テレビ離れが進む昨今では、SNSを中心としたインターネット広告が主流になっています。
実際に人々がネットに触れる時間は年々長くなっており、総務省が発表した令和3年時点の資料によると、既に10~60代がインターネットを使う時間の平均値が、テレビを見る時間の平均を超えていることがわかります。
こうした背景からも、SNSを中心としたインターネット広告の市場規模が今後も成長していくと考えられます。
中でも特に注目したいのが、Google広告とInstagram広告です。
Google広告は、YouTubeをはじめ、GmailやGoogle検索、ウェブサイトやアプリ内のスペースなど、広範囲に広告を出稿することができ、その形態も様々です。
また、Instagram広告は、ショッピング機能を搭載した広告機能や、Facebookと連動した広告配信が魅力です。
今回本記事では、SNS広告やインターネット広告を導入する際の参考として、期待される運用効果を成功事例の実績数値にフォーカスして解説していきます。
Google広告とInstagram広告、それぞれの成功事例から具体的な指標に注目することで、特徴と強みを正確に理解し、より効果的な施策へと繋げていくことができるでしょう。
是非とも最後までご覧ください!
目次
Google広告の成功事例と解説
まずはじめに、Google広告の成功事例をご紹介、解説していきます。
※尚、Google広告の主力である「YouTube広告」については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、是非ともご参考になさってください。
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YouTube広告で動画を活用し 顧客獲得とブランディングを両立
画像:YouTube広告で動画を活用し顧客獲得とブランディングを両立|成功事例|Google広告
成功事例の概要と実績数値
カラーコンタクトレンズを販売するECサイト「QUEEN EYES」を運営する株式会社エースの成功事例では、顧客獲得を目的に、以前から利用していた検索広告やディスプレイ広告に加えて動画素材を活用することに。
YouTubeを視聴するユーザーに動画でアプローチできるTrueView動画広告を配信されました。
実績数値では、
- ディスプレイ広告との比較でCPA減少率 −40%
- YouTube広告視聴率 約20%
という成果が発表されています。
成功事例のポイント解説
まず、本事例で注目するポイントは、動画素材を活用し、動画再生時に関連動画として広告動画を表示させるTrueView動画広告を活用している点です。
TrueView動画広告には、5秒後にスキップ可・スキップ不可といった仕様の種類はありますが、共通して自動で再生される点が大きな特徴になっています。
一般的に、ユーザーがクリックすることで情報が認知される検索広告やディスプレイ広告とは異なり、ユーザーの意図とは関係なく受動的に広告を認知させることができるため、より確かな広告効果に期待できます。
また、動画を視聴した上で興味を持ったユーザーがリンクから自社サイトに流入されるため、費用対効果を高めることにも繋がっています。
結果として本事例では、リンク先のウェブサイトに自社のECサイトを採用。
見込み度の高いユーザーを新規顧客として獲得したことで、CPA(=顧客獲得単価)を−40%減少させることに成功しました。
次に、実績数値で注目したい点が、約20%という高い広告視聴率です。
YouTubeの動画広告は、一般ユーザーの動画の前後に配信されることに加えて、関連度の高い動画を自動学習して表示先が選択されます。
ブランドのターゲット層により近いユーザーに視聴されやすくなることで、高い広告視聴率に繋がっているのです。
要点まとめ
- YouTube広告のTrueView動画広告は、ユーザーの意思とは関係なく受動的に広告を認知させることができる。
- 動画に興味を持った見込み度の高いユーザーを流入できるため、新規顧客を獲得しやすい。
- 関連度の高い動画を自動学習して表示先が選択されるため、ブランド属性に近いユーザーに視聴されやすく、高い広告視聴率が得やすい
検索連動型広告とYouTube動画広告で認知拡大とブランディングに成功
画像:検索連動型広告とYouTube動画広告で認知拡大とブランディングに成功|成功事例|Google広告
成功事例の概要と実績数値
カジュアルなデザインを中心としたサイクルウエアブランド「カペルミュール」では、ターゲットとなるライトユーザー層への認知を広げるために、動画広告をはじめとしたGoogle広告を活用。
実績数値では、
- サイト流入数 8倍 (売上 2倍)
- ブランド名「カペルミュール」での指名検索ボリューム +30%(前年同月比)
という成果が発表されています。
成功事例のポイント解説
本事例の実施の背景には、同社がそれまで広告展開していたケーブルTVのCMや雑誌といったオフラインメディアでは、
- 広告出稿後の反応が把握しづらい
- 若い人が集まりづらくライトユーザーに情報が届かない
という2つの問題に直面したことが挙げられます。
そこで、上記2つの問題を解決すべく、Google広告・YouTube動画広告を活用。結果的として、ブランディングの重要な指標となる「サイト流入数」「検索ボリューム」において大きな成果をもたらしています。
具体的にはまず、Google広告で、ブランドに紐づけるキーワードを選定する入札の過程で、「散歩」といった自転車とは一見関係なさそうなキーワードから、流行していた自転車アニメのタイトルに至るまで幅広く選出。
その後、効果の低いものを定期的に見直すことで、次第に効果の高いキーワードを把握・蓄積していくことができるようになりました。
Google広告では、キーワードごとに広告効果が測定できることで、
- ブランドイメージと親和性の高いキーワードを知れる
- ユーザーのニーズを効果の高いキーワードから読み取ることができる
といったメリットに繋がるのです。
また、本事例では、広告媒体にオンラインのYouTube広告を用いるようになったことで、若い世代のアクティブユーザーに動画でアプローチを実現。
特に動画の作りに工夫を加えたこともポイントになっています。
具体的には、テレビCM用に作成していた動画素材を応用し、冒頭に楽しげな音楽に合わせてサイクリングする動画や、サイクリングジャージのコーディネート写真を使用。
5秒間でスキップされない工夫を施して動画の印象値を高めたことも、本事例における認知拡大・ブランディングの成功要因に挙げられるでしょう。
要点まとめ
- Google広告は、キーワードごとに広告効果が測定できるため、ブランドイメージと親和性の高いキーワードやユーザーのニーズを把握・蓄積することができる。
- 従来のオフラインメディアではなくオンラインのYouTube広告を用いることで、若い世代のアクティブユーザーに動画でアプローチすることができる。
- スキップ可能なYouTube広告では、冒頭の印象値を高め、スキップされない工夫を施すように心がける。
Instagram広告の成功事例と解説
続いて、Instagram広告の成功事例をご紹介、解説していきます。
※尚、Instagram広告については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、是非ともご参考になさってください。
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新製品の発売で驚きの成果
画像:Instagram広告の成功事例|Instagram for Business
成功事例の概要と実績数値
サンフランシスコの老舗美容ブランド、Benefit Cosmeticsは、2つの新製品の発売にあたり、Instagramライブショッピングを活用。
72時間で数色のアイブロウペン商品を完売したほか、ライブショッピングイベントの配信中には、マスカラ商品で1分間に平均1本の売り上げを達成しました。
実績数値では、
- 「Brow Microfilling Pen」の Instagramでの販売割合が 46% (Eコマースチャネルにおける発売開始後1週間の全販売数に占める割合)
- 「Brow Microfilling Pen」の Instagramでの販売割合が 42% (Eコマースチャネルにおける発売開始後48時間の全販売数に占める割合)
- ライブショッピングイベント配信中のマスカラの1分間の平均販売数が 毎分1本
といった成果が発表されています。
参考:Instagram広告の成功事例|Instagram for Business
成功事例のポイント解説
本事例のポイントは、新商品の販促にInstagram広告の強みであるショッピングソリューションをフル活用している点です。
まず本事例では、新商品の限定先行発売にInstagramライブを活用。
新商品の魅力をユーザーに直接PRする機会を設けることで、ユーザーの購買意欲を最大限に引き出すことに成功しています。
さらに、Instagramのショッピング機能を発売時に設定するだけでなく、広告配信を併用したり、発売までの期間に利用者が製品のプレビューを見れるようにしたりと、ユーザーの関心を効果的に新製品に集中させる仕組みが施されました。
長期的に新製品への期待感を高めたことで、ライブショッピングイベントの配信は大盛況に。
配信では、新製品の特徴や全容が明かされたほか、視聴者からの質問への回答などが行われ、納得感を持って購入することができました。
また、発売開始時間には、タグ付けされた同製品をInstagramで購入することができたため、Instagram経由での高い販売率に繋がっています。
要点まとめ
- Instagram広告はショッピングソリューションに強みを持ち、販売ページの設置以外にも様々な機能で販促が図ることができる。
- 新製品の発売にライブ機能を活用したライブショッピングイベントを実施し直接PRすることで、ユーザーの購買意欲を最大限に引き出すことができる。
- タグ付けから直ぐに購入できるなど、Instagramのショッピング機能は購買力に優れている点が魅力。
ARクリエイティブの活用で高いブランド認知を獲得
画像:Instagram広告の成功事例|Instagram for Business
成功事例の概要と実績数値
日本最大級の電子書籍配信サービス「コミックシーモア」を運営するNTTソルマーレは、InstagramのARクリエイティブを活用することで、高いブランド認知を獲得することに成功しました。
実績数値では、
- 広告想起が 2.4倍 (通常のブランド広告と比較)
- メッセージ想起 +5.7ポイント (通常のブランド広告と比較)
といった成果が発表されています。
参考:Instagram広告の成功事例|Instagram for Business
成功事例のポイント解説
本事例では、年末年始の注力時期に合わせてARクリエイティブを展開することで、通常のInstagram専用クリエイティブよりも高い認知獲得を実現しています。
「電子書籍といえばコミックシーモア」というように、ユーザーの第一想起を目標にした際に、ARクリエイティブは従来の広告用のクリエイティブよりも印象度が高く、ユーザーの関心を集めやすい点で優れています。
実際に本事例では、自分の顔がTVCMで親しまれているマンガキャラクターの顔に変わるAR広告を提供し、体験してもらうことで、同ブランドを身近に感じてもらうことに成功しています。
また、InstagramのARクリエイティブは、エンタメ性の高い専用のエフェクトでUGCを増やすことにも期待できるため、話題として拡散されやすい点も魅力です。
本事例の実績数値は、Meta社のInstagram・Facebookとの比較ではありますが、普段から打ち出しているブランド広告との比較でこれだけの上昇幅が見込めるのは、体験型、且つエンタメ性の高いARエフェクトならではの特徴と言えるでしょう。
要点まとめ
- AR広告は、エフェクトの体験を通してブランドを身近に感じてもらうことにつながる。
- エンタメ性が高いため話題になりやすく、UGCを通じて拡散されることに期待できる。
- すでにMeta社のブランド広告をを打ち出している場合にも、認知拡大において更なる成果に期待できる。
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まとめ
今回、本記事では、Google広告とInstagram広告の具体的な運用効果について、成功事例の実績数値からポイントを紐解く形で解説させていただきました。
今回紹介させていただいた事例のように、導入する広告の種類によって、期待される運用効果も大きく異なります。
具体的な実績数値に注目し、特徴や強みを正確に理解することで、より効果的な施策へと繋げていきましょう!
最後までご覧いただきましてありがとうございました!
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