SNSマーケティングの活用が一般的になってきている昨今では、企業がSNSを活用するメリットや手法について、日々たくさんの情報がネット上に飛び交っています。
しかしその多くが、一般ユーザーからの認知拡大や、顧客の獲得を目指したBtoC向けのものであることが多く、BtoB企業には当てはまらない性質の内容も含まれています。
また、BtoB企業がSNSマーケティングを活用する際には、BtoC企業とは異なる手法が必要になり、同時に得られるメリットにも違いがあることをご存じでしょうか。
そこで本記事では、「BtoB(B2B)企業のSNSマーケティングのメリット・手法・活用事例を解説」と題し、BtoCとの違いを踏まえながら、BtoB企業向けに特化した内容を取り上げていきます。
ぜひ本記事をご参考にして、BtoB企業の今後のSNSマーケティングにお役立てください。
目次
BtoB(B2B)とは
まずは、BtoB(B2B)とは、いったいどのようなものなのか、BtoC(B2C)との違いを交えて分かりやすく解説していきます。
BtoB(B2B)とは
BtoBとは、「Business to Business」の略で、企業が企業に対してモノやサービスを提供するビジネスモデルのこと。
具体的には、
- メーカーとサプライヤー
- 卸売業者と小売業者
- 元請け業者と下請け業者
といった、企業対企業の関係性を対象とします。
なお、BtoBは「B2C」、BtoCは「B2C」と表記されることがありますが、意味は同じです。
BtoC(B2C)との違い
対して、BtoCは、「Business to Consumer」の略で、企業が一般消費者に対してモノやサービスを提供するビジネスモデルを指します。
「お店とお客さん」のような、企業と消費者個人=BtoCの関係性を対象とします。
一般的には、
- BtoBよりもBtoCの方が顧客対象が広く、単価が低い
- BtoCよりもBtoBの方が顧客対象が限られ、単価が高い
という傾向になります。
消費者にとって身近なBtoCのビジネスモデルでは、購入率よりも集客力が肝となります。
いかにしてより多くの人々に認知されるかという点から、BtoCのSNSマーケティングでは、フォロワーの獲得やインフルエンサーマーケティングによる幅広い認知・拡大が重要視されることも特徴。
一方で、BtoBのビジネスモデルでは、取引先となる企業の業種がある程度絞られるため、集客以上に成約率が肝となります。
BtoBのSNSマーケティングでは、単にフォロワーを獲得するだけでなく、一部のターゲットに狙いを定め、確実に取引を成功させるための手法が重要になるでしょう。
BtoB(B2B)企業がSNSマーケティングを活用するメリット
続いて、BtoB(B2B)企業がSNSマーケティングを活用するメリットについて解説していきます。
本項で解説するメリットは全て、受注数や売上アップといった業績向上に繋がっていく内容となるため、ぜひ要点を押さえておきましょう。
企業の認知・拡大が図れる
SNSマーケティングのメリットと聞いて多くの人がまず最初に思い浮かべるのは、企業の認知・拡大でしょう。
企業がSNSアカウントを開設することは、膨大なユーザーが生活するSNSという世界に、低コストで土地を借り、分身となるもう1つの会社を構えるようなものです。
BtoB企業においても、多くのユーザーが注目するSNS上で情報を広く拡散できるという点は大きなメリットになります。
Web上に孤立してしまいがちな公式ホームページよりも、検索性の高いSNSを用いることで、企業の存在を広く認知させることができるでしょう。
受注やお問い合わせの間口を広げることができる
前述した認知・拡大のように、一般的なSNSの活用は、広くユーザーに情報を届けてフォロワー(顧客)を獲得していくという意味合いが強いです。
しかし、BtoB企業に特化して考えた時に、もっと大きなメリットになるのが、SNSアカウントをサービスの受注や問い合わせに活用することができるという点です。
「BtoC(B2C)との違い」の項で触れたように、BtoB企業のビジネスでは成約の獲得が非常に重要になります。
SNSの機能を活用し、
- DMでの受注や問い合わせを受け付ける
- 投稿やプロフィールから自社サイトに流入を促す
など、取引先と繋がるための間口を広げておくことで、成約のチャンスを取りこぼさない仕組みを作ることができるでしょう。
製品やサービスを詳しく紹介することができる
SNSでは、写真や動画を用いることで、製品やサービスについてより詳しく情報を掘り下げて発信することができます。
モデルケースを資料のようにまとめた画像を投稿したり、製品の工場の様子を紹介した動画を投稿しておくことで、資料請求を受け付ける前段階から自社の魅力を発信することができるでしょう。
また、開発スタッフのインタビューなど、社員にフォーカスを当てた投稿で、あらかじめ社風や人柄を伝えることができる点も大きなメリットになるでしょう。
企業間のコミュニケーションが図れる
SNSでは、企業アカウント同士が相互フォロー関係になることで、互いの取り組みについての最新情報を得たり、コメントやDMを通してコミュニケーションを図ることができます。
また、企業間で共同開発する製品やサービスについて同時期に情報を発信したり、リポストやコメント活用することで、さらに新たな顧客候補の目に留まりやすくなったり、関連企業の中でも話題に上がりやすくなるでしょう。
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BtoB(B2B)企業が実践したいSNSマーケティング手法
BtoB(B2B)企業がSNSマーケティングを活用するメリットについて解説した上で、次は、BtoB(B2B)企業が実践したいSNSマーケティング手法というテーマで、SNSを中心に用いた具体的な活用方法などをご紹介していきます。
X(旧Twitter)を受注やお問い合わせの総合窓口として活用する
「BtoB(B2B)企業がSNSマーケティングを活用するメリット」の中でも解説したように、SNSアカウントを活用して受注や問い合わせの間口を広げることは非常に重要になります。
中でもおすすめなのが、X(旧Twitter)を受注やお問い合わせの総合窓口として活用する手法です。
X(旧Twitter)は、プロフィールと投稿の両方にURLのリンクを設定することができるため、自社サイトの問い合わせフォームや、製品・サービス情報に流入しやすい点が魅力です。
また、最新の情報を手軽に素早く発信・収集できることから、ユーザーの閲覧頻度が高いSNSでもあります。
メンテナンスや仕様変更といった製品やサービスについての緊急性の高い情報や、営業日のご案内などをすぐに発信・チェックできる点は、発信者と閲覧者双方にとってもメリットになるでしょう。
X(旧Twitter)を総合窓口として活用する際のポイントは、
- 営業時間・対応可能時間を明記する
- 運営体制を徹底する
という点です。
お問い合わせの受付時間などを優先的にプロフィールに記載することで、顧客にとっての利便性を大きく向上させることができます。その際に字数が足りない場合には固定化ツイートを活用するのもおすすめです。
また、「DMを、1日何回・何時に・誰が・チェックする」など、対応漏れのないように運営体制を徹底していきましょう。
製品やサービス紹介にYouTube・Instagramを活用する
従来のBtoB企業のマーケティングでは、商談の場で言葉を交わして営業を行ったり、紙媒体やパワーポイントの資料を用いてきました。
もちろん昨今においても、これらの方法で成果を上げている営業担当者様はたくさんいらっしゃると思います。
しかしながらSNSの普及に伴い、写真や動画コンテンツを使うことで、より効率的に分かりやすく沢山の魅力を伝えることができるようになっていることも事実です。
製品やサービス紹介にYouTubeを活用する
具体的な手法として、YouTubeでは、
- 製品の製造工程や、実証実験の模様を紹介することで、自社のこだわりや品質の高さを視覚的にPRする
- 社員が登場するコンテンツで、企業理念や社風・人柄を伝える
- 製品ごとにPR動画を作成しておき、再生リストにまとめておくことで、その後の製品選びの参考にし易くする
などが挙げられます。
映像を活かす点がポイントになるため、様々な視点から製品の形状を撮影したり、動かしたり近づけたりすることで、強度や材質を細かく伝えるのに適しています。
また、音声も活かすことができるので、人物が登場して解説したり、ナレーションを加えられる点もメリットになるでしょう。
製品やサービス紹介にInstagramを活用する
Instagramを用いた手法には、
- 製品やサービスの利用例を綺麗な写真で魅力的に伝える
- サービスのプランをまとめた資料や、グラフを用いた画像で説得力を持たせる
- 製品やサービスごとに作成したストーリーズをハイライトにまとめて、リンクから自社サイトに流入させる
などが挙げられます。
写真を活かす場合、例えば、建具を取り扱うメーカーであれば実際に建具製品を用いた住宅のショールーム写真を用いるなど、製品やサービスの利用例を提示することで具体的なイメージを抱かせることが大切です。
さらに製品の撮影方法を統一したり、コラージュを作成したり、全体的なトンマナを意識することで、魅力をさらに引き出すことができるでしょう。
また、Instagramの投稿キャプションはURLのリンクを設定できないため、自社サイトへの流入を促したい場合には、URLリンクを貼ることができるストーリーズを活用し、ハイライトにまとめておく方法をおすすめします。
QRコードを名刺や紙媒体の資料に活用する
BtoB企業のビジネスでは商談などの営業シーンが多く、本記事で解説してきた手法を取り入れた自社のSNSを見てもらうことができれば、魅力をうまく伝えることができるはずです。
しかしながら、営業シーンは時間に限りがあるというのが実情です。お相手の企業のニーズを聞き取ることで精一杯というケースも多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが、QRコードを名刺や紙媒体の資料に活用する手法です。
特に、製品やサービスの紹介に特化したYouTubeやInstagramのSNSアカウントをQRコードで記載しておくことで、口頭で説明するよりも手軽に、相手の都合に合わせて魅力を知ってもらうことができます。
また、取引後に製品を選ぶ際の参考資料としても役立ててもらうことができるでしょう。
QRコード以外にも、メールの署名にSNSアカウントのURLを記載しておくのもおすすめです。
ちょっとした工夫ではありますが、SNSマーケティングの効果を最大限に発揮できるよう、自社アカウントへの入口を多めに設置しておくように心がけましょう。
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第2の公式ホームページとしてFacebookを活用する
最後にご紹介するのは、第2の公式ホームページとしてFacebookを活用する手法です。
Facebookは、実名登録が推奨されていることからオフィシャル性の高いSNSとして浸透しており、企業アカウントと非常に相性のいいSNSです。
実際に、自社サイトを持たずに、Facebookを公式ホームページとして活用している企業も数多く存在します。
Facebookの企業ページでは、業種や所在地・連絡先や営業時間などを設定する項目があるほか、イベントページを作成できるなど、企業や団体に向けた機能が充実しています。
例えば、イベントページを活用することで、パートナー企業向けの展示会イベントや、セミナーの開催などを告知することができます。
また、同じくMetaが運勢するInstagramとの互換性に優れているため、同時投稿を設定することで、次項で解説するInstagramを活用した製品・サービス紹介の効果を高めることにも期待できるでしょう。
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BtoB(B2B)企業のSNSマーケティング活用事例
それでは最後に、BtoB(B2B)企業のSNSマーケティング活用事例をいくつかご紹介いたします。
ここまでに解説したメリットや手法と照らし合わせながらご覧いただき、せひご参考にしてください。
荏原製作所|X(旧Twitter)
ポンプや送風機、半導体製造装置などを取り扱う「荏原製作所」のX(旧Twitter)アカウントでは、プロフィールに対応時間を記載し、投稿内容に関する質問などを、コメントやDMでのコミュニケーションを通して気軽にお問い合わせできるようになっています。
投稿内容以外のお問い合わせはついては公式ホームページに促しており、しっかりとURLのリンクが設定されていました。
「荏原製作所」の普段の投稿では、
- 水素事業をはじめとする自社の取り組み
- 自社製品の事例
- 企業向けの展示会についての情報
などが発信されています。
\【展示会情報】H2&FC EXPO[春]/
水素にまつわる技術や製品をご紹介!
荏原のブースは実機やパネル展示、ジオラマなど盛りだくさんでお待ちしています🤗
会期:2/28~3/1 10時~18時 ※最終日は17時まで
場所:東京ビッグサイト 西ホール
詳細:https://t.co/LnGKnSXVSq
※事前申込制#荏原 #EBARA— 荏原製作所(えばらせいさくしょ) (@EBARA_OFFICIAL) February 26, 2024
中でも上記の投稿では、国際 水素・燃料電池展「H2&FC EXPO[春]」に出展する旨を告知。
企業向けのエキスポなど展示情報を事前に発信することで当日の自社ブースへの来場を促しています。
X(旧Twitter)をコミュニケーションやお問い合わせの入口として活用しながら、企業向けの情報発信で自社の存在をうまくアピールしている点が非常に参考になります。
タカラベルモント|Instagram
画像:@tb.net_salondesign|Instagram
理美容サロンの内装・設計施行を手がける「タカラベルモント株式会社」のInstagramアカウントでは、理美容サロンの空間施工事例が紹介されています。
美しい写真で実際の事例の紹介することで、サロン企業に向けて自社サービスの魅力をアピールすることに成功しています。
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投稿のキャプションも活かされており、導入した自社製品のシャンプー設備や関連会社の紹介を含めることで、導入検討する理美容サロンがより参考にしやすくなっていました。
更に、プロフィールから遷移可能な公式HPを紹介することで、興味を持ったユーザーを上手く自社サイトに促しています。
Instagramの写真コンテンツを活かすことで施工事例を魅力的に伝えている点や、キャプションで詳細情報を補填しつつ自社サイトへの流入を促している点が非常に参考になります。
SmartHR|YouTube
労務管理クラウドの大手企業「SmartHR」のYouTubeでは、実際の導入事例が動画で詳しく紹介されています。
上記動画では、「あいおいニッセイ同和損害保険株式会社」の導入事例を紹介。
サービス導入前の課題と導入後の変化をインタビュー形式で紹介することで、導入企業のリアルな声が引き出されていました。
また、導入企業側の担当者の表情からも満足度が窺える内容になっており、動画を活かした中身の濃いコンテンツで実績をアピールする役割を果たしています。
本事例のように、YouTubeでは動画尺を活かした参考度の高い導入事例を発信することができるので、パートナー企業にも協力してもらうことで長期的なPRにつながるコンテンツを生み出していくといいでしょう。
ベルフェイス|Facebook
電話面談システムを提供する「ベルフェイス」では、公式情報の発信にFacebookを活用。
公式性の高いプレスリリースや最新情報の発信に特化することで、重要情報に特化した情報周知の役割を果たしています。
プロフィールの「注目のコンテンツ」セクションも活用されており、2024年5月現在は、上記の新サービスのリリースに関する投稿が固定されていました。
Fecebookのビジネスページは、更新頻度の高さが求められるX(旧Twitter)よりも、重要度が高い情報のみを抽出する発信スタイルが合っています。
関連企業の情報収集のためにフォローする担当者などに向け、公式情報を確実にリーチさせることに期待できるでしょう。
TMK建設|TikTok
画像:TMK建設|TikTok
"三重で一番オモシロい総合建設会社"を掲げる「株式会社TMK建設」では、TikTokを積極的に活用しています。
TikTokでは、直接的な営業やPRではなく、猫好き建設会社を公言する社内の雰囲気や親しみやすい企業イメージの浸透に注力しており、幅広い認知獲得に成功されています。
@tmk_kensetsu 被災地復興工事👷 #土木工事#土工#土木#水道工事#富山県#氷見市#建設会社#建設業 ♬ I'll Be Missing You (feat. Faith Evans, 112) - P. Diddy
また、時には上記のような協力会社を募る投稿など、対企業向けの情報発信に活用する機会も稀に見られます。
上記は人手不足に伴う協力要請の事例ではありますが、TikTokで日頃から親しみやすいイメージを浸透させていることで、友好的な企業の立候補や厚意による情報拡散に繋がったことは容易に想像できるでしょう。
TikTokのBtoB向け事例はまだまだ少ないですが、取引のきっかけや社風のアピールという点で長期的なメリットを得ることができるので、ご興味がある場合は積極的に検討してみることをおすすめします。
まとめ
以上「BtoB(B2B)企業のSNSマーケティングのメリット・手法・活用事例を解説」はいかがでしたでしょうか?
一般ユーザーを対象とするBtoC企業とは異なる、BtoB企業特有のSNSマーケティングのメリットや手法のポイントについて、理解を深めることができたのではないでしょうか?
また、各種SNSにおける活用事例も企業様のサービスに応じてご参考にしていただければ幸いです。
尚、SNS運用やSNSを活用したPRでお困りの際は、是非とも「Find Model」にお気軽にご相談ください!
それでは、最後までご覧いただきましてありがとうございました。
インスタラボ編集部の公式記事。
支援実績13,700件、最大2.6億リーチ可能なFind Model(ソーシャルワイヤー株式会社)が運営しています。
ILライター:M.N・Y.O・T.S・R.S・K.Mの5名で運用。
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