イーロンマスク氏のCEO就任以来、様々な変革を行なってきたX(旧Twitter)。
日本では、2023年1月に有料サブスクリプションサービス「Twitter Blue(後のXプレミアム)」の提供を開始。
認証マークをはじめ、ツイートの上位表示や長編動画のアップロードなど、有料サービスだけの特典が設定できるようになりました。
そして2023年5月に、新たなサービスとして「有料記事をワンクリックで購入できる機能」が追加されることが発表されました。
本機能は、主に月額サブスクリプションを採用しているメディアに向けた機能になっており、マスク氏は、「メディア企業と一般ユーザーの両方に大きなメリットがある」とコメントしています。
では、月額単位ではなく記事単位での課金が可能になることで、実際に企業とユーザーにとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
本記事で様々な視点から考察していきますので、是非ともご参考にしていただければ幸いです。
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目次
「 X(旧Twitter)の記事ごとの有料化」について現在わかっていること
Rolling out next month, this platform will allow media publishers to charge users on a per article basis with one click.
This enables users who would not sign up for a monthly subscription to pay a higher per article price for when they want to read an occasional article.…
— Elon Musk (@elonmusk) April 29, 2023
来月公開されるこのプラットフォームにより、メディア パブリッシャーはワンクリックで記事ごとにユーザーに料金を請求できます。 これにより、月額購読にサインアップしないユーザーは、不定期の記事を読みたいときに、より高い記事あたりの料金を支払うことができます。 メディア組織と一般市民の両方にとって大きなメリットがあるはずです。
マスク氏の上記ツイートでの発表でポイントになるのは、
- 記事ごとにワンクリックで購入できる
- 月額課金より記事あたりの料金は高くなる見込み
- 日本でのローンチは不明
上記3点です。
記事ごとにワンクリックで購入できる
まず、上記の発表を読み解くと、企業が記事ごとに個別で料金を設定することができるということがわかります。
つまり、ユーザーにとっては、月額サブスクリプションに登録しなくても任意の記事を購入できるようになるということになります。
さらに「ワンクリック」という表現から、該当する記事に対しワンクリックで購読可能なボタン・決済方法が設置されることが想定されます。
月額課金より記事あたりの料金は高くなる見込み
また、任意の記事だけを個別に購入できる分、1記事あたりの料金は高くなるように設定されるようです。
全ての記事をまとめて購読したい方にとっては、料金面で月額サブスクリプションのメリットが残される形になります。
日本でのローンチは不明
2023年12月現在では、上記のマスク氏のツイートを含め、公式から機能が導入される地域に関する情報は発表されていません。
しかしながら、過去の「Twitter Blue(後のXプレミアム)」のように、日本でも後から正式に導入される可能性は高く、現時点で導入された際の想定はしておく必要があるでしょう。
次項から、「有料記事を記事単位でワンクリック購入できる機能」について考えられるメリットやデメリットを考察していきますので、ご参考にしてください。
「有料記事を記事単位でワンクリック購入できる」メリット
マスク氏の「メディア企業と一般ユーザーの両方に大きなメリットがある」というコメントについて、想定されるメリットにはどのようなものが挙げられるのか?具体的に考察していきましょう。
企業側のメリット①|幅広いユーザーから収益を得られる
記事単位に料金設定できることで、月額サブスクリプションに登録するよりも購入ハードルを下げることができます。
よって、より幅広いユーザーから取りこぼしなく収益を得ることに期待できるでしょう。
企業側のメリット②|1つの記事で大きな収益につながる可能性がある
単体の記事であっても、世間から大きく注目された際には、閲覧数に比例して収益を上げることに期待できます。
1つの有料記事がバズった際にしっかりと収益につながる点はメリットになりますね。
ユーザー側のメリット①|欲しい情報を自由に選択できる
ユーザーは、閲覧したい記事だけを購入することができるようになります。
つまり、情報を自由に選択できるようになるので、自分にとって不要なコンテンツに価値や時間を奪われることなく、欲しい情報のみに料金を支払うことができます。
ユーザー側のメリット②|複数の発信者から総合的に情報を判断できる
情報を自由に選択できることは、1つのテーマに基づいて複数の発信者の情報を購入できるということでもあります。
複数の月額課金を支払って情報を比較するよりもコストを抑えることができ、総合的に情報を判断しやすくなる点は大きなメリットになるでしょう。
「有料記事を記事単位でワンクリック購入できる」デメリット
次に、「有料記事を記事単位でワンクリック購入できる」デメリットについても考察していきます。
デメリットをあらかじめ想定しておくことで、実際に導入する際に対策を打ちやすくなります。
収益が計算しづらい・不安定
まず、従来の月額サブスクリプションのメリットは、登録人数に対し安定した収益を得られ、あらかじめ収支の計算が見立てやすい点です。
一方で、記事ごとに料金を設定すると、記事の反響によって良くも悪くも収益にバラつきが出やすくなります。
ヒット記事で爆発的な収益を得られるチャンスがある分、企業は“記事の不発”により見越した収益に届かないリスクも想定する必要があるでしょう。
また、利用するユーザーにとっても同様のデメリットは想定され、月額サブスクリプションによる定額支払いよりも、記事単価が高くなる・購入しすぎてしまうといった点には気を付ける必要があります。
見出しや内容の過激化・誇大化
記事ごとの有料化は、情報発信元の競合を加速させることにつながる可能性があります。
情報の価値に対する料金の高騰化などは他の商品分野にも言えることですが、さらに気をつけなくてはいけないのが、見出しや内容の過激化・誇大化です。
購入を促すために、記事にセンセーショナルな見出しを付けたり、内容を誇大化して虚実の判断がつかなくなるといったケースが増える可能性が懸念されます。
こうした懸念に動じないためにも、
- 企業には、正確な情報を伝える実直さ
- ユーザには、誤情報に惑わされない判断力
が求められるでしょう。
まとめ
今回は2023年5月に発表された「 X(旧Twitter) の記事ごとの有料化」について取り上げさせていただきました。
実際に導入された際には、間違いなく多くの企業の情報発信・ユーザーの情報選択に影響を与えることになりそうです。
特に情報発信をメインに取り扱うメディア企業様は、本記事で解説したメリットやデメリットをもとに、予め X(旧Twitter) での立ち回りを想定しておくことをおすすめします。
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