日本国内でユーザー数が3300万人を超え、今も成長を続けているInstagram(インスタグラム)は、現在最も注目すべきSNSと言えます。
個人だけでなく既に多くの民間企業がブランディングや商品PRを目的に情報を発信していますが、今後は地方自治体や国の情報発信にも欠かせないツールとなるでしょう。そこで今回は地方創生や地方活性化においてInstagram(インスタグラム)が活用された事例を紹介いたします。
目次
地域創生・地方活性化でInstagramを使うべき2つの理由
地方創生・地方活性化とは、主に次のようなことを指す場合が多いと思います。
- 観光客の増加
- 外国人観光客の誘致インバウンド需要の強化
- 他地域からの定住者の増加
- 名産品のインターネット販売の売上増加
- ふるさと納税の寄附金額の増加
上記を実現するためには、何よりもその地方を「知ってもらうこと」が大切ですが、様々な情報発信の手段がある中で、特にInstagram活用が重要である理由をお伝えします。
1)若者たちはInstagramで旅行先を決める
現在、20代30代の女性を中心に、Instagram(インスタグラム)を利用して旅行先を決定する人がどんどん増加しています。
Instagram(インスタグラム)で利用されているハッシュタグ(#)をベースに観光スポットの写真を見ることで、訪れたい場所を決めているのです。
「#京都」「#福岡」などの場所を軸にしたハッシュタグも多いですが、「#女子旅」「#絶景」「#ロケ地」など、目的やシチュエーションに応じたハッシュタグの検索も多いです。
例えば「#絶景」と検索すると様々な「絶景」の写真が表示されます。
この中から気に入った画像をタップすると詳細がでてきます。
ここから「元乃隅稲成神社」といった地名をクリックすると、同じ場所の様々な投稿された写真が見ることができるというわけです。
この場所を気に入ったユーザーはGoogleやYahoo!を利用して「元乃隅稲成神社」と検索し、「山口県にあること」「CNNの日本のもっとも美しい場所31選に選ばれていること」「近くに油谷湾温泉があること」などを知ります。このようなフローが若者の中では当たり前になりつつあります。
ここでしっかりと認識をしなければならないのは、「Instagramで旅行先が既に決定した上で、GoogleやYahoo!で検索を行う」ということです。つまり、観光スポットの公式HPや旅行予約サイトへの広告を目にする前に、Instagram(インスタグラム)を通じて旅行先が確定しているという事実です。
(調査元:トレンダーズ、女性のSNS利用と消費行動に関する調査)
そのことを裏付けるトレンダーズによる10代〜40代の女性を対象にしたSNS利用調査の結果です。
知らないことを調べる手段としてGoogleはいまだにボリュームが多いのですが、TwitterやInstagramで検索するというユーザーも一定数います。
そして「トレンドを知りたい際、検索に利用しているもの」では、Google、Yahoo!、Twitter、Instagramがほぼ横ばいに。
このことからもInstagram(インスタグラム)を利用して検索を行う女性が多く存在することがわかります。
2)「インバウンドにも効果あり」写真の情報発信は言語を選ばない
観光地や名産品をアピールするときに、文章よりも写真のほうが魅力が伝わることは誰でも理解していると思います。しかし、写真を使ったPRが地方活性化に有力な理由はそれだけではありません。それは、「言語を問わず、世界中の人に魅力を伝えることができる」という点です。
Instagramの利用者は国内で2000万人ですが、世界中では10億人を超えるユーザーがいます。そして多くの人が「#japan」「#trip」などのハッシュタグを利用して世界中の観光地の中から次の旅行先を探しています。外国人観光客を誘致し、インバウンド需要を狙うことが大事な状況において、10億人の旅行先を決めるInstagramは活用するしかない手段です。
また、観光スポットの公式HPを英語版、中国語版、スペイン語版と、それぞれ作っていくのと比較して少ないコストで世界中にアピールができる点も魅力の一つです。
このようにInstagramを利用して国内外に発信を行い、旅行客を増やすことに成功すれば、定住者や名産品の売上、ふるさと納税額の増加も見込めます。
地方創生・地域活性化のInstagramマーケティングの3つの事例
では、実際に地域活性化のためにInstagramを使った例を3つほど見てましょう。
1.和歌山県 | 複数のアカウントを使い分け情報を発信する
左から
観光を誘致するための観光振興課のアカウント
https://www.instagram.com/nagomi_wakayama_tourism/
イベント、県の政策を中心に和歌山の情報を発信する広報課のアカウント
https://www.instagram.com/wakayamapref_pr/
和歌山県の食材を紹介する食品流通課のアカウント
https://www.instagram.com/tasty_healthy_wakayama/
- 「観光振興課」「広報課」「食品流通課」がそれぞれ異なるアカウントを運営
- 「観光振興課」は和歌山県内の観光地の写真を発信
- 「広報課」は県のPRキャラクター「きいちゃん」がイベントに参加している様子を発信
- 「食品流通課」は名産品の「みかん」を全面に押し出して発信
課毎にアカウントを作り発信するメリットは2点です。
1つ目は目的に沿った統一されたコンセプトの写真を発信できる点です。自治体は様々な情報を発信する必要がありますが、それを1つのアカウントで行う場合にコンセプトの一貫性が損なわれます。Instagram(インスタグラム)の世界では、投稿する写真の統一感が非常に大切であり、統一感を持った写真を上げることにより、そのアカウントをフォローする理由がユーザに生まれます。
2つ目はタイムリーな情報発信を可能になる店です。SNSを利用したマーケティングは、タイムリーに情報を発信することが求められます。多くの組織を横断したアカウントは承認フローが長くなってしまい、結果として情報発信が遅れてしまいます。桜の開花を伝える写真は、桜が開花したその日に投稿することに意味があります。課毎にアカウントを運営することでタイムリーな情報発信を実現することは、地方自治体のInstagram(インスタグラム)活用に有力な手段と言えます。
2.岐阜県 | フォトコンテストを開催しユーザーを巻き込む
- 下呂市で撮影した写真のフォトコンテストを開催
- Instagram内でハッシュタグ「#gerostagram」をつけることで参加が可能
- 開催期間約3ヶ月の間に2000件以上の投稿があった
公式アカウントが地方を宣伝するだけでなく、他のユーザを巻き込んでキャンペーンを行うという手段もあります。温泉地として有名な岐阜県下呂市のフォトコンテストキャンペーンは約3ヶ月間で2000件以上の投稿が行われました。Instagram(インスタグラム)を利用したユーザー巻き込み型キャンペーンは、その投稿を行ったユーザをフォローしている人にもコンテストが広まるため高い効果を期待できます。
また投稿すること自体はいつもユーザーが行っている行動と一切変わらないため、簡単で誰でも参加しやすい仕組みです。
3.岩手県 | インフルエンサーを活用し多くの人に広める
https://www.instagram.com/marutaro/
- 岩手県の観光誘致のために130万人のフォロワーを抱える(キャンペーン当時)アカウント「柴犬まる」とコラボしたキャンペーンを展開
- 「柴犬まる」はフォロワー130万人のうち9割が外国人であり、インバウンドを目的としたキャンペーン
- インフルエンサーを巻き込むことで、主催者のアカウントのフォロワー以上に多くの人にリーチをすることに成功した
SNSで強い影響力を持つユーザーのことをインフルエンサーと呼びます。Instagram(インスタグラム)を利用したマーケティングに欠かせない存在がインフルエンサーです。「柴犬まる」が岩手の観光資源を取材、宣伝し、その後「柴犬まる」が同行するツアーを開催するという企画は、インフルエンサーの抱える多くのフォロワーに情報を届けることに成功しました。
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地域創生・地方活性化でのInstagram活用のポイント
Instagram(インスタグラム)は国内3300万ユーザを突破し、Facebookを超える非常に影響力の大きいSNSとなっています。
地方創生において、若者、外国人のユーザーの囲い込みは非常に重要な要素です。その2タイプのユーザーを獲得するための手段として、前述した通りInstagram(インスタグラム)を活用することは有力です。
また、多くの企業が参入してきた市場ですが、まだまだFacebook、Twiitterよりは日本での活用度は少ないように感じます。参入障壁が少ない今だからこそ、まず試しに導入してみるのはありかもしれません。
インスタラボでも今後紹介していきますが、Instagram(インスタグラム)に関するお問合せ数も増え続けており、実際にInstagramの運用を開始した企業も増え始めていると感じています。
アカウントを立ち上げること自体はすぐにできますので、是非活用してみてはいかがでしょうか。
なお、このページでは国内の事例を紹介しましたが、海外からのインバウンド需要にインスタグラムを活用した事例については、
のページもご覧ください。
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