皆さんは「タイパ」という言葉をご存知でしょうか?最近では様々なメディアで目にすることが多い単語かもしれません。
本記事では、現在Z世代の間で重要視されている「タイパとは何か?」についてご紹介すると共に、今後のSNSマーケティング戦略におけるタイパの重要性・可能性について、事例を取り上げながら分かりやすく解説していきます。
Z世代へのアプローチが重要となる今後のSNSマーケティングにおいて、どのような視点でSNS運用を行うべきかをしっかりと理解しておくことは大切です。
効果的なSNSマーケティング施策を打ち出し、集客・売上アップをしたい企業のSNS担当者・マーケターの方は、ぜひこの記事を参考にタイパを意識したSNS運用を検討されてみてはいかがでしょうか?
「タイパ(タイムパフォーマンス)」とは?
タイパは、「タイムパフォーマンス(=時間対効果)」を略した言葉です。
タイパは、かけた時間に対してどの程度満足できたのか、どの程度有効活用できたのかを度合いとして表します。
似ている意味の有名な単語として「コスパ(コストパフォーマンス)」がありますが、コスパはかけたお金に対しての満足度を意味しています。
例えば、「今日は飲み会に参加せず、明日の会議の質問事項を整理する時間に充てた」「映画を2倍速で観て、余った時間は家事をした」など、予定よりも早く物事を済ませ(もしくは予定をキャンセルし)、残りの時間を有効活用することが「タイパ」なのです。
また、決められた時間内でスケジュール・タスクを上手く配分して動くこともタイパを考えた行動の1つです。
そして現在、日常の様々なシーンでタイパを重視しながら行動するZ世代(1990年代中盤~2000年代終盤、もしくは2010年代序盤までに生まれた世代)を中心とした若年層が増加しています。
Z世代がタイパを重視するのはなぜか?
近年のスマートフォン、パソコン等のデバイスの普及によって、私たちは様々なアプリ・デジタルツールを複数使いこなすことが当たり前になりました。
特にInstagram、Twitter、YouTubeなどのSNSでは、トレンドの移り変わりや情報の流れが速いため、世間や友達との話題全てについていくのは至難の業です。
それらのコンテンツを限られた時間内で消化していくためには、効率よくアプリ・デジタルツール利用時間の配分を考えて行動していかなければなりません。
アプリ・デジタルツールが普及し始めた2010年代初頭は、SNSを通じた世間の情報、またはSNS上での友達との会話から取り残される恐れに苛まれる若者が多く、「SNS疲れ」が問題となりました。
しかし現在、Z世代は初めから全ての情報をキャッチすることは難しいことを理解し、今この瞬間に得られた情報・繋がりを重視するようになっているのです。
友達と現在地を共有できるGPS位置情報共有アプリ「Zenly(ゼンリー)」(2022年にサービス終了)や、2分以内に写真を撮ってアップし友達に「今」を共有できるSNS「BeReal(ビーリアル)」、Instagramの24時間で消える投稿「ストーリーズ」などのブームは、Z世代の傾向を表した顕著な事例といえるでしょう。
また、動画配信サービスの普及もZ世代がタイパを意識する要因となっています。
NetflixやAmazon prime、U-NEXTなどをはじめとする月額料金制の映像サブスクリプションは、低コストで膨大な量の映像作品を自由に視聴することが可能です。
話題のコンテンツが増加する中で、より多くのコンテンツを消化するためにタイパが重要となってきます。
倍速視聴の他にも、別の作業をしながらの視聴や興味のないコンテンツをスキップするなど、タイパを意識した工夫は様々です。
さらには、作品を視聴する前にあらすじや見どころ解説動画を視聴してしまう「ネタバレ視聴」もメジャーになりつつあります。
以上のような理由から、Z世代はタイパを重視しているのです。
タイパを重視したSNSマーケティング施策の重要性
今後5~10年の間には、Z世代や、更にその下の世代である「α(アルファ)世代」がメインの消費者になっていきます。
しかし企業のトップは、2023年現在であれば40代前半~60代前半の「ジェネレーションX(X世代)」、今後は現在20代半ば~40代前半の「ミレニアル世代(Y世代)」が中心になっていくため、消費行動は大きく異なります。
例えば、Z世代がタイパを重視する理由の1つとして取り上げた「動画視聴」に関する調査では、以下のような結果が明らかになりました。
画像:「若者の動画視聴実態」に関する調査|損害保険ジャパン株式会社
2022年に損害保険ジャパン株式会社が18~57 歳の男女、合計800名を対象に実施した【「若者の動画視聴実態」に関する調査】では、Z 世代の快適な視聴速度は「1.5 倍速」ということが明らかに。
また、他世代と比較して約1.2倍のセリフ量をストレスなく理解しながら視聴していることが判明しました。
したがって、他世代がSNSマーケティングを行う上では、Z世代がタイパを重視する理由と傾向をしっかり把握しておく必要があるでしょう。
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Z世代に向けた効果的なSNSマーケティング施策とは?
それでは、タイパ重視のZ世代に向けたSNSマーケティング施策は、一体どんなものが効果的なのでしょうか?
ここからは、SNS上での投稿スタイルや訴求力のあるコンテンツについてご紹介していきます。
ショート動画とは、スマートフォンから視聴できる縦型の短尺動画のことを示します。現在Z世代を中心に人気を集めているのは「TikTok」「YouTubeショート」などの代表的なショート動画投稿アプリです。
Instagramでは「リール」「ストーリーズ」、LINEでは「LINE VOOM」などもショート動画投稿スタイルとなっています。
基本的にショート動画は60秒前後で作成されていることが多く、隙間時間に簡単に視聴することができるため、非常に人気を集めているのです。
前述した損害保険ジャパン株式会社の「若者の動画視聴実態」に関する調査でも、他世代と比較してZ 世代はショート動画SNS・投稿を視聴している割合が高いという結果になりました。
画像:「若者の動画視聴実態」に関する調査|損害保険ジャパン株式会社
また、「近年、テンポ/スピード感が速い動画が増えているように感じていますか?」という質問では、Z世代の56.0%がテンポの速い動画増えていると回答したことから、全世代の中でもZ世代は特に、テンポの速い動画を目にする機会が多いことが明らかに。
画像:「若者の動画視聴実態」に関する調査|損害保険ジャパン株式会社
さらにここで重要なのが、Z世代の約77%がテンポの速いCM・動画広告に好感があるという結果です。
画像:「若者の動画視聴実態」に関する調査|損害保険ジャパン株式会社
より訴求力のあるSNSマーケティングのためには、テンポの速い動画作りやショート動画に要点をまとめるテクニック、撮影技術などが求められることは間違いないでしょう。
みどころ紹介動画
「映像作品や書籍の結末を調べてから作品を観る/読む」理由は、「内容を知っていたほうが楽しめる」「後悔せずに書籍を購入できる」などがあり、タイパにプラスしてコスパも重視していることが分かります。
上記投稿のように、作品やトレンドについて言及したショート動画も多くなっており、ユーザーからのエンゲージメントも獲得しやすくなっています。
商品・サービスのジャンルに関わらず、上記のような投稿を行っているインフルエンサーに紹介してもらうだけでも、潜在的な見込み顧客へとアプローチし、最終的に売上に繋げていくことも可能になるのです。
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タイパを重視したSNSマーケティング施策の成功事例
ここからは、前述したZ世代に向けた効果的なSNSマーケティング施策の特徴を踏まえながら、実際に企業が行ったSNSマーケティング成功事例を2つご紹介していきます。
キムチの家@佐渡ヶ島 さん
画像:kimuti.house.jp.ne.co|TikTok
TikTokアカウント名:kimuti.house.jp.ne.co
フォロワー数:約21.9万人(2023年1月現在)
キムチの家@佐渡ヶ島さんは、佐渡ヶ島にあるキムチ専門店です。キムチの家@佐渡ヶ島さんの商品は、佐渡ヶ島内のスーパーもしくはオンラインショップで購入することが可能です。
キムチの家@佐渡ヶ島さんは、TikTokを活用して自社商品PRのショート動画を数多く投稿されています。
下記のようなショート動画がTikTok内で話題となり、約21.9万人ものフォロワーを獲得しました。
ショート動画を上手く活用していることも参考になるポイントですが、下記投稿のようにユーザーからの質問を動画内で取り上げている点も良いポイントです。
ユーザーと気軽にコミュニケーションが取れるSNSにおいて、リプライやいいね返しなどは積極的に行う方が親近感を持ってもらえるため、フォロワーが伸びやすくなっています。
特に、物欲よりもコミュニケーション欲求が強いZ世代に対しては、より親しみのあるSNS運用が訴求力を高める要素として重要なのです。
質問スタンプやハッシュタグなど、各SNS上の様々な便利機能をチェックし、Z世代とのコミュニケーションを図って効果的なPRを行ってみてはいかがでしょうか?
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岡田斗司夫 さん
画像:@toshiookada0701|YouTube
チャンネル名:岡田斗司夫(@toshiookada0701)
チャンネル登録者数:約96.1万人(2023年1月現在)
評論家・文筆家・実業家の岡田斗司夫さんのYouTube公式チャンネルでは、映像作品や書籍を岡田さん独自の視点で解説した見どころ動画が人気を集めています。
下記投稿のように書籍の著者を招き、著書の内容について言及していく動画は、まさにZ世代の求める「見どころ視聴動画」です。
岡田さんの良質な「ネタバレ」は、後悔せずに書籍を選びたいというZ世代のユーザーに最も相応しい内容といえるでしょう。
また、デジタル化の影響で店舗の来客数が減少し、書店が閉店することもしばしば見受けられるようになった現代において、店舗への来客数を増やす施策としても効果的といえます。
岡田さんのようなインフルエンサーとタイアップし、集客・売上アップのための投稿を行ってもらうことも一つの有効なアプローチなのです。
まとめ
今回は、Z世代の間で重要視されている「タイパとは何か?」についてご紹介すると共に、今後のSNSマーケティング戦略におけるタイパの重要性・可能性について、事例を取り上げながら分かりやすく解説していきましたがいかがでしたでしょうか?
訴求力のあるショート動画撮影・作成についてチェックすると共に、運用を検討しているSNS上のインフルエンサーとのタイアップを施策してみることもおすすめのアプローチです。
また、自社にノウハウがない場合には、SNSマーケティングを専門とする代理店に相談してみるのも良い方法です。
おすすめの代理店については以下の記事を参考にされてみてください。
【2022年最新版】SNSマーケティングにオススメの代理店15選
本記事でご紹介したZ世代の傾向・特徴と、Z世代に対して効果的なSNS上のアプローチを踏まえ、より効果的なSNSマーケティング施策を打ち出していきましょう。
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