
近年、グルメ業界が大きな盛り上がりを見せていることをご存じでしょうか?
日本フードサービス協会が発表した2025年5月の外食産業市場動向調査結果によると、ファーストフード・ファミリーレストラン・居酒屋など多くの業態において、2024年と比べて約110%近く売り上げが増加する結果となりました。
この好調を支えているのが、インバウンド需要の回復・増加です。さらに、多くの訪日外国人観光客が情報収集ツールとしてSNSを活用していることも、グルメ業界の追い風となっています。
そこで今回は、「【2025年版】グルメ業界のSNSマーケティング成功事例とポイントを分かりやすく解説」と題して、グルメ関連のSNSマーケティング成功事例やポイントを詳しく解説していきます。
飲食業のマーケティングに携わる方にとって必見の内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
※ インスタラボの掲載事例につきましては、弊社で取り扱っている事例だけではなく、他社様の素敵な事例もご紹介させて頂いております。ぜひ詳細はURLなどをご確認ください。
目次
グルメ業界×SNSマーケティングのメリット・ポイント
まずは、グルメ業界のSNSマーケティング施策における
- SNSアカウント運用
- インフルエンサーPR
- SNSキャンペーン
- SNS広告
について、施策導入のメリットやポイントを解説します。
SNSアカウント運用
- 【低コストでの宣伝活動】
広告費をかけずに、新メニューやキャンペーン情報をリアルタイムで発信できます。 - 【シズル感の演出】
料理の写真や調理動画で、味や香りが伝わるような「シズル感」を演出し、ユーザーの食欲を直接刺激できます。 - 【顧客とのコミュニケーション】
コメントやDMを通じて顧客と直接交流し、リピーター育成やファン化に繋げられます。 - 【リアルな声の収集】
UGC(ユーザー生成コンテンツ)や口コミから、顧客のリアルなニーズや改善点を知ることができます。
どのSNSを選ぶべき?
どのSNSを選ぶかは、お店のターゲット層によって異なります。
以下、主要SNSの特徴と飲食店での活用イメージをまとめましたので、参考にしてください。
- 【Instagram】
写真やリール動画との相性が抜群。映える料理やおしゃれな内装をアピールし、若者や女性、最近はインバウンドへの訴求にも最適です。 - 【X(旧Twitter)】
リアルタイム性と拡散力に優れています。「本日限定割引」といった即時性の高い情報発信やプレゼントキャンペーンでの認知度拡大に向いています。 - 【TikTok】
ショート動画がメインで、10代〜20代の若年層に絶大な人気を誇ります。調理風景をリズミカルに見せたり、スタッフのキャラクターを活かしたコンテンツでバズを狙うことも可能です。
- 【LINE】
友だち登録したユーザーに直接メッセージを送れるため、リピーター向けのクーポン配布や限定情報 の発信に非常に効果的です。
多くの飲食店の成功例では、これらのSNSを複数組み合わせて運用しています。
まずはメインターゲットが集まるSNSから始め、徐々に拡大していくのが良いでしょう。
関連記事▼
SNS運用とは?初心者向けにメリットや成功事例を徹底解説
インフルエンサーPR
最近では、インフルエンサーの投稿がお店選びの重要な参考情報になるため、グルメ系インフルエンサーとのタイアップが、飲食店にとって非常に効果的な宣伝手法になります。
グルメ系インフルエンサーを起用する主なメリットは、以下の通りです。
- 【影響力を活かした来店喚起】
影響力のあるインフルエンサーが「行ってみたい!」と思わせる魅力的な投稿をすることで、多くのフォロワーの来店意欲を直接刺激します。 - 【信頼性の高い食レポ】
ユーザー目線のリアルな食レポは、広告よりも信頼性が高く、フォロワーに「自分がそのお店に行ったかのような」疑似体験を提供できます。 - 【第三者視点での魅力発見】
インフルエンサー独自の視点で、お店側が気づかなかったメニューの魅力や楽しみ方を引き出してくれることがあります。
インフルエンサー選びで失敗しないためのポイント
施策を成功させるには、お店のコンセプトに合ったインフルエンサー選びが何よりも重要です。
「フォロワー数」だけでなく、以下の点を確認しましょう。
- 【フォロワー層との一致】
お店のターゲット客層(年齢、性別、エリアなど)と、インフルエンサーのフォロワー層が一致しているか。 - 【エンゲージメントの質】
普段の投稿に「美味しそう!」「行ってみたい!」といった、来店に繋がりそうなコメントが付いているか。 - 【過去のPR投稿】
過去のPR投稿が、お店の魅力を丁寧に、かつ魅力的に伝えているか。
また、ブランドイメージを損なわないためにも、インフルエンサーの普段の言動や過去の投稿を事前にチェックし、炎上リスクを回避することも大切です。
関連記事▼
インフルエンサーマーケティングとは?効果や手法、注意点を解説!【成功事例付き】
SNSキャンペーン
SNSキャンペーンは、短期間で多くのユーザーの注目を集め、お店の認知度を飛躍的に高めることができる強力な施策です。
飲食店がキャンペーンを行う主な目的には、以下のようなものが挙げられます。
- 新メニューや季節限定商品の認知度向上
- 来店を促すUGC(「#店名」付きの口コミ投稿)の増加
- お店のファン(リピーター候補)の獲得
飲食店のSNSキャンペーンのポイント
多くの飲食店で主流となっているのが、「フォロー&コメント」などを参加条件とし、「お食事券」や「人気メニューの無料クーポン」などをプレゼントする企画です。
この手法は、お店のファン(フォロワー)を増やしつつ、コメントによって投稿のエンゲージメントを高めることができる効果的な手法です。
そして、キャンペーンを成功させるためには、「ユーザーにとって魅力的で、参加したいと思えるか」という視点がポイントになります。
例えば、賞品が「お店で使えるお食事券」であれば、ユーザーがお店に足を運ぶきっかけになり、その後のリピーターに繋がる可能性もあるでしょう。
このように、企業側の宣伝だけでなく、ユーザーにとっても価値のあるメリットを提供することが、結果的にファンの信頼を獲得し、大きな成果に繋がります。
関連記事▼
SNSキャンペーンの目的別に「KPI」設定する際のポイントと指標例
SNS広告
SNS広告は、まだお店を知らない潜在顧客に情報を届け、来店を促すための強力なツールです。
Web広告とは異なり、「いいね」や「シェア」によるユーザーの自発的な拡散が期待できる点も大きな特徴です。
飲食店がSNS広告で効果を出すためには、ユーザーの食欲や来店意欲を刺激する「訴求軸」を明確にすることが重要です。
以下に、飲食店で有効な訴求軸の例をまとめてみました。
- 【限定訴求】
「今週限定のランチセット」「1日10食限定の裏メニュー」など、希少性をアピールして来店を促す。 - 【トレンド訴求】
クリスマスやバレンタインといった季節イベントに合わせた特別ディナーや、SNSで話題の食材を使った新メニューなどで訴求する。 - 【価格(コスパ)訴求】
「生ビール1杯199円」「1,000円ぽっきりランチ」など、価格の安さやお得感をアピールし、若者層やファミリー層の来店を狙う。 - 【品質・こだわり訴求】
「契約農家から毎朝届く新鮮野菜」「A5ランク黒毛和牛使用」など、食材や調理法へのこだわりを伝え、食への関心が高い層にアピールする。 - 【インフルエンサー訴求】
人気のグルメ系インフルエンサーのレビューを広告クリエイティブに活用し、第三者のリアルな声として信頼性を高める。
このように、お店の強みやキャンペーン内容に合わせて訴求軸を定め、ターゲットに響く広告を配信することが成功の鍵になります。
関連記事▼
SNS広告を徹底比較!(YouTube,Facebook,Instagram,X) 特徴や課金・出稿手順まとめ
グルメ関連のSNSマーケティング成功事例
最後に、グルメ関連のSNSマーケティング成功事例をご紹介します。
- 公式アカウント運用の成功事例
- インフルエンサーPRの成功事例
- SNSキャンペーンの成功事例
- SNS広告配信の成功事例
をピックアップしていますので、ぜひ参考にしてください。
公式アカウント運用の成功事例
丸亀製麺 | Instagram
画像:@marugame_ | Instagram
アカウント:丸亀製麺【公式】| ここのうどんは、生きている。
フォロワー:約12.9万人(※2025年6月現在)
公式アカウント運用の成功事例としてご紹介するのは、「丸亀製麺【公式】| ここのうどんは、生きている。」です。
丸亀製麺はうどん専門店であり、国内外合わせて1000店舗を展開する人気チェーン店です。
Instagramでは、新商品やアレンジ方法など役立つ情報を発信しています。
上記の投稿では、期間限定の新商品「旨辛肉盛りまぜ玉うどん」を発売日に合わせてリール動画で紹介しています。
食材の紹介から盛り付け、そして食欲をそそる実食シーンまでをテンポの良いショート動画にまとめることで、視聴者を飽きさせずに商品の魅力を最大限に伝えていますね。
このように、発売日に合わせてシズル感のある動画を投稿する手法は、視聴者の「今日食べに行こう」という即時の来店行動を効果的に促します。
さらに、キャプションでは「#旨辛肉盛りまぜ玉うどん」という商品名のハッシュタグを活用。これにより、商品を実際に食べたファンが同じハッシュタグを使って投稿(UGC)しやすくなるため、二次的な拡散効果にも期待できます。
インフルエンサーPRの成功事例
まぐろとシャリ/MAGURO&SHARI 【渋谷グルメ】 | Instagram
画像:@maguro_to_shari | Instagram
アカウント:まぐろとシャリ/MAGURO&SHARI 【渋谷グルメ】 | Instagram
フォロワー:約4,521人(※2025年6月現在)
インフルエンサーPRの成功事例としてご紹介するのは、「まぐろとシャリ/MAGURO&SHARI 【渋谷グルメ】」です。
まぐろとシャリは、銀座の鮨店「はっこく」の大将が監修しているマグロ丼専門店です。
Instagramでは、主に色鮮やかなマグロ丼と調理現場の様子について紹介しています。
こちらは、マグロ丼専門店「まぐろとシャリ」が、グルメ系インフルエンサー「厳選グルメ〖東京グルメ〗」さんと実施したタイアップPRの事例です。
この投稿が34万回再生という大きな成果を上げた成功のポイントは、動画冒頭の巧みな「引き」にあります。
投稿ではまず、「【1杯5000円の海鮮丼!?】」というインパクト抜群のテロップを冒頭に提示。この「価格の意外性」で視聴者の興味を瞬時に掴み、動画冒頭で離脱されやすいリール動画の弱点を克服しています。
その後は、店内に入る様子から、海鮮丼が提供され、実際に食べるまでの一連の流れを「来店疑似体験」できるように構成。視聴者の「行ってみたい」という気持ちを効果的に生み出しました。
なお、本事例は「Find Model」が支援した事例となっており、
- 投稿後1か月で再生回数34万回を達成
- いいね数4,000件、保存数2,000件以上
という高い成果に店舗担当者からも「来客数が増加した実感がある」とのお声を頂いています。
詳しくは、下記の関連記事で紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
関連記事▼
1ヵ月間で34万回再生と集客を実現!グルメ系インフルエンサーによるタイアップリール動画のポイントとは?
フルーツカフェ 池袋果実 | Instagram
画像:@fruitscafe_ikebukurokajitsu | Instagram
アカウント:フルーツカフェ 池袋果実 | Instagram
フォロワー:約3,367人(※2025年6月現在)
続いてご紹介するのは、「フルーツカフェ 池袋果実」です。
池袋果実は、メロンやマスカット、パイナップルなど厳選した旬のフルーツをたっぷり使用したかき氷専門店です。
Instagramでは、商品紹介と店舗情報の告知などを行っています。
上記は、かき氷専門店「フルーツカフェ 池袋果実」が、人気グルメ系インフルエンサー「むにぐるめ(唯一無二の絶品グルメ)」さんと実施したタイアップ事例です。
この投稿の巧みな点は、素材の魅力を最大限に活かす動画作りにあります。
投稿されたリール動画は、テロップや派手な効果音をあえて使わず、心地よいBGMに乗せて、シズル感あふれるかき氷の映像と、美味しそうに食べる様子を中心に構成されています。
このシンプルな演出により、フルーツそのものの瑞々しさや魅力を際立たせることに成功しているのです。
さらに、動画とキャプションの役割分担も秀逸で、動画では「美味しそう!」という直感的な魅力(視覚情報)を伝え、伝えきれない価格や店舗情報といった詳細(文字情報)はキャプションで補足しています。
実際に本投稿は、2,000件を超える「いいね」を獲得しており、ユーザーにとって参考度の高い投稿であったことがうかがえるでしょう。
SNSキャンペーンの成功事例
スシロー | Instagram
画像:@akindosushiroco | Instagram
アカウント:スシロー | Instagram
フォロワー:約15.8万人(※2025年6月現在)
SNSキャンペーンの成功事例としてご紹介するのは、「スシロー」です。
スシローは、株式会社あきんどスシローが運営する大人気回転寿司チェーン店です。
Instagramでは、「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」をモットーに、スシローの最新情報をお届けしています。
スシローは、大人気ゲーム作品「たまごっち」とコラボしたキャンペーン施策を行いました。
このキャンペーンの成功要因は、複数のターゲット層に響く巧みな企画設計にあります。
まず、賞品に採用された「たまごっち」は、かつて大ブームを経験した20代〜30代の親世代にとっては懐かしく、その子ども世代にとっては新鮮でかわいいキャラクターとして映ります。これにより、親子両方の心を掴むことに成功しています。
さらに、プレゼント内容も「オリジナルグッズ」や「お食事券」など、子どもから大人まで嬉しいラインナップを用意。メインターゲットであるファミリー層へのアピールを最大化しています。
また、一部の企画でX(旧Twitter)でのフォロー&リポストを参加条件に加え、Instagramの枠を超えて情報を拡散させる工夫も見られました。
ターゲットを明確にし、そのターゲットが親子で楽しめるように多角的な企画を用意したことが、キャンペーンの大きな成功に繋がったと言えるでしょう。
関連記事▼
SNSキャンペーンの活用が上手い企業のアカウント事例5選
SNS広告配信の成功事例
恵庭市【公式】
画像:@eniwa_garden_city | Instagram
アカウント:恵庭市【公式】 | Instagram
フォロワー:約1.3万人(※2025年6月現在)
SNS広告配信の成功事例としてご紹介するのは、「恵庭市【公式】」です。
恵庭市は北海道中部に位置しており、市民主導として花のまちづくりが活発に行われていることが有名です。
Instagramでは恵庭市のグルメや映えスポット、その他多くの恵庭市の魅力を紹介しています。
こちらは「Find Model」と恵庭市が協力したSNS広告配信の成功事例となります。
恵庭市は上記のキャンペーン施策で公式アカウントのフォロワーを拡大したいという目的があり、
- 「Instagramキャンペーンの開催」
- 「Instagram広告配信(投稿宣伝広告)」
同時に実施。
結果として、次のような成果を得ることができました。
- フォロワー獲得数:目標値750人に対して、1,486人増を達成(目標値の約2倍)
- クリック数:目標値1,765回に対し、3,380回を達成(目標値の約2倍)
- クリック率:目標値2.0%に対し、6.15%を達成(目標値の約3倍)
- クリック単価:目標値85円→44円に抑制(達成率193%)
- 35~44歳世代を中心とした女性ユーザーや北海道在住のユーザーから多くのクリックを獲得
キャンペーン施策の成功ポイントとしては、
- 魅力的な商品を用意することで、幅広い年齢層から注目を浴びることができた
- 季節感を感じる可愛いデザインで、参加するハードルを低くすることができた
といった点が挙げられます。
ユーザーの目を引く魅力的な賞品選定と、季節感のあるデザインは、スクロールする指を止めさせ、投稿への関心を高める効果が期待できますので、ぜひ参考にしたいですね。
なお、本事例の詳細については、下記の関連記事をご覧ください。
関連記事▼
Instagramキャンペーン&広告配信で1,400人超のフォロワーを獲得した成功事例を解説!
まとめ
今回はグルメ業界のSNSマーケティング成功事例とポイントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
SNS運用で成功しているグルメ関連の公式アカウントは、キャラクターとのコラボや目的を持ったキャンペーンの開催、そしてインフルエンサーとのタイアップなどを行っていることが分かりました。
どの事例も質の高い画像や動画を制作しているため、多くのユーザーが好反応を見せており、また施策に参加しやすい工夫を取り入れています。
フォローや拡散を促す企画やキャンペーン、そして顧客層から人気を集めるインフルエンサーとのタイアップなどは、グルメ業界にとって大きな力となることが結果として表れていますので、今後のアカウント運用で参考にしたいポイントですね。
SNS運用でお悩みの方や、インフルエンサーとのタイアップ施策にご興味がある方は、ぜひ「Find Model」へお気軽にご相談ください。
お気軽にご相談ください


▼関連記事
▼おすすめ資料をダウンロードする