Webマーケティングについて様々な手法が行われるようになってきましたが、予測に基づいて行われる以上、時には見当違いのマーケティングであることも。
そんな時、より確実なマーケティングができるのが「リターゲティング」という考え方です。
本記事では、「リターゲティング」について解説し、その有用性についてご説明いたします。
Web広告についてうまくマーケティングできていないと感じる方は、ぜひ本記事をお読みください。
目次
リターゲティングとは?
リターゲティングとは、自社のサービスや商品を閲覧した顧客に対し、Web上で関連する広告を再度表示させるマーケティング手法です。
(なお、Googleは「リマケーティング」という名称を用いていますが、ほぼ同義と考えて問題ありません)
リターゲティングの特徴は、途中で離脱した顧客を追跡し、興味や関心に合わせて広告を打てる点です。
たとえばユーザーが「冷蔵庫を購入したい」と考えている場合、おそらく各メーカーのサイトや家電について比較しているサイトやSNSを見て回るでしょうし、ネットで買うか実際に店舗に足を運んで買うかも悩むところでしょう。
場合によっては検討した結果、「今はまだ購入時期ではない」と考えて結局買わない人もいるはず。
このように、サイトを訪問した顧客が即決で製品を購入するケースはあまりなく、大半は離脱しているのが現状です。
しかし上記の場合だと、たとえその時買わないと決断したとしても、「新しい冷蔵庫が欲しい」という意識自体は残っています。
リターゲティングにより、一度自社に関心を持った顧客を追跡して広告を打つことで、希薄になった購買意欲を再度刺激できるというのが長所なのです。
リターゲティングのメカニズム
リターゲティング広告は追跡型ですが、実際にはどのようにして追跡しているのでしょうか?
「Webサイトに設置したタグ」から追跡している
離脱したWebサイトの閲覧者を追跡するには、「各広告配信事業者によって提供されるタグ」が必要です。
Webサイトを訪れると、訪問者それぞれにCookieが発行されます。
Cookieとは、Webサイトがユーザーの情報を一時的に保持するためにブラウザに保存するファイルのことで、次回同じWebサイトにアクセスしたときに、ブラウザに保存されていたCookieがWebサーバーに送られ、サーバー上のユーザー情報と照合し、紐づけることができるのです。
そしてリターゲティング広告の配信事業者は、これらのIDをリスト化し、あとで追跡できるように管理しています。
実際にリターゲティング広告を配信するには、一定数以上のCookieが必要です。
そのため、全ての場所ではなく、閲覧者数が多く訪れそうな場所にタグを設置しています。
追跡した閲覧者に対し広告を表示する
Cookie IDが一定以上蓄積されれば、リターゲティング広告を配信できます。
Cookieで集めた情報がベースとなり配信されるので、ユーザーが過去に閲覧した広告が表示され、無関係の広告は配信されません。
さらに、閲覧者をセグメント分けすることもできます。
当該サイトを何回見たか、通販サイトで買い物かごに入れるところまで進んだか、など、購入意欲別で分けるのです。
どの段階かによって出すべき広告も変わってくるでしょう。
リターゲティングのメリット・デメリット
リターゲティングのメリット
購入までに至りやすい
例えば先ほどの例だと、冷蔵庫を買う予定もない人に広告を出しても効果は薄いですが、一度検討している人であれば新製品の冷蔵庫に反応する可能性が高いです。
このように、リターゲティング広告は閲覧者のコンバージョン(最終決定)を促す上で有益とされます。
「広告によるあと一押し」が効果を発揮しやすいのです。
離脱ユーザーを追跡できる
ECサイトにおいて、ユーザーが「カートに入れる」「商品をかごに追加」などのボタンを押してカートに入れたあとに、購入手続きまで行かずにサイトを離脱することを「カゴ落ち」と言います。
リターゲティング広告は、離脱してしまったカゴ落ちのユーザーにリーチできます。
むしろ時間を空けて追跡・広告表示することで、商品を思い出すきっかけになることもできますし、タイミングよく広告を表示できれば、そのまま購入という可能性もあるのです。
広告のムダ打ちが減る
費用をなるべく抑えたコスパのいい広告を打ちたい場合、リターゲティング広告は有効です。
なぜなら、リターゲティング広告の対象となるのはサービスや商品に興味があると認められるユーザーだからです。
すぐにクリックされないとしても、追いかけているうちに親近感や興味を持ってもらえる可能性が高いのです。
すぐに購入に至らなかったとしても、企業やサービスの認知度向上や、指名検索率の向上が期待できます。
リターゲティングのデメリット
Cookieの使用が今後問題になる可能性も
最近では多くのサイトで「Cookie使用について」の同意が求められるポップアップが実装されています
これは近年、プライバシー保護の観点から、サイト運営者以外のネット事業者が発行しているCookie(サードパーティーCookie)を規制する動きが欧米を中心に広まっているからです。
そのため、自身の閲覧履歴を見られたくない人は同意しないこともできるようになりました。
すなわち、Cookieで集まる情報が以前と比べると減っている可能性が高いのです。
また、この規制がさらに進めば、Cookieを残すこと自体も問題視されるかもしれません。
「しつこい」印象を与えてしまう
閲覧者を追跡して同じ広告を表示し続けると、『しつこい』『うっとうしい』と不快感を抱かれる恐れがあります。
先ほどの冷蔵庫の件でいうと、「冷蔵庫はあと3年は買わなくていいか」という人に対して繰り返し出てしまうと、ユーザーの嫌悪感が強くなり、企業に対しネガティブなイメージがついてしまうかもしれません。
リターゲティング広告をしつこいと思わせないためには、フリークエンシーキャップ(同一ユーザーに広告を表示する上限回数)の設定が必須です。
表示回数が適切ならば、そこまで嫌悪感を持たれずに済むでしょう。
ネット以外の情報が入ってこない
冷蔵庫の例で言うと、いろいろなサイトを見た後、最終的に家電量販店に行って購入したというパターンも考えられます。
しかしネット上ではそこまでは把握できないため、購入済みの人に対して冷蔵庫の広告が出るということになってしまいます。
このように、ネット上で表れないユーザーの情報は汲み取りにくいのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
効率的な広告を打ちたい企業の方にとって、リターゲティング広告はかなり有用な広告です。
適切に使えば売り上げや商品認知度の向上につながるでしょう。
ただし、しつこすぎる広告は消費者にマイナスの印象を与えかねないので、注意が必要です。
リターゲティングについて詳しく知りたいという企業の担当者の方がいらっしゃいましたら、ぜひこちらまでお気軽にご相談ください。
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