
2023年になり、コロナによる旅行の規制が世界的に緩和されると、日本にも海外からの観光客が戻ってくるようになりました。
そして近年では、外国人観光客もSNSの情報から観光地や宿泊施設を決めるようになってきています。
そこで重要なのが、観光客向けの商売をしている会社や、観光客の多い自治体がどのようにSNSを運用しているか?という点です。
本記事では、SNSを活用したインバウンド対策の成功事例を4例ご紹介いたします。
外国人向けのSNS運用に悩んでいる担当者の方も、ぜひ参考にしてみてください。
目次
インバウンド向けのSNS活用成功事例4選
それでは、SNSをうまく活用しているインバウンド向けの成功事例をご紹介いたします。
Find Your Yokohama(Instagram)
画像:Find Your Yokohama(@findyouryokohama_japan) | Instagram
アカウント:@findyouryokohama_japan
フォロワー:11万人(2023年6月現在)
最初にご紹介するのは、横浜市が運営するInstagramアカウント「Find Your Yokohama」です。
自治体が運営するインスタと言えば、地元の特産品紹介やお出かけスポットを、在住の人もしくは近隣の市町村の人向けに紹介するものが多いイメージでしょう。
しかし横浜市は公式のInstagramをおしゃれなものに完全に振り切り、さらには投稿する文章やハッシュタグもほぼ英語で統一しています。
「#myyokohama」というオリジナルタグを皮切りに、日本を訪れそうな外国人がよく使っているハッシュタグを数多く利用しています。
こういったタグにより、横浜のことを知らない外国人観光客にも見つかりやすくなります。
さらにFind Your Yokohamaは、横浜の風景を撮影したカメラマンの投稿をリポストして紹介しています。
こういった投稿は運営する自治体にとっても撮影する手間の削減につながりますし、投稿者にとっても10万人以上のフォロワーに見てもらえるのでいい宣伝になります。
撮影者をしっかりと明記して投稿すれば、このようにwin-winの関係になるのです。
チームラボプラネッツ teamLab Planets(Instagram)
画像:チームラボプラネッツ teamLab Planets|Instagram
アカウント:@teamlab.planets
フォロワー:19.2万人(2023年6月現在)
続いてご紹介するのは、東京・豊洲にあるアートギャラリー、「チームラボプラネッツ」のアカウントです。
チームラボプラネッツとは、アートコレクティブ・チームラボによる4つの巨大な作品空間と、2つの庭園からなる「水に入るミュージアムと、花と一体化する庭園 」がコンセプトのギャラリーです。
2018年の期間限定オープン以降好評で、現在は2023年末までの開催延長が発表されています。
植物とアートが混然一体となっているその空間は、インスタ映えするということもあり東京の新名所となっています。
そしてチームラボプラネッツのInstagram投稿の特徴は、「インフルエンサーの写真を掲載している」という点でしょう。
上記のように、有名インフルエンサーによって宣伝してもらうことで、Instagramユーザーに知ってもらうように工夫しているのです。
そしてインフルエンサーは国内だけではなく海外のインフルエンサーも含んでいます。
上記の投稿では、グラミー賞受賞経験もある人気音楽プロデューサーで、フォロワー800万人を超えるZeddさんの投稿を引用しています。
このように施設の来客を積極的にアピールするためには、人気インフルエンサーの投稿の引用が効果的です。
帝国ホテル 公式チャンネル(YouTube)
アカウント:@user-md7fx3ms7s
登録者数:2.45万人(2023年6月現在)
続いてご紹介するのは、帝国ホテルのYouTube「帝国ホテル 公式チャンネル」です。
帝国ホテルといえば1890年創業の老舗ホテルで、ホテルオークラ・ホテルニューオータニとともに「ホテル御三家」と呼ばれることもある高級ホテルです。
YouTubeでは様々な動画を上げており、料理長が教える「家庭でできるフランス料理」の動画も人気シリーズとなっています。
そして帝国ホテルは海外の観光客が宿泊することも多いため、海外の観光客向けのCMのような動画も数多く上げています。
上記の動画もその一例で、1分間の中でホテルの雰囲気や裏方の仕事、東京の観光地の様子などが詰め込まれています。
音声もBGMのみなので、どの国の人であっても帝国ホテルの雰囲気が伝わるようになっています。
このように、どの国の人にも伝わるような伝え方というのは非常に重要です。
VISIT KOCHI JAPAN(Instagram・YouTube・Facebook)
画像:Find Your Yokohama(@findyouryokohama_japan) | Instagram
アカウント:@findyouryokohama_japan
フォロワー:1.3万人(2023年6月現在)
アカウント:@Visitkochijapan_movie
登録者数:1.05万人(2023年6月現在)
アカウント:Visit Kochi Japan
登録者数:28万人(2023年6月現在)
最後にご紹介するのは、高知県が運営する「VISIT KOCHI JAPAN」です。
高知県はその交通の便からか、在日外国人訪問率や訪問数、インバウンド宿泊人数数などが全国的にみて少ない傾向にあります。
しかし一方で、平均宿泊日数は7.7泊と、一度泊まると長く滞在する傾向にあるようです。
高知県はこのことから海外向けの宣伝に力を入れており、その一環が公式サイトやSNSの運用です。
公式サイトやTwitterなど幅広く展開していますが、その中でも人気なのがInstagram、YouTube、そしてFacebookです。
まずInstagramでは、やはり海外のインスタグラマーの投稿を引用しています。
上記の投稿ではベルギー出身の英語プログラムコーディネーター、 • ラウラさんが名所・四国カルスト県立記念公園を訪れた際の写真です。
風光明媚な写真とともに四国カルストの説明も行われています。
また、この公園がある梼原(ゆすはら)町を訪れた際には和紙スタジオ かみこやも訪れてみては?とも書かれています。
観光客の方は「せっかくそこまで足を伸ばしたなら行ってみようかな」という気にさせられます。
また、高知名物のよさこいの写真も載せており、外国人も参加している躍動的な踊りの写真は、見ている人の観光意欲も刺激します。
YouTubeでもさまざまな高知の映像をお届けしており、人気を博しています。
上記の動画は高知県でできる様々なアクティビティなどをまとめたダイジェスト映像です。
この動画はコロナ禍に公開されたものですが、2年間で1300万回以上再生されている人気ぶりで、コメントも様々な言語で埋め尽くされています。
自然の豊かさや名産品などを2分半にまとめたこの映像で「一度高知に行ってみたい」と思った外国人観光客も多いのではないでしょうか?
また上記の映像は、四国で行われる「お遍路」について、外国人の挑戦を軸に作られたものです。
お遍路という異国文化について教える教材として、かなりとっつきやすいものになっています。
観光資源の紹介としては必ずしも事細かに教える必要はなく、まずはどのような雰囲気で行われるのかを見せることで興味を持たせるとよいでしょう。
FacebookでもInstagramと同様に写真を使って高知県の名所を紹介しています。
Facebookでは日本語と英語の両方で投稿されていますが、日本語の投稿であっても英語のコメントが来ていたりと、写真を見ている外国人の方が多くいることがわかります。
なにより、日本では30代以上が利用しているイメージが大きいFacebookですが、世界中では約30億人が利用しているナンバーワンのSNSであり、Twitterの5億人台と比較すると5倍以上の開きがあります。
世界発信することを考えるのであれば、Instagramと同じ内容でもいいので、Facebookにも投稿するほうが良いでしょう。
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まとめ
いかがだったでしょうか?
2020年代は観光を生業とする店舗や地域にとっては大いにダメージを受けた年代と言えます。
しかし2023年になってようやく、インバウンドの復興の兆しが見えてきました。
もちろん、ここでSNSを活用しない手はありません。
英語で文章やハッシュタグを書く、映像の場合は言語を使わないPV方式にするなど、見られやすい傾向はあるようです。
各企業や自治体もあの手この手でSNSを集客に結びつけようと模索しています。
もし本腰を入れるのであれば、高知県のように何種類ものSNSを使い分けると、より多くの外国人ユーザーにリーチしやすくなるのでよいでしょう。
もし複数のSNS活用が厳しい、ということであれば、ぜひこちらまでお気軽にご相談ください。
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