昨今、マーケティングの主戦場はSNSを中心としたネット社会に変遷しつつあり、SNSマーケティングという言葉がどの業界でも当たり前に飛び交うようになりました。
また、1990年代半ばのインターネット黎明期から今日に続く急速な技術発展は、人々のITリテラシーや社会性に大きな影響をもたらしており、世代ごとの特徴の違いとして敏感に表れています。
実際に最近は、〇〇世代という言葉を聞く機会も増えているように、マーケティングにおける世代の特徴にあったアプローチの重要性は、より顕在化しているのです。
そこで本記事では、【Z世代】世代別SNSマーケティング|ポイントや事例を徹底解説!というテーマで、
- Z世代の概要
- Z世代の特徴
- Z世代向けSNSマーケティングのポイント
- Z世代向けSNSマーケティングの最新事例
をわかりやすく解説いたします。
Z世代は今後の消費の中心を占めていく重要な世代となりますので、是非とも幅広い業界のマーケティングに活かしていただければ幸いです。
目次
Z世代とは?
Z世代は、Y世代(ミレニアル世代)の次の世代として定義されており、主に生年時期は「1990年代中盤〜2010年生まれ」の期間を指します。
かつてはY世代とZ世代を一括りにしてミレニアル世代と呼ばれていましたが、マーケティング調査や研究が進む中で、生まれた頃から便利なIT技術やデジタル製品に囲まれて育ったZ世代固有の特徴があると認識されるようになり、現在のZ世代・Y世代と定義づけられるようになりました。
また、2010年生まれ以降はα(アルファ世代)として定義付けが進んでおり、Z世代は約15年間の範囲に生まれた世代となります。
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Z世代の特徴
それでは実際に本項からは「Z世代の特徴」について解説していきます。
「デジタルネイティブ」であり「ソーシャルネイティブ」である
まず、Z世代の特徴を語る上では、
- 「デジタルネイティブ」
- 「ソーシャルネイティブ」
という2つの言葉が重要なキーワードになります。
「デジタルネイティブ」
Z世代は、生まれた時からインターネットが当たり前の「デジタルネイティブ」です。
年齢が下がるにつれてテレビの利用時間が下がってきている反面、インターネットの利用時間は最も高くなっています。
よって、Z世代はマスメディアから受動的に情報を受け取るのではなく、ネットから能動的に様々な情報を得る能力が身についてると言えます。
「ソーシャルネイティブ」
同時にZ世代は、SNSを使いこなす「ソーシャルネイティブ」でもあります。
実際にSNS利用率調査では、
- 中学生 97.3%
- 高校生 98.9%
- 大学生 97.9%
というデータも出ており、Z世代はほとんどの方がSNSを利用していることがわかります。
出典元:Z世代がよく使うSNS 2位「Instagram」、1位は?|IT mediaビジネス
「デジタルネイティブ」同様、高い情報収集能力はSNSでの検索にも活かされており、ニュースやトレンドもSNSが主な情報源になります。
またネット社会でのコミュニケーションにも慣れており、特に自ら発信力を持つ点は「ソーシャルネイティブ」ならではの特徴でもあります。
SNSの情報(UGC)を重視する
そして、「ソーシャルネイティブ」であるZ世代は、当然ながら消費行動においてもSNSの情報を重視する傾向があります。
特筆すべきデータとして以下、Z世代(※2023年時点の15〜29歳)を対象とした「消費選択で重要視する情報に関するアンケート結果」をご覧ください。
画像出典元:スマートシェア株式会社
商品/サービスを購入する際、重要視する情報として「SNS上の口コミ(レビュー)」が最も多く選ばれており、Z世代の半数がUGCを参考にしていることがわかります。
また、2番目に多い回答にも「WEB上の口コミ(レビュー)」が続いており、Z世代が一般ユーザーのリアルな感想を購入の判断基準にしていることが窺い知れるでしょう。
リアルな情報を収集し、自身も発信力を持つ、Z世代・ソーシャルネイティブらしい消費行動の傾向には納得感がありますね。
本質志向とコスパへの意識
さらに、Z世代がSNSやWEBの口コミを重要視する要因には、
- ブランドに捉われず、本質や信頼性に価値を求める
- コストパフォーマンスを重要視する
といった価値観の傾向も関係しています。
ネット上の豊富な情報から良し悪しを見極めてきたZ世代にとって、物事の本質や信頼性は重要な価値基準になるのです。
特に本質的価値を測る上では、「コスパ」が重要視され、
- デザインよりも実用性
- 販売価格よりもランニングコスト
というように、Z世代は効率的な考え方をする一面も持っています。
社会的意識が強い
一方で、Z世代が見出す本質的な価値には「社会への貢献度」も含まれます。
画像出典元:SHIBUYA109 lab.
実際に上記アンケートでは、「社会的課題解決」に対しZ世代の約6割が「すごく関心がある」「関心がある」と回答しています。
生まれた頃からSNSやネットで飛び交う幅広い情報に触れ、社会的な課題を知る機会が多いZ世代にとって、環境問題や社会的課題に対する取り組みが充分な付加価値に値することが窺えるでしょう。
Z世代向けSNSマーケティングのポイント
次に本項からは、Z世代の特徴から浮かび上がる「Z世代向けSNSマーケティングのポイント」を解説していきます。
信頼性と説得力に優れた情報発信
Z世代に向けてSNSでアプローチする際には、まず第一に信頼性と説得力に優れた情報発信に注力することが重要です。
SNSマーケティング全般に言えることですが、不確かな情報や中身の薄い情報は訴求性に乏しいだけでなく、ユーザーに誤解を与えるリスクにもつながりかねません。
特に情報の収集・取捨選択に優れたZ世代に対しては、ブランドや商品の本質的な価値が伝わる中身の濃いPRが求められます。
具体的な例としては、
- 製造過程や素材のこだわりを見せることで信頼を得る
- 専門家やプロ視点の意見で説得力を持たせる
- 実際の顧客の口コミを汲み取って公開していく
などが挙げられます。
いずれにしても、発信する情報の透明性と密度を高めることで、Z世代に本質的な価値を認めてもらうことが重要でしょう。
動画コンテンツを活用する
見かけのブランドに捉われずに本質を見極めるZ世代に対しては、動画コンテンツを活用することがおすすめです。
動画コンテンツは、視覚情報や聴覚情報を駆使して情報量を増やすことができるため、多くの情報から物事を判断したいZ世代にぴったりのアプローチ方法となります。
実際にZ世代の間で、TikTokに代表されるショート動画が人気を博している点からも、多くの情報を付加できる動画コンテンツをマーケティングに活用するメリットは大きいでしょう。
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インフルエンサーマーケティングを活用する
SNSマーケティングの代名詞である「インフルエンサーマーケティング」は、Z世代の特徴に挙げた「SNSの情報(UGC)を重視する」という点にマッチしていることから、Z世代向けSNSマーケティングにおいても非常に有効な施策と言えます。
Z世代が最も参考するSNSの土俵で、インフルエンサーの持つ影響力は非常に大きく、前述した「信頼性と説得力に優れた情報発信」というポイントも当然クリアしやすくなるでしょう。
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UGC・シェアを促す仕組みづくり
ソーシャルネイティブであるZ世代向けのSNSマーケティングでは、SNS上の口コミを充実させることが非常に重要です。
SNSで検索した際に、
- 豊富なレビュー(UGC)が見られる
- 検索ヒット数が多く話題性を感じる
という状況を作り出すことができれば、Z世代ユーザーの関心を集めることに期待できるでしょう。
具体的に、UGCやシェアを増やす施策には、
- オリジナルハッシュタグの活用
- SNSキャンペーンの実施
- インフルエンサーマーケティング
などが挙げられます。
オリジナルハッシュタグはUGCを蓄積することや検索性を高めることに有効で、シェアや投稿を促すSNSキャンペーンとの組み合わせも非常に効果的です。
また、シェアを増やして話題性を得るという点でも、やはりインフルエンサーマーケティングが最有力の施策になります。
「〇〇とコラボしてた」「〇〇が紹介していた」といったSNS上での評価は、長期的なメリットにもつながるでしょう。
企業のストーリーや社会的な取り組みも発信していく
Z世代の特徴で触れたように、社会的意識が強いZ世代向けのSNSマーケティングでは、社会的貢献度も重要な要素になります。
特に企業・ブランドの、
- サステナビリティな視点
- 人種・ジェンダー問題などに対する価値観
- CSR(企業の社会的責任)に向けた取り組み
といった部分に共感するかどうかは、購買に影響を与えるほどの重要なポイントになり得るでしょう。
発信の工夫としては、
- 商品開発のプロセスなど企業のストーリーを押し出す
- 社会貢献につながる仕組みをわかりやすく解説する
などが挙げられ、企業と社会貢献の因果を結びつけることで、商品・サービス購入の意義をアピールしていきましょう。
Z世代向けSNSマーケティングの最新事例
最後に「Z世代向けSNSマーケティングの最新事例」をご紹介します。
ロート製薬
ロート目薬や胃腸薬でお馴染みの「ロート製薬」は、かねてからZ世代に向けたSNSマーケティングに力を入れており、5大SNS(LINE・X・Instagram・TikTok・Facebook)とYouTube全てにおいて公式アカウントを運用されています。
@rohtotiktok 新しい学校のリーダーズさんに とあるお願いをさせていただきました。 #よくばれもっと #ロート @新しい学校のリーダーズ ATARASHII GAKKO! ♬ オリジナル楽曲 - ロート製薬【公式】
中でもTikTokでは、若者向けのコンテンツをしっかりと抑えた運用で、8万人越えのフォロワーを獲得(※2023年10月)。
最近では、Z世代を中心にカリスマ的人気を誇る4人組ダンスボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」とのタイアップを発表するなど、企業人気を若い層に広げています。
またInstagramでは、カラフルな写真コンテンツを活かして、目薬のほか、コスメ部門の商品を積極的に訴求。
モニター企画でレビューを取り上げ、商品の口コミを広げる施策も見られました。
モニターには若い世代のユーザーがピックアップされており、同世代に人気であることをリアルな口コミでアピールされています。
創業1899年という老舗感を一切感じさせないブランディングを実現しており、どんどん若い世代の認知を獲得している点が素晴らしいですね。
OWNDAYS
SNSで若い世代から人気を集める企業アカウントと言えば、メガネブランド「OWNDAYS」が挙げられます。
5大SNS(LINE・X・Instagram・TikTok・Facebook)とYouTube全てにおいて公式アカウントを運用されており、SNS媒体ごとに異なるコンテンツを楽しむことができます。
中でもYouTubeのコンテンツは幅が広く、最近では、
- CM起用の俳優「浅野忠信」さんとのタイアップコンテンツ
- レンズの仕組みなどを科学的に解説する「メガネ塾」
- 社員が登場雨するバラエティ性に富んだコンテンツ
などが見られました。
企画力を活かした楽しいコンテンツが多いことで、Z世代を含む幅広い層のユーザーから人気を集めています。
特に、直接的なPRではなく、学びあるコンテンツで商品理解を深めている点は、本質的価値を求めるZ世代に有効なアプローチになっているでしょう。
@owndaysjpクラシックな太縁は秋のファッションにぴったりだよ!♡♬ omg sped up all - 🎧
また、新作の商品紹介では、上記のようなTikTokやInstagramリールを積極的に活用されています。
映像とナレーションで豊富な情報量を伝える手法は、やはり総合的に価値を判断したいZ世代に対し、有効なSNSマーケティングの基本系と言えるでしょう。
まとめ
今回は、Z世代の特徴を踏まえてSNSマーケティングのポイントや最新事例を解説させていただきました。
Z世代の特徴としては、「デジタルネイティブ」であり「ソーシャルネイティブ」であること。故に本質を見定める審美眼に優れている点が挙げられました。
Z世代の本質志向には、総合的な情報をもとに判断したいという情報面の需要が根底にあるのです。
そして同時に、その情報の真価や質が問われることも企業はしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
Z世代はもちろん、世代別のSNSマーケティングで正しくアプローチするには、各世代のニーズとトレンドを見極める力が重要になります。
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インスタラボ編集部の公式記事。
支援実績11,000件、最大2.6億リーチ可能なFindModel(ソーシャルワイヤー株式会社)が運営しています。
ILライター:M.N・Y.O・T.S・R.S・K.Mの5名で運用。
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