X(旧Twitter)の運用効果を最大限に引き出すためには、ポスト(投稿)をより多くの人に見てもらうことが重要です。
特に、企業の公式アカウントやインフルエンサーのアカウントでは、商品紹介や認知拡大の効果に投稿の閲覧数が大きく影響します。
しかし、さまざまな工夫を凝らしているはずなのに「投稿の閲覧数が伸びない…」と悩む方は少なくないのではないでしょうか?
結論からいえば、X(旧Twitter)で投稿をうまく拡散させるには、アルゴリズム対策を徹底した上で「おすすめ」に表示されることが非常に大切です。
ただし同時に、この「アルゴリズム対策」が最も難しい部分でもあるでしょう。
そこで本記事では、X(旧Twitter)のアルゴリズムの仕組みや対策する際のポイントを詳しく解説します。
過去にX(旧Twitter)社が公開した、「Twitter's Recommendation Algorithm(Twitterの推奨アルゴリズム)」の内容も踏まえた最新ノウハウをまとめていますので、ぜひ参考にしてください!
※本メディアの掲載事例は、弊社で取り扱っている事例以外にも他社様の事例もご紹介しております。詳細は各URLをご確認ください。
目次
X(旧Twitter)のアルゴリズムの仕組み
まずは、X(旧Twitter)のアルゴリズムの仕組みについて解説します。
アルゴリズムとタイムラインの「おすすめ」
X(旧Twitter)のホーム画面には、「おすすめ」と「フォロー中」という2種類のタイムラインがあります。
「フォロー中」は、ユーザー自身がフォローするアカウントのみのタイムラインですが、「おすすめ」は、X(旧Twitter)がアルゴリズムに基づき、各ユーザーにパーソナライズされたおすすめポストを表示する点が特徴です。
「おすすめ」は、ユーザーの普段の閲覧・検索の傾向などを基に選定されるため、発信者にとっては、投稿内容やアカウント自体に興味を持ってもらいやすい点がメリットになるでしょう。
よって、フォロワー外の新規ユーザーに効果的にアプローチするために、アルゴリズム対策を徹底して「おすすめ」に表示されることがポイントになります。
アルゴリズムが「おすすめ」を決めるまでのプロセス
画像:X's Recommendation Algorithm
では、実際にX(旧Twitter)のアルゴリズムがどのように「おすすめ」のポストを選定しているのでしょうか?
アルゴリズムが「おすすめ」のポストを選ぶまでには、以下の3段階の工程があります。
- 候補ソーシング:さまざまな推奨ソースから最適なポストを取得
- ランク付け:機械学習モデルを使用して各ポストをランク付け
- フィルタリング:ブロックしたユーザーからのポスト、NSFW(Not safe for work) コンテンツ、既に見たポストなど、今までの経験則に基づいて表示するポストを除外・フィルタリング
- ミキシング:広告やおすすめフォロワーなどの投稿を追加
はじめに、ざっくりとおすすめポストを収集しておすすめ順にランキング。最終的に余分なものが除外されておすすめに表示されていることがわかります。
候補ソーシングはどうやって選出されているのか?
おすすめ選定の第1段階にあたる「候補ソーシング」では、
- フォローしているユーザーから750
- していないユーザーから750
合計1,500のポストが選抜されます。(ユーザーによってこの割合は50:50ではない場合もあります)
選抜される際の基準は、それぞれ以下の通りです。
フォローユーザーのポスト選抜基準:リアルグラフ
「リアルグラフ」とは、両者間のエンゲージメントの度合い(ポストの投稿者との交流に基づいた特定のポストへのエンゲージメント)を測る指標です。
この数値が高ければ高いほど、タイムラインに表示されるようになります。
フォロー外ユーザーのポスト選抜基準:「ソーシャルグラフ」と「埋め込みスペース」
X(旧Twitter)でのアクティビティを増やすために、アルゴリズムはフォロー外からも関連性の高いツイートを見つけてこようとします。
その手段が「ソーシャルグラフ」と「埋め込みスペース」です。
「ソーシャルグラフ」とは、フォローしている人のエンゲージメントを分析し、その人がエンゲージしているポストと似たようなポストを探すことを指します。
タイムライン全体の15%程度がこのアプローチによって選出されています。
「埋め込みスペース」とは、ユーザーの興味やポスト内容を数値化することで、ユーザーとポストのペアの類似性を調べるものです。
X(旧Twitter)では、約3週間毎に更新される全145,000ものコミュニティをカテゴライズしており(下画像参照)、そのコミュニティの中でユーザーに人気がある内容が表示されやすくなります。
例えば、ユーザーが日本プロ野球が好きなら、日本プロ野球関連のポストの中で特に人気のポストが選ばれるというイメージです。
画像:X's Recommendation Algorithm
X(旧Twitter)アルゴリズムのランク付けとスコア
次に、X(旧Twitter)のアルゴリズムがポストをどのように評価しているのか「ランク付け」と「スコア」という2つのキーワードをもとに解説します。
ポストのランク付け
アルゴリズムがフォロー内・フォロー外の計1,500のポストを抽出した初期段階では、全てのポストが区別のない同等の評価を受けています。
しかし、このままランダムに表示するだけでは、ユーザーの興味関心を獲得できないため、より関連性の高いツイートを上位表示させるための「ランク付け」が必要です。
そこで、X(旧Twitter)社では、「ニューラルネットワーク」と呼ばれるプログラムを使用しています。
「ニューラルネットワーク」では、ポストに対する他ユーザーからの「いいね!」や「共有」といったアクションを点数化して各ポストにスコアを付与。
そのスコアをもとに詳細なランク付けを行うことで、おすすめ度の高いポストがより優先的に表示される仕組みを生み出しているのです。
ポストに対するアクション毎のスコア
ポストに対するアクション毎のスコアには、
- ポストがブースト対象になる「ポジティブなアクション」
- ポストがペナルティ対象になる「ネガティブなアクション 」
の2種類があります。
以下にアクション毎の点数(数値)をまとめているのでぜひ参考にしてください。(実稼働モデルとは若干異なる場合があります)
ポストがブースト対象になる「ポジティブなアクション」
アクション | 数値 |
ポストへの「いいね」 | 0.5 |
ポストのリポスト | 1 |
リプライ | 27 |
ポストをタップしてからの「いいね」・リプライ | 11 |
ポストをタップして2分以上そこに留まる | 10 |
プロフィール確認後にポストに「いいね」・リプライ | 12 |
ポストへのリプライにエンゲージ(いいね・返信、リポスト) | 75 |
ポストがペナルティ対象になる「ネガティブなアクション 」
アクション | 数値 |
ネガティブフィードバック(表示回数を減らす・ミュートする・ブロックする) | -74 |
ポストを報告 | -369 |
参考:Github
なお、最終的にスコアが高くてもポストの健全性を審査する「フィルタリング」をクリアしなければおすすめに表示されません。
特に、上記のようなネガティブなアクションが多い投稿は「フィルタリング」の段階で篩い落とされるので、内容を改善するようにしましょう。
アカウントやポストに関するその他のスコア
点数(数値)は明示されていませんが、他にも以下のような加点対象と減点対象がスコアに影響しています。
加点対象
- フォロー数よりフォロワー数が多いアカウント
- X Premium(旧Twitter Blue)バッジを持っているユーザー
- ポスト/リプライ欄に2分以上滞在する人が多いポスト
- 画像や動画を含むポスト(文字だけのポストの2倍の点数がつく)
- トレンドにまつわるポスト(ツイートの関連性スコアは 6 時間ごとに 50% 減少する)
- 評価の高いアカウントとの交流
減点対象
- URLを含んでいるポスト
- ハッシュタグが2つ以上のポスト
- 評価の低いアカウントとの交流
認証バッジの重要性
X(旧Twitter)は、認証バッジシステムに力を入れており、従来の公式性を示す「青色バッジ」に加えて、2023年には優遇されるメリットが多い「金色バッジ」も登場しています。
X(旧Twitter)社は、今後も多くの企業による金色バッジ取得を目指していると考えられるため、ポスト表示における優位性を高める可能性も高いです。
X(旧Twitter)の運用効果を最大化していきたい方は、バッジ取得についても検討しておくことをおすすめします。
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X(旧Twitter)のアイコンとバッジ一覧をお教えします!
X(旧Twitter)アルゴリズム対策のポイント
では、実際にX(旧Twitter)のアルゴリズム対策では、どのような点がポイントになるのでしょうか?
本項で最新アルゴリズムに対応した具体的なアクションや考え方を解説します。
フォロワー数よりも発話量(UGC数)を重視
従来のX(旧Twitter)のアカウント運用では、フォロワーの多さが重要視されてきました。
しかし最近は、フォロワーが多ければ多いほど良いという考えではなく、コミュニケーション量の方に注目が集まっています。
実際に、「Xマーケティング」の調査の中では、「4人に3人以上がX(旧Twitter)での商品に関する会話から購入に至っている」ことが判明しており、コミュニケーションが購買に役立っていることが窺えるでしょう。
よって企業のアカウントにおいても「KPI=発話量(UGC数)」と設定し、フォロワー数以上にUGC数を重視することがポイントになります。
ユーザーからの発話量(UGC)が増えれば、広告投資に依存することなくインプレッション数やエンゲージメント数、リンククリック数などのKPIを達成しやすくなるでしょう。
なお、SNSにおけるUGCとは本来、一般ユーザーのクチコミ投稿を指す用語です。
よって、ポストに対する発話だけでなく、自発的な発話(クチコミ投稿)が増えることで、さらにユーザーの認知機会を増やすことに期待できます。
特に最近は、SNSの検索欄からクチコミを調べて参考にするユーザーが多いので、新規顧客に向けた訴求力を高める効果にもつながっていくでしょう。
アカウントをアクティブに運営する
ポストをおすすめ表示させるためには、X(旧Twitter)のアルゴリズムに「アクティブなアカウント」であると認識させることが大切です。
X(旧Twitter)における「アクティブなアカウント」とは、
- 利用頻度が高い
- 毎日ポストしている
- 頻繁に「いいね」「コメント」「リポスト」などのコミュニケーションを取っている
というポイントを満たしているものを指します。
ユーザーに有益な情報を発信するだけでなく、返信コメントに反応したり、時には企業名や商品名でエゴサーチして「いいね」をつけたり、積極的なコミュニケーションを取ることで、アルゴリズムからの高評価につながるでしょう。
フォロワーを巻き込んだ発信内容
発話数を伸ばすために、企業は積極的にフォロワーを巻き込んだ発信内容を意識しましょう。
例えば、
- 少し考えさせるような質問をする
- 関連するトレンドのハッシュタグを使用する
- 人気のキャンペーンに参加する
- アンケートを実施する
など、ユーザーのアクションにつながりやすい工夫が有効です。
また、新商品発表やキャンペーンなど、拡散してほしい内容がある場合には、フォロワーにリポストを呼びかけてみましょう。
「リポスト」をお願いすることで、ロイヤリティの高い顧客を中心に、情報拡散に協力してもらえるでしょう。
画像や動画を添付する
X(旧Twitter)のアルゴリズムによるランク付けでは、「リッチコンテンツかどうか」という点もポイントです。
主なリッチコンテンツには、
- 動画
- 画像
- GIF
- 投票機能
などがあり、通常のテキスト投稿よりも優先されやすくなります。
例えば、YouTubeの動画を紹介するケースであれば、リンクを貼るだけではなく、短いダイジェスト動画を直接X(旧Twitter)に添付した方が、インプレッションやエンゲージメントも高まるのでおすすめです。
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【完全版】X(旧Twitter)企業アカウント運用マニュアル|フォロワーを増やすコツと成功事例
X(旧Twitter)のアルゴリズム対策で参考にしたい企業アカウント事例
最後に、X(旧Twitter)のアルゴリズム対策の参考事例をご紹介します。
発話量(UGC数)やフォロワーを巻き込んだ発信内容で参考になる企業アカウントを取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。
シヤチハタ株式会社
かわいいですね~🐨🧡
トリックオアトリート!🍬
おシヤチもお菓子欲しいです😋 https://t.co/zlP1k2DQZD— シヤチハタ株式会社 (@ShachihataBS) October 31, 2024
印鑑やスタンプ製品でお馴染みの「シヤチハタ株式会社」の公式アカウントでは、自社商品に関するUGCを積極的にリポスト。
自社関連のポストを欠かさずリサーチしていることが窺えますね。
マンホールサミットで購入したマンホールグッズ
今回は雨天で立ち止まって商品が見れませんでしたが、このスタンプはとても気になったので買ってみました✨
こういう商品が欲しかったんだよ😭‼︎普段使ってる手帳に試しに押して見たら、めちゃクオリティ高いやん...#シャチハタ pic.twitter.com/LSoyYXQ7jT
— 孤斗(コト) (@kotokokkoto) October 20, 2024
最近は、ハッシュタグ「#シャチハタ」での投稿やリポストも増えてきており、商品認知度を活かしながら自社関連のUGCをうまくピックアップすることに成功しています。
オリジナルハッシュタグが浸透すると、長期的な認知拡大と検索率の向上にもつながるので、看板商品のハッシュタグは早めにコツコツ活用していくようにしましょう。
アイラップ
当アカウントは交流による、
情報拡散を目的に運用しております。#アイラップ を使ったライフハックや、
活用テクニックなども発信しております。よろしければ【フォロー】をお願いします。
メディア情報発信(@i_wrap_info)や、
防災情報発信(@i_wrap_bousai)もあります。#ダウンタウンDX pic.twitter.com/lT4qF9hsaX— アイラップ【公式】 (@i_wrap_official) October 31, 2024
岩谷マテリアル株式会社が発売するポリ袋の看板ブランド「アイラップ」の公式アカウントは、UGCに特化した運用体制が特徴です。
実際に上記ポストのように「交流による情報拡散」が目的であることを度々周知しており、X(旧Twitter)上での積極的なコミュニケーションが見られます。
#アイラップ のアイは…
_人人人人人人人人_
> Iwataniのアイ <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄_人人人人人人_
> 愛のアイ <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄そして、発売から約半世紀…✨ https://t.co/sqdXeSF6Ii pic.twitter.com/24pVQmBoYx
— アイラップ【公式】 (@i_wrap_official) October 31, 2024
上記の一連のやり取りでは、アイラップの名前の由来を質問するユーザーのポストに公式がすぐに反応。
リポストを活用して改めてブランド名の由来を周知することに成功していました。
また、「#アイラップ のアイは」とハッシュタグの活用も忘れずに見られ、常にユーザーを巻き込みながらファンを増やしていく姿勢が参考になります。
サクマ製菓株式会社
#サクマドロップス 皆さんは何味が一番好きですか?
コメント欄で教えてください🍬 pic.twitter.com/Dij8ba0nlW— サクマ製菓【公式】 (@sakuma_seika) September 18, 2024
サクマドロップスで有名な「サクマ製菓株式会社」の公式アカウントは、コミュニケーションのきっかけ作りが非常うまいアカウントです。
上記投稿では、「#サクマドロップス 皆さんは何味が一番好きですか?」という質問でコメントを呼びかけ、発話のきっかけにしています。
ユーザーごとに異なる好みを引き出す質問が関心を集めるポイントになっており、実際に1万件を超えるコメントが寄せられました。
いちごみるくはどうしてサクサクしているでしょう?🍓🍼
🔻答えはこちら🔻https://t.co/Y2UbccoSe8 pic.twitter.com/kB9yco0FLA
— サクマ製菓【公式】 (@sakuma_seika) October 29, 2024
また上記投稿では、「いちごみるくはどうしてサクサクしているでしょう?」という疑問を投げかける文章で、YouTubeの自社コンテンツにうまくユーザーを促していました。
なお、YouTubeのリンクだけでなく、専用の画像を添付してアルゴリズムからの評価を高めている点も参考にしたいポイントです。
まとめ
今回は、 X(旧Twitter)アルゴリズムの仕組みと対策を解説いたしました。
最近のX(旧Twitter)は、「言論の自由が実現できるプラットフォーム」をビジョンに掲げており、「ユーザー同士が対話する場」が求められています。
今回紹介した、UGCへの意識やフォロワーを巻き込んでのアカウント運用など、おすすめに載るためのポイントを実践して、競合アカウントと差をつけていきましょう。
また、キャンペーン投稿などで一気にリーチ数を増やしたい場合には、的確なノウハウを携えた上で広告運用する方法が大変おすすめです。
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