みなさんは「スナチャ」をご存知でしょうか?
数多くのSNSサービスが凌ぎを削る中、特に欧米のZ世代を中心とした層から絶大的な人気を誇るのが、本記事で解説する「Snapchat(スナップチャット)」です。
日本の若い世代においては、「ARフィルター機能で、写真や動画に様々なエフェクトを加えて楽しむカメラアプリ」として次第に認知が広まっていますが、大人の方の多くは「スナチャという言葉は聞いたことがあるけど使ったことはない」というのが現状ではないでしょうか。
しかしながら、世界におけるSnapchat(スナップチャット)の人気ぶりは凄まじく、2022年4月に発表されたIRイベント「Snap Partner Summit 2022」によると、月間利用者数は6億人に達しています。
InstagramやTikTokなど、現在では定番となりつつある他のSNSがそうであったように、海外で流行ったSNSが日本でも大きなプラットフォームとして浸透していくケースは多いので、本記事を通してSnapchat(スナップチャット)の人気の理由や特徴・機能を予め把握しておきましょう。
目次
Snapchat(スナップチャット)とは
画像:Snapchat
Snapchat(スナップチャット)とは、“スナップ”と呼ばれる写真や動画を、
- 登録した友達やグループ(チャット)
- 位置情報に紐づけたマップ(地域)
に共有することができるSNSアプリです。
投稿する写真や動画は、“Lens(レンズ)”と呼ばれるARフィルター機能によって、様々な加工を施すことができます。
また、大きな特徴として、閲覧してから一定時間が経つと、投稿した写真・動画・メッセージが消えるという点が挙げられます。
消えるまでの時間や設定については機能ごとに異なります。(次項で詳しく解説していきます。)
尚、“消える”という特性からブランドロゴには「ゴースト(幽霊)」のシルエットが用いられており、やはりSnapchat(スナップチャット)独自の特徴として、ブランディングのポイントにされていることがわかります。
Snapchat(スナップチャット)の特徴的な機能
Snapchat(スナップチャット)でできることとして、主に以下の機能が挙げられます。
- チャット
- ストーリー
- Snapマップ
- Spotlight
- フィルター追加
- レンズ加工
チャット
チャットでは、友達に登録したユーザーとチャット上で、スナップやメッセージでのやりとりを行うことができます。
また、友達同士でグループチャットを作成することができ、最大で15名までビデオチャットを利用することも可能です。
そして、
スナップは、閲覧後1〜10秒の間で消え、その秒数を設定することができます。
メッセージは、閲覧後または閲覧から24時間後に消え、どちらかに設定することができます。
ストーリー
ストーリーでは、登録した友人に向けて、スナップを公開することができます。
公開されたスナップは、投稿から24時間後に消えます。
本機能については、Instagramのストーリーズをイメージするとわかりやすいでしょう。
ストーリーの公開範囲は任意に設定することが可能になっています。
Snap Map
「Snap Map」は、位置情報と紐づけてスナップを公開する機能です。
投稿があるエリアは、マップ上にヒートマップにように色がついているので、タップすることで、その地域で撮影・投稿されたスナップを閲覧することができます。
自身が今いる場所のスナップが見られるのはもちろん、例えばお祭りなど、イベントが実施されている地域のスナップを見て楽しむことができます。
Spotlight
「Spotlight」は、現在注目されているおすすめ動画をピックアップして表示される機能です。
投稿可能な動画は、「縦型」「60秒以内」となっており、「TikTok」や「Instagramリール」に近い印象を受けます。
また、ハッシュタグ機能もある為、検索による流入や、コンテンツのグルーピングが可能になっており、発信力・拡散力を兼ね備えた機能になっています。
フィルター
Snapchat(スナップチャット)のフィルターを追加することで、写真や動画に様々なデザインの枠やテンプレートを装飾することができます。
上記のように、誕生日やバレンタインといったイベントをテーマにしたフィルターも多いので、記念写真を可愛く彩りたい場合にぴったりですね。
Lens(レンズ)
「Lens(レンズ)」は、AR技術を用いた、Snapchatの特徴的な写真・動画のエフェクト機能です。
スナップを作成する際に、3D効果、キャラクター化、動く背景など、様々な効果を用いることができ、「フェイスレンズ」と「ワールドレンズ」2つのタイプがあります。
フェイスレンズ
画像:Dancing Bunny レンズ(製作者:Snapchat)|Snapchat
フェイスレンズでは、被写体そのものにエフェクトを加えることで、キャラクターや赤ちゃんなど、様々なものに変身することができます。
ワールドレンズ
画像:Rock Hand レンズ(製作者:2020CV)|Snapchat
ワールドレンズでは、周りの背景を加工したり、3Dエフェクトを用いることで、非日常的な世界観を表現することができます。
Snapchat(スナップチャット)独自のレンズ作成用ソフトウェア、「Lens Studio(レンズスタジオ)」では、数多くのレンズクリエイターが活躍されており、レンズの種類は250万以上と公表されています。
優秀なクリエイターが活躍できる場を設けている点が、充実したコンテンツを生み出すことに繋がっていると言えるでしょう。
Snapchat(スナップチャット)が世界中のZ世代ユーザーに人気の理由
ここまでは、他のSNSとの比較を交えながら、Snapchat(スナップチャット)の特徴的な機能を解説しました。
本項では、上述した内容を元に、「Snapchat(スナップチャット)が世界中のZ世代ユーザーに人気の理由」について、考察していきます。
Snapchat(スナップチャット)のDAU(デイリーアクティブユーザー数)と若者の割合
まずは、Snapchat(スナップチャット)の世界における利用者データで特筆すべき点を抑えておきましょう。
2022年現在のSnapchat(スナップチャット)のDAU(デイリーアクティブユーザー数)では、平均して毎日3億4700万ものユーザーが利用していることがわかります。
この数値は、2022年7月にTwitterの決算プレスリリースで発表された2億3780万を凌ぐ数値になっており、いかに身近なSNSとして浸透しているかが窺えるでしょう。
また、ユーザー全体75%が 13~34 歳の若い世代であるという点も見逃せません。
特に、ユーザー数の下限が13歳〜となっている点にも注目で、まさにZ世代の求めるSNSツールとしての役割を充分に果たせていることが読み取れるでしょう。
そもそもSNSの利用者数の割合は若者が多く、いかにして若いユーザーに浸透するかという点がSNSの普及においては不可欠です。
ユーザー全体の75%が若い世代という現状を踏まえると、今後も現在のZ世代から更にはα世代へと、ユーザー数を伸ばしていくことに期待されます。
参照:2022年第2四半期|決算プレスリリース|Twitter
“消える”コンテンツの特殊性
Snapchat(スナップチャット)の特徴はなんといっても、「発信したコンテンツが消える」という特性を兼ね備えていることでしょう。
これまでの王道のSNS(Twitter・Instagram・Facebook・TikTok…など)では、
- いいね!の数
- シェアの数
- リツイートの数
など、良くも悪くも、人からの評価がオープンに開示される仕様になっています。
対してSnapchat(スナップチャット)は、投稿した写真や動画、あるいはメッセージが一定期間で消える為、他者の評価を気にせずに発信することができるSNSになっている点がポイントです。
インターネットが概ね普及しきった中に生まれたZ世代は、SNSでの情報発信が当たり前の環境の中で生活していることから、SNSアカウントの発言や評価が、例えば学校での立ち位置やコミュニティに大きく影響します。
いわゆる「裏垢」や「鍵付きアカウント」の存在からも、自分が安心してコミュニケーションを取ったり、情報のやり取りができる居場所に対しての需要を窺い知ることができました。
そこに登場したのが、Snapchat(スナップチャット)です。
従来の、オープンに評価され、発信した情報が残り続けるSNSではなく、フレンド登録した近しい友人や家族といった安心できる環境で習慣的なコミュニケーションに使える点が、Z世代のニーズにマッチし、現在の普及に繋がっていると言えるでしょう。
AR技術を採用したエフェクト機能「Lens(レンズ)」で楽しむ
Snapchat(スナップチャット)が誇る機能の1つに、AR技術を採用したエフェクト機能「Lens(レンズ)」が挙げられます。
従来のカメラで見られるフィルターとは異なり、AR技術を用いることで、
- 人物を変身させる
- 異世界のような背景や効果を立体的に表現する
など、非日常感を味わうことができる点が大きな魅力になっています。
昨今の若者の娯楽としてゲームに注目すると、FPS(一人称視点のシューティングゲーム)や、VRゲームなどの人気が高く、「没入感の高い体験」がポイントになっています。
自身がまさに、「ゲームの主人公になりきること」や、「立体的な異空間に身を置けること」といった特徴は、Snapchat(スナップチャット)のAR技術にも通ずるものがあり、非日常な体験に没入できることが、Z世代をはじめとする若い世代からの人気の一翼を担っていると言えるでしょう。
子どもが両親に自身の居場所をスナップで報告
Snapchat(スナップチャット)の実用的な活用方法として、スナップを使って子供の居場所や様子を家族に伝えることが挙げられます。
Snapchat(スナップチャット)では、位置情報に紐づけて写真や動画を送信することができる為、子供が自分の居場所を報告することに活用されています。
また、閲覧後はすぐに内容が消えることから、プライベートな内容が流出することを防ぐことにも期待でき、家族でグループチャットを利用しているユーザーが多くなっています。
幼い子供の安全のための利用という側面から、結果的にZ世代のアプリ利用率の高さに繋がっていることも窺えるでしょう。
参照:Liz Gannes “Fast-Growing Photo-Messaging App Snapchat Launches on Android”
Snapchat(スナップチャット)の最新のマーケティングツール
最後に、AR技術の強みを活かした最新のマーケティングツールをご紹介します。
AR試着サービス
画像:Inspiration|Business|Snapchat
Snapchat(スナップチャット)では、AR技術を用いた試着によるマーケティングを打ち出しています。
上記では、ユーザーが自分の手元をカメラに映すことで、ネイルのカラーコレクションを試せるようになっています。
自宅に居ながら商品を試着できるサービスは、特にECサイトなどの通信販売を主力とするブランドから需要がありそうです。
また、VRゴーグルなどは用いず、スマホのカメラ機能のみで使うことができる利便性も魅力になっています。
ショッピングレンズ
2022年に発表された新機能「ショッピングレンズ」では、前述したのAR試着に加えて新たに「カタログ機能」が備わりました。
横並びになった商品カタログをスワイプし、気になる商品ををタップすることで試着が可能です。
さらに、試着の画面上に商品名や価格が「カード」で表示されており、選択すると、商品の詳細が載った購入ページに進むことができます。
購入までの流れがスムーズな点と、より感覚的にショッピングを楽しめる点が魅力になっています。
まとめ
以上、「Snapchat(スナップチャット)とは?世界中のZ世代に人気の理由や特徴・機能を解説」はいかがでしたでしょうか?
「消えるコンテンツ」や「AR技術によるエフェクト機能」といった特殊性が如何にして、世界のZ世代をはじめとする若いユーザーの利用に繋がっているのか、理解を深められたのではないでしょうか。
特にネット技術の普及は、同時にネットでの発言や行動に対するルールを厳しくせざるを得ない側面も持っています。
SNSでの失敗に対してモラトリアムを失いつつある現代に生まれたZ世代にとって、
- 発信の評価を気にせずに
- 限定した相手と
- 記録に残らない情報
によってコミュニケーションを取れる点が、やはり大きな人気の理由となっているのでしょう。
今後、日本の若い世代の間でもブームを巻き起こすことができるのか、Snapchat(スナップチャット)の動向にも注目していきましょう。
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