昨今のマーケティングでは、生まれた世代によるITリテラシーや社会性の違いから、世代別のSNSマーケティングが注目を集めています。
なにかと〇〇世代という言葉で括られることが増えてきたように、マーケティングにおいても世代の特徴にあったアプローチの重要性が高まっているのです。
そして各世代の中でも、現代の消費の中心を担っているのが「ミレニアル世代」です。
ミレニアル世代は、Y世代とも呼ばれ、アルファ(α)世代の親世代にあたることから、間違いなく今後のマーケットにも大きな影響を与える存在と言えます。
そこで本記事では、世代別SNSマーケティング【ミレニアル世代 編】というテーマで、
- ミレニアル世代の概要
- ミレニアル世代の特徴
- ミレニアル世代向けSNSマーケティングのポイント
- ミレニアル世代向けSNSマーケティングの最新事例
をわかりやすく解説いたします。
ミレニアル世代が中心である現在、そして子世代のアルファ世代が中心となる未来に向けて、たいへん参考になる内容となっておりますので、ぜひとも最後までご覧ください。
ミレニアル世代(Y世代)とは?
「ミレニアル世代」の名称は、西暦を1000年単位で区切った「millennial」に由来しており、2000年以降に成人となった世代であることからミレニアル世代と呼ばれるようになりました。
よってミレニアル世代の生年時期は「1980年代前半〜1990年代中盤年生まれ」の期間を指し、Z世代以前、約15年間の範囲に生まれた世代となります。
Y世代という言葉を目にする機会も多いですが、現代においてミレニアル世代とY世代は同義であると定義されています。
というのも元々は、Y世代とZ世代の区別なくミレニアル世代と呼ばれていましたが、マーケティング調査や研究が進む中で異なる特徴があると認識されるようになり、独立したZ世代とミレニアル世代(Y世代)に分けて定義づけられるようになりました。
また、2010年生まれ以降のアルファ世代はミレニアル世代の子世代として、その関連性や影響にも注目されています。
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ミレニアル世代の特徴
それでは実際に本項からは「ミレニアル世代の特徴」について解説していきます。
「デジタルパイオニア」(=デジタルネイティブの始まりの世代)
ミレニアル世代は、幼少期からIT革命を経験したデジタルネイティブの始まりの世代であることから「デジタルパイオニア」と呼ばれます。
生まれながらにネット社会が構築されていたZ世代とは異なり、様々なデジタル革命やSNSの普及に適応してきた一面があり、後述する様々な特徴にも影響を与えています。
新しさとスピードを追い求める
まず「デジタルパイオニア」であるミレニアル世代は、新しさとスピードを追い求める特徴があります。
理由には、テレビゲームや音楽機器など、次々と新作が発表されるデジタル革命の最中で育った背景が挙げられ、最先端の技術や流行に敏感な世代と言えるでしょう。
また言い換えれば、新商品や新サービスへの興味関心が、新たな物事に対する受容性の高さに繋がっているとも考えられ、実際に昨今のミレニアル世代では、Z世代に匹敵するほどSNS利用率が高くなっています。
自分や他人の個を重んじる
ミレニアル世代の物事に対する受容性の高さは、他者との関わり方にも影響をもたらしています。
特にミレニアル世代は、人の意見や考えを尊重にする能力が高く、自分や他人の個を重じる特徴があると言われています。
新しい技術への対応に加え、インターネットの普及を通じ、拓けた視点を培ってきたミレニアム世代だからこそ、多様な価値観を受容する共感性の高さを持ち合わせているのです。
後に詳しく解説しますが、共感性の高さはSNSマーケティングにおいてもポイントになります。
プライベートを大切にする個人主義
個を重んじるミレニアル世代は、プライベートの時間も大切にします。
バブル崩壊後、プライベートを犠牲にしながら働く家族を間近に見てきた経験から、出世や成功よりもプライベートを優先したいミレニアル世代は多いと言われています。
また、こうした経験は会社への帰属意識が低い点にも表れており、自身のワークライフバランスを優先する姿から「個人主義」とも言われます。
ミレニアル世代向けSNSマーケティングのポイント
次に本項からは、ミレニアル世代の特徴から浮かび上がる「ミレニアル世代向けSNSマーケティングのポイント」を解説していきます。
共感性の高いコンテンツを心がける
ミレニアル世代向けのSNSマーケティングでは、「共感性」が大切なキーワードになります。
共感性の高いミレニアル世代だからこそ、世代共通のネタやエピソードで関心を集めましょう。
具体的なアプローチとしては、
- 同世代ユーザーの共通の悩みをPRの導入に取り入れる
- あるあるネタで共感を楽しめるコンテンツにする
- エピソード系の口コミ・レビューを増やす
などが挙げられ、ユーザーの懐に入り込むような訴求のきっかけを探るといいでしょう。
また、「エモーショナルマーケティング」のような、感情に訴えかける工夫もミレニアル世代向けのSNSマーケティングでは非常に有効と言えます。
以下の記事で「エモーショナルマーケティング」について詳しく解説しておりますので合わせてご参考にしてみてください!
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「モノ」より「コト」を押し出していく
プライベートの充実を求めるミレニアル世代の消費傾向は、「モノ」より「コト」つまり、所有よりも体験が重要なポイントになります。
よってPRにおいても、商品やサービスの魅力以上に商品やサービスで得られる体験を押し出すことが有効です。
具体的には、
- 一人称視点での写真や動画コンテンツを活用する
- 体験談やエピソードでリアルな利用シーンを想起させる
- 購入することで得られる具体的なメリットや変化を強調する
など、体感的な価値が伝わる工夫で購買意欲を刺激するといいでしょう。
ライフワークバランスを重視する傾向からも、ミレニアル世代のライフスタイルにどんな時間的価値をもたらすか?という視点を持ちたいですね。
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インフルエンサーマーケティングを活用する
ミレニアル世代向けのSNSマーケティングでも圧倒的な成果に期待できるのが「インフルエンサーマーケティング」です。
新しいサービスに順応してきたミレニアル世代は、SNSの利用率も非常に高いので、インフルエンサーマーケティングでのターゲティングが可能です。
特にインフルエンサーによる「来店PR」や「レビューPR」は、前述した「コト(体験)」を押し出す上でも有効な施策となるでしょう。
また、「新商品や新サービスのタイアップPR」でも、新しさとスピードを求めるミレニアル世代に対して高い訴求効果を期待できます。
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X(旧Twitter)を活用する
総じてSNSの利用率が高いミレニアル世代ですが、SNSによってはZ世代と異なる利用傾向が見られます。
特に、TikTokとX(旧Twitter)のユーザー数ついて、
- TikTokでは、ミレニアル世代よりもZ世代の方が多い
- X(旧Twitter)では、ミレニアル世代の方がZ世代より多い
という傾向があります。(※2023現在)
※詳しくは以下の記事をご参考にしてください。
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Facebook, X(Twitter), Instagram,TikTok,YouTube,LINEを徹底比較!特徴とユーザー数や年齢層をピックアップ
リリース時期が早いX(旧Twitter)は、日本でも早くからユーザーを獲得しており、ミレニアル世代の利用率が高くなっています。
さらに新しさとスピードを追い求めるという点で、X特有の情報スピードや手軽さもマッチしていると考えられるでしょう。
ミレニアル世代に向けて、必ずしもTikTokよりもXが有効というわけではありませんが、ターゲットの年代を30代以降に絞りたい場合にはXを優先的に活用してみるのもおすすめです。
また、汎用性の高いInstagram施策と合わせ、Xで情報拡散を図るといった使い分けも有効でしょう。
アニメやゲームなど「三次元コラボ」を実施する
ミレニアル世代向けの施策アイデアとしては、アニメやゲームなどの「三次元コラボ」を実施するのもおすすめです。
ミレニアル世代が育った時代背景は、ゲームやアニメといったサブカルチャーの急速な発展時期とも重なります。
- ミレニアル世代がゲームやアニメへの関心が高いこと
- ミレニアル世代に生まれたアニメ・ゲームが今も人気を博していること
といった理由から、人気アニメや人気キャラクターとのコラボは有効な施策アイデアと言えるでしょう。
特に最近では、楽曲のリバイバルヒットや、ノスタルジアマーケティング・レトロマーケティングの流行なども見られるので、懐かしい過去作品に注目してみるのも面白そうですね。
関連動画
ミレニアル世代向けSNSマーケティングの最新事例
最後に「ミレニアル世代向けSNSマーケティングの最新事例」をご紹介します。
ヒラキ株式会社
靴を中心に衣料、日用雑貨の通販を手掛ける「ヒラキ」では、人気漫画家・インフルエンサー「るしこ(@@39baby_com)」さんとのタイアップ施策を実施。
その上履き、まだ入りますか…?
新学期準備はヒラキ( @hiraki_official )で✨#ヒラキ #PRhttps://t.co/KkwMJqmvkj pic.twitter.com/MHzu5xUgcO— るしこ (@39baby_com) August 19, 2023
共感エピソードが豊富な漫画コンテンツで、ミレニアル世代に刺さるPRを実現されていました。
また、タイアップを担当したるしこさんは、普段からXでご家族のエッセイを発信されている人気インフルエンサーということで、本事例は親世帯が多いミレニアル世代に向けた最適なキャスティングになっていました。
株式会社カインズ
ホームセンター「カインズホーム」でお馴染みの「カインズ」では、インテリアを中心に発信されているライフスタイル系インスタグラマー「さち/ sachi(@sachi_roooom)」さんとタイアップ施策を実施。
主婦層や同世代ユーザーの共感を生む、生活感溢れるリール動画が素敵なPR事例となっていました。
特に、「白状します」というコメント共に、放置してしまったフライパンの汚れを見せる冒頭が素晴らしく、ユーザーとの距離感を一気に縮めることに成功されています。
また、実際に商品を使うシーンも体感を得やすい工夫になっており、ミレニアル世代に向けて効果的な、共感と体験を含めたPR事例として非常に参考になるでしょう。
まとめ
今回は、世代別SNSマーケティング【ミレニアル世代 編】ということで、ミレニアル世代の特徴を踏まえてSNSマーケティングのポイントや最新事例を解説させていただきました。
現在が働き盛りでもあるミレニアル世代の特徴は、現代人のライフスタイルの傾向や働き方にも大きく影響を与えていることが窺えましたね。
また、心から共感できるコト・充実した体験に価値を見出す傾向から、SNSマーケティングのアプローチでは、感情に訴えかける工夫も必要であることがわかりました。
やはり世代別のSNSマーケティングでは、各世代のニーズとトレンドから、異なるアプローチ方法を見極めることが重要でしょう。
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インスタラボ編集部の公式記事。
支援実績11,000件、最大2.6億リーチ可能なFindModel(ソーシャルワイヤー株式会社)が運営しています。
ILライター:M.N・Y.O・T.S・R.S・K.Mの5名で運用。
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