日本が世界に誇る文化の1つにマンガがあります。
「Manga」という言葉がそのまま通じるほど世界でも注目を浴びる日本のマンガは、現在身近な「エンタメ」という枠を越えてインフルエンサーを起用した「広告・PR」などにまで発展しています。
本記事ではインフルエンサーマーケティングや自社の広告配信にも活用できる「PRマンガ」について、メリット・デメリットや活用事例をご紹介します。
目次
PRマンガとは
「PRマンガ」とは、簡潔にまとめるとマーケティングに携わる広告・PRなどの役割を持つマンガのことを意味します。
この記事では「PRマンガ」という呼び方で統一しますが、漫画PR・広告まんが・マンガ広告など呼び方は様々で、いずれも「広告・PR」の側面を持つけれど「マンガ」であるという点では相違ありません。
特に株式会社ベネッセコーポレーションの「進研ゼミ」DMに封入されていたマンガ冊子が分かりやすい例なのではないかと思います(ちなみに、今ではWEB上の「シミュレーションマンガ」へと進化を遂げていました)。
PRマンガは以下のように掲載する媒体やスペースなどで形式は様々ですが、複数ページにわたるものも4コマも全て「PRマンガ」です。
- 紙媒体:従来の主な活用方法で、DM・冊子・雑誌広告など
- WEB媒体:マンガでサービス特長を説明するランディングページ、SNSで漫画家をインフルエンサーとして起用したPRなど
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PRマンガの特徴
メリット
読まれやすい
PR・広告は出しただけでは意味がなく、目に留まり認識されてこそ初めて意味があります。
そんな中PRマンガは他のPR・広告とは異なる性質を持つため、いい意味で周囲から浮き、インパクトがあるため目立つことから読まれやすい特徴があります。
また、広告マンガ制作の老舗である株式会社トレンド・プロが2020年12月に発表した「SNSの広告形態に関する意識調査」では、調査対象のうち全体の21%が「マンガ」と回答し、実写動画や画像の約2倍の支持を得る結果となりました。
加えて、幼少期から「エンタメ」としてマンガを認識しているため身近で親しみがあり、PR・広告であると分かっていても興味・関心を喚起しやすく読まれやすい傾向があると言えます。
分かりやすい
言葉だけでは分かりにくかったことが、絵・図などがあると分かりやすくなった、という現象は誰もが経験したことがあるかと思います。
文字の場合は、言葉の意味をまず理解する必要がありますが、その一方で絵・図の場合、見た情報をそのまま感覚的に捉えるため、文字と比較して多くの情報を早く理解することができます。
PRマンガの場合は、絵・図に加えてセリフ(文字情報)もあるため、両者の良いとこどりをすることができ、分かりやすく情報を届けることができる特徴を持ちます。
教科書などの教育教材でもマンガが使用されていることや、ベストセラー書籍のマンガ版なども数多く発刊されていることからも「分かりやすさ」が大きな武器になっていることが伺えます。
共感を生みやすい
そして「PRマンガ」はマンガである以上、起承転結のストーリー展開を踏まえて物事をPRする性質があります。
そのため、読者となるPR・広告のターゲットは登場人物に自身を重ね、そのストーリーを「疑似体験」します。
結果、読者はストーリーに感情移入しやすくなり、PR・広告している商材の有用性・重要性などへの共感が生まれることから購買意欲へと繋げやすい特徴を持ちます。
デメリット
情報量が少ない
起承転結あってこそのPRマンガであるため、ストーリー立ては必須です。
そのため同じスペースに、文字だけを記載する場合とPRマンガを掲載する場合を比較すると、PRマンガは情報量が文字だけよりも少なくなってしまうという特徴があります。
情報量が少なくなってしまうため、細かく情報を伝えることには向いていませんが「これを伝えたい!」とテーマを絞った上でPRマンガに起こすと効果的です。
ブランドイメージに合わないケースがある
先述したようにマンガには「親しみやすい」というイメージがあるため「高級感」「特別感」など、親しみと相反するイメージを持つブランドやターゲット層には合わないケースがあります。
「この業界だから、この内容だからマンガには出来ない」ということはありませんが、「マンガ」であるからこその向き不向きがあります。
そのため、予めPR・広告を出したい商材、およびそのターゲット層は「マンガ」と相性が良いのか、という観点を施策実行前に事前検討しましょう。
納期が掛かる
実際にPRマンガを実施する場合は、PRマンガを通して伝えたいテーマに沿ってストーリーを組み立て、その想いを伝える上で必要な登場人物(キャラ)を練ります。
そのため、コマ数・ページ数などにも左右されますが、通常の広告と比較すると納品まで時間が掛かるケースが多く、実施を検討している場合には納期に余裕を持てるようにスケジュール管理をして進行する注意が必要です。
PRマンガの活用方法
PRマンガは、従来の主な活用方法であった紙媒体であるDM・冊子・雑誌広告はもちろんのこと、マンガでサービス特長を説明するランディングページや、漫画家・イラストレーターをインフルエンサー起用してSNS上でPRするWEB媒体での活用も主流になってきています。
今回は主流になりつつある、SNSでの活用をTwitter・Instagram・YouTubeからそれぞれ事例をピックアップしてご紹介します。
Twitterでの活用事例
漫画家・イラストレーター山科ティナ(@tina_yamashina)さん
1つ目のTwitter事例は、漫画家・イラストレーターの山科ティナ(@tina_yamashina)さんによるPRマンガで、韓国焼酎(ソジュ)の「チャミスル」という商品をPRしたものです。
こちらはTwitterでよく見られる「創作マンガ」に分類される創作恋愛マンガで「付き合いが長くなった男女のお家デート」という設定の中で「チャミスル」が登場し、自然な流れで商品をPRしています。
山科ティナさんは女性誌「ar」や「with」で連載を持たれるなど女性に人気の漫画家さんで、ご自身のフォロワーであるファンの方々にも「PRと分かっていても読みたい」と思わせる、山科さんの世界観とマッチしている作風になっています。
【漫画】付き合いが長くなった男女のお家デート#チャミスル #pr #韓国ドラマ #韓国焼酎 #ソジュ pic.twitter.com/e5cum2Y10e
— 山科ティナ Yamashina Tina (@tina_yamashina) October 7, 2020
漫画家・実業家やしろあずき(@yashi09)
2つ目のTwitter事例は、漫画家かつ実業家であるやしろあずき(@yashi09)さんによるPRマンガで、「楽天カード」をPRしたものです。
こちらのPRマンガは打って変わって「使用・体験レポ」形式のマンガで、どのようにご自身が「楽天カード」を活用しているか、またどのような点が魅力的であるかをコミカルに描いています。
やしろあずきさんが通常投稿されているマンガ同様に、デフォルメしたご自身が描かれており、日頃のマンガと同じ感覚で読みやすいのが特徴的です。
僕も常日頃から使っている楽天カードの漫画を描かせて頂きました。
家賃を楽天カードで払うの、最強。https://t.co/zjdf9ebFuY#PR#楽天カード pic.twitter.com/ZGSwsZLixZ— やしろあずき (@yashi09) July 22, 2019
Instagramでの活用事例
漫画家ミツコ(@__3__2__5__)
1つ目のInstagram事例は、漫画家のミツコ(@__3__2__5__)さんによるPRマンガで、温熱シートの「On Style おなか40℃」という商品をPRしたものです。
ミツコさんは日頃からご自身が購入されたコスメを、購入時の様子・気持ちや使用感までのレポートを「#ミツコスメ」のハッシュタグを付けて投稿されていて、美容感度の高いユーザーからも人気な漫画家さん。
今回の事例はミツコさんご自身が「On Style おなか40℃」を使用してどうだったか、PR商品の詳しい説明もありながらいつもと同じようなミツコさん目線の商品レポートとなり女性の共感を得られる投稿になっていました。
インテリア(家具)小売業大手「ニトリ」(@nitori_official)
2つ目のInstagram事例は、インテリア(家具)小売業大手「ニトリ」(@nitori_official)が実施したPRマンガで、自社のアプリや提供するサービス内容をPRしたものです。
こちらのマンガは漫画家 星名ひつじさん作の「恋のはじまりは4月の空」とのコラボになっており、新生活を始める学生を主なターゲットに設定されていました。
今までご紹介した事例と異なる点として、PRマンガを投稿したのはPRする商材を扱う企業側の「ニトリ」で、まずはInstagramのストーリーズでPRマンガを投稿し、投稿後はハイライトに残しておく、という手法を取ることでニトリのプロフィールに訪れたユーザーに訴求できるよう実施されていました。
YouTubeでの活用事例
特許庁
1つ目のYouTube事例は特許庁によるPRマンガで、令和2年度コピー商品撲滅キャンペーン『コピー商品を買わない 売らない 買わせない!』をPRしたものです。
マンガをYouTubeなどの動画として投稿する手法は「モーションコミック」や「漫画動画」などと呼ばれ、これをPRに活用したものです。
「動き」にはあまり重きを置いていないため、通常のアニメーションと比較するとキャラクターの動きなどが少ないことが特徴的で、通常のPRマンガに音声+少々の動きをプラスすることでアピールしたいポイントの強調などができます。
三重県四日市市
2つ目のYouTube事例は三重県四日市市によるPRマンガで「2020東海・北陸B―1グランプリ」に出展予定していた店舗や市の魅力をPRしたものです。
こちらのPRマンガは四日市のプロモーション映像「必見 四日市」が、新型コロナの影響により開催が見合わせとなった「2020東海・北陸B―1グランプリ」とコラボして新たに制作した漫画動画です。
声の出演に俳優の京本政樹さん、タレントの中村静香さんを起用するなど「動画」となる場合、PRマンガにも魅力の付け方の選択肢が増えます。
PRマンガ まとめ
今回はエンタメに留まらず、PR・広告の役割をも果たす「PRマンガ」をご紹介しました。
本記事でご紹介した事例含め、最近は各種SNSで頻繁に目にする機会が増えてきているPR手法であり、幅広く商材・サービスを選ばずに活用できるマーケティング手法でもあります。
商材・サービスと相性のよい漫画家・イラストレーターのインフルエンサーを起用することが重要なポイントになりますので「PRマンガ」を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。
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