最近ショート動画や切り抜き動画が人気になっており、ますます多機能になってきたYouTube。
今回はYouTubeライブや動画内の見逃せない瞬間を5~60秒のハイライトとして共有できる「クリップ」機能について分かりやすく解説していきます。
YouTubeは動画共有SNSとして人気が出始め、初期の頃は2~3分程の動画が再生されやすい傾向にありました。
YouTuberの知名度が上がってきてからは動画時間は伸び始め2018年頃は10分以上の動画を作成するクリエイターがとても多かったのですが、2020年頃よりで視聴者が作成する「切り抜き動画」のポジションが確立されています。
「切り抜き動画」はほとんどが視聴者が作成しているので、クリエイターに収益が届かないことや肖像権が問題になっていましたが、今回のクリップ機能でそれらは解決に向かうのでしょうか?
クリップ機能について
クリップとは?
クリップとは、クリエイターが投稿する動画から視聴者が誰でも勝手に好きな場面を切り抜き動画化、共有できる機能です。
クリップ機能が追加されたことで、お気に入りのシーンを切り抜いて友達にシェアしたり、SNSで動画をPRしたい時など面白いシーンを切り抜いて宣伝用動画として活用することも可能になっています。
クリップの視聴者はクリップから簡単に元動画にアクセスすることができるため、既存のコンテンツに新たな視聴者を増やす施策として効果的です。
また、クリップの視聴回数、総再生時間、広告収益などは全て元動画に関連付けられています。
クリップの共有は、
- ソーシャル ネットワーク
- 埋め込み
- メール
- リンクをコピー
上記4つからシェア先を選択することが可能です。
視聴者にクリップを作成してほしくない場合は、YouTube Studioの設定「クリップ」の「コンテンツのクリップを視聴者に許可しない」にチェックを入れるだけで簡単に設定できます。
ゲーム配信で有名なアプリ「Twich」や「Openrec」などは既にクリップ機能がついており、長時間に及ぶライブ配信に対して有効な機能となっています。
ゲーム配信者は毎日、長時間に渡ってライブ配信する方が多いのですが、全てのライブ配信を追うのが難しい視聴者にとっては面白かった場面や、うまくいったプレイの時など、名場面だけを閲覧できます。
反対に配信者にとっては、長時間の中かから視聴者目線の名場面が既にクリップ化されているので、それらをSNSに投稿して新規ユーザー獲得を狙える両者にとってメリットのある機能です。
クリップと似て「切り抜き動画」や「ショート動画」がありますが、用途はさまざまです。
切り抜き動画
切り抜き動画とは、ライブ配信、動画かかわらず視聴者が切り抜きYouTube上に投稿する動画のことを言います。
一場面でだけでなく、シリーズから複数の場面を切り抜いたり、叫び声だけを切り抜いたりなど投稿する方によって作成方法はさまざまです。
切り抜き動画は、クリエイターが投稿もしくはライブ配信したコンテンツから視聴者が切り抜き、動画化し、新たにYouTubeに投稿することが一般的なので、クリエイターに収益が届かなかったり、肖像権が問題として上がっています。
クリエイターによっては、切り抜き動画を投稿している視聴者を「公認」したり、大手事務所のUUUMも先日二次創作ライセンス許諾プログラムについて発表し、切り抜きの動画投稿者についても無視できない状況になっています。
参考:UUUM専属クリエイターのYouTubeコンテンツに関する「二次創作ライセンス許諾プログラム」の取り組みに関するお知らせ|UUUM
そんな状況の中、申請があれば切り抜き動画を許可するクリエイターも見られるようになってきました。
YouTubeやニコニコ動画を中心に動画投稿を行っているメンタリストのDaiGoさんは、DaiGoさんの運営する心理学を解説する独自の動画アプリ「Dラボ」の会員のみに下記のような切り抜き動画チャンネル作成を許可しています。
画像:DaiGo学入門【メンタリストDaiGo切り抜き】|YouTube
Dラボ公式ホームページでは、下記のように切り抜き動画について詳しく説明した動画もアップロードされており、YouTuber本人が肖像権に関する対策をしっかりと行っている良い例も増えてきていることが分かりました。
画像:ホーム|Dラボ
切り抜き動画を制作したい場合には、そのチャンネルが切り抜きを許可しているかどうかをあらかじめ確認しましょう。
申請をすれば切り抜き動画が認可されるということであれば、クリエイターの提示する条件次第では収益化できる可能性も期待できます。
ショート動画
ショート動画とは、TikTokやInstagramのリールと同じ機能で、短尺の縦型動画です。
YouTube側はクリエイターが独自に作成したショート動画の投稿を望みますが、現状はTikTokからの転用も多いようです。
最大60秒の動画なので視聴回数を増やしやすく、新規視聴者の獲得にもつながりやすいでしょう。
視聴者側も、「どの動画を見ようかな?」と悩む前にスライドするだけで次々と流れてくるショート動画を見るため、動画やライブ配信よりも幅広いカテゴリーを視聴しやすくなっています。
現在では、人気クリエイターの動画を切り抜いてショート動画投稿を行っているチャンネルも数多く見られます。
下記画像は、実業家・著作家であり、日本最大級の匿名掲示板「5ちゃんねる(旧:2ちゃんねる)」開設者のひろゆきさんのライブ配信をショート動画に切り抜いた投稿です。
ひろゆきさんは1時間半~3時間程度の長時間ライブ配信をメインで行っているため、印象的なシーンだけをショート動画にする投稿が多く見られました。
画像:ひろゆきBLACK【ひろゆき切り抜き】|YouTube
上記の例のようにショート動画を活用すれば、長時間の動画の良い部分だけを切り取り、多くの人にシェアすることも可能になるのです。
ただし、前述した切り抜き動画と同様に、肖像権・著作権の問題をクリアしている必要がありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
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クリップの作り方
ここからはYouTube投稿からクリップを作成する手順を画像を用いて分かりやすく解説していきます。
1.YouTube にログイン
YouTubeへアクセスしたら、画面右上の「ログイン」を選択し、YouTubeアカウントにログインをします。
クリップを作成するには、YouTubeにログインしている必要があります。
「ログイン」を選択すると、以下の画面に遷移します。
すでにアカウントをお持ちの方はメールアドレス、次のページでパスワードを入力しログインしてください。
アカウントをお持ちでない方は、画像矢印先の「アカウントを作成」からYouTubeアカウントを作成しましょう。
2.好きな動画を再生
好きな動画を再生したら、動画タイトル下の「クリップ」 を選択します。
クリエイター側がクリップを利用できない設定にしている場合には、クリップアイコンは表示されません。
3.クリップの作成ボックスから動画のセクションを選択
クリップアイコンを押下すると、画面右側にクリップ作成ボックスが表示されます。
青いスライダーをドラッグすると、選択範囲の時間を5~60秒の間で長くしたり短くしたりできます。
切り抜きたい範囲が決まったら、140文字以内で説明を追加しましょう。
4.クリップを共有
選択範囲と説明欄の記入ができたら、画像矢印先の「クリップを共有」を選択します。
次に、クリップの共有に関するオプションを選択します。
共有オプションは、
- 他のSNS:
Facebook、TwitterなどのSNSアイコンを選択すると、表示されるウィンドウで動画を共有することができます。
- 埋め込み:
「埋め込む」を選択すると、動画をウェブサイトに埋め込むためのコードが生成されます。
- メール:
「Email」を選択すると、パソコンでデフォルトに設定されているメールソフトウェアからメールを送信できます。
- リンクをコピー:
「コピー」をクリックすると動画へのリンクがコピーされ、任意の場所にリンクを貼り付けることができます。
以上でクリップの共有は完了です。
クリップの今後
クリップ動画は現状、作成し共有までしか行えません。クリエイターは自身や視聴者がクリップしたものをTwitter等に投稿して、動画の再生を促したり新規視聴者を獲得するひとつの手段として活用できるでしょう。
クリップ動画が増えてくると、「クリップ動画まとめ」なる動画が作成され「切り抜き動画」の役目を担う可能性もあります。
そして、クリエイターのYouTubeチャンネルページにも関連するクリップ動画がまとめられるような機能がつけば、視聴者はもっと簡単に気になるクリエイターのクリップを視聴できるようになり、今までは新規視聴者は動画を再生するしかなかったのに対し、クリップやショート動画で気軽に遊びにいけるようになります。
クリエイターは視聴者の初動が今までと異なっていくことを気にしなければいけないのかもしれません。
まとめ
YouTubeのクリップ機能は2021年のはじめ頃から徐々にテストされてきましたが、2022年から本格導入が始まりました。
クリップ機能はクリエイターだけでなく視聴者の視聴スタイルも大きく変える可能性があり、YouTubeがまたひとつ動画SNSで飛び抜けるかもしれません。
今後、新しいクリエイター発掘はショート動画やクリップ動画がメインになってくると考えると、クリエイターは手をつけたいところですが、日々の動画制作でなかなか網羅できない方もいるでしょう。
しかし、今回のクリップは視聴者さんが作成できるので、新しいコミュニティ作りにも繋がりますね。
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