1990年代半ばのインターネット黎明期から今日に至るまで、人々の暮らしは急速な変貌を遂げました。
ネット社会の普及は消費者の購買意欲の対象にも影響を与え、連れ立つようにして商品やサービスの形も様変わりしています。
2000年以降にはFacebookやTwitterといったSNSがリリースを開始。スマートフォンアプリの普及も相まって、いつでもどこでもネットで繋がることができる社会が実現しました。
そして、SNSの普及に特に大きな影響を受けているのが、本記事で取り上げる、α世代・Z世代・ミレニアル世代(Y世代)の人々です。
本世代の人々は、共通して高いネットリテラシーを備えており、情報感度の高さが特徴でもあります。
また、各世代ごとに、性格や興味・関心の方向性には特徴的な傾向があるとされ、消費行動にも影響を与えていることが考えられるのです。
そこで、本記事では、「α世代・Z世代・ミレニアル世代の特徴と効果的なマーケティング」について解説していきます。
特に、α世代・Z世代・ミレニアル世代(Y世代)は、今後の消費の中心となる世代であり、市場に大きな影響をもたらす存在です。
ぜひ本記事をご参考にしていただき、今後のマーケティング戦略にご活用ください。
目次
生年時期と代表的な世代一覧
まずは、現代で呼称される代表的な世代について生年時期ごとに全体像を把握しましょう。
下記画像「生年時期と世代」をご覧ください。
段階の世代(1947〜1949年生まれ)は、戦後のベビーブームに生まれ、高度経済成長期に社会人となり、40代でバブル景気を迎えた世代です。学生運動が盛んな青年期を過ごし、日本の成長を担った勢いのある世代です。
バブル世代は、歴史的な好景気に社会人となった世代を指します。1986年(昭和61年)に施行された男女雇用機会均等法以後に初めて社会に出た世代でもあり、多様な考え方が生まれ始めた時代を生きました。華やかなファッションブームや、ダンス・音楽などのサブカルチャーが大きく発展した世代でもあります。
ゆとり世代は、それまでの詰め込み教育から一転、大幅な学習量の精選と授業時間の削減など、「ゆとりと充実」を掲げた教育方針で育った世代です。経済低調の時期とも重なるため、バブル世代を象徴するような物的価値よりも、個性や共感を重んじる傾向があると言われています。
尚、ゆとり世代は、日本独自の教育方針から生まれた世代であり、主に先進国で呼称されるミレニアム世代(Y世代)とZ世代に時期を跨いでいます。
本記事の中心テーマである、ミレニアル世代(Y世代)・Z世代・α世代については、次項からより詳細に解説していきます。
ミレニアル世代(Y世代)
まずは、ミレニアル世代(Y世代)の特徴と効果的なマーケティングについて詳しく解説していきます。
ミレニアル世代(Y世代)の特徴
ミレニアル世代は、Y世代とも呼ばれ、インターネット普及前後に生まれた世代です。
幼少期からIT革命を経験したデジタルネイティブの始まりの世代でもあります。
幼少期からテレビゲームやCDなど、次々に発表されるデジタル製品に慣れ親しんでおり、新しさとスピードを追い求める傾向があると言われています。
また、日本においては、ゆとり教育の影響もあり、自分や他人の個性を重んじるとも言われています。
個の時間を重じることは、消費行動の効率性にも顕れており、平日よりも休日に買い物をまとめ、短い時間で済ませる傾向がある点も特徴です。
尚、ミレニアル世代の購買特性とSNSの影響については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので併せてご覧ください。
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ミレニアル世代(Y世代)に効果的なマーケティング
ミレニアル世代(Y世代)に効果的なマーケティングには、以下のようなものが挙げられます。
- 個のライフスタイルに寄り添うことができるサービスの提案する
- 自身が体験しているようなリアル感や、生活シーンをイメージしやすいコンテンツを意識する
- Twitterを用いた最新商品の情報拡散やキャンペーンを実施する
- 人気アニメや人気キャラクターとのコラボを実施する
まず、個を重んじるミレニアル世代(Y世代)には、多様なライフスタイルに合わせることができるサービスの提案が重要になります。
24時間体制で利用できるサービスや、自分のペースで予定を組める仕組みなどを採用することで、ミレニアル世代(Y世代)のライフスタイルに自社サービスや商品を取り入れてもらいやすくなるでしょう。
次に、商品やサービスの見せ方については、「共感性」が大切なキーワードになります。一人称視点での写真や動画コンテンツを活用し、自身が体験しているようなリアル感や、生活シーンを想起させることで、購買意欲を刺激することができます。
また、写真や動画のコンテンツというとInstagramやYouTubeの活用が一般的ですが、Twitterの利用者数が多いのもミレニアル世代(Y世代)の特徴です。
リリースされた時期が早いという理由もありますが、新しさとスピードを追い求めるという点で、Twitterの情報スピードや手軽さがマッチしていると考えられます。
休日に短い時間で買い物を済ませる傾向も踏まえて、Twitterで週末に向けて新商品の情報を解禁していったり、週末にお得なキャンペーン情報を解禁するのも効果的でしょう。
さらに、ゲームやアニメといったサブカルチャーの発展ともに育った背景から、キャンペーンに人気アニメや人気キャラクターとのコラボを採用するのもおすすめです。
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Z世代
続いて、Z世代の特徴と効果的なマーケティングについて解説していきます。
Z世代の特徴
ミレニアル世代(Y世代)に続くZ世代は、生まれた頃から便利なIT技術やデジタル製品に囲まれて育った世代です。
IT革命を経て、SNSやネット社会の諸問題に対する法整備が進み始めた時期に生まれたことから、ミレニアル世代(Y世代)よりも危機管理能力が高い傾向があります。
自身の個人情報の流出に注意を払い、不用意なツイートや写真の投稿が大変危険であることを認識した上で、一線を引いた形でSNSを利用しています。
SNSでの鍵付きアカウントや、投稿したメッセージや写真が自動で削除される「Snapchat(スナップチャット)」が流行する背景からも、安全性への高い意識を窺い知れるでしょう。
消費行動においても、ブランドに捉われず、本質や信頼性に価値を求める傾向があり、総合的にサービスや商品の良し悪しを判断しています。
コスパ(コストパフォーマンス)という言葉が頻繁に使われていることからも、より効率性や本質的に役立つものを求めていることが窺えるでしょう。
また、日本においては、欲を求めない「さとり世代」と呼称される時期もあるように、現実に多くを望まず、日常よりも非日常的な体験を求める一面も兼ね備えており、FPS(一人称視点のシューティングゲーム)や、ディズニーランド・シーなどの非日常体験には、惜しみなく時間やお金をかける傾向もあります。
尚、Z世代の特徴については、以下の記事内でも触れておりますので併せてご覧ください。
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Z世代に効果的なマーケティング
Z世代に効果的なマーケティングには、以下のようなものが挙げられます。
- TikTokをはじめとする動画コンテンツを活用する
- セキュリティやサポート体制を徹底する
- ランニングコストなど、長期目線でのメリットにフォーカスする
- イベントを企画する場合には、VR技術を用いたり人気インフルエンサーとのコラボで特別感を演出する
まず、Z世代に効果的なマーケティングで重要となるのが、視覚情報や聴覚情報を駆使して情報量を増やすことです。
見かけのブランドに捉われずに商品やサービスの本質を見極めるZ世代は、多くの情報から価値を判断した上で消費行動に至ると考えられます。
実際にZ世代の間で、TikTokに代表される動画主体のSNSが人気を博している点からも、多くの情報を付加できる動画コンテンツをマーケティングに活用するメリットは大きいでしょう。
また、サービスや商品に力を入れるだけでなく、セキュリティやサポート体制などの外堀を固めることも大切です。
例えばZ世代向けに新しいサービスやアプリを販促したい場合には、個人情報の表示有無やパスワード設定など、安心して利用できる機能を整えましょう。
そしてPRにおいては、「コスパ」でいい印象を持たれるよう、質へのこだわりの高さや、持続的に利用することで得られる長期的なメリットにフォーカスしていくことが重要になります。
一方で、大規模なイベントを企画する場合には、VR技術を用いて異空間を表現したり、人気インフルエンサーとのコラボを実施するなど、非日常を味わえる特別な体験を演出することに意識を向けるといいでしょう。
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α世代
最後に、α世代の特徴と効果的なマーケティングについて解説していきます。
α世代については、現在0歳〜小学生くらいということもあるため、未来にフォーカスし、今後のマーケティングの重要性についても触れていきます。
α世代の特徴
α世代は、2010年以降に生まれた世代を指し、今後さらなる発展が期待されるAI技術・ブロックチェーン・メタバースなどの第四次産業革命と共に育っていく世代になります。
世代の全期間の人々が21世紀に生まれた最初の世代であり、日本においては、ほとんどが2011年に発生した東日本大震災後に生まれた世代ということになります。
α世代が本格的に社会に参加する時期は早くとも2030年代以降であるため、実際にα世代の特徴が明るみになるのは先ですが、時代背景や親世代にあたるミレニアル世代の傾向から予測される特徴には以下のようなものがあります。
- ミレニアル世代の親の影響を受け、価値観が広く柔軟で、若いうちから社会問題に関心が高くなる。モノの所有よりも経験に価値を見出す。
- プログラミング教育が導入されたことで、構造の把握能力や論理的思考力に優れている。
- コロナ禍の生活様式の影響を受け、人との物質的なコミュニケーションよりも、オンラインでのコミュニケーションに慣れている。
- YouTubeなど動画メディアでの情報収集を当然のようにこなし、動画を早回ししたり、スキップしたりと、時間効率(タイムコスパ)を重視するようになる。
- 様々な文化や考え方を知る・触れる機会が多いため、多様性(ダイバーシティ)を重視し、個々の価値観や感覚を尊重し、受け入れる。
α世代に効果的なマーケティング
現段階では、α世代はまだ幼いため、親にあたるミレニアル世代に対するマーケティングを考える必要があります。
「体験」や「共感性」にフォーカスを当て、
- 子供の将来に役立つ体験や経験を踏まえて商品・サービスを開発する
- 子供の成長した未来を具体的にイメージさせるようなPR戦略をとる
ことで、購買意欲を刺激していくことが重要でしょう。
また、α世代の特徴として予想される多様性(ダイバーシティ)の重視し、例えば、
- 教育・習い事のサービスでは、成長速度や目的に合わせて選ぶことができるよう、カリキュラムの柔軟性に力を入れる
- 玩具などでは、既製されたものを動かして遊ぶだけでなく、自由な発想で組み立てられるなど、遊び方に余白を残す
など、個々の価値観や感覚を尊重するための発想を心がけましょう。
α世代に対する今後のSNSマーケティングの重要性
画像出典元:総務省「通信利用動向調査」
上記は、総務省の「通信利用動向調査」で発表された2018年から2020年の属性別インターネット利用率の調査データです。
まず、所属世帯年収別の結果(画像右側)を見てみると、世帯年収とインターネット利用率に正の相関関係が見られることが分かります。
世帯年収は消費力にも直結するため、SNSをはじめとするインターネット上での販促は、今後長い目で見ても重要であることが窺えます。
そして、さらに年齢階層別の結果(画像左側)を見てみると、
- 13歳以降の階層からインターネット利用率が極めて高くなる
- 6歳〜12歳の階層の利用率に増加傾向が見られる
ということが分かり、α世代はより早い段階からインターネットに触れていることになります。
特に、α世代の子供たちは、日常的にYouTubeを楽しむ習慣が既に身に付いている場合が多く、最近では、子供向けYouTuberだけでなく「ヒカキン」や「はじめしゃちょー」など、大人から人気の動画も見られています。
実際に、Z世代を中心に話題になった「地球グミ」などが、今ではα世代の園児たちからも人気を集めているほどです。
こうした背景から、今後消費の中心となるα世代に対しては、子供向けという既成概念に捉われず、早い段階から商品・サービスを認知してもらうことが重要であると言えます。
YouTubeやTikTokといったSNSの活用はもちろんのこと、今後はα世代の子供たちからも見られているという点にも意識を向けた、先見性のあるマーケティングが求められていくでしょう。
まとめ
以上、「α世代・Z世代・ミレニアル世代の特徴と効果的なマーケティング」はいかがでしたでしょうか?
IT革命から続く第四次産業革命の中、技術発展の経過と共に、各世代を生きる人々にも多様な影響をもたらしていることが分かりましたね。
特に、2010年以降、生まれながらにして高度な技術やネット社会と密接に関わっているα世代は、現段階では明らかになっていない点も多いです。
しかしながら、インターネット利用の傾向や、予想される特徴を読み解く中で、今後のマーケティングにおいて重要な存在であることが再認識できたのではないでしょうか。
ぜひ本記事を参考に、各世代に合った効果的なマーケティングを実践していただければ幸いです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
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