今年2021年に開催される東京2020オリンピック。多くの人々が2021年に開催する東京オリンピックに大きな関心を寄せている中、企業や自治体も東京2020オリンピックをテーマにした様々なキャンペーンやプロモーションを展開しています。
今回は人気のSNS「Instagram」において企業や公的機関が開催したInstagramキャンペーン・プロモーションの事例をご紹介してまいります。是非真似したい工夫ポイントも紹介していますので、自社でInstagramキャンペーン・プロモーションを企画・検討する際の参考としてぜひ、ご活用ください。
目次
東京2020オリンピックをテーマにしたInstagramキャンペーン・プロモーション事例
それでは早速事例をご紹介してまいります。企業や公的機関によって東京2020オリンピックをテーマに開催されたInstagramキャンペーン・プロモーションの中から5つの事例をご紹介いたします。
東京2020オリンピック聖火リレー 「#みんなの聖火リレー」 フォトコンテスト
画像:あなたもSNSからオリンピック聖火リレーに参加しよう!TOKYO2020
まずはじめにご紹介するのは、「公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」が開催中の「東京2020オリンピック聖火リレー 『#みんなの聖火リレー』 フォトコンテスト」です。
こちらのキャンペーンは同委員会と東京2020オリンピック聖火リレープレゼンティングパートナー4社が共同で行っているフォトコンテストで、各パートナー企業指定のInstagramアカウントをフォローの上、各社指定のテーマに沿った写真を指定ハッシュタグを付けて投稿することで応募することができます。
また、期間中に投稿された中から、合計200名(各社50名)に企業毎に異なる賞品がプレゼントされます。
日本コカ・コーラ株式会社
画像:#みんなの聖火リレー SNSフォトコンテストキャンペーン|TEAM Coca-Cola TOKYO 2020
こちらはコカ・コーラ社の#みんなの聖火リレーInstagramキャンペーンです。地元のルート自慢をテーマにしたオリンピックのInstagramキャンペーンとなっています。
参加条件
- 聖火リレールート上で、コカ・コーラ社製品と一緒に写真を撮る
- ハッシュタグ「#みんなの聖火リレー(#HopeLightsOurWay)」「#チームコカコーラ(#TEAMCocaCola)」をつける
- 地元のルート自慢をする
を満たして投稿することで、応募者の中から抽選で50名にオリジナル限定ピンバッジ2個セットがプレゼントされました。
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こちらのInstagramキャンペーンでは、自社製品と一緒に写真を撮ることが条件になっているため、自動的に自社製品のPRにもなります。
シンプルながら広告効果のある手法ですので、必ず押さえておきたいポイントです。
トヨタ自動車株式会社
画像:#みんなの聖火リレー SNSフォトコンテストキャンペーン|TOYOTA
こちらはトヨタ社の#みんなの聖火リレー SNSフォトコンテストキャンペーンです。「地元愛」をテーマにしてオリンピックのInstagramキャンペーンを実施しています。
参加条件
- 地元愛が伝わる写真を撮影
- ハッシュタグ「#地元愛」「#みんなの聖火リレー」をつける
を満たしてInstagramへ投稿することで参加完了となり、優秀作品に選ばれた50名に限定オリジナル応援タオルがプレゼントされます。
写真コンテストとなっているため、クオリティの高い写真が集まりやすいことがポイント。
集まったUGC(ユーザー生成コンテンツ)を自社サイトで紹介したり、自社のSNSアカウントで紹介したりできる応用性もあるためコンテスト形式もInstagramキャンペーンのアイデアとして取り入れてみるとよいでしょう。
日本生命保険相互会社
画像:#みんなの聖火リレー フォトコンテストキャンペーン|日本生命
こちらは日本生命による#みんなの聖火リレー フォトコンテストキャンペーンです。絆スポットをテーマにしたオリンピックのInstagramキャンペーンです。
参加条件
- 大切な人と絆を深めた思い出の場所の写真を撮影
- 思い出の場所に関する想いやエピソードをつける
- ハッシュタグ「#みんなの聖火リレー(英語版#HopeLightsOurWay)」「#日本生命(英語版は#nissay)」をつける
を満たしてInstagramへ投稿することで参加完了となり、作品の中から50名にオリジナルオリンピックグッズ詰め合わせがプレゼントされます。
こちらのInstagramキャンペーンでは「絆スポット」をテーマにしていますが、場所を活用した集客は有効です。
たとえば店舗運営やイベント開催などを行う場合、Instagramでは「スポットタグ(場所タグ)」を投稿に追加することができます。
旅行先で観光地を決める際、Instagramで検索して行先を決める人も増えていますので、自社のビジネスに「場所」が重要な要素となる場合は場所タグをつけてもらう条件も検討してみましょう。
日本電信電話株式会社(NTT)
画像:CONNECTING WITH SMILES プロジェクト-みんなの笑顔をつなげようスマイルリレー|NTT
こちらはNTTによるみんなの笑顔をつあんげようスマイルリレーです。こちらのオリンピックのキャンペーンでは「スマイルムービーリレー」と「スマイルフォトリレー」の2つが開催されます。
スマイルムービーリレーは、聖火リレーで行われるパレードにて運転される「2020NTTトレーラー」の大型LEDビジョンに自身が投稿したムービーが放映されるというもの。
参加条件
- 特設サイトにてメールアドレスとムービーを放映してほしい地域を指定
- スマイルムービーをサイトにアップロード
を満たすことで参加完了となりました。抽選でオリジナルスマートフォン、国産和牛カタログギフト、オリンピック観戦チケット、1万円のギフトカードが計47名にプレゼントされます。
スマイルフォトリレーは笑顔の写真を指定ハッシュタグをつけてInstagramに投稿するというもの。
参加条件
- 笑顔の写真を撮影
- ハッシュタグ「#みんなの聖火リレー」「#チームNTT」をつける
を満たすことで参加完了となり、当選者にはオリンピックオリジナルトートバッグが計50名にプレゼントされます。
こちらのオリンピックのInstagramキャンペーンでは、2つのキャンペーンを行い、さらにInstagramだけでなくTwitterでもキャンペーンを実施し集客力を強化ている点が特徴的です。
また、スマイルムービーキャンペーンはSNSユーザーにメリットを提示し実際の聖火リレーコースまで見に来てもらうことを意識した「O2O(Online to Offline)」キャンペーンとなっています。
SNSからリアルの世界につなげる施策は店舗やイベントなど様々な企画に応用できますのでぜひ取り入れてみましょう。
オリンピック公式スポンサーが行うInstagramキャンペーンは企業毎に異なるテーマと賞品が設定されている点がユニークですね。
応募内容からも投稿者それぞれのオリンピックに対する思いが伝わってくる内容となっており、東京2020聖火リレーを盛り上げる工夫が凝らされたキャンペーン内容となっています。
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キッコーマン 笑顔と歓声で包もう! キャンペーン
次にご紹介するオリンピックをテーマにしたInstagramキャンペーンは、醤油をはじめとした調味料、加工食品の製造・販売を行う「キッコーマン株式会社」が開催した「笑顔と歓声で包もう! キャンペーン」です。
キッコーマン株式会社は「TEMAKI」をキャッチフレーズに手巻き料理をテーマにしたInstagramキャンペーンを継続的に開催しており、こちらのキャンペーンでは「みんな大好き定番TEMAKI」をテーマにTEMAKIを楽しむ様子を撮影した写真が募集されました。
キャンペーンには同社の公式Instagramアカウントをフォローの上、撮影した写真を指定ハッシュタグ「#TEMAKIスタイル」「#しょうゆ」を付けて投稿することで応募することができ、抽選で5組10名に「東京2020オリンピック観戦チケット」がプレゼントされます。
キャンペーン内容自体はオリンピックとの関連性が薄いものの、賞品に2020年東京オリンピックの観戦チケットを設定し集客を行っているほか、日本の食文化を世界中に広めようというキーワード「TEMAKI」も世界中の人々の関心を集めるオリンピックにマッチしたものであると言えます。
オリンピックと関連性の薄いと思われる企業・商材でも上手く2020年東京オリンピックをテーマにInstagramキャンペーンを行っている事例です。
自社の強みと時事的なトレンドを上手く組み合わせて、年間を通して消費者とのタッチポイントを増やしていきましょう。
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SK-II 「#NoCompetition(美は#競争ではない)」 キャンペーン
続いてご紹介するのは、ワールドワイドオリンピックパートナーであるアメリカの一般消費財メーカー「プロクター・アンド・ギャンブル」の化粧品ブランド「SK-II」が開催している「『#NoCompetition(美は#競争ではない)』 キャンペーン」です。
2020年東京オリンピックの公式スキンケアブランドである「SK-II」は世界最大の競争の祭典であるオリンピックを歓迎しながらも「一体いつから美しさは競争になったのか?」という言葉を発しています。
本キャンペーンはInstagramユーザーの投稿を募るタイプのキャンペーンではなく、「No Competition(美は競争ではない)」をテーマに、「美」に対する競争の圧力を排し、女性たちの「それぞれの美しさ」を定義し後押しするというメッセージ性の高いプロモーションとなっています。
- アメリカの体操選手「Simone Biles」さん
- 中国の水泳選手「Liu Xiang」さん
- サーファーの「前田マヒナ」さん
- 卓球選手の「石川佳純」さん
- バレーボールチーム「火の鳥NIPPON」
- バドミントンダブルスの「高橋礼華」さん「松友美佐紀」さんペア
といった2020年東京オリンピックに出場する女性選手たちをイメージキャラクターとして起用しており、各選手の戦いに対する考え方がメッセージとしてInstagramに投稿されています。
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商品のプレゼントなどはない本キャンペーンですが、キャンペーンに対する反響は非常に大きなものとなっており、各選手の投稿に寄せられた「いいね」やコメントの数はかなりの数に上ります。
2020年東京オリンピックという話題性の大きなテーマとメッセージ性の高いプロモーションで多くのInstagramユーザーの共感を集めている大変ユニークなキャンペーンであり、理念や哲学を訴求したブランディングの上で大変参考になる事例です。
東京都 「#MY TOKYO IS_____(マイ トーキョー イズ)」 キャンペーン
画像:#MY TOKYO IS _____|Tokyo Tokyo
次にご紹介するのは、東京都がInstagramと共同で開催した「『#MY TOKYO IS_____(マイ トーキョー イズ)』 キャンペーン」です。
こちらのキャンペーンは東京の様々な風景を撮影した写真や動画が募集されたもので、東京ブランドの公式Instagramアカウントをフォローの上、指定ハッシュタグ「#MYTOKYOIS」「#TokyoTokyo」と撮影した場所やエリアの位置情報を付けて投稿することで応募できました。
また、通常の投稿だけでなくキャンペーンスタンプやハッシュタグスタンプを貼り付けたストーリーズ投稿でも応募が可能でした。
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応募された中から選出された一部の作品は2020年3月下旬に「銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM」で開催されるエキシビションで展示される他、WEBサイトや2020年に東京を訪れる旅行者に配布されるオリジナルブックに掲載されます。
2020年東京オリンピックに向けて東京の良さをアピールするべく開催された本キャンペーンは商品のプレゼントなどはないものの大きな反響を呼び、日本だけではなく多くの外国人も参加、様々な東京の良さが表現された多数の作品が投稿され、実力の高いフォトグラファー・インスタグラマーも参加しました。
「ブランドのSNSやメディアなどで自分のコンテンツが紹介される」ことがユーザーにとって一つのステータスになると感じてもらえるようにInstagramアカウントを成長させることができると、自然とUGCが増えて自社についての話題も生んでくれるよいスパイラルに入ることができます。
SNSアカウント運用の理想形といえますので、ブランドの世界観など意識しつつアカウントを成長させていきましょう。
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Instagram 「#UnknownJapan」 キャンペーン
最後にご紹介するのは、Instagramが開催した「『#UnknownJapan』 キャンペーン」です。
こちらのキャンペーンも先にご紹介した「『#MY TOKYO IS_____(マイ トーキョー イズ)』 キャンペーン」と似た内容のキャンペーンであり、観光庁や日本政府観光局(JNTO)とのコラボレーションも行いながら、政府による2020年目標年間訪日旅行客4000万人の達成や2020年東京オリンピックに向けて日本に対する関心向上を図るプロモーションでした。
2017年10月に開催された本キャンペーンですが、開始されてから約5ヶ月で指定ハッシュタグ「#UnknownJapan」が付けられた投稿件数が8万6,000件を超えるなど反響は非常に大きく、キャンペーンがInstagramユーザーの高い関心を得ていたことがわかります。
キャンペーンに投稿された作品の一部は2018年3月に東京国際フォーラムで開催された「#UnknownJapan エキシビジョン」にて展示されました。
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このキャンペーンの興味深い点はエキシビジョンが終了しキャンペーンで大きな動きがなくなった後もキャンペーンハッシュタグ「#UnknownJapan」が継続して活用されている点で、2020年2月現在の投稿件数はなんと40万件を突破しています。
ハッシュタグがInstagramにおいて現在も広く活用されているということは「『#UnknownJapan』 キャンペーン」が非常に大きな成功を収めたことに他ならず、大変素晴らしいキャンペーンであったと言えます。
Instagramキャンペーンは、たとえば「春の●●キャンペーン2020」のように、その一回のためのハッシュタグを設定しやすいでしょう。
しかしながら、その後のInstagramキャンペーンやブランディングでも使える「持続性」を意識したハッシュタグをつくることで長期間ユーザーから愛されるとともに、Instagramの検索結果に表示されやすくなりブランドへの入り口として継続的な集客を行ってくれるようになります。
継続的にユーザーから使われるハッシュタグを創る場合、ブランドの世界観とあわせて「汎用性」「エンタメ性」「メッセージ性」の高いものを意識して、ユーザーに刺さるものを生み出していきましょう。
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まとめ
東京2020オリンピックをテーマに開催されたInstagramキャンペーン・プロモーションの5つの事例をご紹介いたしました。
シンプルなプレゼントキャンペーンやメッセージ性の高いプロモーション、インバウンド誘致を図るプロモーションなど非常にユニークな事例ばかりでした。事例ごとに様々な工夫が凝らされており、2021年に開催される東京オリンピックをテーマにしたInstagramを企画する際に大変参考になるのではないでしょうか。
4年に1度のオリンピックであり開催地が日本であるという点で東京2020オリンピックは大変珍しいテーマです。Instagramユーザーの関心も高いためPR効果の高いInstagramキャンペーンを開催するのにまたとない機会と言えるでしょう。
東京2020オリンピックへの関心はさらに高まっています。開催までは今少し期間がありますので、この機会にぜひ東京2020オリンピックをテーマにしたInstagramキャンペーンを開催してみてはいかがでしょうか。
その他のInstagramキャンペーンまとめ
本メディア「インスタラボ」を運営するFind Modelでは、
- 人気インフルエンサー(インスタグラマー)を起用したブランドPRとキャンペーン告知
- SNS広告や企業SNSアカウント運用による認知拡大やファン獲得
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