昨今は、従業員が働くお店を公表しながらSNSアカウントを運用し、インフルエンサーとして人気を集める事例が増えてきています。
以前から“カリスマ店員”と呼ばれる顧客(ファン)が多いスタッフは存在していましたが、最近は、SNSの"フォロワー"という形でさらに人気ぶりが顕在化し、企業にとっても大きなメリットをもたらしています。
また、従業員インフルエンサーが生まれる業界としてはアパレル業界が圧倒的に多く、実店舗を営業する幅広い業界のモデルケースになり得るでしょう。
そこで今回本記事では、アパレル店員を取り上げ、従業員をインフルエンサーに活用するメリットや注意点、成功事例を徹底解説いたします。
従業員のインフルエンサー化は、アカウント運用と並行して導入できる効果的な施策ですので、是非ともご参考にしてください。
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アパレル店員を従業員インフルエンサーに活用するメリット
まずは、「アパレル店員を従業員インフルエンサーに活用するメリット」をご紹介します。
ファン化による顧客獲得
本記事を読んでいる方の中には「目当てのスタイリストがいる美容院に通っている」「気さくな店主が好きでお店の常連になった」など、働くスタッフを目的に来店された経験があるのではないでしょうか?
特にアパレルのような実店舗ビジネスでは、個人にファンが付くことが店舗の集客・売上にも大きく関わってきます。
「目当てのスタッフと話したい!」「接客を受けたい!」というユーザーはリピーターになりやすいため、SNSでのファン化は顧客獲得に非常に効果的といえるでしょう。
実店舗の集客促進
お店の看板を背負った従業員インフルエンサーがSNSで情報発信することは、店舗・ブランドの宣伝効果につながります。
スタッフの認知が高まれば高まるほど在籍する店舗にも注目が集まるので、インフルエンサーとしての影響力が集客促進に効果を発揮するでしょう。
また、SNSでの発信を通じて来店前にスタッフの雰囲気を知られる点もポイントで、新規客が来店しやすい/話しかけやすいというメリットにもつながります。
親しみやすいブランディング
従業員インフルエンサーの投稿では、商品紹介だけでなく日常のパーソナルな部分を発信することで、投稿を目にしたユーザーに親しみやすさを感じさせることができます。
例えば、子供との日常を発信すれば“親の気持ち”という点での共感が生まれますし、休日や趣味の投稿をきっかけに来店時の会話が増える可能性も高まります。
あくまでインフルエンサー個人としてのSNSだからこそ、人柄が見える事による安心感や信頼感が親しみやすいブランディングにつながります。
また、スタッフの充実したライフスタイルの発信を通じて社内の雰囲気などが伝われば、ポジティブな企業イメージが求人の際にもプラスの効果をもたらしてくれるでしょう。
従業員のモチベーションアップ
従業員がインフルエンサーとして活動することで、
- フォロワーが自分のアイテム紹介やコーデを参考にしてくれた
- フォロワーから感謝や喜びのコメントをもらえた
など、スタッフのやりがいや自身につながる出来事が生まれる可能性があります。
また、売上や集客といった数字が上がることで社内評価も高まり、顧客と会社に貢献している実感がモチベーションを高めてくれるでしょう。
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アパレル店員を従業員インフルエンサーに活用する際の注意点
続いて、「アパレル店員を従業員インフルエンサーに活用する際の注意点」をご紹介します。
必要に応じてあらかじめルールを設定する
従業員インフルエンサーの影響力が高まるほど、企業ブランド全体にもたらす影響も大きくなります。
ポジティブな効果は嬉しいものですが、同時に以下のようなケースに注意する必要があるでしょう。
- 従業員の発信と企業公式の発表に齟齬が生じる
- 従業員のアカウントに問い合わせや質問が殺到する
- 従業員がインフルエンサー活動を負担に感じる
上記のようなケースに対応するには、インフルエンサーの規模が大きくなった時のことをあらかじめ想定しておくことが重要になります。
中には「企業が主導権を持たずに従業員の能動的な活動に任せたい」と考える企業様もいらっしゃいます。
しかし、SNS特有の炎上リスクや従業員との折り合いを考慮するならば、
- 発信内容の範囲
- 必要業務のサポート体制
- 活動に対するインセンティブ
といった点を中心に、必要に応じてルールを設定した方が良いでしょう。
業務とプライベートを区別する必要がある
前項の注意点でも「従業員がインフルエンサー活動を負担に感じる」ケースを挙げたように、インフルエンサー活動とスタッフ業務の兼任は、アカウント人気が高まるにつれどんどん大変になっていきます。
あくまで個人の活動として業務外の発信に留まる範囲なら問題ありませんが、例えば、
- 業務時間外にSNS上で在庫状況について答える
- 勤務中にアパレルとは関係のないプライベートな投稿を作成する
など、業務とプライベートの線引きが曖昧になってしまうケースも考えられます。
企業側は、インフルエンサー活動を推奨するのであれば従業員の発信をサポートする仕組みを設け、従業員側は、あくまでプライベートな分野を業務と混同させないように気を付ける必要があるでしょう。
店舗運営や周囲のスタッフの負担にも配慮する必要がある
従業員インフルエンサーを活用する際には、店舗運営や周囲のスタッフの負担にも配慮する必要があります。
特にアパレル店員のインフルエンサー活動を成功させるには、投稿用の着用写真の撮影などが必要不可欠になるため、接客以外の業務時間も想定したシフト組みなどが求められるでしょう。
またインフルエンサー活動を行うスタッフだけでなく、周囲の負担も考慮し、スタッフ間で納得して協力し合える関係性を目指したいところです。
退社時の顧客離れが起きやすい
スタッフ個人にファンがつくということは、従業員インフルエンサーが退社した際の顧客離れが起きやすさにもつながります。
対策として、
- 在籍中に後任スタッフを付けて来店顧客を引き継ぐ
- 同店舗に従業員インフルエンサーが複数人いる状態を作る
などが考えられますが、従業員個人の魅力にファンがついている以上、一定数の顧客離れは仕方ない部分でもあります。
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アパレル店員を従業員インフルエンサーに活用する企業の成功事例
それでは最後に、「アパレル店員を従業員インフルエンサーに活用する企業の成功事例」をご紹介いたします。
UNITED ARROWS (ユナイテッドアローズ)
日本を代表するセレクトショップ御三家の一角、「UNITED ARROWS (ユナイテッドアローズ)」では、働くスタッフを押し出したブランド戦略で各店舗でのファン化につなげています。
上記のように公式通販サイトには、スタッフ紹介のコンテンツが見られ、
- スタッフの在籍店舗
- 普段の着用サイズ
- Instagramアカウント
などが紹介されています。
実際に、数千人規模以上のInstagramフォロワーを抱えるスタッフも多数在籍しており、スタッフの魅力を押し出すことで顧客獲得に効果を上げていることが窺えますね。
スタッフのInstagramでは、入荷予定のプレオーダーアイテムを先行紹介する投稿も見られました。
発売前の商品を紹介する本投稿は、企業と従業員の協力によって実現されており、投稿鮮度を高めることや新商品の事前告知の役割をしっかりと果たすことに成功しています。
本事例のように、従業員インフルエンサーを活用する際には、企業とスタッフが足並みを揃えてファンに向けた効果的なアプローチを目指していきましょう。
Whim Gazette(ウィムガゼット)
株式会社パルが手がけるセレクトショップ・ブランド「Whim Gazette(ウィムガゼット)」もまた、スタッフを全面に押し出したブランド展開で数多くのファンを獲得しています。
そして中でもInstagramで絶大な人気を集めるのが、青山店スタッフの「佐藤亜由美(@wg_sato)」さんです。
佐藤さんは、同社ブランドアイテムを使ったコーデ集やプライベートの購入品などを発信されており、2024年3月現在で約7.2万人のフォロワーを抱える大人気ぶりです。
人気の理由の1つには、親しみやすいキャラクターが挙げられ、上記投稿においても「好きなコーデあったらコメント欄に『❤️』ください!」とアクションを促し、丁寧なコメント返しで多くのフォロワーとコミュニケーションを取っていることが特徴。
本事例のように、従業員インフルエンサーの発信では、公式アカウントよりも親しみやすい距離感でファンを獲得していくことが期待できるでしょう。
JEANASIS (ジーナシス)
人気レディースブランド「JEANASIS (ジーナシス)」では、ママ・インフルエンサーとして活動する公認スタッフの活躍が目立っており、同じ親世代ユーザーに共感性の高い発信が見られます。
例として上記投稿では、JEANASIS アトレ松戸店の公認SHOP STAFF「みきのすけ(@mikinosuke125)」さんが、9才の娘さんとの色合わせコーデを紹介されていました。
家族が登場する投稿で親子世代に向けて訴求できる点は、プライベートな一面を押し出せる従業員インフルエンサーならではのメリットといえますね。
また、上記投稿では自身が在籍する店舗ブランドのアイテムだけでなく、親会社に所属するブランドアイテムが多数紹介されているので、企業全体のブランディング、売上向上に貢献されています。
さらにみきのすけさんのInstagramでは、上記のようにハイライト(ストーリー)で自身の出勤スケジュールを周知する工夫も見られました。
人気が出れば出るほど従業員インフルエンサーを目当てに来店したい方は多くなるので、予め予定を共有して会える日を教えてくれることは、ファンにとって嬉しいポイントになります。
まとめ
インフルエンサーとのタイアップ投稿が絶大な効果を示すように、影響力が高い=ファンの多いスタッフの発信は大きな宣伝効果を生み出します。
実際に本記事で取り上げた事例のように、最近は企業が積極的にインフルエンサーのスタッフ化を取り入れている事例も増えてきておりますので、公式アカウントと並行して導入を検討してみてはいかがでしょうか?
なお、SNSを活用した施策やインフルエンサーマーケティングをご検討の際は、登録インフルエンサー9,000人over・総フォロワー数2.6億人overの「Find Model」にお気軽にご相談ください!
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