WEB広告とはインターネット上の様々な場所に掲載される広告のこと。
年齢、性別、地域など柔軟なターゲティングができ、WEBサイトに掲載される画像バナー広告、検索エンジンの検索連動広告、SNSの投稿と投稿の間に自然に挿入されるSNS広告など配信面の種類やフォーマットが豊富な特徴があります。
スマートフォンやタブレットなどインターネットを利用できるモバイルデバイスが急速に普及した昨今、さらに新型コロナウィルスによるオンラインシフトも後押しし、WEB広告の注目度が高まっています。
では、今注目度が非常に高い「WEB広告」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
今回の記事ではWEB広告とはどのようなものなのか、
- WEB広告の市場規模、メリット・デメリット
- WEB広告のターゲット層
- WEB広告の主な課金方式
- WEB広告の種類とそれぞれの特徴
- 費用対効果を高めるポイント
の流れでわかりやすく解説してまいります。
本記事を読んでいただくことで、WEB広告とは何か、どのような種類があり使われ方をしているのかを学ぶことができますので、ぜひお役立てください。
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目次
WEB広告とは
まずはじめに、WEB広告の概要を簡単にご説明いたします。
WEB広告とは
WEB広告とはインターネット上の様々な場所に掲載される広告のことです。年齢、性別、地域など柔軟なターゲティングができ、WEBサイトに掲載される画像バナー広告、検索エンジンの検索連動広告、動画広告、SNSの投稿と投稿の間に自然に挿入されるSNS広告など配信面の種類やフォーマットが豊富な特徴があります。
テレビ、新聞、雑誌、ラジオなどマスメディア媒体に代わりインターネット上の媒体を利用したものがWEB広告であり、「インターネット広告」や「オンライン広告」とも呼ばれます。
WEB広告とマス広告の違い
WEB広告に対して、テレビやラジオ、新聞や雑誌上に掲載する広告をマスメディア広告、通称「マス広告」といいます。
WEB広告が登場する以前はマス広告が広告市場における中心でしたが、インターネットの利用が一般的になりスマートフォンを始めとしたモバイルデバイスが普及してからはWEB広告へと広告シェアがシフトしていきました。
WEB広告とマス広告の大きな違いとしては、広告をリーチさせることができる範囲やターゲティングのしやすさ、出稿にかかるコストなどが挙げられます。
WEB広告とマス広告にはそれぞれ異なるメリットとデメリットがある訳ですが、時代の移り変わりによって従来から利用されているマス広告ではニーズに応えられない点が増えており、結果としてより現在の状況に合った特徴を持つWEB広告の注目度が高まっています。
WEB広告(インターネット広告)の市場規模
こちらは株式会社 電通が2021年3月に発表した、日本のインターネット広告媒体費(WEB広告費)の予測データです。
日本のインターネット広告費は2兆2,290億円(前年比105.9%)となっており、継続的に市場規模は拡大しています。
画像:「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」|dentsu
インターネット広告費の内訳は
- インターネット広告媒体費
1兆7,567億円(前年比105.6%) - 物販系ECプラットフォーム広告費
1,321億円(前年比124.2%) - インターネット広告制作費(広告用画像や動画の制作費)
3,402億円(前年比101.4%)
となっています。
※「インターネット広告媒体費」には、マスコミ四媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)由来のデジタル広告費803億円(同112.3%)を含む。
※物販系ECプラットフォーム広告費は、Amazonや楽天などに出店する企業が同EC内に掲載する広告の費用。
また、日本の広告費の媒体別構成比は
- マスコミ4媒体広告費
36.6%(2兆2,536億円) - インターネット広告費
36.2%(2兆2,290億円) - プロモーションメディア広告費
27.2%(1兆6,768億円)
となっており、インターネット広告費は大手マスコミ4媒体の「マス広告」とほぼ同じほどの規模に成長しています。
新型コロナウィルスによるオンラインシフトも後押ししていることから、インターネット広告費の市場は今後も拡大していくことが予想されます。
参考
WEB広告を活用するメリット
市場規模の拡大からもわかるように、WEB広告は大きく注目されています。
では、WEB広告が注目されている背景にはどのような理由があるのでしょうか。WEB広告を活用する際のメリットについて解説いたします。
ターゲットを絞って広告を配信できる
WEB広告の最大のメリットとも言えるのがターゲットを絞って広告を配信できる点です。
年齢や性別、居住地域といった基本的なデータをはじめ、興味関心やインターネットの検索・閲覧履歴といった行動データなどを用いて細かなターゲティングを行うことができるため、商材や目的に合わせたターゲットに絞って的確な広告配信が可能です。
データによる効果計測と改善ができる
テレビや新聞などマス広告においては効果測定の難しさが大きな課題のひとつでした。
一方で、WEB広告においては広告の閲覧回数やクリック回数、商材の購入回数などのデータを容易に収集できます。
収集したデータを用いて広告の効果測定、さらには次回施策のための改善を行うことができるため、効率的にPDCAを回すことが可能です。
少ない費用からでも広告を出稿できる
マス広告のデメリットのひとつに広告の出稿費用が高額であるという点が挙げられます。
WEB広告には広告がクリックされたり商材の販売・契約に至った場合といった、広告に対してアクションがあってとき初めて広告費が発生する課金方式が利用できます。
さらに、数百円からという少ない予算からWEB広告の出稿が可能であるほか、あらかじめ上限金額を設定しておき、設定金額に達した時点で自動的に広告の配信が停止される方式なども利用できるため、予算や状況に合わせた無駄の少ない広告配信が可能です。
後に改めて解説いたしますが課金方式にも様々なタイプがあり、予算や目的に合わせて最適な課金方式を選べる点も利便性が高いポイントとなっています。
AI(人工知能)が広告の効果を最適化してくれる
近年ではAI(人工知能)を利用した広告効果を最適化も利用することができます。
ディープラーニングをはじめとした先進的なAI技術を用いたデータ分析や効果測定によって、より適切なターゲティングや広告配信の最適化が可能であり、WEB広告の費用対効果の向上が期待できます。
広告を柔軟に変更、停止できる
マス広告の場合、一度広告を出稿してしまうとクリエイティブ(広告画像)の変更や掲載停止を即座に行うことは困難です。
WEB広告の場合はクリエイティブの変更や広告配信の停止を自身の操作で即座に反映できるため、広告配信後の反応を見てクリエイティブを差し替えたりターゲティングの変更、広告の配信停止を柔軟に行うことができます。
Google、Yahoo!、SNS、有名メディアなど人気の媒体に広告を配信できる
広告活動においてまず重要になるのが、より多くのターゲットに広告を見てもらうことです。
WEB広告はGoogleやYahoo!、TwitterやInstagram、LINEなどのSNS、YouTubeやユーザー数の多い有名メディアなど、インターネット上で人気の高い媒体に広告を配信できるため、非常に多くの人々に広告を見てもらうことも可能です。
WEB広告を活用するデメリット
WEB広告には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
各広告媒体の仕組みを理解していないと費用対効果を最大化させるのが難しい
広告の媒体となるインターネット上のサービスにはそれぞれ特徴があり、その仕組みや利用しているユーザー層が異なります。
提供されている広告配信サービスやツールなども媒体により異なるため、費用対効果の最大化には出稿するWEB広告媒体についての深い理解と十分な知識が必要になります。
適切に広告を設定しないと期待する効果を得るのが難しい
詳細なターゲティングと様々な種類の配信方法を選ぶことができる点がWEB広告の大きなメリットですが、自社や商材、目的に合わせて適切な設定がされていなければ期待する効果を得ることが難しいというデメリットにもなります。
今ではAI(人工知能)によって自動的に広告が最適化されるようになっていますが、それでもWEB広告の設定に不備があると最適化に時間がかかったり、誤った方向に最適化が進んでしまうこともあります。
WEB広告の効果的な運用にはWEBマーケティングに関する知識も必要であり、その点において広告担当者の知識レベルもある程度必要になってきます。
ABテストなどで検証を繰り返し長期的に成果を高める必要がある
自社でもすぐに広告を出稿できるスピード感はWEB広告のメリットとなりますが、初期から十分な広告効果を得ることは難しいでしょう。
最大の効果を得るためには、異なる2以上つのクリエイティブによる広告を出し分けて成果を比較する「ABテスト」などで検証を繰り返し、長期的に成果を高めていく必要があります。
季節的な要因、社会情勢、ユーザーがクリエイティブに飽きたなど、様々な要因でWEB広告の成果は変わってきますので、多角的な分析を行いかつ長期的に成果を高めていく忍耐力も試されます。
商材によっては広告媒体で制限されている場合がある
WEB広告を掲載・配信する媒体により内容は異なりますが、商材によっては媒体の広告掲載ポリシーによって制限されている場合があります。
わかりやすい例を挙げますと、性的な商品・サービスやタバコ製品などは多くの媒体で広告の掲載・配信が禁止されています。
媒体ごとに広告掲載ポリシーが公開されているので、WEB広告の出稿を検討する際にあらかじめ確認しておきましょう。
WEB広告のターゲット層
WEB広告で目的とする高い成果を得るには、自社やブランドや宣伝する商材に合ったターゲティングを行うことが重要になります。
ブランドの認知拡大から購買・ファン化における各フェーズにおいて、WEB広告におけるターゲティング設定と主要なターゲット層について掘り下げていきましょう。
デモグラフィック設定(年齢、性別、地域、興味関心など)が基本
デモグラフィックとは「人口統計学」のことであり、マーケティングにおいては年齢や性別、居住地域、職業、年収、興味関心などの属性を指します。
デモグラフィック情報を活用して商材・サービスと相性の良い属性にターゲットを絞り込むことでターゲット以外のユーザーに広告が表示されるのを防ぎ、コストパフォーマンスを高めた精度の高い広告配信が可能になります。
WEB広告配信後もデータの分析を続けることで、どのような属性の人々が商材に興味を持っているのか消費者を深く理解でき、改善を重ねてさらに効率的な広告配信を目指すことも重要なポイントです。
【目的:認知獲得】非認知、低関心層
非認知および低関心層は自社や自ブランド、取り扱っている商材について知らなかったり、興味を持っていない層のターゲットです。
非認知・低関心層への訴求は何よりも「知ってもらうこと」と「興味を持ってもらうこと」が重要になってくるため、多くの利用者がいるウェブサイトやサービスにてユーザーとの接点を多く確保できる方法で広告を出稿する必要があります。
たとえば、ブランドについて何も知らない人に少しでも覚えてもらうために、ブランドロゴやキャッチコピー、あるいは楽曲をつかって消費者に「なんか見た・聞いたことある」と思わせていく広告がよいでしょう。
【目的:興味・関心獲得】潜在層
潜在層は非認知・低関心層ほどではないものの、さほど自社やブランド、商材に対して興味を持っていないターゲット層です。
自社や商材に対してあまり興味を持っていないものの、理解を深めることで需要が発生する可能性があるため、広告の内容はより自社・商材に対して理解を深められる詳しいものであると良いでしょう。
たとえば「あなたの悩みには実はこんな解決方法があります」といった形で、消費者の漠然とした悩みを具体化させ、自社の製品・サービスを解決の案として紹介すると有効です。
【目的:購買促進】顕在層
顕在層は自社・ブランドやその商材を知っているものの、実際に購入・利用したことがないターゲット層です。
ニーズがあり商材の購入・利用に繋がりやすいターゲット層であるため、情報を検索した際に目に付くような形での広告配信が有効であり、購入・利用を後押しできるような内容のクリエイティブを採用することで高い効果を生み出しやすいでしょう。
他社製品を含めて比較検討しているユーザーが多いため、たとえばメリットを強調したり、他社との差別化要因を強く押し出すことで、購入したい意欲を駆り立てましょう。
【目的:ファン化】顧客、リピーター層
顧客層およびリピーター層は、自社ブランドの商材を認知しており、すでに購入・利用したことがあるターゲット層です。
リーチには購入履歴やウェブサイトの利用履歴を用いた広告配信が有効であり、顕在層と同様に購入・利用を後押しできる内容のWEB広告が効果的です。
また、他社ブランドへ流れないように既存のファンを維持する目的もあるため、既存顧客がより好むようなブランドイメージを訴求したり、あるいはキャンペーンを行うなども必要になってきます。
【目的:新規獲得】類似層
類似層は顧客層に近い行動や興味関心を持っており、商材の購入・利用に繋がりやすいターゲット層です。
類似層へのリーチには顧客層・リピーター層のリストを活用した類似ユーザーターゲティングが効果的になります。
WEB広告では、特定の行動をした(特定のWEBページを見た、ボタンをクリックしたなど)ユーザーに似ている人をターゲットにして広告を配信することもできます。
たとえば、ECサイトで「商品を購入してくれた人」と似た動きをしているユーザーに対して広告を配信すれば、購買意欲の高いユーザーに広告を見てもらえる可能性が高まります。
属性としては顕在層と共通する部分も多いため、情報検索の際に表示される形での広告配信も高い効果が期待でき、顕在層や顧客層・リピーター層と同様に商材の購入・利用を後押しする内容のクリエイティブで効果的な訴求が行えるでしょう。
【重要】WEB広告配信にユーザーのデータ活用を制限する動きが広がってる
WEB広告配信にユーザーの行動データ活用に関する規制が2021年から厳しくなっています。
たとえば類似層への広告配信は、そのユーザーのWEBサイトの閲覧履歴や行動データを元に行うのですが、これがプライバシーの侵害にあたるとされ、たとえばアップル社の公開したアップデート「iOS14」ではWEBサイト上でのユーザーの行動データを勝手に活用できないように制限する機能が追加されました。
これによりGoogle広告の検索連動広告、SNS広告など、広い範囲で広告配信が制限されるようになっていますので、あらかじめよく確認しておきましょう。
参考:Build trust through better privacy|Apple Developer
WEB広告の主な課金方式
WEB広告のメリットの項で解説いたしましたが、WEB広告には様々な課金方式があり、商材や目的に合わせて課金方式を選択することができます。
現在利用されているWEB広告の主な課金方式をご紹介いたします。
インプレッション課金型(CPM)
インプレッション課金型は、広告が表示された回数分の費用が発生する課金方式です。
CPM(Cost Per Mille)とも呼ばれ、後にご紹介する広告の種類の中ではディスプレイ広告やリターゲティング広告、音声広告での採用に適した課金方式です。
認知獲得目的など広告の表示回数を重視した課金方式であり、多くの人に広告を見てもらえる可能性を高めることができます。
クリック課金型(CPC)
クリック課金型は、WEB広告のクリック数に応じて費用が発生する課金方式です。
CPC(Cost Per Click)とも表現され、リスティング広告やディスプレイ広告、リターゲティング広告、SNS広告など幅広い利用に適した課金方式です。
こちらは広告のクリック数を重視した課金方式であり、どれだけ広告が表示されてもクリックされなければ費用は発生しないため無駄のない広告運用が可能です。
業界や使用するキーワードなどによってクリックあたりの単価が変わりますが、一般的に検索されやすい人気の高いキーワードは単価が高額になります。
そのため、安易に検索されやすい人気キーワードのWEB広告を入稿してしまうと想定以上にクリック数が多くなってしまい、広告費が嵩んでしまうことがあります。
クリック課金形式では商材や目的、予算に合ったキーワードを精度高く採用することが重要になります。
動画視聴課金型(CPV)
動画視聴課金型は、その名の通り動画広告における課金方式です。
広告視聴単価型、CPV(Cost Per View)とも呼ばれ、動画広告が視聴されるごとに費用が発生します。
一定時間動画広告が再生された場合に費用が発生し、動画広告が基準時間前にスキップされた場合には課金されないため、興味を持ってくれた人の見に見てもらいつつ費用を抑えて広告を配信することができます。
インプレッション(表示数)保証型
インプレッション(表示数)保証型は、WEB広告が表示される(見られる)回数が保証されている契約・課金方式です。
先に解説したインプレッション課金型に似ていますが、
- インプレッション課金型:WEB広告が表示された回数が増えるほど広告費用も増えていく
- インプレッション保証型:あらかじめ決められた広告の表示回数と金額で契約を行う
の違いがあります。
WEB広告を掲載しても見られなければ意味はありませんが、インプレッション保証型のWEB広告は契約した広告表示回数に至るまで広告が配信され続けるため、広告を目にするユーザーを一定数獲得できるメリットがあります。
この課金方式は記事広告やアクセス数の多いウェブサイトに掲載される純広告で利用されることが多いです。
期間保証型
期間保証型は、広告の掲載期間に応じて費用が発生する契約・課金方式であり、CPD(Cost Per Day)とも呼ばれます。
あらかじめ広告の掲載期間を定めて契約を行い、掲載期間が終了すると広告の掲載は終了、期間中の広告表示回数やクリック数は考慮されず、期間の長さに応じた広告費用が発生します。
費用は掲載期間で固定されているため、たくさんWEB広告を見てもらえるほど費用対効果は高くなり、反対にWEB広告を見てくれる人が少ないほど費用対効果は下がります。
期間保証型のWEB広告は主に純広告として雑誌メディアやポータルサイトなどにてよく利用される課金方式となります。
成果報酬型
成果報酬型は、コンバージョン(目的の成果)に至った場合に費用が発生する課金方式です。CPA(Cost Per Acquisition / Action)とも呼ばれます。
コンバージョンとは、商材の購入や利用、お問い合わせや会員登録、資料請求など「広告により生じた何らかの行動」を指します。
コンバージョンを重視・目的としたアフィリエイト広告やリワード広告において、成果報酬型が利用されることが多いです。
配信数型
配信数型は、WEB広告を配信した回数に応じて費用が発生する課金方式です。
広告の配信数が少なければ費用も少なく、配信数が増えればその数に応じてかかる費用も大きくなるというシンプルな課金方式となります。
こちらは主にメール広告(メルマガなどへの広告掲載)で利用されます。
WEB広告の種類と特徴
課金方式の項で触れましたが、WEB広告には様々な広告掲載・配信の種類があり、商材との相性や施策の目的に合わせて選択利用することができます。
代表的なWEB広告の種類は以下の通りです。
純広告
純広告は、特定の媒体上の広告枠を買い取り掲載するWEB広告です。
契約中は媒体上に固定で広告を掲載でき、媒体を利用する人々に広く広告を見てもらうことができます。
純広告の費用は媒体上の掲載する場所により変化し、ファーストビューやサイドバー上部などの良く目につく場所ほど高額になります。
商材を認知していない非認知・低関心層や、興味関心の薄い潜在層にも訴求できる点が純広告の大きな強みです。
リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告は、インターネットユーザーが検索エンジンを利用した際に、検索キーワードに応じて検索結果の上位に表示されるWEB広告です。
検索キーワードに応じて表示される広告が切り替わることから検索連動型広告とも呼ばれます。
設定したキーワードで検索したユーザーの検索結果に広告を表示できることから、商材に対して関心の高い顧客層・リピーター層や顕在層に訴求しやすいというのがメリットです。
反対に設定キーワードで検索しない非認知・低関心層にはリーチしづらいというデメリットがあります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、ウェブサイトやアプリ上の広告枠に表示される画像や動画、テキスト広告です。
デモグラフィック(消費者の属性)をもとに広告表示させることが可能なため、顧客層・リピーター層、顕在層、潜在層に広くリーチしやすい広告であり、画像や動画クリエイティブを利用することができることから視覚的な訴求が可能なのが特徴です。
広告を見た人がクリックしたくなるような関心を引く広告クリエイティブにすることが効果を高める上で重要になります。
リターゲティング(リマーケティング)広告
リターゲティング広告は、主に過去にウェブサイトを訪れたことのあるインターネットユーザーに対して表示させるWEB広告です。
自社ブランドに対して明確に興味を持っている顧客層・リピーター層、顕在層にリーチしやすいためコンバージョンに繋がりやすいのが特徴です。
高い広告効果が期待できる一方で、同じユーザーに対して再び広告を表示させることになるため「しつこい」と不快感を与えてしまうこともあるというデメリットも存在します。
また、先に紹介しているように、ユーザーのデータを広告配信に活用するのを規制する動きもでているため、リターゲティング広告を行う際はあらかじめ広告配信できるか確認しておきましょう。
記事広告
記事広告は、主に雑誌メディアに依頼しウェブサイト上に掲載してもらうPR記事です。広告主と媒体が連携して広告の制作と掲載を行うためタイアップ広告とも呼ばれます。
記事という形式であるため他のWEB広告と比較して文章による訴求力の高い内容が大きな特徴で、非認知・低関心層や潜在層へのアプローチに適しています。
たとえばファッションや美容など、メディアのテーマに興味関心が強いユーザーが多く、ターゲティングしやすい点も特徴です。
広告主と媒体間で綿密な連携が必要になる点と、記事の制作期間を要し広告の掲載に時間がかかることが多いというデメリットがあります。
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アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)を通じてアフィリエイターの運営する媒体に掲載してもらうWEB広告です。
様々な媒体(アフィリエイトサイト)に掲載されるため掲載機会が多く、非認知・低関心層、潜在層にリーチしやすく認知拡大に大きな効果が期待できます。
セールスライティングが得意なアフィリエイターも多く、訴求力の高いコンテンツにより消費者の購買を上手に一押ししてくれる点が魅力です。「成果報酬型広告」のため、コストパフォーマンスが高い点もアフィリエイト広告のメリットです。
「広告を掲載したい」と申しでてきたアフィリエイターを審査・承認することで広告を掲載する媒体を選ぶことができますが、ASPにおいて「自動承認」設定にしていると意図しないアフィリエイトサイトにWEB広告が掲載されてしまい、自社やブランドのイメージを損ねてしまう可能性もあるため注意しておきましょう。
動画広告
動画広告とは、その名の通り動画コンテンツをクリエイティブとして掲載するWEB広告です。動画広告の市場規模はここ数年で大きく拡大している注目のWEB広告手法です。
WEB広告の中でも観た人に与えられる情報量が多く、視覚的・聴覚的に訴求できる点が大きなメリットです。
目を引きやすく、興味の薄い非認知・低関心層、潜在層にもアプローチしやすいため、様々なシーンで活用できます。
動画という目立つコンテンツであること、他広告と比較して大きなスペースを占有することから、内容が気に入らなかった場合に視聴者が抱く悪印象が大きくなりがちで、最後まで再生されず途中でスキップされてしまうことが多い点が動画広告のデメリットです。
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メール広告
メール広告とは、電子メールで配信するWEB広告です。
メール広告には大きく分けて2種類あり、メールマガジン上の一部に広告を掲載するものと広告メールとして内容全体が広告になるものがあります。
ターゲティングによってあらゆる層のインターネットユーザーにリーチすることができるため高い広告効果が期待でき、受け取ったユーザーが自由なタイミングで見ることができるため行動の邪魔になりにくく、他のWEB広告と比較して悪印象を与えづらいのが特徴です。
メール広告の課金方式は配信数型ですが、メールが開かれない場合には広告を見てもらえないためコストパフォーマンスが低くなってしまう可能性がある点はデメリットと言えるでしょう。
音声広告
音声広告は、音楽のストリーミング配信やインターネットラジオ上で配信する音声形式のWEB広告のことであり、コンテンツの間に挿入する形で再生されます。
音声広告は他のWEB広告と比較してユーザーに不快感を与えづらく、比較的「完全聴取率」が高い=スキップされづらいという大きなメリットがあります。
ブランディングや知名度向上に適しており、非認知層や低関心層、潜在層に訴求しやすいWEB広告です。
リワード広告
リワード広告とは、広告主がコンバージョンとして設定した行動を行ったユーザーに報酬(インセンティブ)が支払われるWEB広告です。
広告主から媒体に対して成果報酬が支払われるという点は他のWEB広告と同様ですが、広告を見て行動を起こしたユーザーにも報酬が発生するという点がリワード広告最大の特徴です。
たとえば、「ゲームアプリ上でWEB広告を見ることで報酬としてアプリ内アイテムをプレゼントする」といった形の広告が多く見受けられます。
短期間での知名度向上やブランディングを目的とした施策や、アプリの利用者増加・満足度向上を目的とする場合によく利用される手法です。
SNS広告
SNS広告は、TwitterやInstagram、FacebookやLINEといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上に掲載するWEB広告です。
あらゆる層にリーチが可能であるほか、デモグラフィックやフォロー・フォロワーなどの個人データを活用しやすく、精度の高いターゲティングができる点が大きなメリットです。
情報拡散力が非常に高い点も特徴で、たとえばTwitter広告であれば、広告として配信したTwitterの投稿をユーザーが「リツイート」することで2次拡散も期待できます。基本的に画像や動画による訴求が可能であり自社ECなどWEBサイトへの誘導も自然にできる点も魅力です。
広告を配信するSNSによってメインユーザー層が異なりますので、商材のターゲットや目的に合わせてSNSを使い分けることが求められます。
また、広告主が情報拡散の程度をコントロールすることが非常に難しく、広告の内容に不備があった場合に炎上など重大なトラブルが発生する可能性もあるため、リテラシーの高い担当者による運用を行いましょう。
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インフルエンサー広告(口コミ広告)
インフルエンサー広告は、インターネット上、主にSNSで影響力の大きい「インフルエンサー」に自社の製品やサービスを宣伝してもらうWEB広告です。
特に、「広告」は一般的にわずらわしいと感じる人が多く良い印象を持っている人が多いとは言えません。
しかし、インフルエンサー広告は消費者目線でのレビューを基本とした広告のため、広告臭が少なく不快感を感じにくいメリットがあります。
また、基本的にSNSでの投稿によって広告するため、口コミによる拡散も期待できます。
広告臭を消すために、あたかもインフルエンサーが広告主から報酬を受け取っていることを隠しながら宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」を行うとブランドの信用を失ってしまいますので絶対に行わないようにしましょう。
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WEB広告で費用対効果を高めるポイント
最後に、WEB広告を利用する際に費用対効果を高めるためのポイントを解説いたします。
ランディングページを最適化させる
広告をクリックした際の遷移先のページの事をランディングページと言います。
広告を見たインターネットユーザーが興味を持って広告をクリックしてくれたとしても、このランディングページの内容が不十分だと商材の購入・利用に繋がらず非常に勿体ない結果になってしまいます。
ユーザーが購入・利用したいと思えるような充実したランディングページに仕上げましょう。
その後もデータの収集と分析を重ね、常にPDCAを回しながらランディングページの最適化を行っていくのが良いでしょう。
ユーザーの興味を高めるクリエイティブ(テキスト・画像・動画)を作る
WEB広告を利用するにあたって、自社やブランド、商材に合った広告および課金方式の選択、ターゲティングは大変重要です。
しかし、WEB広告において何にも増して重要かつ必須とも言えるのが、ユーザーの興味を高めるクリエイティブ(テキスト・画像・動画)を制作することです。
広告がユーザーの目に留まったとしても広告クリエイティブにユーザーが興味を示さなければ成果は得られません。
広告のターゲットがどのようなものに興味関心を持つのか正確に把握し、ユーザーにとって魅力を感じられる高品質なクリエイティブの制作を目指しましょう。
必ずABテストを実施する
WEB広告のデメリットについての解説でも触れましたが、WEB広告はマス広告よりも比較的短い期間で広告効果を得ることができます。
とはいえ、初期から最大の広告効果を得ることは非常に難しく、更に効果を高めるための行動が重要です。
異なる2つ以上のクリエイティブによる広告を出し分けて比較する「ABテスト」を必ず実施し、より効果の高いWEB広告を配信できるようにしましょう。
効果分析と検証で広告の成果を高める
データ収集にかかる手間の少なさと高機能なツールが利用できる点や、出稿後の広告差し替えや掲載・配信の停止を柔軟に行える点がマス広告にはないWEB広告の強みです。
広告を出稿した後も掲載・配信されている広告の効果を継続的に分析・検証しブラッシュアップしましょう。
まとめ
WEB広告について、その種類や特徴、費用対効果を高めるためのポイントを解説いたしました。
WEB広告には様々な種類があり、課金方式も様々、設定も難しく感じる部分が多いかと思います。
しかし、適切な運用でのWEB広告の掲載・配信を行った際の広告効果は非常に高く、企業にとっては大変大きな魅力です。
自社で新たにWEB広告の運用を企画・検討する際にはぜひ、今回の記事をご活用ください。
WEB広告に関する理解を深め、効果的なWEB広告運用を目指しましょう。
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