少子化に伴い、学校に入学する生徒・受験生の母数が年々減ってきている日本。
各学校法人や教育機関は、限られた受験生を獲得するために様々な方法で広報活動や宣伝広告活動を行っています。
そんな中、受験生となる世代へのアプローチ方法としてSNSに注目が集まっており、様々な学校法人にてSNSアカウントの運用をはじめとしたSNS施策が取り入れられています。
そこでこの記事では、学校法人の生徒・受験生集客に向けてSNSをどのように活用すればいいのか、成功事例を交えながら詳しく解説します。
自学校でSNSを活用してみたい、あるいはSNSを活用しているが思うような効果が出ないといった状況であれば是非参考にしてみてください。
目次
学校法人業界の現状
まずはじめに学校法人の置かれている現状を簡単におさらいしておきましょう。
日本の少子化は進行中
まず、日本の少子高齢化に伴い、学校の生徒となる子供の数が減少しています。
以下は総務省統計局が2019年に発表した人口の推移を表したグラフです。
画像:統計トピックスNo.119 統計が語る平成のあゆみ 1 人口 人口減少社会、少子高齢化|総務省統計局
こちらのデータによると、0歳~14歳の若い子供世代の人口は継続的に減少していることが分かります。
日本の少子高齢化の進行に伴い、学校法人のメインターゲットとなる10代の人口も減少していることから、学生・受験生の獲得競争が今後より激しくなることが予想されます。
学校の志願者数はゆるやかに減少する見込み
さらに、学校の志望者数も減少する見込みとなっています。
以下は、河合塾が公開している18歳人口と大学志願者数の推移を表したグラフです。
近年の大学志願率(現役大学志願者数÷高校卒業者数)は50%台後半で頭打ちとなっているため、今後は18歳人口の減少に伴い大学志願者数も減少していくでしょう。
大学志願者数は、ピークである1992年からの減少率は25%ほどにとどまっているため「18歳人口の減少ほど大学志願者は減っていない」といえますが、同レポートによると、人口減少に伴い大学志願者数もゆるやかに減少していくことが予想されています。
何らかの形で大学志願者数(大学志願率)が増加しないことには、受験生の減少は免れないという厳しい状況といえるでしょう。
したがって、学校への集客力を強化するにあたり、学校法人・教育機関としても学校の持つ学生へのメリットを受験生となる10代の世代に届け、志望校として選んでもら施策を行う重要性が高まっています。
参考
- 近年の受験環境|河合塾 Kei-Net
- 令和3年度大学入学共通テスト実施結果の概要|独立行政法人大学入試センター
- 令和3年度試験|独立行政法人大学入試センター
- Ⅰ.18歳人口及び高等教育機関への入学者・進学率等の推移
学校法人の集客になぜSNS活用が注目されているのか?
学校法人・教育機関は今以上に学生へアプローチをし、自学校を選んでもらう施策を講じる必要があることはわかりました。
そこで、「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」が有用であり、学生へ情報を届ける方法として今大きく注目されています。
ここでは「SNS」が学校の魅力を伝え、志願者を増やすうえでなぜ重要になるのか紹介していきましょう。
SNSとは?
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、インターネットを通じて
- 文章、画像、動画、ライブ配信などの情報発信ができる
- 興味関心がある情報を収集できる
- 興味関心が同じ人と繋がることができる
など、社会的なつながりをつくるためのサービスです。
SNSには、YouTube、Facebook、Instagram、Twitter、TikTok、LINEなど様々なものがあり、SNSごとに特徴も異なります。(特徴については後述)
中~高校生10代の80%以上がSNSを利用している
学校法人への集客にSNSが注目されている理由として、SNSの利用者数が非常に多い点が挙げられます。
以下は総務省が2020年に発表した「令和元年通信利用動向調査の結果(概要)」のデータです。
学校法人・教育機関のメインターゲットとなる10代(13歳~19歳)においては80%以上がSNSを利用している状況となっており、SNSの利用は学生にとってもはや日常的に利用するものとなっています。
SNSを活用している企業も増えている
SNSの利用者数の増加に伴い、SNSを活用して集客や売上につなげている企業も増えています。
以下は総務省が2019年に発表した「平成30年通信利用動向調査」による企業のソーシャルメディアサービス(※)の活用状況です。(※SNS、ブログ、動画共有サイトなどの総称)
すべての業種でソーシャルメディアサービスの利用率が増えており、中には前年比で10ポイント以上ソーシャルメディアサービスの利用率が増えている業種もあるなど、近年SNSへの注目が高まっていることも伺えます。
これは、SNSで情報を集めて商品の購入や旅行先を決めるなど、SNSが人々の行動に大きく影響を与えているため、消費者へのアプローチに有効なため、企業としてもSNSのビジネス活用に積極的になっているのです。
学校法人・教育機関においても同様で、SNSは認知拡大や集客といった機会創出のポテンシャルを秘めており、実際多くの学校が広報活動の一環としてSNS活用に取り組んでいます。
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企業広報・PRにSNSを活用し効果を高めるノウハウと成功事例まとめ
学校法人の集客にSNSを活用するメリット
SNSを活用することで学校法人・教育機関の集客にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここではSNSを活用した学校法人への志願者・受験生集客のメリットをご紹介しましょう。
無料で利用できる
学校の情報を知ってもらうために、ホームページをSEO(検索エンジン最適化)によりGoogleで上位表示させたり、広告を打つなどの方法は専門的な知識や少なからずの予算が必要となります。
それに対してSNSは、学校の発信したい情報を無料で発信できるため、使い方次第で大きな費用対効果を実現できるメリットがあります。
写真や動画を通して学校や活動の雰囲気を訴求しやすい
SNSはテキストに加えて画像や動画を用いた情報発信ができるため、より直観的に学校の魅力を学生に訴求することができます。
学生の様子、キャンパスの雰囲気、イベントや部活動など、画像や動画をとおして学生のワクワク感や共感を生み出しやすい点もSNSの大きなメリットといえるでしょう。
受験生との接点とコミュニケーションを生み出しやすい
SNSには「コメント」機能があり、学校の行った投稿に対して、コメントをもらうことができます。
受験に関する質問なども得られるため、丁寧に返信することで学校と質問してくれた学生ユーザーとの信頼関係も生まれ、志願者の増加に貢献してくれます。
また、「アンケート機能」により受験生に対して簡単な調査もできるなど、活用次第でコミュニケーションの幅も広がります。
オープンキャンパスや学校説明会などイベントの告知・集客がしやすい
SNSの情報はフォローしてくれた学生ユーザーにすぐ届くため、継続的にイベント情報を発信することで、集客につなげることができます。
基本的にURLリンクを付加できるため、イベントページへ誘導しやすい点もSNSの使いやすいポイントです。
ハッシュタグや位置情報などで学校情報を見つけてもらえる
「ハッシュタグ」とは、学校に関する投稿であることがわかるラベルのようなもので、学校に関連するハッシュタグ投稿が多いことで話題性のある人気の学校とアピールすることができます。(※ポジティブな内容に限る)
また、「位置情報タグ」を投稿に記載することもできるため、SNS投稿を見てくれたユーザーが学校の所在地を把握できるという使い方も有用です。
学校情報の拡散が期待できる
たとえばTwitterには「リツイート」とよばれるシェア機能があるように、SNSには投稿を拡散させる仕組みがあります。
学校の情報にエンタメ性など注目される要素があると、SNS上で話題となり爆発的な拡散である「バズる」状態につながることも期待できます。
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SNSマーケティングとは?具体的な5つの手法と事例を徹底解説
学校法人のSNSを活用した3つの主な集客方法
「SNSを活用して集客する」といっても、具体的にどのような方法があるのでしょうか。
ここでは、SNSの活用法として以下の代表的な三つの方法
- SNSアカウント運用による情報発信と集客
- SNS広告配信による集客
- SNSインフルエンサーによる集客
についてご紹介しましょう。
集客方法1. SNSアカウント運用による情報発信と集客
まず基本となるのはSNSアカウントの運用により学校法人・教育機関の情報を発信する方法です。
学校の広報活動の一環として、SNSアカウントを開設している学校は数多くあります。
Instagramアカウントの例(三浦学苑高等学校)▼
Twitter投稿の例(近畿大学の例)▼
本日より、中央図書館とアカデミックシアターの一部を、事前予約制にて開放します。
マグロのいる席は、利用不可となります。何卒ご了承ください。 pic.twitter.com/t2sES7m3S5— 近畿大学@8/23(日)クローズキャンパス開催! (@kinkidaigakuPR) June 8, 2020
SNS運用により学校に関する情報やコンテンツを発信し続けることで、学校と学生との接点増やし、学校についての理解を深めてもらうことができます。
イベント、学校生活、部活動などの魅力的な写真や動画によって訴求したいイメージ・メッセージを発信し、自由に学校のブランディングを行える点でもSNSは優秀です。
学校のイベントや説明会に興味ある人を、公式ホームページやイベント特設サイトへ誘導することもできるため集客の入り口にもなります。
また、SNSユーザーから学校についての質問もコメントとして来るようになるため、学校の問合せフォームではできない近い距離感のコミュニケーションが可能です。
集客方法2. SNS広告配信による集客
各SNSプラットフォームには、それぞれのSNS独自の広告配信サービスをもっています。
SNSアカウント運用では、基本的に獲得したフォロワーへ対して情報発信できますが、SNS広告の活用により、フォロワー以外の多くの学生へ情報を届けることができる特徴があります。
画像や動画を用いた訴求力の高い広告をユーザーへ見せることができるので、テキスト広告(リスティング広告)と比べて広告を見ている人の興味関心を高めやすいメリットがあります。
【エンタメ業界をめざす皆さんへ】
ESP学園ゆかりのアーティスト・タレントの皆さまから応援メッセージの動画が届きました!
今後も続々更新予定♪
ぜひCheckしてみてくださいね★https://t.co/5jEBncVOP8 pic.twitter.com/zxrJNCNxVM— ESPエンタテインメント東京 広報部 (@ESPinformation) April 8, 2016
年齢、性別、仕事、趣味、興味関心など詳細なターゲティングによりSNS広告を配信することもできる点も強み。
たとえば「10代+受験に興味ある+東京都在住」というターゲット設定をすれば、東京都に住む10代の受験を控えた学生に精度よく広告を届けることもできるため、むやみに広告配信する場合に比べて宣伝広告の費用対効果を高める効果も期待できます。
オープンキャンパス、学校説明会、文化祭といった「イベント情報」や学校の取り組みを発信した「プレスリリース情報」などの配信により、学校の雰囲気や競合優位性をフォロワー以外の受験生やその保護者へ届けることができるのは大きなメリットといえるでしょう。
(参考:ESP music school|Twitterマーケティング Twitter広告事例)
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SNS広告比較(YouTube,Facebook,Instagram,Twitter) 特徴や課金・出稿手順まとめ
集客方法3. SNSインフルエンサーによる集客
SNSで人気の「インフルエンサー」を起用して学校説明会やオープンキャンパスへ集客するアイデアも有効です。
インフルエンサーとは、SNS上で影響力の大きいカリスマ性をもった人々のことで、Instagramで人気の「インスタグラマー」やYouTubeで人気の「ユーチューバー」などが挙げられます。
たとえば、若い世代から人気のインフルエンサーを学校説明会やオープンキャンパスのゲストとして登壇してもらうことで、「人気インフルエンサーから学校生活を送る上で有益なお話が聞ける」というメリットにより集客力を向上させることも可能です。
8/22に東洋学園大学のオープンキャンパスに出演させていただきます!
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芸能人のような「憧れの存在」とは異なり、インフルエンサーは「自分より少し上の先輩・友達」のように消費者に近い存在として親しまれていることから、インフルエンサーの発信するメッセージは訴求力高く共感を獲得しやすい特徴があります。
学生と年代が近いインフルエンサーを起用し、SNSでオープンキャンパスや学校説明会にゲスト出演する旨を告知してもらうことで、学校への注目度も高まり集客へと繋がっていきます。
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インフルエンサーとは?意味と定義から注目すべきアカウントまで解説
SNSの種類と学校法人・教育機関の活用事例
SNSには様々な種類があります。ここでは日本で人気のSNSの特徴と、実際にどのように学校法人や教育機関の集客で活用されているのか、
- YouTube
- TikTok
- LINE
における各SNSの特徴と具体的な活用事例を交えながら紹介していきましょう。
以下の関連記事にも学校法人・教育機関のSNS活用事例を豊富に紹介していますので、あわせてご覧ください。
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学校法人・教育機関のSNSアカウント成功事例12選と上手い活用ポイント
Facebookの特徴
Facebookは世界で最も利用ユーザー数が多いSNSです。日本国内の月間利用ユーザー数は2,600万人。
実名登録制のSNSであり、学歴や職歴、ライフステージなど様々な情報をもとにしたターゲティング精度の高い広告配信が強み。
「Facebookページ」機能ではホームページのように情報を発信することが可能で、ホームページ代わりとして活用している学校法人も多くあります。
イベント集客ページも作成できるため、学校説明会などの集客の場面でも活用できるのは強みです。
ただし、日本においては10代の利用率が低いため若年世代へのアプローチとしては不向きな一方、30代~40代という比較的高めの年齢層のユーザーが多い特徴があります。
よって、学校法人・教育機関としては、主にホームページとしての活用や保護者向け情報を発信したり、海外の留学生を募集するといった場面で力を発揮してくれるでしょう。
学校法人・教育機関でのFacebook活用事例
こちらは学校法人早稲田大学が設置・運営する大学「早稲田大学」のFacebookアカウントです。
フォロワー数は2021年5月現在で約7.2万人と学校法人が運用するFacebookアカウントの中でトップクラスの人気を誇ります。
早稲田大学のFacebookアカウントでは
- 学校の紹介や入試情報といった受験生向け情報
- 在学生・卒業生向けの就活支援情報
- メディア向け情報
- 専門家向けの学術的情報
- 外国人向け情報
など様々な人に向けた総合的な情報発信が行われており、受験生だけでなく在学生や卒業生も興味をもつ情報内容となっています。
受験生やOB・OG、さらには研究機関、マスコミなどとしても興味深い情報発信がされているため、利用ユーザーの幅が広く大学のFacebookアカウントを活性化させフォロワーの獲得につなげている特徴が見られます。
英語での情報発信も積極的で、世界でもっとも利用者数の多いFacebookの特性を生かしています。
Instagramの特徴
Instagramは画像や動画をメインとして配信できるSNSです。
美しい画像や動画でブランドの世界観を訴求したり、ノウハウ情報コンテンツなどで雑誌メディア化するなどさまざまな形で活用されています。日本国内の月間利用ユーザー数は3,300万人。
投稿後24時間で消えるストーリーズやライブ配信など、ミレニアル世代・Z世代と相性の良い機能が多いのが特徴です。
15秒動画を作成できる「リール」機能が追加され、TikTokのような楽しみ方ができるようにもなっています。
ユーザーは20代~30代の女性が多い印象ですが、今では男性比率も40%を超えており男女から人気のSNSです。
「インスタグラマー」などインフルエンサーの活動も盛んで、数万人~数百万人というフォロワーに対して企業PRをしてもらう「インフルエンサーマーケティング」が行われるプラットフォームとしても人気です。
学校法人・教育機関としてInstagramを活用するのであれば、画像や動画をとおして「日常の学校生活」「生徒の様子」「校舎やキャンパス」などを中心に魅力を発信し、学校法人の世界観を作り上げていくとよいでしょう。
学校法人・教育機関でのInstagram活用事例
こちらは、学校法人ロイヤル学園が設置・運営する美容・ブライダル専門学校「神戸ベルェベル美容専門学校」のInstagramアカウントです。
アカウントのフォロワー数は2021年5月現在約1,950人となっています。
この投稿をInstagramで見る
Instagramでは、実習の内容や就職した先輩のメッセージなどが投稿されています。
どのような制度や仕組みによって自分の目指す技術が得られるのか、そして実際にどのような就職先の実績があるのか、という専門職を目指す学生にとって学校選びに役立つコンテンツで魅力をアピールしているのは大変参考になります。
また、人気のインスタグラマーとコラボしている点もユニークです。
上記は人気の兄弟インスタグラマーである「よしミチ」さんです。
弟の「よしあき(@yooshiakiii)」さんと姉の「ミチ(@mi0306chi)」さんはおしゃれで仲の良い兄弟として10代~20代をはじめとした若い世代のユーザーから絶大な人気を誇っているインスタグラマーです。
インスタグラマーはInstagram上でカリスマ的存在として多くの人に影響を与えているため、受験生へ共感性の高いメッセージを発信してもらえる点が大きなメリットです。
本事例のように、学校とコラボしたコンテンツや企画を行い受験生からの認知獲得や興味関心を高めウェブサイトに誘導するといった方法は様々な場面で応用ができます。
また、2021年5月現在で約3,000のフォロワーを持つ学校法人三幸学園が運営する「仙台スイーツ&カフェ専門学校」のInstagramアカウントは、リール動画やライブ配信など動画を積極的に活用している点が特徴的なアカウントです。
2021年1月にリニューアルしたカフェスペースのお披露目も動画を上手く活用することで本格的なカフェさながらの設備が整っている特長を魅せることが出来ています。進学を検討している受験生の立場で見ると、将来自分が学校生活を送る環境は気になるポイントです。実際にその場を写真だけでなく動画でも見ることで、より鮮明にイメージを持つことを可能にしています。
また投稿の中には「在校生スタッフです」と記載されているものもあり、実際に学校に通っている生徒によって投稿されています。そのため、受験を検討するユーザーにとっては先輩による嬉しい生の声が投稿されているものも、是非参考にしたいアカウントです。
これら事例のように、Instagramは視覚的に訴求できる強みをもった学校法人・教育機関はぜひ活用したいSNSです。
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Twitterの特徴
TwitterはテキストベースのショートメッセージによるコミュニケーションがメインのSNSです。日本国内の月間利用ユーザー数は4,500万人。
「リツイート」というシェア機能も特徴的であり、ワンタップで自分のフォロワーへおすすめのTwitter投稿を共有できるため、爆発的な拡散(通称「バズる」)が期待できるSNSです。
トレンド情報収集に強みを持っており、「今」話題になっている情報を集めたり、リアルタイムのイベントと連動して実況ツイートをするなどの活用法も人気。受験期には気象・交通情報などの発信も有益です。
また、ユーザーと近い距離間でコミュニケーションをとることができるため学生からの質問回答を通して学校への信頼感を生み出すといった使い方も有用です。
Twitterの投稿にはウェブサイトのURLも設置できるので、学校の発信するリリース情報、説明会情報、イベント情報などニュース情報の共有としても活用の場面が多いSNSです。
学校法人・教育機関でのTwitter活用事例
こちらは、学校法人大阪滋慶学園が設置する「大阪医療技術学園専門学校」のTwitterアカウントです。
2021年5月現在のアカウントフォロワー数は約7,500人となっています。
\医療職を目指す高3必見🧐/
目指す資格は同じでも、
専門学校と大学では
資格・就職・学校生活・学費など
様々な面で特徴が異なります⛵️OCMTと大学を比較しながら
どっちが自分に向いているか考えてみよう👍✨👉 https://t.co/nabfu0SiWj 🎵 pic.twitter.com/sGjbHiaKlD
— 大阪医療技術学園専門学校🌈OCMT🌈 (@osaka_iryou) June 12, 2020
Twitterではブログ更新情報、カリキュラム内容、受験情報、卒業後の就職に関する情報などを主に発信。
公式キャラクターを起用し関西弁の親しみやすい雰囲気づくりが意識されています。
また、Twitterを利用している学生からの質問にも丁寧に回答している点も大きな特徴です。
AO入試で行う適性評価面談は、やる気とかモチベーションを重視して見させてもらってて、「職業に向いてるかどうか」という軸でお話しさせてもらってるねん!
一般・推薦入試で行う面接でも、同じような部分は見て…続きは質問箱へ #Peing #質問箱 https://t.co/Lg1Vx3N5p3
— 大阪医療技術学園専門学校🌈OCMT🌈 (@osaka_iryou) June 12, 2020
学生の不安や悩みを丁寧に回答していくことで、学校への好感度や信頼感も高まり、学生の入試志願意欲も高めることにつながります。
実際、オープンキャンパスへ参加してもよいかといった質問に対して丁寧に回答することで、学生のオープンキャンパスへの参加を後押しし、学校の受験生を増やすことに貢献しています。
もちろん参加してくれてOKやで(。ゝω・。)
いまやってるオープンキャンパスに来てくれてもええし、7月下旬頃からは、高2向けのオープンキャンパスも開催する予定やから、またHPをチェックしてみてな! #Peing #質問箱 https://t.co/HUAEr5R16t— 大阪医療技術学園専門学校🌈OCMT🌈 (@osaka_iryou) June 16, 2020
学校法人・教育機関のTwitterアカウントとして、学生とのコミュニケーションをメインに行いたい際に大変参考になる事例です。
関連記事
企業のTwitterマーケティング手法3つの特徴と成功事例、効果を出すポイントを徹底解説
YouTube
YouTubeの特徴
YouTubeは世界で最も人気な動画配信プラットフォームです。日本国内の月間利用ユーザー数は6,500万人。
日本国内では10代~40代にかけて幅広い年齢層のユーザーに利用されています。
検索エンジン大手であるGoogle傘下のサービスのため、YouTube動画広告にも強みを持っています。
動画配信がメインのため、
- 授業・講義の様子の紹介
- 入学式・卒業式・文化祭・運動会などのイベント紹介
- 部活動の紹介
など幅広い活用法がある応用性の高いプラットフォームです。
ライブ配信も可能で、最近ではオンライン学校説明会、オンラインオープンキャンパスも積極的に実施されており、遠方で現地の学校へ行けない受験生にとっては魅力的なコンテンツとなります。
学校法人・教育機関でのYouTube活用事例
画像:慶應義塾Keio University|YouTube
こちらは、学校法人慶應義塾が設置・運営する大学「慶應義塾大学」のYouTubeチャンネルです。
2021年5月現在のYouTubeチャンネル登録者数は約6.9万人と大変人気の高いチャンネルです。
学生が受けている実際の講義の様子、講演の内容、学部や研究室紹介などを動画配信しています。
大学のグローバル化への取り組みも積極的で、KGRI(Keio University Global Research Institute)を設置し、研究活動と成果をYouTubeを通して国際的に発信しています。
YouTubeは世界一位のシェアを誇る動画配信サービスであり、YouTubeを活用して世界へ向けて発信するというのは効果的です。
テロップやエフェクト、吹替音声など編集を加えることでより訴求力の高い動画をつくれるため、動画制作の手間はかかりますが、学校について受験生の理解を深めることが可能となります。
最近ではGoogle検索結果にYouTube動画も表示されるようになっていることから、長期的な集客基盤としてさらに活用のメリットも広がっています。
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TikTok
TikTokの特徴
TikTokは主に15秒のショートムービーを音楽に合わせて配信できるSNSです。日本の月間利用ユーザー数は950万人。
様々なBGMを付け加えたり、エフェクト追加やトリミングなど動画の編集も簡単にできる特徴があり、主に10代からの絶大な人気を獲得しています。
スマートフォンの縦型画面に最適化されているため、音声・楽曲にあわせて訴求力の高いダイナミックな動画を配信できる点が大きな強みです。
他のSNSとは異なりカジュアルな側面がやや強いため、学校教員や生徒による「ハッシュタグチャレンジ動画」などトレンドを取り入れたコンテンツ配信が必要となります。
学校説明会や学校のリリースなどの「やや堅苦しい情報」はTikTokでは流し見されやすくなるため、「面白い人がいる学校」「楽しい学校生活」というコンセプトのもと学校のファンをつくる目的で活用するとよいでしょう。
学校法人・教育機関でのTikTok活用事例
こちらは学校法人 上野学園が設置・運営する「大阪ブレーメン動物専門学校」のTikTokアカウントです。
2021年5月現在、約1.9万のフォロワーを獲得しています。
@oosakabremen抱っこチャレンジ##犬##動物##大阪##専門学校##ブレーメン##Bremen##トレーニング##8頭##抱っこ##チャレンジ##トイプードル##チワワ##ミニチュアダックス##ジャックラッセルテリア##ミックス♬ にんじゃりばんばん - Steve Aoki Remix - きゃりーぱみゅぱみゅ
こちらのTikTokアカウントでは動物の専門学校の持ち味を生かし、動物のトリミングや、動物とのふれあいをTikTok動画で発信しています。
シーンにマッチしたBGMとエフェクトで動画を盛り上げることができるため、見ているユーザーの没入感が大きくなるメリットはTikTokならではの強みでしょう。
学校法人 小倉学園が運営する「早稲田美容専門学校」のTikTokアカウントは2021年5月現在、約4万のフォロワーを獲得しています。
@wasedabiyoたまには美容学生らしく自分達でカラーでもするか##美容学生の日常 ##美容学校♬ original sound - diana
このTikTokアカウントでは美容専門学校の実態が分かるような、美容学校での日常の様子やあるあるネタなどをTikTok動画で発信しています。
TikTokは「かわいい」「笑い」「ユーモア」「ミーム」といったカジュアル要素が強い気軽な文化のため、学校の堅苦しさを消した動画を作成することが重要となります。
よって、TikTokアカウントを運用する際は、かならず学生からの意見を取り入れ、トレンドに沿った動画を作成しましょう。
そうすることで、投稿がおすすめ表示され爆発的に拡散されることも狙えます。
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TikTok広告の動画マーケティング、成功事例を見ながら詳しいコツを解説
LINE
LINEの特徴
LINEは日本にてもっとも月間利用ユーザー数が多いSNSであり、連絡用、コミュニケーションツールとして大変多くの人が活用しています。日本の月間利用ユーザー数は8,600万人。
「連絡手段といえばLINE」といえるほど日本においては広い年代で利用率が高い特徴があります。
日本で最も利用者の多いSNSのためユーザーの母数が多く、LINE公式アカウント運用により他のSNSよりもさらに多くのターゲットユーザーへ情報発信やコミュニケーションできるメリットが強みです。
LINE公式アカウントをフォローしてもらえると、学校側の発信した情報がLINEユーザーのトーク一覧画面に通知・表示されるため、情報の見逃し防止ができる点もメリットです。
また、若年層~高年齢層まで幅広いユーザーがいるため、学生あるいは保護者をターゲットに学校説明会・オープンキャンパス情報などをLINE広告で配信するとっいった使い方もターゲットへ情報を届ける際に有効です。
学校法人・教育機関でのLINE活用事例
画像:近畿大学|LINE公式アカウント
こちらは学校法人近畿大学が設置・運営する「近畿大学」のLINEアカウントです。
フォロワー数は2021年5月現在で約6万人と学校法人のLINEアカウントの中で屈指の人気を誇ります。
近畿大学のLINE公式アカウントでは、大学ニュースサイトのおすすめ記事の紹介や、オープンキャンパスなどの入試情報を得ることができます。
「LINE相談室」を設置してLINEにて大学スタッフに質問できるように配慮されている点も親切です。
また、LINE公式アカウントのフォロワー獲得に力を入れている点も特徴的です。
画像:近大オンライン謎解き「閉ざされたキャンパスからの挑戦状」|近畿大学入試情報サイト
オープンキャンパスのメインコンテンツの一つである「近大オンライン謎解き」では、近畿大学のLINE公式アカウントを友達に追加(フォロー)することが参加条件となっているためフォロワー獲得につながります。
さらに、オンライン謎解きというゲームを通して近畿大学について紹介できるため、受験生に大学についての理解を深めてもらえるよう設計されているのは参考にしたいポイントです。
SNSアカウントのフォロワーを増やしつつ大学についての理解も深めてもらえる、応用性が高い集客手法を取り入れている事例です。
SNSを活用して学校法人の集客をする際に意識すべきポイント
さいごに、学校法人・教育機関がSNSを活用して集客を行う際に意識すべきポイントについてまとめておきましょう。
学校の強みを生かせるSNSを選ぶ
様々なSNSを紹介してきましたが、どのSNSを使えばよいか悩むかと思いますが、まずは自学校の強みを抽出し、その強みをもっとも表現できるSNSに注力するのがよいでしょう。
加えて、SNSアカウントの運用の軸も決めましょう。学生向けか、保護者向けか、卒業生向けか、メディア向けかなど、伝えたい相手が変わるだけでも情報発信の方向性やテイストが変わります。
以下、SNSの特徴をもとにしたSNS選択時のアイデアですので参考にしてみてください。
- 学校の歴史的な雰囲気、明るい学生の雰囲気など世界観を視覚的に訴求したい
⇒Instagram - 受験生とコミュニケーションをとおして繋がりを深めたい
⇒Twitter - 実習や研究などの成果を見せたい、動画コンテンツを作る機会が多い
⇒YouTube - ハツラツとした楽しい雰囲気の校風を訴求したい
⇒TikTok - グローバル化・海外留学生獲得を目指し海外へ発信したい、保護者向けに情報を発信したい
⇒Facebook - 入試情報に特化させて発信したい
⇒LINE
SNSで発信するコンテンツは「テキスト」<「画像」<「動画」の順で難易度が上がります。
SNS活用による目的、運用する負担と得られる成果のバランスも考えつつ、SNSを選択しましょう。
SNSリテラシーを高める(SNSを知り、受け入れ、楽しむ)
SNSはポジティブな情報が拡散されるメリットもありますが、不適切な情報が拡散される「炎上」の可能性もあるツールです。
よって、SNSを運用する担当者はSNSを活用して深く理解し、SNSリテラシーを高めておきましょう。
また、SNSはそれぞれで文化やユーザーの性質が大きく異なります。世界各国で文化が違うようなものといえばわかりやすいでしょう。
利用するSNSはどのような性質を持っており、どのような人が使っており、どのような投稿をすると反応がよいのか、自身の身をもって理解し、楽しみながら運用していきましょう。
自学校の生徒と協力する
学校法人として素晴らしい歴史や活動の記録を紹介したい気持ちは山々ですが、「学校側が見せたい情報」と「学生ユーザーが見たい情報」にはズレがあります。
学校の生徒からヒアリングをして、どんな情報が受験生から喜ばれるかを深く検討しましょう。学校の生徒にSNSの運用を手伝ってもらうというのも学生目線の発信ができるため有効です。
また、SNSで「どんな情報が知りたいですか?」とアンケートを取ってみるのもよいでしょう。
学生の声をもとにどんな情報が本当に求められているのかニーズを把握し、SNSアカウントで発信する情報をブラッシュアップさせていきましょう。
積極的に学生ユーザーとのコミュニケーションを行う
SNSの活用で重要なのは「コミュニケーションをとおした共感の獲得・信頼関係の構築」です。
学校のニュース情報を単に発信して終わりという淡白な運用では、人間性を感じることができず、学生ユーザーからの共感を獲得できません。
頂いたコメントには丁寧に返信する、質問箱を設けて学生が知りたい情報を回答するといった方法を取り入れて学生とのコミュニケーションを活性化させましょう。
コメントを返信する手間がかなり大きいですが、そうした一つ一つの想いに親身になって応えることで、「生徒を大切にしてくれる」と学生からの信頼を獲得し、学校の志望へと繋がっていきます。
また、質問を多く得ることでよくある質問の回答をまとめた「Q&Aコーナー」を作って利便性を高めたり、質問の傾向から学生ニーズを把握して集客の訴求ポイントとして活用するなど応用もできます。
学生の理解は学校集客の重要な要素となるため、手間を押しまず実践しましょう。
学校サイトを洗練させ、SNSからの導線を整える(オープンキャンパス、資料請求、問合せへ)
SNSから学校のホームページへ訪問してくれても、学校の魅力が伝わらない、デザインが微妙、問合せページがどこかわからないという状態だと、訪問してくれた学生ユーザーは離脱してしまいます。
学校の歴史、強み、楽しさ、学生・生徒の様子といった魅力がつたわり、そして問合せページへの導線もわかりやすくして、ホームページを洗練させましょう。
デジタルでの集客が進んでいる現代では「ユーザーエクスペリエンス」を意識したホームページ作りにより、見込みとなる学生の獲得率を高めることにつながります。
(※ユーザーエクスペリエンスとはウェブサイトでの「ユーザー体験」のこと。サイトを訪問してくれた人が情報収集や申込などの目的をストレスなく達成できるようにホームページを作り込み、サイト訪問者の満足度を高める工夫が求められる。)
まとめ
学校法人・教育機関のSNS活用について詳しく解説してきましたがいかがでしたか。
日本の少子化の影響により学生の母数は減少。それに伴い今後、受験生の獲得競争がより激化することが見込まれます。
学生とつながる手段は現代では多様化しました。
現代の学生の性質を知り、興味関心・趣味嗜好を学び、取り入れ、時代の流れに柔軟に対応していくことが学校法人・教育機関として成長できるか否かの分かれ目になります。
ぜひ本記事をヒントに学校の活性化につなげる一助としてお役立てください。
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本記事には「インスタラボ」の多数実績から得られた、学校法人・教育機関のSNS活用ノウハウをまとめました。
インスタラボには学校法人・教育関連のSNS支援実績が多数ございますので、
- 学校のSNSアカウントの改善点をアドバイスしてほしい
- SNS広告とはどのようなもの知りたい
- オープンキャンパスでインフルエンサーにゲスト登壇してもらう方法が知りたい
など、柔軟にお応えすることが可能です。
もちろん、本記事についての不明点なども大歓迎です。
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