SNSマーケティングの代表手法の1つには「SNSキャンペーン」が挙げられます。
各種SNSの公式アカウントを通じて募集されるキャンペーンは、参加条件の設定や賞品選定によって得られる効果が異なり、各企業の目的毎に様々な施策が実施されていることをご存じでしょうか。
そして、SNSキャンペーンを実施する際には、効果測定の精度を高めるべく的確な「KPI」設定が重要なポイントになります。
しかし中には、SNSキャンペーンの目的に合ったKPI設定が成されていない/わからないと悩みを抱える企業様もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで本記事では、SNSキャンペーンの目的別に「KPI」を設定する際のポイントと指標例を解説していきます。
「KPI」は、SNSキャンペーンの実施効果を把握するための重要指標になるため、ぜひ本記事を最後まで読んで目的別にKPI設定ができるようになりましょう!
目次
KPIとは
KPIは、Key Performance Indicatorの略で「重要業績評価指標」を意味する言葉です。
似た言葉には「重要目標達成指標」を意味する「KGI (Key Goal Indicator)」があり、2つの言葉を借りれば、施策で目指す最終目標(KGI)が達成できているかを判断するための数値目標(KPI)という関係性で説明できます。
よって「KPI」は「KGI」よりもさらに具体的な数値で設定されるのが特徴です。
KPIの重要性
KPIは、最終的なゴール(KGI)に正しく近づいているかを分析する上で不可欠な指標になります。
特に、SNSキャンペーンなどの一定期間に渡る施策では、定期的にKPIを分析し「キャンペーンの進捗度や改善点」をデータに基づいて判断することが重要です。
KPIに基づいて過去の途中経過と比較して効果性を測ったり、時にはテコ入れを施したりと、最終的な目標に向かって最善策を打ち出すための重要な役割を担っているといえるでしょう。
SNSキャンペーンにおけるKPIの主な指標
SNSキャンペーンで注目すべきKPIの主な指標には、以下のようなものがあります。
- インプレッション:投稿がユーザーに表示された数
- リーチ:投稿が表示されたユーザーの数
- エンゲージメント:1つの投稿に対するユーザーの反応(いいね・コメントなど)
- エンゲージメント率:投稿が表示されたユーザーに対するエンゲージメント(反応)の割合
- フォロワー数:フォロワーが増加した数・増加割合
- プロフィール閲覧数:投稿や検索結果からプロフィールを表示した数
「フォロー&いいねキャンペーン」の例に代表されるように、SNSキャンペーンの参加条件などによって大きく動く数値が変わってきます。
※尚、SNS毎にカウント方法やエンゲージメント率の計算方法は異なります。
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SNSキャンペーンの目的別「KPI」設定のポイントと指標例
それでは実際に、SNSキャンペーンの目的別に「KPI」設定のポイントを解説していきます。
目的例1.「商品の認知拡大・顧客獲得」
まず「商品の認知拡大・顧客獲得」を目的としたSNSキャンペーンでは、
- 売り出したい商品をプレゼント賞品に据える
- 当選人数を多く設定する
上記2点を押さえたアプローチがセオリーとなります。
SNSキャンペーンで自社商品をプレゼントすることは、新規顧客に対するトライアルの役割を果たすため、当選人数を多く設定し、参加ハードルを下げる手法が効果的な組み合わせです。
よって、当然ながらキャンペーンの参加条件も低く設定するため、「いいね&フォロー」、X(旧Twitter)であれば「リポストのみ」などが想定されるでしょう。
上記を踏まえた上で「商品の認知拡大・顧客獲得」を目的としたSNSキャンペーンの「KPI」設定には以下のような例が挙げられます。
「商品の認知拡大・顧客獲得」を目的としたSNSキャンペーンの「KPI」と指標例
- 設定した当選数に対して200%の参加数=エンゲージメント(いいね)を達成する
- 応募期間中のキャンペーン関連の投稿で合計10,000リーチに到達する
いずれのKPIも、SNSキャンペーンの参加母数に着目している点がポイントで、例えば「いいね」が参加条件・当選数が100名のキャンペーンであれば、200件のいいねを獲得した段階で200%の参加数を達成したことになります。
つまりは抽選倍率が2倍のSNSキャンペーンということになるため、ユーザー目線で現実的な当選ラインを提供しつつ、確実に100名から自社商品のトライアル効果を得ることにつながるでしょう。
また、SNSキャンペーンで十分な参加者を得るためには、多くのユーザーにキャンペーン情報をリーチさせる必要があります。
普段の投稿インサイトから割り出した目標となるリーチ数をKPIに設定することで、例えば、初動のリーチ数が少なければ期間中に何度かキャンペーン周知の投稿を追加するなど、状況に応じて適切な対応をとっていきましょう。
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目的例2.「アカウントの認知拡大・フォロワー獲得」
開設して間もない場合公式アカウントなどでは、「アカウントの認知拡大・フォロワー獲得」を目的としたSNSキャンペーンが効果的です。
SNS運用において「フォロワー数」は非常に重要であり、長期的な運用効果を高めるためにも「フォロー」を前提条件としたSNSキャンペーンが有効になるでしょう。
具体的な応募条件には、
- 「フォロー&いいね」
- 「フォロー&コメント」
- 「フォロー&リポスト」
などがあり、まずはフォロワーになってもらうというのが共通条件になるため、SNSキャンペーンでしか手に入らない限定品など、ユーザーに付加価値のある賞品設定が基本となります。
また、単にフォロワーが増えれば良いというわけではなく、自社の顧客層にマッチしたフォロワーを獲得することも長期的な運用効果を高める上でのポイントになるでしょう。
上記を前提に踏まえ「アカウントの認知拡大・フォロワー獲得」を目的としたSNSキャンペーンの「KPI」設定には以下のような例が挙げられます。
「アカウントの認知拡大・フォロワー獲得」を目的としたSNSキャンペーンの「KPI」と指標例
- 獲得した新規フォロワー数に対しキャンペーン実施後1ヶ月間のフォロー離脱を5%以内に抑える
- (「コメント」を応募条件に加え)主婦・ママと判断できるユーザーからのコメントを30件獲得する
まず、フォロワー獲得を目指すSNSキャンペーンでは、フォロワーを定着させるまでが最終目標(KGI)になる例が多いです。
キャンペーン参加を目的にフォローしたユーザーはすぐに離脱してしまうことも多いので、フォロワーの離脱率に注目するKPIを設定することで、次回キャンペーンまでの間隔調整や獲得したフォロワーに親和性の高いコンテンツの企画など、ファン化(顧客化)につながる施策のヒントが得られるでしょう。
また、狙った属性のフォロワー獲得を狙う場合には、「コメント」を条件に加えたキャンペーンも有効です。
獲得したフォロワーのプロフィールだけで属性を見抜くのは難しいので、例えば、主婦・ママ層向けに「家事の悩み」「子育て」などをテーマにしたコメントを応募条件に加えることで、自社が求めるユーザーのキャンペーン参加=フォロワー獲得を確認しやすくなるでしょう。
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目的例3.「話題性の獲得やブランディング」
SNSキャンペーンの中には「話題性の獲得やブランディング」に特化したアプローチもみられます。
特に、TIkTokの「ハッシュタグチャレンジ」や、X(旧Twitter)での「インスタントウィン」などは、気軽に参加できて尚且つ話題にもなりやすい点が魅力のキャンペーン手法です。
いわゆる"バズ"を生み出す上での重要なキーワードには、ユーザーによる「拡散」が挙げられ、ハッシュタグに紐づいたキャンペーンコンテンツのミーム化やリポストによる情報拡散を狙っていくことがポイントになるでしょう。
上記を踏まえた上で「話題性の獲得やブランディング」を目的としたSNSキャンペーンの「KPI」設定には以下のような例が挙げられます。
「話題性の獲得やブランディング」を目的としたSNSキャンペーンの「KPI」と指標例
- TikTokでハッシュタグチャレンジに紐づいた投稿を1週間で100件獲得する
- X(旧Twitter)でキャンペーン投稿のリポストを3日間で500件獲得する
まず前提として、TikTokのハッシュタグチャレンジで一発でバズを生み出すのは簡単ではありませんが、過去の成功事例を見ると早い時期から数百単位のチャレンジ投稿を獲得していることがわかります。
特に企業発信のダンスやミームは、コンテンツがユーザーにハマるかどうかの勝負になるため、初動の反応が非常に重要です。
よって、まずは1週間ほどの期間でKPIを設定することで、そのままバズを狙えるかどうかの指標になるでしょう。
また、X(旧Twitter)のキャンペーンに関しても、初動の反応が非常に重要で、「おすすめフィード」や「トレンド」への優先表示に影響をもたらします。
例としてリポストが参加条件であれば、3日間で500件のリポスト獲得というKPIは充分達成可能なラインになります。
いずれにしても「話題性の獲得やブランディング」を目的としたSNSキャンペーンのKPIでは、短めの判定期間を設定することで、ユーザーの初動の反応をさらなる工夫やアイデアに反映させていきましょう。
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目的例4.「UGCや商品レビューの増加」
SNS上の自社商品に関するオーガニック投稿はUGCと呼ばれ「UGCや商品レビューの増加」を目的としたSNSキャンペーンは、商品認知や購買欲を高める効果的な手法として用いられます。
レビューの投稿・検索に用いられるSNSの代表例には、InstagramとX(旧Twitter)が挙げられ、特にInstagramは、写真投稿を応募条件としたフォトコンテスト(キャンペーン)などが活発です。
基本的に「写真投稿+指定ハッシュタグ」が条件で参加ハードルがやや高めになるため、豪華な入賞賞品や公式HP・アカウントでの紹介など、キャンペーンに付加価値をもたらすアプローチがポイントになります。
また、自社商品のレビューが条件のキャンペーンにおいても、プレゼント内容の満足度が参加率とポジティブなレビューを促す理由になるでしょう。
上記を踏まえた上で「UGCや商品レビューの増加」を目的としたSNSキャンペーンの「KPI」設定には以下のような例が挙げられます。
「UGCや商品レビューの増加」を目的としたSNSキャンペーンの「KPI」と指標例
- 応募期間中の指定ハッシュタグ投稿を30件獲得する
- キャンペーン投稿のエンゲージメント率が2%を超える
前述したように、写真でのUGCを促すキャンペーンは参加ハードルが高めなので、企業認知度にもよりますが、指定ハッシュタグ投稿を30件獲得できれば上々と言えます。
特にフォトコンテストの場合は入選人数を少なめに設定し、その分を賞品豪華に充てることで企画のバランスを保つといいでしょう。
また、賞品やキャンペーン自体の評価を判断するには、キャンペーン投稿のエンゲージメント率が一つの指標になります。
特にフォトコンテストやレビューキャンペーンは「いいね」まで参加条件に入れると参加率が下がるので、投稿自体の純粋なエンゲージメント率を知る指標としてKPIに設定し、キャンペーンに対するユーザーの評価を探るといいでしょう。
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まとめ
本記事では、SNSキャンペーンを実施する際の目的別にKPIを設定する際のポイントを解説してきましたが、いかがでしたか?
SNSキャンペーンは、企業の目的に合わせて様々なアプローチが可能な反面、正しく施策効果を図るためのKPI設定の方法も多岐にわたります。
ぜひ本記事で取り上げた目的別のKPI例をご参考にし、SNSキャンペーンのさらなる改善や向上にお役立てください。
尚、SNS運用やキャンペーンでお困りの際は、成功実績が豊富な「Find Model」にお気軽にご相談ください!
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
インスタラボ編集部の公式記事。
支援実績13,700件、最大2.6億リーチ可能なFind Model(ソーシャルワイヤー株式会社)が運営しています。
ILライター:M.N・Y.O・T.S・R.S・K.Mの5名で運用。
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