クラウドファンディングとは、自身の実現したいプロジェクトの金銭的支援を一般消費者から募る資金調達手法の一つです。
プロジェクト実現のための「熱意」を発信し「共感」を生み出すことが重要となるクラウドファンディングにSNSを活用した情報発信は必須となります。
今回は、クラウドファンディングを成功させるための8つのポイントとあわせて、
- SNSを活用したクラウドファンディングの目標金額を達成する具体的な方法
- それぞれの方法についてのメリットやデメリット
- 注意点
などをまとめました。
本記事を読むことで、クラウドファンディングについての理解が深まるだけでなく、目標達成を実現する実践的なポイントを把握することができます。
クラウドファンディングで目標達成するためのヒントとしてお役立てください。
目次
クラウドファンディングとは
まず、クラウドファンディングとは何かを簡単に説明しておきましょう。
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは自身の実現したいプロジェクトの金銭的支援を一般消費者から募る資金調達手法です。
一般的に、クラウドファンディングを行うためのプラットフォームサービスを通してプロジェクト情報を発信し、消費者はプロジェクトに共感したり、プロジェクト立案者や支援したことで得られるリターンに魅力を感じ、金銭的な支援をするかどうかを決定します。
金融機関などからの借り入れは借りた金銭に対して同等以上の金銭を返しますが、クラウドファンディングは支援してもらった金銭に対して「リターン」という形で新製品やサービスにさらに付加価値をつけて支援者へ還元します。
画像: 国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2022年)| 株式会社矢野経済研究所
また、上図のようにクラウドファンディングの市場規模は拡大しております。
2019年度には、コロナ禍の影響もありクラウドファンディングの利用者が減ってしまいましたが、2022年度の市場規模は近年で最大になる見込みです。
クラウドファンディングは、個人が事業資金を集める一つの有効な方法として大きく注目されているのです。
クラウドファンディングの種類(購入型、寄付型、投資型、融資型)
クラウドファンディングはその内容によっていくつかのタイプに分かれます。
- 購入型
- 寄付型
- 投資型
- 融資型
の4タイプについて簡単に紹介しましょう。
購入型クラウドファンディング
購入型クラウドファンディングは支援者の資金援助と引き換えに製品やサービスを提供する形式の資金調達手法です。
一般的に援助してもらった支援金額に比例したリターンを提供します。
寄付型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディングは文字通り、集めた資金を寄付金として受け取ることができる形式の資金調達手法です。
基本的にリターンの必要はないのが大きな特徴です。
投資型クラウドファンディング
投資型クラウドファンディングは自社の株式を提供するかわりに資金を支援してもらう形式の手法です。
購入型のリターンは物品やサービスを提供していましたが、投資型クラウドファンディングは配当や将来の価値向上による売却価格の向上など将来を見据えた形のリターンになります。
融資型クラウドファンディング
融資型クラウドファンディングは実行者が消費者から支援金を貸り、一定期間後に金利をのせて返済する形式の資金調達手法です。
ソーシャルレンディングとも呼ばれており、ビジネスを始める際の資金調達方法として活用する事業者も増えています。
クラウドファンディングの2つの募集方式
4種類のクラウドファンディングは「All or Nothing」あるいは「All in」という2つの募集方式を通して行われます。
All or Nothing方式
設定した期間内に目標金額を達成することで、プロジェクト終了日時点で集まった資金を受け取ることができる募集方式です。
クラウドファンディングのプロジェクト終了時に目標金額に達成しなかった場合、支援者からの資金はすべて支援者へ返還(キャンセル)されてクラウドファンディングを実施した運営は資金を受け取ることができない〇か×か方式となります。
All in方式
指定した期間内で支援金が目標金額に達しなくても、集まった分の支援金を受け取ることができる募集方式です。目標達成しなくてもプロジェクトとして少しでも資金が必要という場合に有効となります。
ただし、目標金額を達成する・しないにかかわらず支援者へのリターンが必要になります。
クラウドファンディング目標達成・成功に必要な8つのポイント
ここからは、クラウドファンディングの目標達成・成功に必要な8つのポイントについて紹介していきましょう。
1. 目的(誰のための何の課題を解決したいのか)の明確化
まず、クラウドファンディングを通して資金を集める目的を明確化することは大前提になります。
誰のために、世の中のどのような課題・不満を解決したいのか、自分の行うプロジェクトがどれだけ必要性のあるものなのかを言語化できるようにしておきましょう。
特に、誰のためというターゲット設定について、ペルソナは詳細な部分まで想定しておくことが大切です。
性別、年代、職業、既婚・未婚、収入、住んでいる地域、趣味、集めている情報、悩みやコンプレックスなど、より詳しく設定しておくことで、悩みを届ける人のイメージがはっきりし、共感を生みやすいプロジェクト作成と情報発信ができるようになります。
2. 熱意をもった情報発信による支援者との共感・信頼関係づくり
クラウドファンディングの目標達成に必要なことは、プロジェクト実行者の熱意とその気持ちが消費者に伝わり生まれる「共感」です。
クラウドファンディングは不特定多数の人から支援金を募る性質上、人の心を動かす必要があります。
いかに素晴らしいプロジェクトだったとしても、実行者の熱意が伝わらなければ共感は生まれず支援してもらうことはできません。
そのため、オンライン・オフラインを通して、支援してくれる見込みとなる人との信頼関係を構築する必要があります。
SNSは情報発信と共に信頼・共感を獲得しやすいツールのため、大いに活用しましょう。
3. 徹底した事前リサーチ
クラウドファンディングを開始する前に、そのプロジェクトがどれくらいの人に必要とされているのかあらかじめ調査しておくことは非常に重要です。
人の不便さや不満を解決する素晴らしいアイデアであっても、あまりにもニッチでプロジェクトを必要とする人の母数が少なければ資金調達は難しくなるためです。また、必要とする人へピンポイントに情報を届けることも難しくなります。
自分の中では良いプロジェクトと確信していても、アンケートやマーケット調査を通して定量的・定性的な客観的視点を取り入れてプロジェクトについてドライにとらえてみましょう。
4. 具体的な事業計画
クラウドファンディングを行う際は必ず事業計画書をつくっておきましょう。(事業計画書とは、プロジェクトについて必要資金、実施スケジュール、実現方法などをより具体的にまとめた説明資料のことです。)
購入型クラウドファンディングであれば、
- 製品を作るための材料費、生産費、パッケージデザイン費
- 支援者に製品を届けるための梱包費や配送費
- クラウドファンディングの活動を広く知ってもらうための動画像作成費・広告宣伝費
- セミナー・講演会・交流会に参加するための運営費・交通費
などなど、掘り下げると様々な費用が必要となります。
具体的に必要な費用が算出できなければ、目標設定金額を設定する妥当性がなく、支援者に不信感を持たれる原因になります。
また、いざプロジェクトを実行したときに資金不足になる可能性もありますのでキャッシュフローも意識しておきましょう。
あわせて目標金額を達成してから、製品を生産し、梱包し、実際にリターンとして支援者のもとに届けるといった、クラウドファンディングプロジェクトの具体的なスケジュールについても検討が必要です。
自分のプロジェクトについて具体的に実施がイメージできるところまで掘り下げて検討し、実現のロードマップを作っておくことで、自信と説得力のあるメッセージを発信することができるようになります。
5. 魅力的で豊富なリターン(メリット)の提示
クラウドファンディングで支援する動機としては
- プロジェクト自体が素晴らしい
- プロジェクトの立案者に魅力を感じる
- リターンに魅力を感じる
の大きく3つが挙げられます。
クラウドファンディングを支援する動機としてメリットの大きいリターンは支援者の気持ちを高める重要な材料になりますので、付加価値の高い魅力的なリターンを検討しましょう。
その際、事業計画書をつくるときに明確にした必要資金をもとに支援金額のメニューとリターンの内容を検討します。
支援金額に対してリターン内容が釣り合わない場合も魅力を感じてもらえず資金が集まらない原因になりますので、他の似たプロジェクトのリターン内容なども参考にしつつ、適切にリターンの内容を考えましょう。
6. プロジェクト公開前からの継続的な情報発信
クラウドファンディングは、プロジェクト公開前に成功できるかどうかが決まると言っても過言ではありません。
プロジェクトを成功させるには、スタートダッシュ期間の初速を確保することも重要ですが、そのためには事前に支援者となるファンを集めておく必要があります。
その分野・製品やサービス・プロジェクトの専門家として、世の中の課題を解決するんだという熱意をもって、プロジェクト公開数ヶ月あるいはもっと前から情報発信をしましょう。
その想いに共感してくれる人がファンとなり、クラウドファンディングを支援してくれる見込みが高まります。
プロジェクトの予告とあわせて公開後も継続的に支援状況やその他の活動報告なども行うことで、プロジェクトの目標達成に向けて熱意をもって邁進していることが周りの人に伝わるようになります。
少しでもファンがいることで、自分自身へのモチベーションにも、プロジェクト達成にも心強い味方となりますので、仲間をつくり人を巻き込むことも意識しておきましょう。
7. 魅力的なプロジェクトページ、高クオリティ動画像の準備
熱い想いの発信や事業計画の作成も大事ですが、それを魅力的に伝えるプロジェクトページも全力で作成しましょう。
どんなに素晴らしいプロジェクトであっても、見てもらえないことには無いものと同じです。また、プロジェクトページを見てもらえたとしても、魅力を感じてもらえなければやはり目標達成にはつながりにくくなってしまいます。
まずはページを見てもらうためにも、目を引き興味を掻き立てられるタイトルをつけることを意識しましょう。そのためにコピーライティングは必須の能力になります。
あわせて、プロジェクトページやリターンの画像や動画も妥協せずにクオリティの高いものを準備しましょう。手を抜くとやはりプロジェクトの魅力は伝わりにくくなってしまいます。
ただし、プロジェクトページの文章は丁寧すぎても人間味や熱意を感じられないものになってしまいますので、周りの人に下書きを読んでもらいフィードバックをもらいながら作成するとよいでしょう。
8. 根性と柔軟性
いざプロジェクトが公開されると、思ったよりも支援金が集まらなかったり、思わぬトラブルが発生するなどプロジェクト公開期間中は不安が必ずついまといます。
だとしても、プロジェクトを達成させる想いで最後まで走り切ることが大切です。これはきれいごとではなく根性です。
クラウドファンディングの目標金額を達成させるためには、毎日の振り返りは欠かせません。
- 支援金額の集まるペースは良好か
- 人気のリターンは何か
- 自分の発信した情報や行動と支援金額の増え方に関連性はあるか
など、必ず毎日の振り返りを行い次の行動に反映させましょう。
振り替えから見えてきたファンからの声を聴いてリターンを新しく追加するなど柔軟に対応し、支援者の獲得を進めていきましょう。
クラウドファンディングで支援者を獲得するための基本かつ効果的な宣伝手法
続いて、クラウドファンディングで目標達成・成功させるにあたり非常に重要な宣伝手法について紹介していきます。
様々な宣伝チャネルを通してクラウドファンディングのプロジェクトを多くの人に知ってもらい魅力をアピールすることは、プロジェクト成功の重要なポイントとなりますので、是非参考にしてみてください。
事前の告知とプロジェクトの重要期間(公開直後、終了直前)のPRが非常に大事
画像:クラウドファンディングの成功ために知っておきたい4つの期間について|READYFOR
上記のグラフはクラウドファンディングのプロジェクト進行日数と目標金額達成度の関係を表したものです。
この図を見ると、プロジェクト公開後5日間のスタートダッシュとプロジェクト終了前5日間の追い込みが重要であることが分かります。
事前の告知も含め、さまざまなチャネルを通してクラウドファンディングについて知ってもらうように重点的に情報発信と行動を続けなくてはなりません。
参考:クラウドファンディングの成功ために知っておきたい4つの期間について|READYFOR
以下、クラウドファンディングで情報発信するための手法を紹介していきましょう。
プレスリリース配信
プレスリリース配信はクラウドファンディングのプロジェクトを知ってもらう上で基本の方法です。
プレスリリースとは、自身あるいは自社の新しいニュース情報を記事にして社会に発信する手法です。一般的には大手プレスリリース会社に登録の上、記事を作成し、プレスリリースとして配信します。
配信されたプレスリリースの話題性が高い場合、「面白いプレスリリースを見つけた」として、新聞メディア各社、LINEニュース、Yahooニュースなどが記事化してさらに紹介・拡散される可能性があるのが大きなメリットです。
一つでも多くのメディアに興味を持ってもらえ記事化されるように、キャッチーな目を引くタイトルをつけ、話題性や社会貢献性をアピールしていきましょう。
プレスリリース配信サービスは
- 自分で自由に記事を作りプレスリリースを配信
- プロのスタッフに添削・校正・タイトルの付け方などをサポートしてもらいプレスリリースを配信
の主に2種類があり、それぞれ特徴が異なりますので、自身に合ったプレスリリース配信サービスを選ぶことが大事です。
以下にプレスリリースサービス例を紹介しましょう。
1. 自分で自由に記事を作りプレスリリースを配信する
自身にコピーライティングのスキルがあり、魅力的な文章を書くことができる場合に有効です。
プレスリリース配信サービス例▼
記事になりやすさNO.1を謳う大手プレスリリース配信サービス「@Press」と連携した新しいプレスリリース配信サービスです。大手新聞・通信社や大手ポータルサイトにリリース配信がそのまま転載されるので、人の目につきやすいプレスリリースを配信することができます。
また、配信したプレスリリースをTwitter広告・Instagram広告・Facebook広告としてシェアできる機能もあるため、共感を作るために欠かせないSNSとの連携した情報発信ができます。ウェブクリッピング(配信データ測定)も標準機能で使えるため、効果計測にも役立てられます。
ちなみに、Instagramのビッグデータから得た年間トレンドを調べることもできますので、SNSで商材が話題になりやすいタイミングなども調べることができます。過去記事にて紹介していますのであわせてご覧ください。
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Instagramキャンペーンに必須!人気ハッシュタグや年間トレンドが分かる分析ツールまとめ
国内シェアNO.1、上場企業の約38%が利用しているというプレスリリース配信サービスです。サイトの流入は月間2000万PVで、さらに月間1億PVを超える10サイトにプレスリリースを掲載することができます。
また、同社の運営するSNSアカウントにてプレスリリースの情報を掲載しているため、SNSでの露出を増やすこともできます。
有料オプションとなりますが、ウェブクリッピングやプレスリリースの原稿作成依頼もあるため、作成に自信が無い場合や効果計測する場合にも活用できるようになっています。
2. プロのスタッフに添削・校正・タイトルの付け方などをサポートしてもらいプレスリリース配信する
プレスリリース配信の経験が浅く、コピーライティングや配信頻度などサポートが入りながらプレスリリースを配信したい場合に有効です。
プレスリリース配信サービス例▼
記事になりやすさNO.1を謳っているプレスリリース配信サービスです。1回のプレスリリース配信で200以上のメディアに記事化される、いわゆるプレスリリースの「バズ」を毎月起こしているなど、大手メディアをはじめとした各種メディアにて記事化されている実績が売りとなっています。
プレスリリース原稿をプロにチェックしてもらえる点が大きなメリットです。
プレスリリース配信のプロが添削・校正・魅力的なタイトルアドバイスなどをしてくれるため、初心者でもメディアに興味を持ってもらえるプレスリリースを作成することができます。
自身の状況にあわせてプレスリリース配信サービスを選び、メディアへ掲載される魅力的なクラウドファンディングのプレスリリースを作成・配信ましょう。
ウェブ検索広告配信(リスティング広告、ディスプレイ広告)
基本ではありますが、広告を配信することもクラウドファンディングのプロジェクトを多くの人に知ってもらうために有効です。
検索エンジンの検索結果の上部や下部などに配信できる「リスティング広告」は、狙った検索キーワードで広告を表示させることができるため、親和性の高いユーザーに興味を持ってもらいやすくなります。
また、様々なWEBサイト内に画像と共に表示できる「ディスプレイ広告」では、画像や動画イメージでクラウドファンディングのプロジェクトを訴求することもできます。
広告配信のために入札費用が掛かるのが難点ですが、クラウドファンディング公開直後や終了直前など、短期的に狙って配信するなど調整できるので予算と配信計画を練って取り入れるのも良いでしょう。
メルマガ・DM
自身でメルマガなど、クラウドファンディングの見込み支援者に対して直接連絡をしてプロジェクトについて訴求することも有効です。
クラウドファンディングのプロジェクト公開前の告知に始まり、公開開始、募集期間中の活動報告や進捗報告など、様々な場面で活用することができます。
スパム的にメルマガやDMを配信するとファンを逃す可能性があるため、必要に応じて適宜配信するとよいでしょう。
ホームページ、ブログでの発信
自身のホームページやブログで情報を発信しておくことも大切です。
特に、クラウドファンディングのプロジェクトページとは別にホームページがある場合、そちらのクオリティも高めて洗練させておきましょう。
製品やサービスの理解を促すコンテンツをホームページやブログに記載しておくことで、SEOによる集客もできますし、消費者の理解を深めるために役立ちます。
ブログがアクティブであればしっかりと活動しているというイメージを訪問者に感じてもらえますので、自身のサイトを持っている場合はメンテナンスを怠らないようにしましょう。
オフラインでの発信
自身が登壇するセミナーやファンミーティング、オフ会などがある場合はクラウドファンディングについて情報発信するチャンスです。
顔と顔を合わせて話をすることでこちらの熱意も伝わりやすくなり、プロジェクトに魅力を感じてもらえれば支援者となってくれる可能性も高まります。
本人の情熱・魅力・クラウドファンディングへの想いなどを伝えるには、やはり直接会って直接口で伝えるのが最も効果的ですので、足を使って色々な人に会うということもクラウドファンディングの目標を達成させるためには重要となります。
SNSを活用したクラウドファンディングの効果的な宣伝・PR方法
ここまで、クラウドファンディングのプロジェクトを多くの人に知ってもらい支援者を増やす方法を紹介してきました。
ここからは、人々の共感を生み出しやすい「SNS」を活用したコミュニケーション方法について詳しく紹介していきましょう。
共感を生み信頼を獲得するのにSNSは最適
SNSはもともと、人と人がコミュニケーションを行うためのプラットフォームとして誕生しました。その結果、現代ではTwitter、Instagram、Facebook、YouTubeなど、さまざまなSNSが誕生し、多くの人に親しまれています。
SNSを通して、個人の発言が多くの人に届くようになったため、SNSは自分の考えを発信したり自分をブランディングするのに最適なツールと言えます。
さらに、話題が生まれることでSNS上で情報が爆発的に拡散される「バズ」が起こるメリットもSNSを活用するべき大きなポイントです。
SNSを活用したクラウドファンディングの情報発信手法としては以下のようにいくつかパターンを上げることができます。
- 自身のSNSアカウントによる情報発信
- SNS広告による情報発信
- SNSインフルエンサーとのリレーション構築
- インフルエンサーマーケティングによるPR
ここではSNSを活用したそれぞれの情報発信・共有手法についてメリット・デメリットを交えながら紹介していきましょう。
1. 自身のSNSアカウントによる情報発信
まず、自身のSNSでの情報発信は「必ず」行うようにしましょう。
普段から自分の考えを発信して共感してもらえるフォロワーを獲得しておくことは、自身の活動を支えてくれる仲間となりうる人を集めることができますし、その後の活動のためにも大変重要になります。もちろんクラウドファンディング成功のためにも欠かせません。
メリット
何よりも大きいメリットは、自身の想いをフォロワーへ伝えることができることです。熱量の高い情報発信を通して、そのメッセージを見たユーザーがファンとなりクラウドファンディング成功のための心強い味方となってくれることも期待できます。
無料で始めることができるのもポイントです。費用をかけずに自身の情報を発信できるため大いに活用しましょう。
デメリット
情報発信による信頼獲得のため、顔出しが必要となります。顔出しをしなくてもSNSで情報を発信し信頼獲得することはできますが、基本的にはユーザーに顔を見せた方が信頼感は高まります。
また、情報発信は一時的に行うものではなく、長い期間にわたり継続的に行うことになりますので、情報を発信し続ける力が必要になります。
発言や振る舞いも、常識から逸脱しているとすぐにファンは離れていきますので、SNSアカウントの運用にはネットリテラシーと良識をもち細心の注意を払う必要があります。
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2. SNS広告によるプロジェクト認知拡大
Instagram広告やTwitter広告など、各SNSには広告を配信できるプログラムがそろっており、SNSを通した広告によりクラウドファンディングのプロジェクトを知ってもらう方法もあります。
メリット
SNS広告のメリットはまず詳細なターゲティングが行える点です。
年代、性別、興味関心、住んでいる地域など、クラウドファンディングのプロジェクト支援者となってほしいターゲット層へ的確に広告を配信することができます。
また、低コストから始めることができるのもSNS広告の大きなメリットです。あわせて、魅力的な画像や動画といった広告クリエイティブを準備することで、ターゲットの興味関心に刺さる広告を配信でき、そのままクラウドファンディングのプロジェクトページへ遷移させることもできます。
デメリット
まず、自身でSNSアカウントを運用するのとは異なり金銭的なコストが必要となることがデメリットとして挙げられます。
クラウドファンディングの広告の費用と広告経由で支援者となってくれた人の支援金額が釣り合わなかった場合、赤字となりクラウドファンディングの運営に支障をきたす可能性がありますので注意が必要です。
また、SNS広告はクリエイティブの違いや配信先の違い一つだけで効果が大きく変わる可能性もありますので、長期的な運用を通して検証・最適化を行う必要があります。
予算の確保や配信計画をていねいに設計し、クラウドファンディングのプロジェクト期間中の広告効果を分析のうえPDCAサイクルを回して改善していくことになるため、専門知識をもった人からアドバイスをもらうといいでしょう。
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3. SNSインフルエンサーとのリレーション構築
クラウドファンディングのプロジェクト成功は「いかに人を巻き込めるか」で決まると言っても過言ではありません。
SNSにおいては、たとえばSNSで影響力の大きい「インフルエンサー」をプロジェクトメンバーとして招き、アドバイザーとしてプロジェクトについてフィードバックをもらったり、インフルエンサーの大きな影響力を通してクラウドファンディングについて広く告知してもらうなども一つのアイデアとして検討できます。
メリット
SNSインフルエンサーをプロジェクトに招くメリットは、その専門的な視点からクラウドファンディングについてフィードバックをもらえて改善につなげることができる点です。
また、数万人~数十万人というフォロワーを抱えるインフルエンサーは、情報発信についての専門家です。ターゲットにはどんなメッセージが刺さりやすいか、情報発信のノウハウも学ぶことができるため、効果的なPRをすることもできるでしょう。
また、関係性によってはインフルエンサー自身のもつコミュニティ(フォロワー)へ訴求力の高いメッセージを送ってもらうこともできるため、クラウドファンディングの集客の上でも大変心強い味方となります。
デメリット
デメリットというものでもありませんが、人と人との関係づくりに近道が無いように、インフルエンサーとの信頼関係づくりは短期間ではできません。つまり、宣伝目的で関係を構築しようとしてもインフルエンサーから相手にされません。
「こういう想いがあり、世の中のこういう課題を解決するために、具体的にこのようなプロジェクトを考えています」
「その業界の専門家であるあなたに是非アドバイスをいただきたいです」
のような形で、世の中の課題を解決したい、消費者から必要とされるものを創りたいという想いを本気で伝えたり、実際にインフルエンサーのファンとなり直接話す機会を狙うなど、長期的な関係づくりが必要となります。
そのためにも、クラウドファンディングを成功させるためのポイントの項で紹介した内容をもとに具体的なプランを検討しておきましょう。
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4. SNSインフルエンサーマーケティングによるPR
こちらはインフルエンサーマーケティングを通してクラウドファンディングのプロジェクトをPRしてもらう手法です。
インフルエンサーをプロジェクトメンバーに招く場合とは異なり、こちらはビジネスとしてインフルエンサーにクラウドファンディングについて宣伝・PRしてもらう形になります。
専門性のあるインフルエンサーによる情報発信は訴求力の高いメッセージを消費者へ送ることができるため、インフルエンサーマーケティングを採用して認知拡大~購買までをつなげている企業は年々増加しています。
メリット
自分には持ちえない、インフルエンサーの抱える数万人~数十万人という膨大なSNSのフォロワーへクラウドファンディングの情報を発信できることが大きなメリットです。
SNSのオーガニック投稿(通常の投稿)によるPRとなるため、一般的な広告よりも自然で訴求力の高いPRを行うことができます。
クラウドファンディングを行っていることを多くの人に知ってもらう認知拡大施策として行い、プロジェクトに興味を持ってもらうきっかけ作りが主な目的になります。
デメリット
インフルエンサーマーケティングを行うデメリットとして、インフルエンサーのキャスティング費用や報酬が必要になることが挙げられます。
自分でクラウドファンディングと親和性の高いインフルエンサーを選定してPRを依頼することもできますが、直接取引をしておらずキャスティング会社や事務所を通さなくては依頼を受け付けていない場合もあります。
また、クラウドファンディング自体に共感してくれるインフルエンサーを起用しないとプロジェクトの想いが見ているフォロワーへ伝わらない可能性もあります。
したがって、インフルエンサーマーケティングを通してプロジェクトをPRする場合は、クラウドファンディングに共感してくれるインフルエンサーを選定することも重要となります。
インフルエンサーによるクラウドファンディングPRの成功事例
こちらは大容量ポータブル電源「EFDELTA」をインフルエンサーに依頼してPRしてもらっているタイアップ動画です。
「EFDELTA」は中国のEcoFlow社が開発する製品で、クラウドファンディングで予算確保を行っており、YouTubeでフォロワー数34万人を超える人気ユーチューバー「らんたいむ[runtime]」さんに製品の魅力を紹介してもらっています。
動画では、
- 同製品と他製品との性能比較
- 実際の充電パワー
- 電化製品(IHヒーター、電子レンジ、ドライヤー、ファンヒーターなど)を実際に使用した感想
など、製品についておすすめの点や惜しい点などを含め丁寧なレビューがされており、2020年2月時点で約24万回再生されているなど大きな話題となっています。
画像:テスラにも充電できる!超大容量・急速充電、次世代ポータブル電源「EFDELTA」|Makuake
このプロジェクトは目標金額50万円に対して支援金2億8,100万円(達成率56241%)、支援者2,062人という驚異の結果となりました。
そのジャンルのプロであるインフルエンサーに依頼して製品やクラウドファンディングプロジェクトをPRしてもらう手法も一つのマーケティングアイデアとして検討してみるとよいでしょう。
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SNS活用によりクラウドファンディング支援者を募る際の注意点
SNSを活用したクラウドファンディングの告知や支援者を募る方法を紹介してきましたが、SNSを活用した情報発信を行う際に気をつけるべきポイントを紹介しておきましょう。
地道に信頼を獲得する方法が最も重要
SNSを活用した様々な手法を紹介してきましたが、最も重要となるのは「クラウドファンディング実施者が消費者からの信頼を獲得すること」です。
信頼獲得に楽な道はありません。
自身のSNSアカウントを通して自分の考えや思いを発信して少しずつファンを獲得することが、長いように見えて実はクラウドファンディングの目標を達成させる成功の近道になります。
期待感の高いプロジェクト内容、魅力的なリターン、戦略的に練られたマーケティングなども必要となりますが、根幹は「人」であることを忘れないようにしましょう。
地道に獲得した信頼がもっとも心強い味方になります。
情報発信は誠実に行う
発信するユーザーへは誠実に情報発信をすることが鉄則です。
ウソをついてユーザーが不利になるような情報を流し、それが公になった場合、瞬く間に拡散されて信用を失ってしまいます。意図せず誤った情報を発信してしまった場合でも、適当な人だと思われて信頼を失ってしまう可能性があります。
また、インフルエンサーを起用した際に「ステマ(ステルスマーケティング)」を行うと同様に問題となります。
メッセージを世の中に発信するということは自己表現ができるメリットもありますが、その言葉には責任が伴うことも十分理解しておきましょう。
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必要な分の宣伝・広報資金も見込んで目標金額を設定する
SNSのアカウント運用であれば無料で誰でも始められますが、プレスリリース配信、SNS広告やインフルエンサーを起用したPRを行う場合は少なからず費用がかかります。
クラウドファンディングの目標を達成させる必要条件ではありませんが、目標達成への後押しをしてくれる強力な手法となりますので、クラウドファンディングの事業計画書を作成するときに広告宣伝費として必要分を見積もっておき、予算として組み込んでおくことも意識しておきましょう。
まとめ
クラウドファンディングについてSNSを活用して目標達成させる手法をご紹介してきましたが、いかがでしたか。
資本金が無い人でも一般の消費者から資金を募ることができるクラウドファンディングは、市場も拡大しており今大きく注目されています。
世の中の課題を解決する、あるいは新しいエンターテインメントを提供するなど、自身のプロジェクトを通して社会貢献ができるチャンスとなる点もクラウドファンディングの魅力と言えるでしょう。
クラウドファンディングでは「共感と信頼」が何より大切になります。
今回ご紹介した内容が、ご自身のクラウドファンディングを成功させるヒントになりましたら幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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