近年企業のマーケティング戦略として欠かせないツールとなったSNS。
今回は、これからSNS企業アカウント運用を行っていきたいけれど、何から始めていいか分からないという企業のSNS担当者・マーケターの方向けに、SNS企業アカウントを開設するメリットや開設方法、アカウント運用で気をつけたいポイントなどを併せて解説していきます。
目次
SNS企業アカウントとは?
企業アカウントとは、企業が主に自社の商品・サービスのPRをするアカウントのことです。
SNSマーケティング施策が主流となった現在では、企業のイメージアップやブランディングとしても重要な要素となっています。
SNSの中でもInstagramでは、個人アカウントとビジネスアカウントが区別されており、ビジネスアカウントではエンゲージメントをより細かくチェックすることが可能です。
Twitterでは「Twitter Blue」という有料サブスクリプションサービスもあり、様々な機能によってより効果的にPRを行うことができます。
近年では「プロダクトマーケティング」の一環として商材ごとにアカウントを作成する事例も増加しています。
SNSごとにユーザーの特徴や投稿方法、注目されているインフルエンサー・トレンド、利用できる機能など異なる点も多いため、自社の目的に相応しいSNSを見極めて運用することが大切です。
企業アカウントを持っていれば、SNS上のインフルエンサーとタイアップし、訴求力のあるPRも実施しやすくなります。
また、パソコン・モバイル端末が普及し、ほとんどの人がそれらを日常的に使用している現代において、SNS企業アカウントによる広告出稿も非常に効果的です。
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SNS企業アカウントを運用するメリット
それでは、SNS企業アカウントを運用するメリットとはどんなものがあるのでしょうか?
ここからは、SNS企業アカウントを運用するメリットを3つご紹介していきます。
企業や商品・サービスのブランディングができる
まずご紹介するメリットの1つ目は「企業や商品・サービスのブランディングができる」という点です。
SNS企業アカウントでは、投稿やクリエイティブから企業のイメージをアピールすることができます。
例えば、高級な印象を与えたい場合には洗練された画像・動画などを使用した統一感のあるクリエイティブを投稿したり、親しみやすい印象を持たせたい場合にはユーザーと積極的にコミュニケーションを取るなど、自社の方針に沿った運用スタイルを取ることが可能です。
ユーザーと気軽にコミュニケーションが図れる
SNSの大きな特徴として「ユーザーと気軽にコミュニケーションが図れる」という点が挙げられます。
SNSでは、コメント・いいね・シェアなど一般ユーザーと気軽にコミュニケーションを取る方法が数多く存在します。
例えば、Instagramでは、下記投稿のように質問を投げかけてコメントでユーザーからの意見を集めたり、
下記のように24時間で消える投稿「ストーリーズ」からアンケート回答やコメント、リアクションを集めることも可能です。
画像:eyefulhome_official|Instagram
ユーザーと積極的にコミュニケーションを取ることで親和性が高まり、顧客・フォロワーのファン化に繋げたり、見込み顧客の購買意欲を高めることもできるでしょう。
SNSの情報から商品・サービスを購入する方が多い
インフルエンサーマーケティング事業を運営しているFind Modelが、2022年10月7〜11日にかけて、自社インフルエンサーネットワークに登録しているインスタグラマー(Instagramフォロワー1万人以上)432名を対象に実施した「【2022年 秋】インフルエンサー実態調査」では、42.1%のインスタグラマーが「表示される広告からアカウントをフォローしたことがある」と回答されました。
さらに「広告で見た商品やサービスを購入した経験はありますか?」という質問に対しては、インスタグラマーの38.9%が広告から商品やサービスを購入したことがあると回答されました。
本アンケートの結果から分かるように、広告表示される企業アカウントが、ユーザーにとって興味のあるジャンルの企業アカウントである場合、気軽にフォロー、商品・サービス購入される傾向にあるようです。
SNSユーザー数が急増していく中、SNSから商品・サービスを認知するというケースがほとんどになっています。
そのため、SNS企業アカウントを運用することで、ブランドの認知度アップ・新規フォロワーの獲得などに繋げることが出来るのです。
SNS企業アカウントの開設時に考えることは?
企業がSNSアカウントを開設する際に、考えるべきことは何なのでしょうか?
それでは、アカウント開設に際して確認するべきポイントを1つずつご紹介していきます。
企業アカウントを開設するSNSを決定する
日本で多くのユーザー数を保持しているSNSとしては、Twitter・Instagram・YouTube・LINE・TikTokなどが挙げられます。
各SNSでメインの年齢層・性別などユーザーの傾向が異なりますので、商品・サービスやターゲット層に見合ったSNSを選びましょう。
各SNSの特徴はこちらの記事にまとめてありますので、ぜひ参考にされてみてください。
また、各SNSの文化を把握しておくことも大切です。
例えば、InstagramやTwitterではいいねやリツイート、シェアなどを通じて浅く広く繋がります。
それに対してLINEでは、1対1のコミュニケーションがメインとなっており、より親密で閉鎖的な情報発信ができることが特徴です。
各SNSの利用傾向、利用意向を確認し、より効果的なSNSマーケティングに取り組んでいきましょう。
複数のSNS企業アカウントを作成する場合、優先順位や役割分担を明確にする
SNS企業アカウントは、必ずしも1つに絞らなければいけないわけではありません。
前述したように、SNSごとに傾向やリーチしやすいターゲット層も異なるため、必要に応じて複数のSNSでアカウントを作成することも検討することも大切です。
ただし、他の業務と並行してSNS運用を行っているという企業担当者の方も多いため、SNS運用に割く労力には限りがある場合もあるでしょう。
そこで、複数のSNSアカウントを開設する場合には、どのSNSに力を入れるかの優先順位や役割分担を決めておくことがおすすめです。
SNS間の連携を上手く行うことで、ユーザーにとっても分かりやすく利便性の高いアカウントとして好印象を与えることができます。
アカウント運用者のキャラクターを設定する
SNS企業アカウントを更新する人は「中の人」と呼ばれることがあります。
「中の人」が、ユーザーにとって親近感の湧くキャラクターである場合、興味を惹きつけやすくなったり、エンゲージメントを獲得しやすくなるといった効果があります。
企業のマスコットキャラクターがある場合には、下記のようにマスコットキャラクターのアカウント風の投稿を行ったり、SNS運用担当者が更新していることを明かした上で投稿するという方法もあります。
また、マスコットキャラクターのアカウント風に投稿する場合でも、キャラクターが話している風にするのか、丁寧な口調にするのかといった方向性を決めておくと、複数の担当者が兼任する場合でもぶれないアカウント運用ができます。
投稿プランを立てる
新規フォロワー獲得やフォロワー離れを防ぐためには、継続的な更新が重要となってきます。
しかし、「投稿のネタが尽きてしまった」「何を投稿していいか分からない」という担当者の方も少なくありません。
そこで、あらかじめ投稿プランを立て、クリエイティブもいくつか作成しておくことがおすすめの方法です。
SNSアカウント運用で結果を出すためには、長期的な視点でアカウントを成長させていく必要があります。
単発のキャンペーンやタイアップ、始めてから数か月しか経っていない段階で効果がないと決めつけてしまうのは時期尚早です。
投稿ネタにお困りの方は下記の記事もぜひ参考されてみてください。
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SNS企業アカウントの作成方法
それでは、SNS企業アカウントの作成方法についての手順を詳しく解説していきます。
参考にできそうな人気アカウントを検索する
まずは、競合他社や人気の企業アカウントを検索してみましょう。
- 投稿内容
- ユーザーとのコミュニケーションスタイル
- キャンペーン・タイアップなどの頻度
- アカウントの世界観
- クリエイティブのクオリティー
- SNS上の機能の活用方法
などをチェックし、具体的にどんなアカウントにしたいのかイメージを膨らませながら、参考になる部分は取り入れていきましょう。
SNS企業アカウントの運用目的を決定する
次に、SNS企業アカウントの運用目的を決定します。アカウント運用を通して実現したいKPIを決めておくと良いでしょう。
- 自社商品・サービスの認知度アップ
- ブランドイメージの向上
- 自社ウェブサイトへのアクセス数アップ
KPIが決まれば、投稿内容やアカウントの世界観、ユーザーとのコミュニケーションスタイルなどを具体的に決めることができます。
運用プランを決める
直近1〜3ヶ月の大まかな運用プランを決めましょう。
具体的には、
- 更新頻度
- 運用体制(何人で担当するか、分担はどうするか等)
などについての大枠を決めておくとスムーズに始めることができます。
SNSに不慣れという方も少なくないため、どんな担当者でも始めやすいように最初は詳細を決めすぎず、運用を進めていくうえで改善点や詳細の運用スタイルを決めていくことをおすすめします。
アカウントの初期設定を行う
運用したいSNSが決まったら、企業アカウントの作成を行います。
どのSNSでもアカウント開設や初期設定は簡単にできますので、設定に必要な項目を用意しておきましょう。
事前に用意しておく必要のある項目は以下の通りです。
メールアドレス・パスワード
どのSNSでも基本的にメールアドレスとパスワードが必須項目です。
アカウント開設の際に確認メールが届くことがありますので、メールの拒否設定などをしている場合は設定を変更しておきましょう。
パスワードは予想しづらいものに設定し、不正アクセスのリスクを回避します。
ユーザー名
画像:ロート製薬【公式】 (@rohtotiktok) オフィシャル| TikTok
ユーザー名は、「@」から始まる英数字の名前です。後から変更することも可能ですが、検索しやすいように自社アカウントであることが分かりやすいユーザー名に設定しましょう。
使用できる英数字数、記号などはSNSによって異なりますので、あらかじめ確認しておきましょう。
表示名
画像:ロート製薬【公式】 (@rohtotiktok) オフィシャル| TikTok
SNS上でここもユーザーの目につく部分ですので、すぐに企業だというのがわかるものを利用しましょう。
上記のように、企業アカウントの場合は企業名に設定するのがおすすめです。
プロフィールを設定する
企業のTwitterアカウントでは、プロフィールの設定がとても重要です。ひと目でどんな企業のアカウントかが分かるように、プロフィールの欄は充実させておきましょう。プロフィールが明快でない場合、ユーザーが興味を持ってフォローする可能性も少なくなります。
プロフィール欄は入力できることが限られているため、自社のウェブサイトURLは必ず載せましょう。興味を持ってくれたユーザーがいた場合、ウェブサイトへアクセスしてくれるようになります。
紹介文
紹介文は、基本的にユーザー名、表示名の下に表示される説明欄のことです。文字数制限がある場合もありますので、自社について簡潔で分かりやすい文章を載せましょう。
また、割引やキャンペーンなどを実施している際には紹介文に記載しておくと、新規フォロワー獲得に繋がる可能性も高まります。
アイコン
アイコンは、プロフィール画面に表示される画像アイコンです。
ユーザーの目に留まりやすい部分ですので、企業ロゴや企業のマスコットキャラクターなど分かりやすいものに設定するのがおすすめです。
ヘッダー画像
ヘッダー画像は、プロフィール画面の最上部に出てくる横長の画像のことです。
アイコンよりも画像サイズが大きく設定できます。
ヘッダー画像にはキャンペーンやPRしたい商材など、最も推し出したい事柄を設定するとユーザーへの訴求力が高まります。
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投稿をする
以上までのアカウント設定が完了したら、初めての投稿をします。
最初はフォロワーがいない状態なので、ユーザーの投稿にいいねや引用リツイートなどでリアクションするなどして、積極的にコミュニケーションを取っていくのも良いでしょう。
「#(ハッシュタグ)」を使って関連するキーワードをつけておくと、検索に引っ掛かりやすくなったり、話題となればトレンド入りできる可能性もあります。ハッシュタグのようなSNS上の機能を活用して多くのユーザーにリーチできる工夫をしていくことをおすすめします。
アナリティクスで分析する
SNSではアナリティクスという分析ツールが使用できることがあります。
アナリティクスは、有料サブスクリプションサービスやビジネスアカウントに切り替えないと利用できない場合もありますので、以下の記事を参考にされてみてください。
インスタグラムアナリティクス機能を利用してKPIを設計する方法
【Twitter】Proアカウントの特徴や条件、切り替え方法を解説
アナリティクスから、フォロワーの反応や関心、どんな投稿がエンゲージメントを獲得しやすいのかを分析し、ユーザーに喜んでもらえる投稿を継続しながらファンを増やしていきましょう。
SNS企業アカウント運用の注意点
ここからは、SNS企業アカウントを運用していく上で注意するべきポイントをご紹介していきます。
炎上リスクを回避する
SNSでは、政治や宗教、マイノリティなどの偏見や誹謗中傷と取れるような内容の投稿をしてしまった場合「炎上」してしまうリスクがあります。
炎上してしまうと、上記に該当する投稿もしくは企業に対して謝罪や訂正を求められたり、最悪の場合アカウント停止や何らかの訴訟を起こされてしまう可能性もありますので、投稿内容に不安がある場合には何人かで見直し・確認をしてから投稿をするように心掛けましょう。
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SNSの「炎上」って何?リスクをしっかり捉えて未然に防ぐ方法と対処法を解説
アカウントを間違えないようにする
SNSによっては、ダブルタップなどで簡単に他のアカウントに切り替えることができるものもあります。
プライベートのアカウントと間違って企業アカウントから投稿してしまわないように注意しましょう。
投稿を行う端末を使い分けたり、投稿する前にアカウントを確認する習慣を付けるなどして、リスクを未然に防ぐことが大切です。
ステルスマーケティングにならないように注意する
投稿でインフルエンサーとタイアップする場合、タイアップ案件であることを明記していない投稿は、消費者に対して広告であることを隠蔽して行う広告活動「ステルスマーケティング」であると見なされてしまうリスクがあります。
インフルエンサーとタイアップする際には、上記の点について事前に確認しておきましょう。
【ステマ対策】TwitterのPR投稿で知っておきたい表記ルールと注意点
まとめ
今回は、SNS企業アカウントを開設するメリットや開設方法、アカウント運用で気をつけたいポイントなどを併せて解説していきましたが、いかがでしたでしょうか?
今やマーケティング戦略として欠かせないツールであるSNS。SNS運用は継続的に行っていくことで訴求力のあるアカウントに育てることができます。
注意点やSNSの機能を理解した上でユーザーが興味の湧くような投稿・クリエイティブ作りを模索していきましょう。
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