたアプローチが可能です。
インスタのストーリーズは、アプリを開いて必ずチェックする人が多い人気機能なので、CTAボタンのクリック数も高くなりやすい傾向があります。
発見タブ広告
画像:Facebook広告ガイドより
「発見タブ広告」は、発見タブ(虫眼鏡アイコン)に表示されるおすすめの投稿や、検索結果の中に掲載されます。
検索履歴や興味関心に基づいて表示されるため、商材と親和性の高いユーザーにリーチしやすい点が特徴です。
また、能動的に新しい情報を探しているユーザーにアプローチできることから、新規層に向けた商品・サービスの認知効果にも期待できます。
リール広告
画像:Facebook広告ガイドより
「リール広告」は、リール投稿専用のフィードの合間に挿入される動画広告です。
リール投稿専用のフィードは、ホーム画面下のリールアイコン(ムービーマーク)をタップすると表示することができ、おすすめ動画が次々と表示されます。
そこに、自然な形で広告動画を挿入することができることに加え、通常のリール投稿と同様に「いいね」「コメント」機能も有するため、広告臭の少ない広告アプローチが可能です。
また、映像を用いて視覚と聴覚に訴えかけることができるため、高い訴求効果に期待することができます。
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インスタ広告の種類
インスタ広告の掲載箇所について理解できたら、次はインスタ広告の種類を覚える必要があります。
インスタ広告には、さまざまな広告手法やフォーマットが用意されているので、商材に合わせて使い分けていきましょう。
画像広告・動画広告
画像:Facebook広告ガイドより
インスタ広告の中で最もポピュラーなのが、「画像広告」と「動画広告」です。
広告用の画像または動画素材を用意し、商材や目的に合ったCTAボタンでユーザーのアクションを促すことができます。
特に、動画広告は表示される際に自動再生される仕組みになっており、最初の数秒間を意識したクリエイティブづくりが広告効果を高めるポイントになるでしょう。
スライドショー広告
動画作成の手間やコストを押さえたい場合には、複数の画像を用いて「スライドショー広告」を配信する方法も選択肢になります。
スライドショー広告は、複数の画像をつなげて表示することができる広告形式です。音楽やテロップを加えることができるので、ユーザーの関心を効果的に集めることに期待できます。
カルーセル広告
画像:Facebook広告ガイドより
「カルーセル広告」は、複数の画像や動画をスワイプ表示させることができる広告形式です。
1つの広告配信で合計10枚までの画像、動画を表示することができ、それぞれに別のリンクを設定できる点が大きな特徴になっています。
商品ラインナップを横並びに提示して購入検討を促したり、商品ごとに異なる販売ページに遷移させたりすることができるので、ECサイトやオンラインサービスの宣伝などに効果的です。
コレクション広告
画像:Facebook広告ガイドより
「コレクション広告」は、商材をカタログ形式で宣伝することができる広告形式です。
メイン画像または動画の下に、登録した商品を縦スライドで表示することができ、ECサイトを閲覧しているかのようなレイアウトが特徴になっています。
横並びでダイナミックに商品を提示するカルーセル広告よりもコンパクトで見やすいため、細かいアイテムごとに販促したい場合に最適です。
なお、コレクション広告はフィードとストーリーズのみ配信されます。
ショッピング広告
「ショッピング広告」は、投稿画像内の宣伝したい商品に「商品タグ」を設定して任意の購入ページに促すことができる広告形式です。
上記のユニクロ公式(@uniqlo_jp)の例ように、気になる商品タグをタップすると、Web上の商品ページへのリンクが表示されます。
シームレスに購入ページへ遷移させることができるため、ユーザーの購買熱量を購入まで直結しやすい点が強みになっています。
また、ショップタグが登録されている他の商品や過去の閲覧履歴なども確認できるため、顧客に対する利便性にも非常に優れています。
アンケート広告
「アンケート広告」は、アンケートスタンプで2択の質問に投票してもらう広告形式であり、ストーリーズ広告で利用することができます。
ユーザーがちょっとしたゲーム感覚で楽しみながら回答できるため親しみやすく、好意的にブランド認知してもらいやすい点がメリットです。
売上や集客の向上よりも、企業・商品認知やイメージ構築、話題性の獲得を目的とする場合に効果を発揮します。
パートナーシップ広告
画像:ニュースルーム|Meta
「パートナーシップ広告」は、インフルエンサーの投稿を自社広告として配信することができる広告機能です。
認知度が高く、クリエイティブの質も高いインフルエンサーの投稿は、非常に高い訴求力を発揮するため、インスタ広告の中で最も大きな成果に期待できる広告といえます。
特に、インフルエンサーマーケティングとの併用が非常に効果的で、タイアップ投稿でPRしてもらった投稿を、さらにパートナーシップ広告として配信することで広範囲のユーザーに高い訴求力を発揮します。
インスタグラマーと企業の双方での設定も簡単ですので、インスタ広告の費用対効果を最大限に発揮したい場合に積極的に検討しましょう。
関連記事
Instagramのパートナーシップ広告とは?特徴や設定方法・手順をわかりやすく解説
インスタ広告を出す前の事前準備
インスタ広告の掲載箇所や種類について理解できたら、いよいよインスタ広告を出稿していきましょう。
まずは、インスタ広告を出すために必要な事前準備を確認します。
インスタ広告の事前準備リスト
インスタ広告の配信に必要な事前準備リストは、次の通りです。
- Facebookページ(Facebookアカウントが必要)
- Instagramアカウント(プロアカウント設定が必要)
- 広告配信用の画像・動画素材(過去の投稿を活用する場合は不要)
- 支払い用のクレジットカード、デビットカード、Paypal、銀行振込のいずれか
広告作成には、「Facebookページ」と「Instagramのアカウント」が必要になるので、先に準備しておきましょう。
参考リンク▼
Facebookページを作成する|Facebookヘルプセンター
※Instagramアカウントが無くても後述する「Meta広告マネージャ」や「Facebook広告センター」を使う方法でInstagramに広告出稿することができますが、運用効果や運用のしやすさを踏まえ、Instagramアカウントを作成するのがおすすめです。
「Facebookページ」と「Instagramのアカウント」を紐づけておく
「Facebookページ」と「Instagramのアカウント」が用意できたら、次の手順で紐づけておきましょう。
Facebookでの操作
- Facebookページ右上の「設定とプライバシー(歯車マーク)」を開く
- アクセス許可の項目内にある「リンクするアカウント」を選択
- 「Instagram」を選択し、アカウントをリンク(ログイン)したら完了です。
Instagramでの操作
- プロフィール右上の「設定とアクティブティ(三点リーダー)」を開く
- 「アカウントセンター」を選択
- コネクテッドエクスペリエンスの項目内にある「プロフィール間のシェア」を選択
- 「アカウントを追加」を選択
- 「Facebookアカウントを追加」を選択してログインしたら完了
FacebookページとInstagramアカウントを紐づけることで、「Meta広告マネージャ」や「Meta Business Suite」にて、それぞれの投稿内容や広告設定などを一括管理できるようになります。
インスタ広告の出し方
それでは実際に、インスタ広告の出し方を説明します。
インスタ広告を出す方法には、次の4つのやり方が挙げられます。
それぞれの特徴と配信手順を解説しますので、ご自身に合ったインスタ広告の出し方を参考にしてください。
(↑クリックして各項目にジャンプできます。)
Meta広告マネージャ
Meta広告マネージャは、InstagramやFacebookの広告全般を一括管理することができるMeta公式の広告ツールです。
ターゲティング設定や目的などを最も詳細に設定することができる配信方法であるため、広告運用経験者など、高度な設定を希望する場合に適しています。
また、「広告アカウント」を起点に設定していくため、Instagramアカウントがなくとも広告の配置先をInstagramにして配信することが可能です。
Meta広告マネージャでインスタ広告を配信する手順は、次の通りです。※Web版(PC)での操作となります。
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手動配置の中で、「Facebook」も選択すれば、両方に広告配信が可能です。
また、「Advantage+」を選択すると、Instagram上も含め、Meta関連サービスの様々な場所に最適化して広告を配置してくれます。
Meta広告マネージャでの広告配信は、自由度が高い分、初心者には複雑で難しい点がデメリットです。SNSや広告配信に慣れていない方は、この後ご紹介する別の方法からまずはお試しください。
Meta Business Suite
Meta Business Suiteは、FacebookとInstagramを一括管理することができるMetaの公式ツールです。
主に投稿やDM、コメントの管理など、アカウント運用で活用する方が多いですが、広告配信も可能になっています。
Meta Business Suiteでインスタ広告を配信する手順は、次の通りです。※Web版(PC)での操作となります。
※「Advantage+」を選択すると、Instagram上も含め、Meta関連サービスの様々な場所に最適化して広告を配置してくれます。 |
Meta Business Suiteでの広告配信では、広告マネージャほど細かいターゲティングはできませんが、簡単なオーディエンス(性別・年齢層・地域など)を設定することができます。
また、過去の投稿を広告として配信したい場合には、投稿の管理画面から広告作成に進むことができるので、やり方さえ覚えてしまえば非常に便利です。
設定項目も少ないため、広告配信に慣れていない方でも利用しやすい方法といえるでしょう。
Instagramアプリ
Instagramのアプリでは、投稿済みの投稿を宣伝する形で広告配信することができます。
広告マネージャのように詳細な設定はできませんが、広告用のクリエイティブを制作する必要がないため手軽に広告配信できる点がメリットです。
なお、この方法ではInstagramをプロアカウントに切り替えておく必要があります。
※プロアカウントの設定方法は以下の記事を参考にしてください。
関連記事
Instagramのビジネスアカウントとは?|設定方法・メリットを解説
Instagramアプリから広告を配信する手順は、次の通りです。
- 宣伝したい投稿を表示し「投稿の宣伝」を選択
- 「目標・オーディエンス・ターゲット・予算など」を設定
- 支払い方法と広告プレビューを確認して「資金を追加」を選択
- 差別禁止ポリシーを確認して「同意します」を選択
- 支払い金額・方法を設定して「支払って宣伝」で完了
アプリで完結するため、最も簡単に広告配信することができます。
- あらかじめ広告宣伝用の投稿を作成する
- 発信後に反応が良かった投稿を広告として活用する
といった形で活用するのがおすすめです。
Facebook広告センター
Facebook広告センターは、Facebookページを起点に広告を管理するためのツールです。
Facebookアプリから設定することができるので、利用経験があるユーザーであれば簡単に操作することができます。
Facebook広告センターから広告を配信する手順は、次の通りです。※アプリ版(モバイル)での操作となります。
- Facebookページのメニューから「広告センター」を選択
- 「新しい広告を作成」を選択
- 目標・オーディエンス・予算・配信期間などを設定
- 「配置」の設定項目で「Instagram」をチェック
- 支払い方法などすべて設定できたら「今すぐ宣伝」で完了
この方法ではインスタのアカウントがなくても、FacebookページがあればInstagram上に広告配信することができます。
詳細なターゲティング設定などはできませんが、Facebookページの運用に慣れている方であれば、Facebookアプリからインスタにも気軽に広告配信できる点がメリットになるでしょう。
インスタ広告の費用相場と課金形態
続いて、インスタ広告の費用相場や課金形態について解説します。
メリットの項でも触れましたが、インスタ広告は少ない予算(例:1日500円~)で出稿できる点がメリットであり、費用は予算に応じてコントロールすることが可能です。
また、インスタ広告には次の4つの課金形態があり、広告目的に応じて最適なものが選択されます。
課金形態 | 費用が発生するタイミング | 費用相場 |
CPM (インプレッション課金) |
広告が1,000回表示 される毎に課金 |
1,000回表示あたり 約500円から1,000円 |
CPC (クリック課金) |
広告がクリック される毎に課金 |
1クリックあたり 約40~100円 |
CPI (アプリインストール課金) |
アプリがインストールされる毎に課金 | 1インストールあたり 約100~150円 |
CPV (動画視聴課金) |
広告動画が1再生 される毎に課金(15秒の閲覧、15秒以内の動画であれば視聴完了) |
1再生あたり 約4~7円 |
以下、課金の仕組みや相場を解説しますので、広告設定や配信後の効果測定にぜひご活用ください。
CPM(インプレッション課金)
CPM(Cost Per Mille)は、広告が1,000回表示される毎に費用が発生する課金形態で、「インプレッション課金」とも呼ばれます。
1,000回表示あたりの費用相場は、およそ500円から1,000円となっており、500円を下回る場合はハイパフォーマンスといえるでしょう。
CPC(クリック課金)
CPC(Cost Per Click)は、広告がクリックされる毎に費用が発生する課金形態で、「クリック課金」とも呼ばれます。
広告が表示されただけでは課金が発生しないため、商品の購入ページやサービスの申込みページへの誘導に対し、費用対効果を高める効果があります。
1クリックあたりの費用相場は、およそ40~100円となっておりますが、リンク先の設定(プロフィールor外部サイト)や、単価(商品やサービスの料金)によって幅があるため、この範囲外になることもあるでしょう。
CPI (アプリインストール課金)
CPI(Cost Per Install)は、アプリがインストールされる毎に費用が発生する課金形態です。
広告がクリックされるだけでなく、アプリがインストールされてはじめて課金される点が特徴です。
1インストールあたりの費用相場は、およそ100~150円となっており、課金までのハードルがある分、他の課金形態よりも高めの費用相場になっています。
CPV(動画視聴課金)
CPV(Cost Per View)は、広告動画が1再生される毎に費用が発生する課金形態です。
1再生あたりの費用相場は、およそ4~7円となっており、15秒の閲覧(15秒以内の動画であれば視聴完了)でカウントされることから、広告動画を15秒以上で作成した方が良いという見方もあります。
以上がインスタ広告の4種類の課金形態ですが、目的に合わせて最適な課金形式が選択されるため、基本的にはデフォルトの設定で問題ありません。
重要なのは課金形態ではなく広告のパフォーマンスであるため、課金形態ごとの費用相場と比較しながら広告配信の改善、最適化を図りましょう。
関連記事
SNS広告を徹底比較!(YouTube,Facebook,Instagram,X) 特徴や課金・出稿手順まとめ
インスタ広告を成功させるためのポイント
インスタ広告の出し方や課金の仕組みについて理解できたら、より大きな成果を出すための工夫を取り入れてみましょう。
本項では、インスタ広告を成功させるためのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目的を明確に設定する
インスタ広告を成功させるためには、まずはじめに目標を明確に設定することが大切です。
目標を明確化するために、次のような点を意識して考えてみましょう。
- 「広告検討のきっかけは?」→新サービスの立ち上げ・看板商品の販促強化 など
- 「解決すべき現状の課題は?」→顧客層が狭い・サービスの利用方法が浸透していない など
- 「ユーザーに求めることは?」→商品をトライアルしてほしい・サービスの魅力に気づいてほしい など
インスタ広告を検討し始めたきっかけに立ち返ったり、現状の課題やユーザーに求めるアクションが明確になれば、次第にインスタ広告を活用する目標が見えてきます。
目標が明確に設定できたら、広告配信の最適な手段(動画広告でサービスを説明・パートナーシップ広告で認知獲得 など)を選択することができるでしょう。
適切なターゲティング設定
インスタ広告を成功させるためには、適切なターゲティング設定も非常に重要です。
ターゲティング精度の高さはインスタ広告の強みであるため、どこに住むどんな人にどんなアクションを促したいのか?をオーディエンス設定に落とし込むことで、広告効果が大きく向上します。
またターゲティング設定では、予算との兼ね合いを考慮することも大切なポイントです。
少ない予算であれば、詳細なターゲティングでリーチ範囲を限定する必要がありますし、ターゲット範囲に対して予算が大きすぎても広告効果を持て余してしまいます。
予算と目的に対して過不足ない適切なターゲティング設定を施すことで、インスタ広告の費用対効果を最大化していきましょう。
インスタ映えするクリエイティブ
インスタ広告を成功させるためには、インスタ映えするクリエイティブを選ぶことも大切なポイントです。
Instagramは、SNS媒体の中でも特にビジュアルが重視されやすく、フィード一覧に並ぶおすすめ投稿にも質の高いクリエイティブが目立ちます。
チラシのように広告感が強かったり、古い印象を与えてしまうクリエイティブでは広告効果を発揮することが難しいので、流行を取り入れながら見た目が美しい広告用クリエイティブを目指していきましょう
インスタの主要ユーザー(若い・女性)への意識を忘れない
インスタ広告を活用する際に忘れてはいけないのが、インスタの主要ユーザー層である「若い女性」への意識です。
前述の「インスタ映えするクリエイティブ」と重なる部分がありますが、男性的な印象を持つクールでスタイリッシュな広告よりも、明るくて親しみやすい印象の広告素材の方がリーチを稼ぎやすい傾向があります。
また、インスタをよく利用する主婦層や若い女性ユーザーの共感を得られるかどうかも非常に大切な部分なので、ストーリー性のある構成や悩みの解決をテーマにした切り口でアプローチしていくことをお勧めします。
効果測定による改善を徹底する
インスタ広告の成功要因は、長期的なPDCAサイクルの中で見出されるケースが多いです。
- ターゲティングの微調整で狙った層へのリーチを図る
- ABテストで反応の良いクリエイティブ素材の傾向を探る
- 一定期間ごとに指標を分析して、広告疲れが見えたらすぐに差し替える
といった工程を繰り返す中で、広告効果を高めるノウハウやコツは蓄積されていきます。
インスタ広告のインサイトでは、広告効果を測るための重要指標を確認することができるので、定期的にチェックして分析・改善を繰り返していきましょう。
インスタ広告の効果測定でチェックすべき重要指標
さて、「インスタ広告を成功させるためのポイント」の中で、効果測定の重要性について触れましたが、チェックすべき重要指標にはどのようなものがあるのでしょうか?
本項では、広告マネージャを活用して確認できる代表的なデータ項目をご紹介します。
- 【リーチ】
指定期間内に広告を見たユーザーの数です。広告を表示した回数が表示されるインプレッションとは異なり、広告を見たユーザーの数だけが計算されます。 - 【レスポンス】
ユーザーが広告を閲覧してから24時間以内、もしくは28日以内にクリックやそれ以外のアクションを行った回数がグラフで表示されます。 - 【キャンペーンのリーチ】
キャンペーン全体の広告を閲覧したユーザーの数です。こちらもインプレッションとは異なり、広告の表示回数ではなく、広告を閲覧したユーザーの数のみが表示されます。 - 【頻度】
ユーザーが広告を見た平均回数です。 - 【クリック数】
広告のクリック数です。アプリのインストールや外部リンクへの誘導などが含まれます。 - 【CTR】
広告に対するクリック数を指定した期間で割り算した数です。指定期間での広告のクリック率が分かります。 - 【入札価格】
ワンクリック(CPC)と1000インプレッション(CPM)あたりの広告の最大掲載料金を変更することができます。
さまざまな数字が確認できるため、どの値を確認すればよいか迷う場合は、自社の「広告出稿の目的」に立ち返ることが重要です。
もし広告出稿の目的が「認知拡大」である場合、重要視すべき指標は「リーチ」や「インプレッション」であり、クリック率やクリック単価(CTR)の優先度は下げるべきでしょう。
逆に、アプリのインストールを目的とする場合は「CPI(アプリインストール単価)」を重要指標に設定するべきです。
すべての数字を追うのではなく、あくまでも目的の達成のために重要な指標を見極めて注目していきましょう。
インスタ広告に関するよくある質問(FAQ)
最後に、インスタ広告に関するよくある質問(FAQ)をまとめさせていただきました。
インスタ広告を活用する際のヒントとしてお役立てください。
Q.「目的」と「CTA」は何を選択すれば良い?
A.インスタ広告の「目的」と「CTA(Call To Action)」の設定は、最重要事項であり、慎重に選択する必要があります。
以下、詳しく解説します。
まず、インスタ広告の「目的」では、広告を配信することによって実現したいことを選びます。
「目的」で選択できる主な項目は、次の通りです。
- ブランドの認知度アップ
- リーチ
- トラフィック(ウェブサイトへのクリック数またはアプリストアへのクリック数)
- アプリのインストール
- エンゲージメント(投稿のエンゲージメントのみ)
- 動画の再生
- コンバージョン(ウェブサイトでのコンバージョンまたはアプリ内コンバージョン)
- リード獲得
インスタ広告を配信するにあたり、商材の特徴や種類、解決したい課題などを踏まえて最適な目標を設定しましょう。
続いて「CTA」では、広告の閲覧者に対して促したい「ネクストアクション」を選ぶ必要があります。
インスタ広告で表示可能な主なCTAは、次の通りです。
- ボタンなし
- 音楽を聴く
- 申し込む
- 予約する
- お問い合わせ
- ダウンロード
- クーポンを入手
- 見積もり
- 上映時間を表示
- 詳しくはこちら
- 予約リクエスト
- メニューを見る
- 購入する
- 登録する
- フォローする
- 他の動画を見る
- メッセージを送信
- メニューを見る
- インストールする
- ゲームをプレイ
たとえば、CTAの「予約する」と「予約リクエスト」は似た表現ですが、ユーザーによって受け入れられやすさが変わってきます。
広告を閲覧したユーザーのアクションを決定づける大事な要素となりますので、ユーザーが受けるニュアンスも考慮しながら慎重に設定しましょう。
Q.インスタ広告もハッシュタグは重要か?
A.オリジナルハッシュタグも宣伝したい場合のみ有効
インスタ広告のハッシュタグは、基本的には必要ないものと考えます。
というのもインスタ広告のリーチはハッシュタグをきっかけに増えるものではなく、オーディエンス設定(ターゲティング)に基づいて拡散されるものです。
本来はCTAをタップさせたいところが、ハッシュタグ検索の方に顧客の興味が流れてしまう懸念もあるため、通常の広告であればハッシュタグ設定は不要でしょう。
しかし一方で、キャンペーンの拡散など、ハッシュタグ自体の認知度も高めたい場合には、オリジナルハッシュタグをあえて使う方法が有効となります。
Q.アカウントも同時に運用した方がいい?
A.アカウントも同時に運用した方がメリットを最大限に活かすことができる
「インスタ広告の出し方」の項で触れたように、Instagramアカウントを持たずにインスタ広告を配信することは可能です。
しかしこの場合、インスタ広告からプロフィールページに遷移できないため、広告効果のメリットを最大限に活かしきることができません。
インスタ広告では、任意のWebページへの遷移だけでなく、発信元のプロフィール閲覧をきっかけとした認知拡大・ファン化にも期待できるため、公式アカウント運用を併用した方がもれなく効果を引き出すことができるでしょう。
Q.予算が少ない場合は何から始めればいい?
A.過去のインスタ投稿を広告として身近なエリアに配信してみよう!
インスタ広告は、投稿をそのまま広告として配信できるため、広告用クリエイティブの作成コストを削減可能です。
また、ターゲット設定を狭めることで、少ない金額でも十分な広告効果が見込めます。
例として、「練馬区の自宅でネイルサロン」を運営している場合であれば、「練馬区・女性・25~35歳」のようにターゲットを絞り込めば、1日数百円~数千円からでも集客につなげることができるでしょう。
Q.インスタ広告の効果を最大化するおすすめの手法は?
A.インフルエンサーマーケティングを併用しよう!
インスタ広告の効果を最大化する最も有効な手法は、インフルエンサーマーケティングとパートナーシップ広告を併用する手法になります。
この手法の具体的な手順は、次の通りです。
- インフルエンサーによるタイアップ投稿で商材をPR(インフルエンサーマーケティング)
- PR用のタイアップ投稿を自社広告として再配信する(パートナーシップ広告)
二段構えの宣伝効果により、より幅広いユーザーに訴求力を発揮することが期待できます。
特に、インフルエンサーによる質の高いコンテンツを広告配信できる点がポイントになっており、自社制作では実現困難なインフルエンサー視点ならではの共感性と説得力に富んだプロモーションが可能です。
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まとめ
インスタ広告は、詳細なターゲティングと豊富なフォーマットを活用することで、高いマーケティング効果をもたらしてくれます。
初心者の方でも少額から始めることができるので、ぜひ本記事を参考にして、インスタ広告で自社の認知度向上や売上アップを目指しましょう。
さらに、インスタ広告の効果を最大化したい方は、インフルエンサーマーケティングとの併用もおすすめです。
ご興味のある方は、キャスティングから広告配信まで一括でサポートできる「Find Model」に、お気軽にご相談ください。
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