みなさんは、「フェムテック」という言葉をご存じでしょうか?
「フェムテック(Femtech)」は、「Female(女性)」と「Technology(技術)」による造語で、女性特有の性や健康に関する問題をテクノロジーの力で解決する分野のサービス・商品を指します。
最近では、ジェンダーレス社会の浸透などにより、女性特有の悩みが汲み取られやすい社会になりつつあります。
それまでデリケートな分野とされてきた女性ヘルスケア領域の市場活性化に伴い、フェムテック関連のサービス・商品に注目が集まってきているのです。
画像:フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場規模推移|矢野経済研究所
上記の矢野経済研究所の調査によると、2021年のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場規模は前年比107.7%の642億9,700万円で推計。
2020年の市場規模が前年比103.9%の伸びだったことと比べても、2021年はさらに勢いを増していることがわかり、2022年以降もその勢いは続くと見込まれています。
そして、フェムテックの市場規模拡大の背景には、ジェンダーレス社会、女性の社会進出などの情報を発信・浸透させてきたSNSの影響力にも注目です。
本記事では、フェムテック関連のサービス・商品で実際に行われたSNSマーケティングの活用事例をご紹介していきます。
これまでのフェムテックの認知拡大の過程において、SNSマーケティングがどのように活用されてきたのかを学び取っていきましょう。
目次
フェムテックのSNSマーケティング活用事例
それでは早速、フェムテック関連のサービス・商品のSNSマーケティング活用事例を解説していきます。
Femcation白書|株式会社エムティーアイ
女性の健康管理アプリ「ルナルナ」で知られる株式会社エムティーアイでは、「FEMALE(女性)」と「EDUCATION(教育)」を掛け合わせた「FEMCATION(フェムケーション )」というプロジェクトを提言。
複雑かつ多様な女性のカラダとココロについて、年齢や性別を問わず正しく学ぶ機会を創出し、社会全体で寄り添いあえる環境づくりを掲げており、ルナルナのサービスを通して多くの女性に寄り添ってきた同社ならではのプロジェクトになっています。
本施策では、「FEMCATION白書」という男性向けのアンケート結果を元にした、生理やホルモンバランスの変化に対する認知・理解についての調査、関連情報をまとめた資料を発信。
SNS上のコンテンツで拡散することで、女性特有の健康課題を広く浸透させてきました。
中でもInstagramでは「FEMCATION白書特集」として特集コンテンツを作成。
「男性1000人に聞いた〇〇」というインパクトのあるフレーズを定番化することで、多くのユーザーの関心を集めました。
特に本事例でポイントに挙げたい点は、
- 自社コンテンツへの導線としてストーリーズとハイライトを活用している点
- オリジナルハッシュタグでコンテンツをカテゴライズしている点
上記2点です。
画像:ルナルナ | LunaLuna(@lunaluna_mti)|Instagram
上記のように、「FEMCATION白書特集」の投稿はストーリーズでシェアされており、同社が提供するメインコンテンツのWebサイトリンクが貼られています。
Instagramの通常投稿では外部リンクを設定することができないため、本事例のように、URL付きのストーリーズを作成、さらにハイライトにまとめることで、ユーザーを自社サイトに促す導線を確保することができます。
投稿内で「ストーリーズのURLリンクをタップ」と誘導している点も併せて参考にしたいですね。
また本事例では、「#femcation白書」というオリジナルハッシュタグを投稿に付けることで、特集コンテンツをうまくカテゴライズしています。
関連するシリーズの投稿をオリジナルハッシュタグで紐づけることで検索性が向上し、1つの投稿に興味を持ったユーザーにまとめて投稿をみてもらえることに期待できるでしょう。
Femtech Fes! 2022|fermata
画像:Femtech Fes! 2022 is back|fermata store
フェムテック関連商品をオンラインストア・実店舗で展開する「fermata」では、「タブーをワクワクに変える」をテーマに「Femtech Fes! 2022」を3日間にわたり開催。
フェムテックの最新商品の展示会やトークショー、ワークショップなど、充実した企画で大盛況を収めています。
本施策の広報には、同社のオンラインストア上のニュースリリースのほか、Instagram・Twitterで広く情報が発信されました。
Instagramでは、トークイベントのゲストやテーマなどが投稿で予め紹介されました。
画像の1枚目ではゲスト2名を紹介、メンション(アカウントタグ付け)を行うことで、 ゲストの普段の取り組みなどを知ってもらうきっかけにしています。
また、トークテーマや「Femtech Fes! 2022」全体の情報についての紹介では、投稿のキャプションではなくテキスト主体の投稿画像を用いている点もポイントです。
クリエイティブがメインのInstagramでは、投稿のキャプション欄よりも投稿画像そのものの方が閲覧される割合が高くなります。
本事例のように、初めて投稿を目にした新規ユーザーに情報を届けたい場合には、投稿キャプションよりも投稿画像にテキストを用いて情報量を増やすことも有効といえるでしょう。
#FemtechFes 2022 事後レポート✍️
昨年10月に開催した Femtech Fes! のトークセッション「最新ウェルネスソリューション 〜最低限から多様性へ〜」の様子をレポートしていただきました!【MASHING UP】最新のウェルネスソリューションは、“女性”のためでなく“みんな”のためhttps://t.co/yWwOzQdFY9 pic.twitter.com/KzA2vn9Tvz
— fermata (@hello_fermata) January 5, 2023
一方でTwitterでは、事前の情報拡散以外に、本施策の事後レポートとして外部リリース記事のURLリンク付きで紹介することにも活用されました。
通常投稿でリンクが設置できないInstagramに対し、Twitterは投稿で外部リンクに流入させる点で長けています。
ニュースリリースやコラムなどボリュームの多いコンテンツを拡散させたい場合には、本事例のように、Twitterのリンク機能で拡散し、アクセスを促していくといいでしょう。
エリスハートサポート|大王製紙
家庭用紙製品の大手ブランド「エリエール」で知られる大王製紙では、生理用ナプキンブランド「エリス」を冠名とした国際支援活動「エリスハートサポート」を実施。
世界中の女の子の自立を実現するために、今困っていることを解決・支援することを掲げ、2018年10月11日の国際ガールズデーから始まり、5年目を迎えています。
主に、アフリカ・ザンビアにて支援を行っており、
- ザンビアの女の子に配布する布ナプキン作製の支援
- 男女間のあらゆる格差をなくすための、健康・衛生に関する知識の提供
といった活動が行われています。
中でもとりわけ大きな注目を集める活動が「世界女の子会議」です。
画像:エリスハートサポート
最新の「世界女の子会議2023」では、ザンビアの女の子と日本の女の子が対話し、生理事情や女性の社会進出における課題ついて理解を深める機会を提供。
そして本事例では、Twitterを活用した興味深い企画が打ち出されています。
#エリスハートサポート2023 では、日本の女の子とザンビアの女の子が対話をする #世界女の子会議2023 を実施します✨
会議当日にザンビアの女の子に聞いてみたいことを選択肢から選んで教えてください🌸
選択肢に無い場合はコメント欄へ💁♀️皆様のご意見お待ちしております✏️https://t.co/D3VQlQwRYK
— エリス(elis)【公式】 (@elis_elleair) December 5, 2022
まず注目したいのが、上記のザンビアの女の子への質問内容を募集するツイートです。
「世界女の子会議2023」に向けてユーザー参加型のアンケートを実施することで、日本の総意として質問の内容をまとめることに努められています。
ユーザーの関心度合いを高めることで、社会問題の解決に必要な能動的な課題への取り組みを促している点が素晴らしいですね。
❣️࿐⋆*
#エリスハートサポート プロジェクト
今までの活動
࿐⋆* ❣️2018年から始まったプロジェクトは
今年で5年目💭世界中の女の子の自立を実現するために支援してきた
今までの活動をご紹介します💁#生理があきらめる理由にならない世界へ▼画像をタップ pic.twitter.com/VpwGVxkeyC
— エリス(elis)【公式】 (@elis_elleair) October 25, 2022
そして、本事例のTwitterの活用で注目したいもう一点のポイントに、オリジナルハッシュタグを用いた布サプキンの支援活動が挙げられます。
2023年の事例では、「#エリスハートサポート2023」をつけて世界女の子会議2023に対する感想をツイートする毎に、ザンビアの女の子に対し布ナプキン1枚が支援されました。
Twitterを活用してユーザーが参加しやすい支援活動を実施することで、社会の課題と身近に向き合い、役立てる機会を提供している点が素晴らしい事例になっています。
国内ユーザーの貢献、課題に直面するザンビアの女の子の幸福、そして、課題解決を目指す企業の奉仕精神、三方良しを実現している点からも、学びの多い成功事例と言えるでしょう。
まとめ
今回は、フェムテック関連のサービス・商品で実際に行われたSNSマーケティングの活用事例をご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?
女性特有の健康の悩みや社会問題に対し、少しづつ認知が拡大されてきた昨今の背景に、SNSを上手に活用してきた企業の取り組みを垣間見ることができましたね。
ジェンダーの課題や問題は、なかなか表に出にくく企業もマーケティングしにくい一面がありますが、しっかりとリスクを抑えながらSNSを活用したマーケティングをしましょう。
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