近年、スマートフォンの普及とともにSNSを活用する人が増えています。
利用者が多くその特徴から効率的なPRを行うことができることからSNSを利用する企業や団体も増加しており、企業アカウントの運営やSNS広告の配信、インフルエンサーを起用したインフルエンサーマーケティングの実施など様々な形でマーケティングが行われています。
そこでこの記事では、日本のメガバンクが運用するSNSアカウントをご紹介してまいります。
日本の経済において重要な役割を果たすメガバンクがどのようにしてSNSアカウントを運用し、消費者とコミュニケーションをしているのか。
SNSアカウントの特徴やその運用方法、複数SNSの使い分け方についてご紹介いたします。
目次
銀行・金融など無形商材でもSNSは有効かつ重要な理由
銀行・金融サービスなど無形商材のPRを行う場合、SNSの強みである写真や動画を利用して視覚から訴求することが難しいため、有形商材のPRを行う場合ほど簡単ではなく工夫が必要となります。
とはいえ、下記のようなメリットが存在するため銀行・金融など無形商材の場合でもSNS活用の重要性が高まっています。
メリット1:消費者との接点・コミュニケーションを増やせる
1つめのメリットはSNSにより消費者との接点・コミュニケーションを増やせる点です。
以下は2020年に総務省が発表した「令和元年通信利用動向調査」のデータです。
金融資産の豊富な高齢者や投資に積極的な30代~40代の年代をはじめ、すべての年代でSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用率が増えていることが分かります。
これはつまり、SNSの活用により見込み客との接点を増やせるチャンスが大きいことを意味しています。
SNSの利用はすでに生活の一部と化しているため、SNSによるコミュニケーションを通して消費者との接点・信頼を生むことは、現代において非常に重要なものとなっています。
メリット2:インターネット経由でサービスページやアプリへ誘導しやすい
2つめのメリットはインターネット経由でサービスページやアプリへ誘導しやすいという点です。
SNSの多くは投稿やプロフィールにURLのリンクを設置することが可能です。
これによって商材に興味を持ったユーザーを
- 企業のウェブサイトやサービスページ
- オウンドメディア
- アプリのダウンロードページ
など様々なウェブサイトに誘導できるので、自社サイトへの集客増加を効率的に行い売り上げアップを図ることができます。
メリット3:SNS広告により新規の見込み客へ情報を届けやすい
3つめのメリットはSNS広告などにより新規の見込み客へ情報を届けやすいという点です。
各SNSは基本的に低予算からはじめられる広告配信機能が実装されています。
SNSアプリのページの一部やバナー、動画と動画の間など様々な場所に広告を配信することができ、多数のユーザーに広告を配信できるためフォロワー以外の多くの人と接触することができます。
さらに、商材に合ったターゲット層(年代・性別・興味関心など)に限定した広告を配信できるので費用対効果を高めた広告配信ができるメリットも見逃せません。
メリット4:キャラクターや役立つコンテンツにより消費者との距離感を縮めることができる
銀行や金融関連のビジネスは「堅苦しい」イメージを持たれがちです。
しかしながら、この後事例として紹介していますが、
かわいいキャラクターによる情報発信で親しみやすさを生み出す
あるいは、金融のノウハウをわかりやすいコンテンツとして発信することで
「学びがある有益なSNSアカウント」としてファンを獲得する
といった活用法が可能です。
特に金融系の知識は難しいものが多く、保険や投資についての知識をわかりやすく解説したコンテンツは消費者からも重宝されます。
SNSでは自由に情報発信ができますので、自社のブランディング戦略にあわせて、さまざまな表現方法ができるメリットは非常に優秀です。
以上のようなメリットから、SNSを活用したマーケティング、広報、ブランディングや販売チャネルの重要性が高まっています。
大手メガバンクのSNSアカウント一覧
それではここから大手メガバンクのSNSアカウントの活用状況について紹介していきましょう。
その前に、先に各メガバンクのSNSの運用について一覧でまとめておきます。
SNS | MUFJ | SMBC | みずほ |
キャンペーン コラム |
キャンペーン 会社活動 エンタメ |
- | |
- | ノウハウ | - | |
キャンペーン コラム |
キャラクター | キャラクター | |
YouTube | CM ノウハウ |
CM 広報 |
CM キャラクター |
LINE | - | キャンペーン 告知 |
キャラクター |
※各メガバンクの公式サイトに載っている銀行の公式SNSを掲載しています
以下で各メガバンクのSNSについて詳しく見ていきましょう。
三菱UFJ銀行のSNSアカウント
それでは、日本のメガバンクが実際に運用しているSNSアカウントをご紹介してまいりましょう。まずはじめに三菱UFJ銀行のSNSアカウントをご紹介いたします。
フォロワー数:約4.9万人(2020年12月現在)
三菱UFJ銀行のFacebookアカウントでは、企業の情報にはじまり提供しているサービスの情報や開催されているキャンペーンの情報、自社コラムの紹介や企業の取り組みについての情報などが総合的に発信されています。
季節の行事やイベント、時事などについての投稿もあり、銀行や金融機関に抱かれがちな堅苦しいイメージを和らげています。
三菱UFJ銀行のFacebookアカウントではホームページをはじめほぼ全ての投稿に写真や画像、動画が付けられています。
ビジュアル面が充実しているので全体的に明るい雰囲気を感じられる点は銀行のイメージとして非常に好感が持てます。
多くの投稿でリンクが活用されており、投稿内容に合わせて自社ウェブサイト等へのリンクを設置し投稿を見たFacebookユーザーを誘導、自社ウェブサイトの集客増加を図っている点が特徴的です。
フォロワー数:約9.5万人(2020年12月現在)
三菱UFJ銀行のTwitterアカウントで公開されている情報は先にご紹介したFacebookアカウントとほぼ同様のものです。
FacebookとTwitterで投稿内容の差異がない理由としては、三菱UFJ銀行が主にリンクを活用し自社ウェブサイト等のコンテンツを紹介する形で情報の発信を行っていることが挙げられます。
~会員制イノベーション創出拠点を開設~
MUFGグループおよび三菱UFJ銀行は、大阪・淀屋橋に観光産業をテーマとした会員制のイノベーション創出拠点を開設することを決定しました。参加される皆さまと一緒に観光産業の課題解決と大阪・関西経済活性化への貢献を目指します!https://t.co/ZaThn4yUMN pic.twitter.com/38ODO457XL
— 三菱UFJ銀行 (@mufgbk_official) September 4, 2020
三菱UFJ銀行によるSNS運用方法の特徴は、公開する情報のソースは自社ウェブサイト等の自社コンテンツであり、SNSはあくまで情報を拡散するツールとして活用している点です。
自社ウェブサイトのみで情報を発信するよりも圧倒的に多くの人の目に留まり、機能的にもSNSの情報拡散性は非常に強力です。
ひとつのSNSだけでなくFacebookとTwitterという2つのSNSアカウントを運用しているのは両者でユーザー層が異なるためであり、2つのSNSで投稿内容に差異を設けず同様の内容で情報発信を行っていることからもそれがわかります。
より多く・幅広く情報を発信するということに特化した運用であるためSNSのポテンシャルを最大に活かすことは難しいですが、自社ウェブサイトのみの運用や非デジタルメディア・レガシーメディアを活用した手法と比較するとより大きな効果が期待できます。
SNSアカウントの運用コストや手間もSNSをフル活用する場合より少なく抑えることができるため、目的を絞ってSNSアカウントを運用したい場合には三菱UFJ銀行のSNSアカウントが大変参考になるでしょう。
YouTube
画像:三菱UFJ銀行公式「MUFGBankChannel」 |YouTube
チャンネル登録者数:約6,500人(2020年12月現在)
続いてご紹介するのは三菱UFJ銀行のYouTubeチャンネル「MUFGBankChannel」です。
こちらのチャンネルでは三菱UFJ銀行のCM動画やサービスの紹介・解説動画、三菱UFJ銀行が提供しているサービスやスマートフォンアプリの利用方法を解説する動画等が公開されています。
銀行・金融機関が取り扱うサービスは内容が複雑で理解が難しいものが多いですが、音声と映像で解説してくれる動画であればパンフレットなどよりもわかりやすく、より簡単に内容を理解することができます。
サービスやアプリの利用方法を解説する動画であれば、動画を観ながら操作を行うことができるので、難しい操作や設定でも簡単に行うことができます。
金融商品について誰にでもわかりやすく解説する動画も投稿されており、消費者に三菱UFJ銀行という企業や提供しているサービスについての理解を深めてもらうことを目的としたYouTubeチャンネルとなっています。
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三井住友銀行のSNSアカウント
続いて、三井住友銀行が運営するSNSアカウントをご紹介いたします。
フォロワー数:約14.9万人(2020年12月現在)
三井住友銀行のFacebookアカウントでは企業の基本データをはじめ、サービスの紹介や開催されるイベントの紹介が投稿されています。
各投稿に設置されているリンクから三井住友銀行のウェブサイトにある詳細ページにアクセスすることができるようになっています。
更新頻度は同社の他SNSよりも低くなっています。
フォロワー数:約2.3万人(2020年11月現在)
三井住友銀行のInstagramアカウントでは、お金に関する様々なマメ知識やノウハウがイラストやマンガでわかりやすく紹介されているほか、三井住友銀行が運営するWEBメディア「Money VIVA(マネービバ)」の記事が紹介されています。
三井住友銀行のサービスを利用するときだけでなく生活や家計の助けになる情報も多数紹介されており、ユーザーからの評価も高い人気アカウントとなっています。
こちらのInstagramアカウントのように、お金のノウハウや知識をわかりやすく学べるコンテンツは、ユーザーがメリットを感じやすくフォロワーとして継続的に閲覧してもらいやすくなります。
SNSアカウントでは、消費者の役に立つ有益な情報を継続的に発信しましょう。
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フォロワー数:約17.9万人(2020年12月現在)
三井住友銀行のTwitterアカウントでは、お金に関する話題やサービス・キャンペーンの情報が積極的に発信されています。
ミドすけだよ!
今年の夏はボクと一緒におうちで思い出作りしてみない?
ボクのグッズがもらえちゃうコンテストを開催してるから、参加してみてね!さらにこのアカウントをフォロー&このツイートをリツイートすると、抽選でAmazonギフト券500円分もらえるよ♪#ミドすけと夏の思い出 #ミドすけ
— 三井住友銀行 公式(ミドすけ) (@smbc_midosuke) August 17, 2020
オリジナルキャラクター「ミドすけ」がアカウントの案内役を務めており、銀行や金融機関にありがちな堅苦しさを感じさせない「ミドすけ」口調で親しみやすさを演出しています。
季節やニュースに関わる「世間話」的な内容の投稿も多いです。
キャラクターを活用したSNSでのブランディングは消費者から親しみを持ってもらえるため大変有効です。
「堅苦しい」イメージのあるビジネスであれば、イメージキャラクターをたててユーザーが感じる堅苦しさを和らげてみるとよいでしょう。
YouTube
画像:三井住友銀行(SMBC)公式チャンネル|YouTube
三井住友銀行のYouTubeチャンネルでは、テレビCMやウェブCMが公開されている他、インタビュー動画やサービスの利用方法を解説する動画などが公開されています。
動画投稿の頻度は控えめですが三井住友銀行という企業やその取り組みについて知ることができる興味深いチャンネルとなっています。
人気の有名人をCMに起用している場合は、その有名人のファンが訪問してくれるため、メディアとの接触回数や時間を増やすせるメリットがあります。
LINE
友だち登録者数:約1,475万人(2020年12月現在)
三井住友銀行のLINEアカウントでは、三井住友銀行のインターネットバンキングと連携することで口座の残高照会ができるサービスが提供されています。
投稿内容は主にキャンペーンやイベント情報の公開が中心となっています。
三井住友銀行のLINE公式アカウントの友だち登録者数(フォロワー数)は1,400万人を超え、他のSNSに比べて圧倒的な数のフォロワーを獲得しています。
更新頻度は低いですが、同社のサービスと連携した利便性の高さでユーザーへメリットを提供している点は大変参考になります。
LINEは日本において最も利用されているSNSであり、ユーザーの多さから幅広い年代・性別のユーザーへ情報を届けることができます。
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みずほ銀行のSNSアカウント
最後に、みずほ銀行が運営するSNSアカウントをご紹介いたします。
フォロワー数:約7.8万人(2020年12月現在)
みずほ銀行のTwitterアカウントでは、オリジナルキャラクター「あおまる」をはじめとしたキャラクターコンテンツや、提供されているサービスの紹介、キャンペーンやイベントの開催情報などが主に発信されています。
先にご紹介した三井住友銀行のSNSアカウントと同様にオリジナルキャラクターを用いて親しみやすい雰囲気づくりを行っており、誰もが気軽にみずほ銀行の発信する情報を知ることができます。
/#あおまるからの質問!
\#あおまる だよ。
用途によって口座を使い分けているんだけど、管理するのがちょっと大変…。みんなは口座の使い分けってしてる?
銀行や証券会社の口座を全部でいくつ持っているか、教えてくれたらうれしいな!— みずほ銀行 (@mizuhobank) November 19, 2020
毎月スマホの待ち受け画面にできるカレンダーのイラストを提供しており、キャラクターをユーザーの目に触れやすくする工夫が見られます。
その他、Twitterのアンケート機能を活用してユーザーと相互コミュニケーションをとっている点も、SNS運用の上で参考になります。
SNSのアルゴリズムでも、コミュニケーションが活発な話題のアカウント・コンテンツは優先的に表示されやすい傾向がありますので積極的にユーザーとコミュニケーションをしていきましょう。
YouTube
チャンネル登録者数:約1,200人(2020年9月現在)
みずほ銀行が運営する公式YouTubeチャンネルでは、TVCMやサービス紹介動画が公開されています。
動画投稿の頻度は高くありませんが、オリジナルキャラクター「あおまる」が登場するアニメやみずほ銀行のサービスをテーマにしたミュージックビデオ風動画は非常に多くのユーザーに視聴されている人気作品となっています。
動画の投稿数は少ないですが、複数の動画で100万回再生を超えているものがあり、YouTube動画により継続的に消費者とコンテンツを接触させることに成功しています。
YouTubeはGoogleなど検索エンジンの検索結果にも表示されるため、SEO効果も狙える点でYouTubeを活用したマーケティングには今後も注目が集まっています。
LINE
友だち登録者数:約844万人(2020年12月現在)
みずほ銀行のLINEアカウントでは、三井住友銀行と同様にインターネットバンキングと連携することでみずほ銀行の口座残高がLINEで確認できるサービスが提供されています。
投稿の内容はTwitterで公開されているものとほぼ同様となっており、サービスの紹介やキャンペーン・イベント情報の公開が主となっています。
オリジナルキャラクター「あおまる」をテーマにしたLINEスタンプも配信されています。
「LINEスタンプ」は毎日のLINEでのコミュニケーションにて自社キャラクターを目にしてもらえるチャンスなので、キャラクター戦略の上で重要となります。
フォロワーも840万人をこえており、大変影響力のあるLINEアカウントとなっています。
まとめ
日本の主要なメガバンクである三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の三行が運用しているSNSアカウントをご紹介いたしました。
さいごに、各メガバンクのSNSの運用についてあらためてまとめておきましょう。
SNS | MUFJ | SMBC | みずほ |
キャンペーン コラム |
キャンペーン 会社活動 エンタメ |
- | |
キャンペーン コラム |
ノウハウ | - | |
- | キャラクター | キャラクター | |
YouTube | CM ノウハウ |
CM 広報 |
CM キャラクター |
LINE | - | キャンペーン 告知 |
キャラクター |
それぞれ目的・用途に合わせた方法でSNSを使い分けていることがおわかりいただけたかと思います。
特に、金融のような無形商材はSNSを活用することが難しいと思われますが、
- キャンペーン情報でお得感を出す
- キャラクターで親しみやすさを生む
- 役立つコンテンツで学びの機会をつくる
という形でユーザーにメリットを提供することで人気獲得につながります。
SNSは機能や特徴、利用しているユーザー層やその目的も異なります。
企業でSNSアカウントを運用する際には目的とターゲットを明確に定めた上で相性の良いSNSを使い分けることが大変重要です。
SNSアカウントの数が増えるほど運用コストも大きくなりますので、自社がどのような目的と戦略でSNSを活用するのか、徹底的に整理し、最適なSNSマーケティングを行いましょう。
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