InstagramやYouTube、TikTokといった人気SNSで数万~数百万人のファンを集めるインフルエンサー。
その大きな影響力から、インフルエンサーに自社製品やサービスの宣伝を依頼するマーケティング施策「インフルエンサーマーケティング」が大きな注目を集めています。
この記事では、本メディア「インスタラボ」を運営するFind Model のインフルエンサーマーケティング支援実績と、実際のお客様の疑問の声をもとにインフルエンサーマーケティングへの疑問や不安を解消していきます。
- インフルエンサーマーケティングとは
- 消費者の購買フェーズごとの施策アイデア
- 3つの施策パターンとインフルエンサー選定ポイント
- インフルエンサーへの依頼方法
- 費用の相場や実際の料金とおすすめフォロワー数
- 効果を出すためのKPI設定とPDCA
- 依頼時に気をつけるべき点
について順を追って詳しく解説していきますので、インフルエンサーマーケティングの理解を深める一助としていただければ幸いです。
※上のリストをクリックいただくことで目的の項目までジャンプします。ご活用ください。
目次
今話題のインフルエンサーマーケティングとは
まず、インフルエンサーマーケティングとは何かを説明しておきましょう。
インフルエンサーマーケティングとは
インフルエンサーマーケティングとは、Instagram、Twitter、YouTube、TikTokなど人気SNSで多くのファンを抱える「インフルエンサー」に自社製品やサービスを体験してもらい、その感想をSNSに投稿し口コミ効果を生むマーケティング手法です。
従来のマスマーケティングと比べて
- インフルエンサーの抱えるファンに商品を訴求するためターゲティングがしやすい
- 一般的な広告よりも広告臭が少なく受け入れられやすい
- SNSを通して口コミと拡散が期待できる
- SNS(インターネット)上で行われるためデータが取得でき効果分析がしやすい
といった特徴があります。
Instagramでのインフルエンサーマーケティング例▼
人気インスタグラマーにイベント/店舗へ訪問していただきPRしてもらっています
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インフルエンサーマーケティング市場規模は拡大中
画像:【市場動向調査】2023年のソーシャルメディアマーケティング市場は1兆899億円、前年比117%の見通し。2027年には2023年比約1.7倍、1兆8,868億円に|株式会社サイバー・バズ
2022年の株式会社サイバー・バズと株式会社デジタルインファクトの調査によると、日本のインフルエンサーマーケティング市場は拡大する見込みとなっています。
同調査によると、インフルエンサーマーケティング市場規模は
2022年:615億円
2025年:1,021億円
2027年:1,302億円
と拡大をする予測です。
ミレニアル世代やZ世代といったデジタルネイティブ世代が消費の中心となってくる日本の現況をみても、デジタルマーケティング、とりわけ今や生活の一部となっているSNSを活用したマーケティングの注目度も今後さらに高まっていくことが予想されます。
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以下ではより具体的にインフルエンサーマーケティングについて解説していきましょう。
消費者の購買フェーズに応じてインフルエンサーマーケティングを行う目的と施策を決める
まず、インフルエンサーマーケティングを行う目的を決めます。
上図の例のように、インフルエンサーマーケティングは消費者の購買フェーズにより実施する目的と施策内容が変わってきますので、事前に自社ビジネスと顧客との関係性や課題を抽出しておきましょう。
以下ではInstagramを活用した場合の施策について解説していきます。
認知フェーズ
認知フェーズは新ブランド設立、新商品リリース、既存製品のさらなる認知拡大といった購買へつなげるまでの土台作りのフェーズであり、InstagramなどのSNSの最も得意としているフェーズとなります。
自社ブランドや製品についてインフルエンサーの影響力を通して宣伝してもらい、非認知層に対する認知拡大を進める段階です。
施策としては、自社製品をギフティングして写真に撮ってもらいInstagramなどのSNSに投稿してもらう、インフルエンサーにイベントや店舗へ来店してもらいSNSを通して宣伝してもらうといった形になります。
また、インフルエンサーの投稿画像を広告クリエイティブとして2次利用することで、広告出稿の効果的な材料とする活用法も有用です。
興味関心フェーズ
興味関心フェーズでは、認知させたブランドや製品・サービスに対してより興味をもってもらうための施策を打ちます。
たとえば、Instagramキャンペーンを行うことも有効な手段の一つです。インフルエンサーにキャンペーンの告知を行ってもらうことで、ターゲットとするコミュニティに対してキャンペーン情報を拡散できます。
キャンペーンを通して自社の公式SNSアカウントをフォローしてもらえばユーザーへ継続的アプローチできる接点をつくりだすことが出来ます。
また、自社オリジナルハッシュタグをつけた投稿をユーザーへ促すことで、自社ブランドに関するハッシュタグのついた投稿がInstagram上に増え、ユーザーが検索した際に自社に関する投稿が発見されやすくなり、話題になっていることをアピールしやすくなります。
検索フェーズ
ブランドや製品・サービスへの興味関心が高まったユーザーは購入を検討するために情報を集めはじめます。
ブランドのウェブサイトを訪問したり、レビューサイトやSNSユーザーのリアルな感想も参考にしますが、インフルエンサーによるレビューも重視しています。インフルエンサーはユーザーにとって役立つ情報を発信することで多くの信頼を得ており、ユーザーはその情報に信憑性があると感じているためです。
ですので、インフルエンサーに自社ブランドの製品やサービスについて実際に体験してもらい、詳しいレビューを投稿してもらうことで購入を検討しているユーザーへの大きな訴求材料とすることができます。
購買フェーズ
購買フェーズは、実際に製品やサービスを購入・体験してもらう段階です。
SNSは性質上、認知・興味関心・検索フェーズを通してユーザーへのブランド理解を促す役割が得意なため、購買に直接つなげるインフルエンサー施策を行う場合はユーザーがブランドに強く共感してくれている状態を生み出すよう事前にマーケティングを行っておく必要があります。
したがって、購買フェーズではSNSを活用したインフルエンサーマーケティングの難易度は高めであることに留意しておきましょう。
オンラインでの購入を狙うインフルエンサー施策としては、たとえば
- InstagramストーリーズのURLからECサイトへ誘導し購入
- Instagramショッピング機能(チェックアウト機能)を通して購入
- ライブコマースによる商品購入
などが活用できます。
Instagramストーリーズ
Instagramは通常の写真や動画投稿にURLリンクを設定することが出来ません。
Instagramストーリーズであれば条件を満たすことでURLリンクを設定できるため、インフルエンサーに広く宣伝してもらうことで購買へつなげるための重要な入り口を増やすことができます。
※ストーリーズにURLリンクを設定できる条件は公式に発表されていませんが、一般的にアカウントフォロワー数が1万人以上であることが条件と言われています。
Instagramショッピング機能(チェックアウト機能)
Instagramショッピングは投稿した写真や動画をタップすると製品の価格や詳細が表示され、すぐECサイトへ遷移させることができる機能です。ユーザーはシームレスな購買体験を通して購買熱量が下がらないうちに商品をオンラインで購入することが出来ます。
また、2019年3月に発表された「Instagramチェックアウト機能」が導入されれば、ユーザーはECサイトへ遷移することなくInstagramのアプリ上で買い物を完了させることが出来るようになるため、購買へつながげる重要な機能として大きく期待されています。
Today, we're introducing checkout on Instagram. When you find a product you love, you can now buy it without leaving the app. 🛍💕https://t.co/o1L5WsfgVE pic.twitter.com/IlVJxOr10x
— Instagram (@instagram) March 19, 2019
参考:Introducing Checkout on Instagram|Instagram INFO CENTER
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ライブコマース
インフルエンサーにライブ配信を通して商品の販促をしてもらうライブコマースによりユーザーに商品を購入してもらう方法です。
ライブの視聴ユーザーとリアルタイムの相互コミュニケーションができるため、製品の疑問点をその場で解決でき、購入を検討しているユーザーの背中を後押しできる効果があります。
しかしながら、
- 自社ブランドと親和性が高い
- リアルタイムのコミュニケーションに優れている
- 製品のプレゼン~クロージングの実践スキルが高い
という条件を網羅したインフルエンサーを見つける必要があるため、現状ではやや難易度が高い方法と言えます。
今後ライバー(ライブ配信者)マネジメントが活性化することで、高いスキルをもったライブインフルエンサーも増えてくるでしょう。
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【重要】PDCAを回し認知獲得から購買・シェアまで包括的なサイクルマーケティングにより効果を高めることができる
SNSはもともと人との交流を目的として作られているため、自社のファンを獲得するためにはユーザーとの良好な関係づくりが欠かせません。
人と人が友好的な関係になるためには適切かつ継続的なコミュニケーションアプローチが必要になります。インフルエンサーマーケティングにおいても同様で、各フェーズで単発施策を行うよりも認知から購買までの過程を通してユーザーとコミュニケーションすることでファンの獲得につながります。
そして、シェアされた自社ブランドについての投稿が増えることで認知が広がり、ユーザーは興味を掻き立てられ、検索でもよく目にするようになり、購買へつながる見込み顧客が増える好サイクルを生み出すことができます。
このとき、施策を行うにあたり仮説を立て、自社で適切なKPIを設定し、施策の分析を通して次の施策につなげるPDCAサイクルを回すことが重要となります。
人気インフルエンサーによる宣伝で瞬間的に情報は拡散されるメリットもありますが、効果を高めるには戦略的で継続的なアプローチが前提になることに留意しておきましょう。
インフルエンサーマーケティングの実施パターン
ここでは一般的なインフルエンサーマーケティング施策3形式について解説しましょう。
実施パターン1:自宅への商品ギフティング・サービス体験型
インフルエンサーマーケティングで最も一般的な施策形式が商品ギフティング・サービス体験型です。
自社製品が有形商材の場合、インフルエンサーに商品を提供し自宅で製品を体験してもらい製品写真や使用感をSNSに投稿してもらいます。
無形商材も基本的に同じで、たとえばスマホアプリの場合は自宅でダウンロードしてもらったり、家事代行サービスのような場合は自宅にてサービスを体験してもらいます。
インフルエンサーと企業は基本的にオンラインでやり取りが完結するため、お互いに比較的気楽な方法といえます。
実施パターン2:現地訪問型
現地訪問型は、店舗/イベント/観光地などへインフルエンサーに現地訪問してもらう施策形式です。店舗へ訪問してもらいインフルエンサーにサービスを体験してもらう形式もここに含まれます。
店舗や会場を魅力的なデザインにしておき音楽や動的演出で見る人の興味を掻き立てるなど、現地の魅力をユーザーへ大きく訴求することができます。
現地訪問型の場合はインフルエンサーに現地へ来てもらうため、時間の確保や綿密なスケジュール調整が必要になります。
また、インフルエンサーの拘束時間が発生し、現地への交通費や宿泊費などはアサイン費用とは別途必要になるため、商品ギフティングよりも必要となる費用が高くなります。
実施パターン3:企画・コンサルティング型
企画・コンサルティング型は、自社製品開発やイベント企画をする際インフルエンサーに監修役を依頼する方法です。
たとえば、ファッションブランドであればオリジナルファッションアイテムのデザインを、飲食店であれば新メニュー立案をしてもらうなど貴重なアドバイスをもらうことができます。
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インフルエンサーは自分の得意分野について常に最新情報を収集し、フォロワーの役に立つ形で発信しています。インフルエンサーに企画やコンサルティングを依頼することで、最新トレンドやインフルエンサーのセンスを取り入れたアイデアやインフルエンサーのネームブランドを借りた施策を行うことができます。
また、自社製品やサービスに対するフィードバックをインフルエンサーからもらうことでブランド価値を高めるヒントを得ることができます。
インフルエンサー選定時のポイント
自社に親和性の高いインフルエンサーを選定していない場合、期待するような大きな効果を得ることはできません。
ここではインフルエンサー選定時の重要なポイントについて解説していきます。
選定ポイント1:施策により「マイクロインフルエンサー」と「マクロ/メガインフルエンサー」を使い分ける
インフルエンサーにはフォロワー数が数十万~数百万人規模の「マクロ/メガインフルエンサー」や、フォロワー数が1万人~数万人の「マイクロインフルエンサー」まで多種多様な人たちがいます。
インフルエンサーを選定する際、フォロワー数(リーチ数)が多い人を選べばよいのではと思うかもしれませんが、マクロ/メガインフルエンサーとマイクロインフルエンサーとでは性質が異なるので、施策により使い分ける必要があります。
マクロ/メガインフルエンサーの性質
マクロ/メガインフルエンサーは、数十万人~数百万人という圧倒的なフォロワー数を抱えており、その影響力は絶大です。
一般的に、フォロワー数に対するエンゲージメント(いいね!やコメントなど)率は低い傾向にあります。
マクロ/メガインフルエンサーの人気度は非常に大きいため、「あの有名インフルエンサーが紹介している商品」のように非認知層のユーザーへ対する認知拡大やブランディングを行う際に特に有効です。
マイクロインフルエンサーの性質
マイクロインフルエンサーは、数万人規模のフォロワーを抱えているインフルエンサーです。
一般的に、フォロワー数に対するエンゲージメント率は高い傾向にあります。これは、インフルエンサーと距離感が近いフォロワーが多いことが大きな理由として挙げられます。
マイクロインフルエンサーはマクロ/メガインフルエンサーと比べて影響力は劣りますが、エンゲージメント率の高さを利用してイベントへの集客や販促などユーザーの行動を促す際に特に有効です。
選定ポイント2:フォロワー属性が自社商材とマッチしている人を選ぶ
フォロワー属性とはインフルエンサーの抱えるフォロワー(ファン)の属性のことです。男女比、年代構成、地域、アクティブな時間帯などインフルエンサーの抱えるフォロワー(ファン)にどのような人が多いのかを知ることが出来ます。
自社商の材ターゲットが20代女性なので同年代の20代女性インフルエンサーに依頼しても、そのインフルエンサーのファンの多くが男性だったなら効果的に商材をPRすることはできません。
また、自社商材がファッションなのにコスメ中心に紹介しているインフルエンサーを選んでも、コスメの情報が知りたいフォロワーが多いためやはり大きなPR効果は期待できません。
フォロワー数だけを見るのではなく、自社ブランドや製品・サービスと相性のよいインフルエンサーを選定することが重要です。
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選定ポイント3:「いいね!買い」や「フォロワー買い」をしていないかチェックする
いいね!やフォロワーを金銭により購入しているSNSユーザーも中にはいます。
特に、多くのフォロワーを買っているSNSユーザーの場合、フォロワー数は大きく見えても実態はロボットが自動的に作ったアカウントであったり、海外の全く関係ないユーザーのアカウントであったりして、目的とするターゲットへリーチできる割合が減ってしまいます。
いいね!やフォロワー買いをしているユーザーは各社から提供されているツールを使うことで洗い出すことができますので、品質の高いインフルエンサーを選定するようにしましょう。
インフルエンサーへの依頼方法
自社にマッチするインフルエンサーを選定したら、実際に声をかけて依頼していきます。
ここでは、インフルエンサーへ依頼形式と主な3つの依頼方法について解説していきましょう。
依頼方法1:インフルエンサーへ直接連絡
自社で選定したインフルエンサーへDM(ダイレクトメッセージ)などを送り直接連絡を取る方法です。
自社に親和性の高いインフルエンサー選定やインフルエンサー施策のノウハウを十分に持っている場合に有効となります。
メリット
中間業者がいないため、低コストかつスピード感をもったやり取りをすることが可能です。
また、広告主(自社)の意図をインフルエンサーへダイレクトに伝えることが出来るので、希望に沿った施策を行うことができます。
デメリット
自社で最適なインフルエンサーの選定、報酬交渉、マネジメント、投稿内容チェック、効果分析などすべての手間を自社で行う必要があり、人的リソースが限られている場合は担当者への大きな負担となります。
また、インフルエンサーが事務所やキャスティング会社に登録している場合、直接依頼を受け付けておらず希望のインフルエンサーをアサインできない可能性もあります。
依頼方法2:インフルエンサーマッチングプラットフォーム活用
インフルエンサーとやり取りできるプラットフォームサービス(基本有料)を通してインフルエンサーへ依頼する方法です。
自社にインフルエンサー施策やインフルエンサー選定のノウハウがある程度備わっており、人的リソースにも余裕がある場合に有効です。
メリット
マッチングプラットフォームの高性能ツールを使い自社に親和性の高いインフルエンサーの選定と連絡、ダッシュボードでのインフルエンサー管理、投稿の効果分析などができます。
また、プラットフォームによっては案件に興味あるインフルエンサーを公募し、熱量の高いインフルエンサー候補者を集めることができます。
デメリット
インフルエンサーの選定と管理、施策スケジュール管理や商品の発送、効果分析などを基本的に自社で行う必要があるため、人的リソースとノウハウがある程度必要になります。
また、定額の利用手数料が発生し、依頼するインフルエンサーによってはディレクション費用が発生する場合もあります。
依頼方法3:インフルエンサーマーケティング/キャスティング専門会社からの紹介
インフルエンサーマーケティング/キャスティング専門会社にインフルエンサーを紹介してもらう方法です。
インフルエンサーマーケティングのノウハウがない、過去に実施したが効果を実感できなかった、社内に人的リソースがない場合に有効です。
メリット
インフルエンサーの性質(フォロワー属性、性格など)やマーケティング施策について熟知したプロが最適なインフルエンサーの選定とマネジメント、施策の実施、効果分析をしてくれます。
また、企業によっては自社で多くのインフルエンサーを抱えており、案件に興味あるインフルエンサーを公募して熱量の高いインフルエンサー候補者を集めることができます。
デメリット
キャスティング会社とインフルエンサーとの間に中間業者が多い場合、事前に詳細なすり合わせをしておかないと広告主(自社)の意図とずれた施策内容になったり、コストが割高になる可能性がある
※ここで紹介している内容はあくまで一般論です。様々な会社がインフルエンサー事業を行っており付加価値を提供しているため、それぞれの企業の特徴をよく理解した上で自社の状況にあった依頼方法を検討するとよいでしょう。
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インフルエンサーマーケティングの料金・費用形態と予算イメージ
インフルエンサーマーケティングで最も気になる要素の一つが「費用」でしょう。
ここでは、インフルエンサーに依頼する際、特に企業を通したときのインフルエンサーマーケティングの費用について解説していきます。
インフルエンサーマーケティングの料金構造
インフルエンサーマーケティングの費用は一般的に下図の左「一般的なキャスティング会社」ようなマージンの積み重ねにより構成されています。(※図解はイメージ)
画像:Find Model
インフルエンサーマーケティングの費用は、
- キャスティング企業マージン
- インフルエンサーへの報酬
- 広告代理店マージン
- インフルエンサー事務所マージン
- 制作会社マージン
など、自社とインフルエンサーとの間に中間業者が多くなるほど中間マージンがふくらむため金銭的コストは大きくなります。
自社で直接インフルエンサーへ宣伝を依頼する方法が最も安く済みますが、影響力の大きい人気インフルエンサーは事務所やキャスティング会社に所属していて直接依頼を受け付けていないケースも多々あります。
現実的にはインフルエンサーへの報酬とインフルエンサー事務所やキャスティング会社への依頼料が最低限必要となり、自社と付き合いのある広告代理店に依頼するといった場合はさらに費用が上乗せされていく形になることを理解しておくとよいでしょう。
フォロワー単価による費用形態と相場
ここではインフルエンサーマーケティングの費用計算で一般的に使われる「フォロワー単価」について解説します。
フォロワー単価とは
フォロワー単価とはインフルエンサーのフォロワー1人当たりの単価を設定したものです。フォロワー単価によるインフルエンサーマーケティング費用の算出は最も一般的な見積り方法となります。
たとえば、フォロワー単価が2円、依頼するインフルエンサーのフォロワー数が30万人いた場合の費用は、
フォロワー単価 x フォロワー数
=2円 x 30万人
=60万円
となります。影響力の大きさに比例して費用が大きくなるというシンプルな費用の算出方法です。
尚、インフルエンサーを複数名起用したい場合は、すべてのインフルエンサーの合計フォロワー数にフォロワー単価をかけたものにより費用を算出することが多いです。
インフルエンサーの影響力によりフォロワー単価が変動する
依頼するインフルエンサーのフォロワー数が増えるほどフォロワー単価も大きくなる傾向があります。
たとえば、インフルエンサーのフォロワー数が以下のような場合、
・10万人:フォロワー単価2円
・50万人:フォロワー単価3円
・100万人:フォロワー単価4円
のような具合に増えていくイメージです。影響力の大きい人ほど価値が高いという認識になります。
これはトップインフルエンサーが製品を体験してくれたことがブランドとして一つの付加価値となり、さらにトップインフルエンサーをフォローしている有名インフルエンサーにより情報が拡散される波及効果も可能性としてあるため一般的に価値が高くなっています。
ただし、インフルエンサー事務所やキャスティング会社によりフォロワー単価や費用の算出方法は異なります。
インフルエンサーのディレクション/マネジメント費用が含まれる場合や別途必要な場合など料金形態は多種多様なので、よく確認しておくとよいでしょう。
フォロワー単価の相場
インフルエンサーマーケティングの一般的なフォロワー単価の相場は大体2円~4円と言われています。
具体的にフォロワー単価を公表しているインフルエンサーマーケティング会社はあまり多くありません。Business Insider Japanが複数企業に対してフォロワー単価の相場に関する取材をしたところ、以下のような回答を得られたそうです。
複数企業に取材すると、案件やフォロワー数、投稿内容によって大きく変わるが、広告費の相場は「1フォロワー=3〜4円」「1フォロワー=2~3円」という回答が寄せられた。
フォロワー単価は各企業により異なるので、ウェブサイトや問い合わせの上確認しましょう。
⇒ おすすめ【フォロワー単価1.25円】のインフルエンサーマーケティングサービスは こちら
【重要】ある程度のリーチボリュームを確保した方がより大きな効果を期待できる
お客様からの弊社へのお問合せには「インフルエンサーマーケティングを試しにやってみたい、予算10万円くらいでできないか」というご相談をいただくことも多くあります。
結論を言うと「インフルエンサー施策を行うことは可能です。しかし、大きな効果は保証できません。」という回答になります。
たとえば予算10万円、フォロワー単価が2円だった場合、アサインできるインフルエンサーの合計フォロワー数は単純計算で「5万人」となります。
この「フォロワー数5万人」という数字が大きいか小さいかは施策内容によりますが、ある程度大きいリーチボリューム(フォロワー数)を確保できた方が施策の幅も広がり効果が出やすくなります。
実際、インスタラボが提供している過去のインフルエンサーマーケティング実績をみると、大体のイメージですが、合計フォロワー数50万人(※)から効果をより実感していただいているお客様が多い印象です。(※参考値。もちろんフォロワー数50万人以下の施策でもご満足いただけています)
インフルエンサー施策を「単発お試しで」行い、効果を実感できずインフルエンサーマーケティングの付加価値が本来よりも低く見られてしまうことは、お客様としてもインフルエンサーマーケティング業界としても機会損失となります。
先にも解説しているように、インフルエンサー施策は認知から購買までのユーザーとの継続的なコミュニケーションにより効果を大きくすることが出来ます。したがって、効果を高めるために可能であればある程度のリーチボリュームを確保した上で継続的にインフルエンサー施策を実施いただくことをオススメいたします。
本メディア「インスタラボ」を運営しているFind Modelでは業界トップレベルの適正価格により、コストを抑えながらリーチボリュームを確保した上で効果的な施策を行うことが可能です。
インフルエンサーの管理、施策実施、効果分析レポートまで一貫したインフルエンサーマーケティングサービスをお探しの際は是非お気軽にご相談ください。
成果報酬(アフィリエイト)による費用形態
フォロワー単価型とは別に、発生した成果数により費用を算出する成果報酬(アフィリエイト)型の費用形態も存在します。
成果には様々な種類があります。
- エンゲージメント数(いいね!数、シェア数、投稿保存数など)
- サイト遷移数(サイトへのURLクリック数)
- アプリインストール数
- 商品購入数
など、自社がターゲットとしている消費者の購買フェーズと施策の目的などを鑑みて最適なものを設定します。
成果報酬単価もフォロワー単価と同様、サービスを提供している企業により異なりますのでウェブサイトや問い合わせの上確認しておきましょう。
インフルエンサーマーケティングの費用対効果を高めるKPI設定とPDCA
ここではインフルエンサーマーケティング施策のKPI設定について解説していきます。
例としてInstagramを活用した場合の主なKPIを紹介していきましょう。
リーチ数、インプレッション数
リーチ数は投稿を見たユーザーの数、インプレッション数は投稿がInstagram上に表示された数を表しています。
認知~購買での施策のKPIとして広く活用されます。
エンゲージメント数・率
エンゲージメントとは、いいね!、コメント、保存など、投稿に対してユーザーが行ってくれたアクションのことです。
インフルエンサーのリーチ数に対してどれくらいの数の反応が得られたのか、反応してくれた人の割合はいくらかを算出して効果測定に活用します。
尚、インフルエンサーによる企業広告の場合、エンゲージメント率(反応率)は普段の投稿の平均エンゲージメント率よりも低くなる傾向があります。
投稿保存数・率
Instagramにはお気に入りの投稿を後でいつでも見られるように保存機能がついています。
保存される投稿はユーザーにとっての価値が高いと判断できるため、保存数が多いほどユーザーへの訴求力が高い広告であったと判断することが出来ます。
あわせて次回施策を行う際にクリエイティブやキャプション(テキスト)の最適化に利用することが出来ます。
投稿マッチ率
投稿マッチ率とは、インフルエンサーの普段の投稿に比べて企業PR投稿がどれだけエンゲージメントを獲得しているかを見るKPI指標です。インフルエンサーの平均エンゲージメント率と企業PRのエンゲージメント率を比較して算出します。
企業PR投稿の場合、インフルエンサーの普段の投稿よりもエンゲージメント率は下がる傾向にありますが、商材との相性によっては普段よりも多くのエンゲージメントを獲得するケースもあります。
インフルエンサーと自社商材との相性や広告クリエイティブによる効果の違いなどを分析できるので、次回施策のときにより効果の高いインフルエンサーを起用したりクリエイティブの最適化を行う材料として活用できます。
CPM、CPC、CPIなど
CPC(クリック単価)、CPM(インプレッション単価)、CPI(インストール単価)など、広告効果指標もKPIとして活用します。
Instagramから自社サイトへの遷移や商品の購入、アプリのダウンロードを獲得するためにかかったコストを算出します。
施策に投じた費用対効果を計測するKPIとして活用します。
【重要】施策目的に沿ったKPIを設定し分析、PDCAを回して効果を最大化させていくことが大切
インフルエンサーマーケティングは商材とインフルエンサーとの相性や施策内容により効果が大きく変わります。
また、SNS施策は消費者購買フェーズの認知~検索の部分を最も得意としており、購買につなげるにはユーザーがブランドに対してある程度熱量をもっている状態をつくる必要があるため、費用対効果の予想が難しい性質もあります。
変動性があり費用対効果の予測が難しいインフルエンサーマーケティングの効果を最大化させるには、インフルエンサー施策によりブランドとユーザーとの接点を増やし、分析をとおしてPDCAを回し、継続してブラッシュアップしていくことに尽きます。
これは継続的なコミュニケーションを目的としているSNSを活用したマーケティングのある種の特徴といえるでしょう。
ですので、ある程度確からしいKPIを設定しインフルエンサー施策を実施。得られた結果をもとにPDCAサイクルを回して効果を高める長期的な投資が結果的に費用対効果の向上につながります。
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インフルエンサーマーケティング実施時に気をつけるべき点
インフルエンサーマーケティング施策を行う際、内容をインフルエンサーとすり合わせる必要がありますが、その際に気をつけるべき点を以下に紹介してきます。
インフルエンサーはパートナーでありプロとして信頼する
依頼する企業からすると写真やキャプション(テキスト)など、インフルエンサーの投稿内容に口をはさみたくなる気持ちはわかりますが、下手に介入すると宣伝感が強くなりユーザーが違和感を感じてしまいます。
インフルエンサーはファンのことを熟知したうえで今の投稿スタンスを確立しているので、必要最低限アピールしてほしい情報を伝え、あとはインフルエンサーに任せましょう。
また、インフルエンサーはビジネスパートナーとしてお互い信頼できる関係づくりを心がけましょう。SNSマーケティングもビジネスの関係も同じで、良好なパートナーシップが大きな効果を生み出します。
PRしてもらう商材についてインフルエンサーに深く理解してもらう
PRしてもらう自社の商材について、インフルエンサーに深く理解してもらうようにすることも大切です。
成分や使って得られる効果などの特徴に加え、「こういう想いで商品を作っていて、こういう悩みを持った方たちに商品を届けたい」という「ブランド(作り手)の想い」も併せて伝えましょう。
ブランドの想いを伝えることで、インフルエンサーは商品への理解が深まるとともにPRへの熱量も高まり効果の高い施策を行うことができます。また、ブランドの想いを見たフォロワーの人たちからも共感してもらいやすくなります。
インフルエンサーと企業との間で決めておくべき項目をまとめておく
インフルエンサーへ自社ブランドや製品・サービスのPRを行う際、以下の内容については最低限話し合っておくようにしましょう。(Instagramの場合)
- 必要な原価(訪問・宿泊費用など)と報酬
- 投稿内容(写真、動画、記事、ライブ配信など)
- 投稿スケジュールと投稿回数
- 一回の投稿写真枚数
- 撮影場所(自宅、イベント会場など)
- 撮影部位(商品単品、バストアップ、全身など)
- キャプションテキスト内容(商品アピール、ブランド名の記載など)
- 必須ハッシュタグ
実施内容について詳細に決めておかないと途中での大きな変更など後々のトラブルに発展する可能性があります。
また、施策進行中に企業からの希望による一方的な内容の追加や変更が無いようにしましょう。
インフルエンサーもプロですから仕事を全うしてくれますが、その後のパートナーシップに悪影響が出ることは避けられません。追加や変更が必要な場合は、追加報酬を準備するなどインフルエンサーの提供してくれた価値に見合う対価をこちらも提供することが大切です。
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インフルエンサーマーケティング企業に依頼する時の14の注意点
依頼から実施までの期間は2週間~3週間の余裕をもっておく
依頼からPR実施までの期間は十分確保しておくようにしましょう。これは、希望するインフルエンサーの予定を確保する、内容のすり合わせを十分にする、PRに向けた準備と実施をする、などの理由があります。
一般的に、以下の流れでインフルエンサーに依頼し、投稿が実施されます。
- インフルエンサーの可否確認
- 投稿内容のすり合わせ
- 商品の手配と発送
- 写真や動画の撮影
- 投稿の下書きチェック(必要な場合は再撮影)
- 実際に投稿
一般的に、2週間~3週間の期間をみれば余裕をもって施策を実施することができます。余裕を持った依頼でない場合、思わぬトラブルや品質の低下につながる可能性もありますので十分な期間をみて依頼しましょう。
ステルスマーケティング(ステマ)の防止に努める
ステルスマーケティング(ステマ)とは、一言でいうと「やらせ」行為のことで、その制作物や活動(動画像、文章、レビュー、口コミなど)が宣伝であると一般消費者に気づかれないよう欺きながら行う宣伝行為のことです。
ステルスマーケティングをしていることが発覚した場合、企業や個人の社会的信用が大きく損なわれてしまいます。
- 企業の人間が自社と関連のない一般消費者になりすまして自社製品に有利な口コミを書く
- 有名人(インフルエンサー)に金銭を渡しその事実関係を消費者に隠して自社製品を宣伝してもらう
といった行為はステルスマーケティング(ステマ)に当たりますので行わないようにしましょう。
また、インフルエンサー施策においては
- 広告主とインフルエンサーの関係性を明示
- 広告主がインフルエンサーへ提供した金銭・物品・サービスがあることを明示
- 情報の偽装をしない
のように、消費者がインフルエンサーの投稿を広告だと認識できるようにすることでステルスマーケティング(ステマ)の防止になります。
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炎上・ステルスマーケティング(ステマ)防止マニュアル
インフルエンサーマーケティングについてまとめ
いかがでしたか。
すこし長くなりましたが、インフルエンサーマーケティングをゼロから知っていただくためのノウハウを紹介させていただきました。
もし自社でインフルエンサーマーケティングを検討している際は、是非参考にしていただけますと幸いです。
本メディア「インスタラボ」を運営しているFind Modelでは業界適正価格でのインフルエンサーマーケティングサービスを提供しています。(インフルエンサーアサイン、ディレクション、効果分析レポート費用込み)
インフルエンサーマーケティングのリーディングカンパニーとして、豊富な支援実績や本メディアでの情報配信により蓄積されたノウハウを活用してお客様のブランド価値向上を実現いたします。
過去の成功事例やインフルエンサーリストを見てみたいなど、ご検討の際は是非お気軽にご相談ください。
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