最近はTVなどで「エゴサーチしている」と公言する芸能人も増えていることから、世間での「エゴサーチ」や「エゴサ」という言葉の浸透度も高まっていることと思います。
インターネットはもちろんのこと、SNSを使うことが当たり前になった昨今「エゴサーチ」は企業としても取り入れることが重要な存在となりつつあります。
本記事では、エゴサーチを今まで知らなかったという方にも簡単に取り入れられるよう解説するとともに、エゴサーチを今後どのように応用していくことが出来るのかにも触れてご紹介します。
目次
エゴサーチとは
エゴサーチとは
まず最初に「エゴサーチ」とは、「インターネット・SNSで自分自身に対する評価・意見・考え・印象などを自ら検索する」ことを意味します。
- 【エゴ(ego)】=ラテン語で「私」を意味する言葉を語源とし「自己・自我」という意味で使われる
- 【サーチ(search)】=英語で「検索」の意味
「エゴサーチ」は上記2つの言葉を組み合わせて出来た言葉で、省略して「エゴサ」と使用されることも多く、海外では「エゴサーチング(egosearching)」や「エゴサーフィング(egosurfing)」とも言われます。
インターネットやSNSにある情報を検索する「エゴサーチ」は、誰でも無料でできる情報収集の方法の1つです。
エゴサーチを取り入れているアカウント:岩下食品、わかさ生活
岩下食品 社長「岩下和了」さん(@shinshoga)
企業アカウントなどをお持ちの方であれば知らない人はいないと言っても過言ではない、「岩下の新生姜」でお馴染みの岩下食品の社長である「岩下和了(@shinshoga)」さんは、10年以上前からエゴサーチを取り入れていた代表的なアカウントです。
いいねしたりする作業は(初めて)社員に手伝ってもらいますが、岩下の新生姜に関するツイート全てに、私が目を通すのは、変わりありません。
どうぞ変わらぬお付き合いをお願いいたします。
多少なり楽になる時間を、更にお客様に喜んでいただく為に使いたいと思います。それが私の人生ですから…☺️
— 岩下 和了 (@shinshoga) January 21, 2021
今は投稿数があまりに多いため「いいね」や「リツイート」などに留めているとのことでしたが、自社に関する投稿を初めて目の当たりにした際には社長自らが感謝のリプライを飛ばすなどして積極的にTwitterユーザーとのコミュニケーションを取られていました。
わかさ生活 広報部【公式】さん(@WAKASASEIKATSU)
対照的にこちらは2020年入社の新入社員が1年目にして企業アカウントの運用を担当し、運用開始から数か月で人気メディア「ねとらぼ」に「わかさ生活の公式Twitterが「エゴサ力やばい」「面白すぎ」と人気急上昇 “新入社員”が仕掛ける異例の広報戦略とは」などと取材を受けるまでに話題となった「ブルーベリーアイ」でも知られる「わかさ生活 広報部【公式】」アカウントです。
どうも人工AIです。
※時間帯により差が生じるので期待しないでください。 https://t.co/UqAGtlOlYw— わかさ生活 広報部【公式】 (@WAKASASEIKATSU) April 5, 2021
今一生懸命リスト追加の作業をしています。 私も追加されてない!絶対されたい!という方はここにリプ残しておいてください…https://t.co/IBlnDU5DpK
— わかさ生活 広報部【公式】 (@WAKASASEIKATSU) April 2, 2021
いいねを付けるまでのあまりの速さでフォロワーさんを驚かせたり、わかさ生活を応援してくれているファンに「わかさー」という名前を付け、リストへの追加を積極的に行うなど「エゴサーチ」を発端に積極的なPRを行っています。
エゴサーチの目的
冒頭でも触れた通り「エゴサーチ」というと、芸能人などの個人が自分自身の評価について検索をする行為として認識・イメージを持たれていることの方が多いかと思いますが、実際エゴサーチは個人ではなく企業でも取り入れられている行為で、その目的としては大きく分けて以下の2つに分類することができます。
リスクマネジメント目的(広報寄り・守り)
SNSは情報の拡散力が強く、その力を活かした「バズマーケティング」なども注目を浴びる一方で、ネガティブな情報が拡散された場合は一気に「炎上」してしまいます。
悪意がなかったとしても、世間に受け入れられなかった場合には意図とは異なる方向で話題になってしまうケースも最近では見受けられます。
エゴサーチではリアルタイムで生の声が拾えるため、突発的に起きたことへの対処を正しく行い企業のイメージを守る上でも重要と言え、炎上し得る情報を「芽」の段階で摘み取り、未然に防ぐリスクマネジメント目的で取り入れられています。
ソーシャルリスニング目的(マーケティング寄り・攻め)
SNS、特にTwitterは商材・サービス・キャンペーンなどに対するリアルな意見を聞くことが出来る場で、大々的にアンケート調査などを実施せずとも投稿されている意見を収集することが可能です。
自社ターゲットとなる消費者ユーザーのリアルな声を傾聴し、分析することでマーケティング活動に役立てるビッグデータ分析手法(ソーシャルリスニング)を実行する目的で取り入れられています。
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ソーシャルリスニングとは?SNSマーケティングの効果を高める方法を徹底解説
エゴサーチはなぜ重要なのか
メリット
1. 消費者の生の声が聴ける
エゴサーチで収集できる情報は、周囲を気にして発言を控えるなどとは無縁で周りに影響を受けず、本音の生の声(評価・意見・考え・印象)を聴くことができます。
大がかりな調査やアンケートは、時間や費用面でもそう頻繁に実施はできませんがエゴサーチであれば毎日でも取り入れることができる手軽さも魅力的です。
2. 認知度・知名度を知ることができる
自社名やサービス・商材名などで検索をした時、ヒットした投稿数が多ければその投稿内容の良し悪しは別として認知度・知名度は高く、世間に知られていることが分かります。
一方、検索をしてもほぼ自社に関連する投稿が見つからない場合は、まだ世間に知られてないことが分かり「知ってもらうためにはどうすべきか」という点に取り組む必要性を認識することが可能です。
3. 新しい発想・アイデアのヒントを得られる
エゴサーチする中では「ここが○○だったらいいのに」など改善希望する意見や「××版も欲しい」など新たな製品化へのアイデアを消費者目線で得ることができます。
意外と身近な存在になってしまうと見落としがちな視点も、外部からの意見を取り入れることで次なるヒントへと繋げられる可能性があります。
デメリット(注意点)
1. 誹謗中傷が含まれる
エゴサーチをする以上、ネガティブな意見や時に誹謗中傷など強い意見を目にすることも出てきます。
誹謗中傷はもちろんネガティブな意見も、エゴサーチの担当者の落胆や精神的な苦痛に繋がる可能性が考えられます。
2. エゴサーチを嫌がれる可能性がある
エゴサーチをした結果見つけた投稿にいいねやリプライを送るなど、アクションを起こすことは企業のSNSアカウントでも見られる行動ですが、エゴサーチを嫌がる人もいます。
「エゴサーチして自分の投稿を見るのでは」という圧を感じてしまう人もいるので、嫌がられない適度な距離感を掴むことが大切です。
3. 見て終わりではない
日々、生の声は更新されているため1度エゴサーチをしただけで満足してはいけません。
定期的に実施して最新の消費者の意見を収集・分析、そこで得られた情報の共有や活用まで実施して初めてエゴサーチの本来の力を発揮することができるため、情報を見たその先までを踏まえて取り組む意識を持つことが重要です。
エゴサーチの実施方法
SNSでの検索(Twitter/Instagramなど)
SNSで検索をする場合、それぞれのサービスに存在する「検索窓」に会社名・サービス名・商品名などを入力して検索。
最初のうちは、略称やよく間違えられがちな誤記を検索対象に含むなど「どのキーワードで検索をするべきか」を探るために工夫しながら対象キーワードを選定していくことをおすすめします。
なお、複数のキーワードを1度に検索する方法など便利な検索コマンドはたくさんあるので、以下関連記事より参照のうえ、是非活用して効率化を目指してください。
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Instagramはハッシュタグが拡散につながる!?おすすめ検索ツールをご紹介
一般のウェブサイト
SNS以外にも、掲示板や口コミサイトなど一般のウェブサイトでの投稿を検索することも「エゴサーチ」に当てはまり、ウェブサイトで話題になっているか確認をするにはGoogleやYahoo!などの検索エンジンで対象のキーワードを検索しましょう。
SNSと異なり無数のウェブサイトから検索することとなるため、例えば「会社の評判」を知りたい場合は「就職・転職」関連の口コミサイトを検索するなど、知りたい情報に合わせて検索するサイトを絞ることも有効的です。
エゴサーチの応用
アクティブサポート
「アクティブサポート」とは顧客満足度向上に関連し、従来顧客から何か不満・不明点があればお問い合わせまで連絡をもらい、企業側が“受け身”で対応していた顧客対応を、企業側から“自ら能動的”に探しにいくことで顧客の不満・不明点を解決していく体制を指します。
企業アカウントの“中の人”が広報・PRとあわせて顧客サポートしているケースや、「○○サポート」など顧客対応用に別アカウントを作成しているケースなど企業によって体制は様々。
下記「Made By Google」の例では、すでにアクティブサポートの体制についてご存知の上で「困った時に呼びかける」形で活用されている方もいらっしゃいました。
かな さん、こんにちは。お助けに参りました!お使いの Google Pixel 4a の画面が正常に動作していない場合は、よろしければこちらのヘルプのトラブルシューティングをご確認のうえお試しください。ご不明点があればお気軽に返信でお知らせくださいね。https://t.co/3k2iru0MvV
— Made By Google (@madebygoogle) April 4, 2021
「テプラ」PROならどの機種でも、マステもりぼんもアイロンラベルも印刷できるので、あとは印刷できるラベル幅や本体デザインで選ぶのがポイントですよー!
おすすめ機種はスマホで使えるこちらです→https://t.co/2hsJ1LICUa https://t.co/wet7yKFJIe
— キングジム (@kingjim) March 5, 2021
ソーシャルリスニング
先述した内容と重複しますが「エゴサーチ」は、SNS(ソーシャルメディア)からターゲットとなる消費者ユーザーのリアルな声を収集(リスニング)し、分析することでマーケティング活動に役立てるビッグデータ分析手法のひとつ「ソーシャルリスニング」の簡易版と捉えることもできます。
ソーシャルリスニングを効果的に実施するためには、目的を明確にした上で「どういった結果を得るために何を収集すべきか」細分化して進める必要があります。
エゴサーチを取り入れた後「もっとSNSから消費者の声を拾い上げて事業へ活かすにはどうすべきか」迷った際には、実施方法やおすすめのツールなども紹介している「ソーシャルリスニングとは?SNSマーケティングの効果を高める方法を徹底解説」をご参照ください。
エゴサーチ まとめ
この記事では、現在の日常生活で当たり前の存在となった「インターネット」「SNS」を通して、消費者の生の声を知るひとつの方法として「エゴサーチ」をご紹介しました。
「実は日頃行っていたことがエゴサーチだと知った」という方がいてもおかしくない程、簡単な内容ですが実は広報・PR・マーケティングにおいて非常に重要な役割を成しているエゴサーチ。
まだ実践していない方も、エゴサーチは簡単に取り入れられるので是非早速検索をして、あなたの関わる事業を成長させるためにお役立てください。
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