デジタル屋外広告である「DOOH」は、データと連動した柔軟性の高い広告として近年注目されており、DOOH広告の市場規模は2024年度には1,000億円に達するほどの成長をすると言われています。
そんなDOOHは、活用方法次第ではSNSで多くのUGCを生み出すことが可能であり、SNSマーケティングと組み合わせることでさらなるブランドの認知拡大や売上増加につなげられることをご存知でしょうか?
そこで本記事では、DOOHをSNSマーケティングに活用する方法を詳しく解説していきます。
また、実際にDOOHを活用してSNSで話題を生んだ成功事例も紹介しているので、ぜひ本記事を参考に今後のSNSマーケティングにお役立てください。
目次
DOOHとは?
まずはDOOHの概要についてご紹介していきます。
DOOH(Digital Out of Home)とは、家庭以外で接触する屋外広告・OOHの一種であり、「デジタル屋外広告」のことを指します。
具体的には、
- 電車内のビジョン
- デジタルサイネージ
- タッチパネル式の案内板
などが挙げられ、広告自体がインターネットやIoT機器と接続でき、即時性の高い広告配信ができることがOOHとの大きな違いです。
DOOHの種類
DOOHには、
- ダイナミックDOOH
- プログラマティックDOOH
といった2つの種類があります。
ダイナミックDOOH
ダイナミックDOOHとは、センサーやカメラによって得た周辺情報を活用し、外部環境に応じて柔軟な広告配信ができる技術であり、リアルタイムで広告の内容を変更できることが特徴です。
ダイナミックDOOHを活用することで、場所や天候、人に適したコンテンツを配信することが可能となります。
広告を見る人や環境に適した広告配信によって、より訴求力が高まることが魅力といえるでしょう。
プログラマティックDOOH
プログラマティックDOOHとは、時間帯や場所ごとにデジタルサイネージ上の広告配信を自動化した技術であり、DSP(広告配信システム)から一部の広告枠を運用型広告として購入可能なことが特徴。
また、広告配信時間・場所の最適化により広告視聴者の情報を把握できるため、広告効果の測定をしやすいことが魅力といえるでしょう。
DOOHのメリット
続いては、DOOHを活用するメリットをご紹介していきます。
広告の更新やパーソナライズができる
電車の中吊り広告やラッピングカーといった従来のOOHは、多くの人々に広告を届けられる一方で、決まった内容の発信しかできず、一度配信した広告内容の変更や更新が難しいことや、パーソナライズ化ができないことが弱点と言われていました。
一方で、DOOHは広告自体がインターネットやIoTと接続されているため、時間帯や天気などに合わせた掲示物の情報更新ができ、リアルタイム性の高い広告の配信が可能です。
また、デジタルサイネージに搭載されたAIカメラなどを活用することで、広告を見ている人に適した広告配信も実現可能となっています。
そのため、これまでのOOHでの強みを残しながら弱点を克服した広告配信ができる点は、DOOHの大きなメリットといえるでしょう。
OOHよりもコストを抑えられる
OOHは長期的な契約が一般的であることから、広告配信にかかるコストが大きくなりやすい特徴があり、「大企業が活用する広告」というイメージを持っている方もいるでしょう。
しかしIoT機器や人の移動を測定する仕組みを活用できるDOOHは、Web広告と同じように決まった広告視聴数(インプレッション)で販売されるケースも増えています。
そのため従来のOOHよりもコストを抑えやすく、ビジネスや企業の規模にかかわらず活用できる点はメリットといえるでしょう。
インパクトのあるコンテンツを配信できる
DOOHはデジタルディスプレイを使った動画や画像の配信ができることから、通行人や観客の目に留まりやすいインパクトのある広告出稿が実現しやすい特徴があります。
さらに、年齢や性別によってパーソナライズされたコンテンツは、より人の記憶に残りやすくなるため、費用対効果を高めることにもつながるでしょう。
また、インパクトのある広告はSNSでの情報拡散も期待できます。
DOOHをSNSマーケティングに活用する方法
先ほどご紹介したように、リアルタイム性が高くインパクトのある広告を打ち出すことが可能なDOOHは、SNSとの相性が良く、SNSマーケティングと組み合わせることで一石二鳥の広告効果が期待できます。
具体的には、
- ハッシュタグキャンペーンを実施する
- リアルタイムコンテンツを配信する
- QRコードを活用する
- インフルエンサーマーケティングに組み込む
- SNSデータを活用してDOOH広告を配信する
などの方法でSNSマーケティングと組み合わせることができます。
一つずつ詳しく見ていきましょう。
ハッシュタグキャンペーンを実施する
DOOH広告に任意のハッシュタグを掲載し、投稿を促すことでSNS上での情報拡散が促進され、認知拡大につながりやすくなります。
ハッシュタグを付けて投稿することを応募条件としたSNS上のキャンペーンを実施することで、より拡散力が高まるでしょう。
リアルタイムコンテンツを配信する
SNS上での話題と連動したコンテンツをDOOHに反映させることで、ユーザーが受け入れやすい広告となりSNS上でも話題になりやすいでしょう。
一般的には、季節イベントや行事などに合わせたコンテンツの配信が効果的とされており、DOOHの強みを活かした活用方法です。
QRコードを活用する
DOOH広告にQRコードを記載し、SNSアカウントのプロフィールにアクセスできるようにすることで、フォロワーの獲得につなげることも可能です。
また、QRコードを読み込んだユーザー限定の特典ページなどを作成することにより、さらにDOOH広告の価値が高めることもできます。
インフルエンサーマーケティングに組み込む
SNS上で人気を集めるインフルエンサーをDOOH広告に起用することで、インフルエンサーのファンやフォロワーから注目を集めることができ、SNS上でのUGCの創出にもつながります。
また、インフルエンサー自身の宣伝の場にもなることから、相互利益のある取引を実現しやすいことも魅力といえるでしょう。
SNSデータを活用してDOOH広告を配信する
ここまでは、SNSマーケティングの効果を加速させるためにDOOHを活用する方法をご紹介しましたが、反対にDOOH広告の効果を最大化させるためにSNSマーケティングを活用することも可能です。
というのも、SNSアカウント運用やSNS広告などといったSNSマーケティングを実施する中で得た自社ブランドのターゲット層に関するデータは、DOOH広告の出稿時に行うターゲティングに役立つため。
そのため、SNSマーケティングから得たデータを使ったDOOHの広告出稿を行い、さらにそのDOOH広告でSNSマーケティングを加速させる好循環を生み出すこともできるでしょう。
DOOHによってSNSで話題を集めた成功事例
最後に、DOOHを活用してSNSでの話題を生んだ国内の成功事例を2つご紹介していきます。
参考になるポイントも解説しているので、順番に詳しく見ていきましょう。
マリンワールド海の中道
画像:マリンワールド海の中道
最初にご紹介するのは、「マリンワールド海の中道」が実施したDOOHの活用事例です。
福岡県福岡市にある水族館のマリンワールド海の中道は、同水族館の特徴である円柱型の水槽や人気のアザラシを広告を表示し、ユニークなアイデアがSNSで話題となりました。
天神の駅にマリンワールドのアザラシがやってきたよ🦭#アザラシ#マリンワールド#癒し#デジタルサイネージ#西鉄 pic.twitter.com/iKfm2W1zty
— JUN KONDO a.k.a. JUNIO (@junio_honeytrap) February 8, 2023
上記の事例では、西鉄福岡(天神)駅構内にある柱型のデジタルサイネージ・TENJIN TREE VISIONに、円柱型の水槽を模した広告を表示しています。
駅に設置されたデジタルサイネージの形状を上手く活用して円柱型水槽を再現しているほか、愛らしいアザラシの動きはSNSに投稿したくなる要素といえるでしょう。
以下のように動画を投稿しているユーザーも多く、UGCによる副次的なPRに貢献した事例です。
天神にマリンワールドのアザラシさんいた!すごい! pic.twitter.com/GNfplItYnf
— すみそ@ぢぇらっこ兼MATE (@spread521wings) February 10, 2023
そういえば天神に行ってきました!
噂のマリンワールドのアザラシさん!
感動してしまった…🥲 pic.twitter.com/Pb93fXGYym— 勇輝(ゆうき) (@orion521gela) February 10, 2023
味の素株式会社
続いてご紹介するのは、「味の素株式会社」が実施したDOOHの活用事例です。
調味料や冷凍食品などを展開する味の素株式会社は、中華の味付けが簡単に出来る調味料「香味ペースト」をPRする目的でDOOHを使い、SNSでも話題を集めました。
\ただいま放映中/
新宿駅東口でチャーハンが空を舞う🔥⁉️
香味ペーストを使ってチャーハンを作りたくなる #3Dチャーハン が #クロス新宿ビジョン に登場✨
4月6日までの放映です🗓️#チャー活 pic.twitter.com/hhwd5i4AiS— クロス新宿ビジョン (@xspace_tokyo) April 4, 2023
上記の事例では、3D映像を裸眼で見られることが特徴のクロス新宿ビジョンにチャーハンを作る様子を映し出し、香味ペーストの魅力をダイナミックな映像で伝えていることが特徴。
また、味の素はDOOHの放映期間中に新宿で香味ペーストを配布するリアルイベントも開催するなど、広告キャンペーンをより盛り上げる工夫もされています。
さらに、広告には「#チャー活」とオリジナルハッシュタグも大きく表示することでSNSでの投稿も促しており、以下のようにオリジナルハッシュタグが付いたUGCも確認できることから、二重の広告効果を引き出した事例といえるでしょう。
ちょうど新宿にいたので香味ペーストのサンプルもらえました✌️嬉しい!
みんな大好きチャー活アニキもよろしくお願いします♡#チャー活#3Dチャーハン#柳楽優弥 pic.twitter.com/iD6R2KV5iR— なな (@zero7ban) April 1, 2023
まとめ
本記事では、DOOHをSNSマーケティングに活用する方法について詳しく紹介・解説してきましたが、いかがでしたか?
記事内でもご紹介したように、DOOHはターゲティングや効果測定がしやすいため、ぜひSNSマーケティングと合わせて活用してみてはいかがでしょうか。
またDOOHに限らず、SNSはさまざまな広告手法との相性が良いため、柔軟なSNS運用が競合アカウントとの差別化につながるでしょう。
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インスタラボ編集部の公式記事。
支援実績11,000件、最大2.6億リーチ可能なFindModel(ソーシャルワイヤー株式会社)が運営しています。
ILライター:M.N・Y.O・T.S・R.S・K.Mの5名で運用。
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