今では多くの企業が自社商品やサービスのPRのために、SNSを媒介としたマーケティングを行なっています。
SNSマーケティングが経営戦略において重要となった背景には、消費者の購買行動の変化が挙げられます。
SNS利用率の増加に伴って、消費者は商品の購買前にSNSで情報取集をした上で購買を決定する傾向が増加していると言われています。
中でも、既に商品・サービスを利用済みの消費者のクチコミは、他の消費者にとって信頼性の高い情報となります。
そんなクチコミを利用した活用した「クチコミマーケティング」は、企業の売上や集客をのばすために大変効果的なマーケティング手法です。
本記事では、「クチコミマーケティング」についてメリットや注意点など事例とともに徹底解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください!
目次
クチコミマーケティングとは
クチコミマーケティングとは、消費者のクチコミを活用して、自社商品・サービスの魅力を伝えるマーケティング手法のこと。
消費者から消費者へクチコミが拡散されていく仕掛けを施策することで、企業の商品やサービスの認知拡大や集客率・売上の向上をはかります。
近年、クチコミマーケティングが企業のマーケティング活動において重要視されるに至った背景には、消費者の購買行動の変化が挙げられます。
画像:口コミによる購入経験は9割以上、企業アプローチの購買意欲への影響度は6割 「EC・通販ユーザー動向調査レポート2021“確報版”」を発表! | PR TIMES
株式会社KDDIエボルバが2021年に実施した調査によると、『新たに商品を購入する際に、商品について調べたり、類似商品の比較検討など情報収集をしてから購入しますか』という質問に対して、「情報収集してから購入を決める」と回答した人の割合が94%にものぼる結果が得られています。
SNSなどの勃興とともに、企業の新商品の発売情報やサービスの魅力などを簡単にキャッチアップすることができるようになった時代では、実際に多くの消費者が購買行動の一環として購入前の情報収集を行なっていることがわかりました。
画像:口コミによる購入経験は9割以上、企業アプローチの購買意欲への影響度は6割 「EC・通販ユーザー動向調査レポート2021“確報版”」を発表! | PR TIMES
また、同じく同社が行った調査で、『口コミは、購入決定にどの程度影響しますか(単一回答)』の質問に対しては、良い口コミによる購入決定経験が一度でもある人の全体の割合が98.4%にものぼることがわかりました。
消費者は、SNSなどを通して企業の商品・サービス情報をチェックしているだけでなく、実際に購買を検討する際の判断材料にしているのです。
また、消費者はSNSで自由な発言を積極的に行える環境があるため、自らが実際に利用した商品やサービスのレビューを気軽に投稿することができます。
実際に利用した消費者のレビューは、企業から発信されるプロモーション情報と比べて信頼できる正直な感想であると感じる消費者が大半です。
クチコミをきっかけとして、SNSでバズる商品やサービスも生み出されることもあることからも、クチコミを活用したマーケティングが重要視されているのですね。
クチコミマーケティングのメリット3選
クチコミマーケティングのメリットについて解説します。
クチコミマーケティングには、
- 費用対効果の高いマーケティングが可能である
- 認知拡大に貢献する
- 消費者からの信頼を獲得できる
といった主に3つのメリットがある点が特徴的です。
費用対効果の高いマーケティングが可能である
企業のSNSを活用したマーケティングには、相応のコストがかかってしまうことが一般的です。
例えば、SNS広告を打ち出すとなると、インプレッション数に応じたコストが生じるだけでなく、広告デザインの外注費などが生じます。
コストをかけたにも関わらず、目標売上高に達しない可能性もあります。
一方で、クチコミを活用したマーケティングでは企業のコストを極端に低く抑えることが可能に。
クチコミマーケティングでは、SNSユーザー自身が企業の商品・サービスの魅力を伝えてくれるため、企業が工数をかけることなくマーケティングを行うことができます。
クチコミマーケティングは、ほとんどコストをかけることなく他のマーケティング以上の効果をもたらすことも。
マーケティングを綿密に企画する必要もないため、クチコミマーケティングは費用対効果の高い施策となるのですね。
認知拡大に貢献する
消費者の購買行動に影響を与えるクチコミは、SNSを通して拡散されていく傾向にあります。
今まで商品やサービスを知らなかった消費者に対して、クチコミを通してリーチすることが可能に。
例えば、TwitterのようなSNSは瞬時の拡散力に優れている媒体であるため、一度魅力的な口コミが投稿されると、すぐに万単位のリツイートが行われることも。
クチコミを通して、従来行っていたマーケティングではリーチできなかった消費者にまでリーチできる点は非常に魅力的ですね。
消費者からの信頼を獲得できる
企業からの一方的なプロモーションだと、企業の都合の良い情報しか提供されないといったイメージを抱いてしまいがちです。
一方でクチコミは、実際に商品やサービスを利用した一般消費者の感想です。
そのため購買を検討している消費者は、企業から発信されたプロモーションよりも、信頼性高く素直に商品やサービスの魅力を受け入れる傾向があるのです。
消費者は、信頼性の高い情報として他人のクチコミを利用している点を理解しておきましょう。
クチコミマーケティング注意点とは
クチコミマーケティングを施策するうえで、注意しておきたい点について解説します。
具体的に、
- ステルスマーケティングにならないようにする
- クチコミの無断二次利用は控える
- クチコミを強制しない
といった点に注意が必要です。
ステルスマーケティングにならないようにする
ステルスマーケティングとは、広告であることを偽装して、消費者に対して商品やサービスを宣伝すること。
企業から依頼されて宣伝をすることに対しての報酬対価をもらっているにも関わらず、あたかも自主的なレビューであると偽る点で消費者を騙す行為と認識されています。
ステルスマーケティングを行なっていることがバレると、消費者からの反感を回避することは難しいでしょう。
企業が特定のユーザーに宣伝を依頼する際には、企業との関係性を明示するように当人に注意喚起しましょう。
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ステマ(ステルスマーケティング)とは?炎上徹底防止マニュアル
クチコミの無断二次利用は控える
消費者のクチコミを、企業のSNSアカウントやwebページに無断で二次利用する事によるトラブルが増えています。
消費者の好印象なクチコミは、企業の商品やサービスを信頼性高く魅力的に宣伝するうえで効果的です。
クチコミを投稿した消費者とのトラブルを避けるためにも、二次利用する際の事前の連絡が欠かせません。
クチコミを強制しない
企業がクチコミに関して、企業の意思を強制しないことも大切です。
企業からクチコミを強制されると、同じような文言で統一されたクチコミばかりが投稿されてしまうことにもつながります。
クチコミが強制されているという印象は、企業に対するクリーンなイメージをも毀損してしまいかねません。
消費者が期待しているクチコミは、あくまでも信頼性の高い正直なレビューであるため、消費者の自然なクチコミを阻害することは控えましょう。
自社の商品・サービスを利用した消費者からのクチコミを促進したい場合には、強制感なくクチコミをすることのメリットを提示することが大切です。
例えば、「クチコミを投稿してくれたユーザーは会計時に○%割引」といったような消費者が自主的にクチコミをすることを促す施策がおすすめです。
クチコミマーケティングを成功させるポイント
実際に、クチコミマーケティングを成功させるポイントについてご紹介していきましょう。
クチコミマーケティングの成功には、
- インフルエンサーを起用する
- クチコミをしたくなる仕掛けを施策する
- クチコミのハードルを下げる
といった工夫をすることががおすすめです。
インフルエンサーを起用する
インフルエンサーとは、SNSなどで多くのユーザーに対して絶大な影響力を及ぼすことのできる人のこと。
人気のインフルエンサーがSNSで紹介した商品が次の日には売り切れてしまうといったケースも珍しくありません。
インフルエンサーを起用することで、企業のみではリーチでない幅広い層に自社商品・サービスの認知を拡大することができるため、併せてクチコミの数も多く獲得することが可能に。
インフルエンサーを媒介としたプロモーションによって、数多くのクチコミを促進していきましょう。
クチコミをしたくなる仕掛けを施策する
消費者が自然に自らクチコミをしたくなるような仕掛けを施策することが大切です。
例えば、誕生日に来店した消費者に対して、誕生日サービスをサプライズで提供するなど、消費者に感動体験を与えることでクチコミを促すことができるでしょう。
また、SNSでバズるような見た目をした特徴的な新商品の発売など、つい消費者が拡散したくなるようなコンテンツは自然とクチコミが生成されていくでしょう。
消費者の視点に立って、クチコミをしたくなる仕掛けを検討していきましょう。
クチコミのハードルを下げる
消費者がクチコミをする際に、労力をかけることなくクチコミを投稿できるように工夫することが大切です。
クチコミのハードルを下げるためには、企業がクチコミの内容についてあらかじめ細かい内容を指定しないようにしましょう。
SNSでは、「ハッシュタグをつけてクチコミを投稿してください」といったようにクチコミの内容を指定するケースがよく見られます。
クチコミの内容を指定された消費者は、義務感を感じてしまう可能性もありますので、なるべく条件を設定しないことがおすすめです。
上記のケースで、どうしてもハッシュタグをつけてクチコミを投稿してほしい場合には、「ハッシュタグをつけてクチコミを投稿したユーザーに抽選で○○をプレゼント」といったようなメリットを提示すると良いでしょう。
クチコミのハードル自体を下げるか、クチコミの労力はかかるけど相応のメリットを提示するか事前に検討することが重要です。
【事例】クチコミマーケティングの成功事例5選
それでは実際に、多くの企業が実施しているクチコミマーケティングの成功事例についてご紹介していきましょう。
アサヒビール
アサヒビールは、人気ユーチューバーの「きまぐれクックKimagure Cookさん」とコラボしました。
本事例では、きまぐれクックKimagure Cookさんが得意とする調理した魚料理と共にアサヒビールを紹介する動画です。
美味しそうにビールを飲むだけでなく、ビールを美味しそうに注ぐ方法を実演したりと、存分にアサヒビールの商品をPRすることに成功しました。
本事例のように、SNSで人気のインフルエンサーを起用することで、ファンに対して商品の認知を拡大することが可能です。
さらに、ファンがいいねやコメントなどクチコミをシェアをすることで認知がさらに拡大していくため、企業単体のPRではリーチすることができない層にまで認知が広がっていくことになります。
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Dropbox
画像:Dropbox
Dropboxは、インターネット上に自分のファイルを保存することのできる人気クラウドストレージサービスです。
本サービスは基本的に無料で使用できますが、一定のストレージを超えると有料となってしまいます。
しかし、本サービスは「お友達を招待して追加ストレージを獲得する」という特典を設定して、利用者を増やしているのです。
本サービスが顧客ニーズを満たす魅力的なサービスだからこそ、クチコミによる利用者の増加を促すことができたのですね。
クチコミマーケティングの成功には、提供する商品やサービス自体の魅力を高めることも大切です。
Airbnb
画像:Airbnb
民泊サービスで有名なAirbnbは、「クチコミしてくれる人と、クチコミを受ける人の両方にトラベルクレジットを配布」するといったクチコミマーケティングを行いました。
クチコミマーケティングの仕組みを活用した本事例は、旅行者からの認知度を拡大させました。
本サービスは、民泊という当時のブームにうまく乗って、旅行者の満足度が高いサービスを提供していたことがクチコミマーケティングの成長を促進させたのですね。
ロッテ
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ロッテは、「BTSデザイン キシリトールホワイト当たる」というTwitterキャンペーンを通して、キシリトールガムの売上を向上させました。
本Twitterキャンペーンは、
- @gum__lotteをフォロー
- #大切な歯のために #キシリトール をどんな時に食べたい?選択肢を選んで投稿
することで簡単に参加可能な、非常に参加ハードルの低いTwitterキャンペーンです。
本事例のようなSNSキャンペーンは、多くのユーザーがキャンペーンに参加することで商品の認知・理解を爆発的に拡散させることができるマーケティング手法です。
SNSキャンペーンを通した認知の拡大によって、数多くのユーザーからのクチコミの生成が期待できるでしょう。
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SNSキャンペーン成功事例と参考にしたいポイントをまとめて解説(Instagram,Twitter,TikTok)
江崎グリコ
/
全国16会場限定
目指せ!参加者11,111人企画
\
11月3日より行っていた #ポッキープリッツの日 に向けたこの企画…つ、ついにっ!_人人人人_
>目標達成<
 ̄Y^Y^Y^Y ̄現在、参加者が15,000人を超えています!!ご参加されたみなさん、ありがとうございます!https://t.co/9WehIVSch4
— Pocky Japan (@PockyJPN) November 11, 2017
江崎グリコは、11月11日の「ポッキー&プリッツの日」に向けてギネス記録の獲得を目指したイベントを実施しました。
本イベントは、Twitterユーザーに対して「ポッキー」というフレーズを含んだ投稿を促したものです。
結果は当初の目標を大きく超える300万件以上のツイートが投稿され、見事ギネス記録を獲得することができました。
ギネス記録に挑戦という大きな目標は、Twitterユーザーから多くの注目を集めてクチコミの生成を促しました。
Twitterを活用した本イベントを通して、11月11日が「ポッキー&プリッツの日」という記念日を多くの人々に周知させることにも成功しています。
本施策は、Twitterの拡散力を活用したクチコミマーケティングの好事例となりました。
ローソン
画像:どのチョコレートスイーツにする?“TikTok”フォロー&コメントキャンペーン! | ローソン研究所
ローソンは、「どのチョコレートスイーツにする?“TikTok”フォロー&コメントキャンペーン!」と題したTikTokキャンペーンを通して、新商品の認知を拡大させました。
本TikTokキャンペーンでは、
- 企業の公式アカウントをフォローする
- キャンペーン告知の投稿にコメントする
することで参加が可能でした。
本TikTokキャンペーンの特徴は、キャンペーンの参加条件である「カプケ派?ホボクリム派?」という質問を通して、ユーザーからのコメントをうまく促した点です。
商品が特徴的な名称なだけに、本キャンペーンを知らないユーザーに対してもコメント自体に興味を惹く結果となりました。
本事例は、SNSキャンペーンを活用して、自社商品・サービスのクチコミを生成することを促進した好事例です。
まとめ
今回はクチコミマーケティングについて事例とともに解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
クチコミマーケティングには、メリットだけでなく留意しておかなければならない注意点も存在します。
クチコミマーケティングを行う際には、
- ステルスマーケティングにならないようにする
- クチコミの無断二次利用は控える
- クチコミを強制しない
といった点に注意し、消費者の反感を買わないように気をつけましょう。
今後もますますSNSを活用したマーケティングが大切になっていくでしょう。
本記事でご紹介したクチコミマーケティングが、今後のSNSマーケティングの一助になりましたら幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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