ウェブ上で「テキストを書く」とき、かつては大半の人が「ブログ」を使っていました。
その後SNSが主流となり、人々はTwitterをはじめとした媒体に流れましたが、Twitterは140文字以内という制限があるなど、長文を書くことには向いていません。
そこで2014年にサービスを開始したのが、記事をPCやスマホで作成して投稿できるメディアプラットフォーム「note」です。
特に2020年に導入されたサークル機能(ファンがサークルメンバーとなって支援する月額会費制の機能)がオンラインサロンのニーズとマッチし、利用者が急増。
日本国内月間アクティブユーザー数は 6,300万人(2020年5月)、会員登録数も 500万人(2022年4月)を突破しました。(データ引用:https://note.jp/n/n705929417079)
本記事ではnoteについて、その詳細や具体例についてご紹介いたします。
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目次
「note」の特徴
画像:テキストの編集画面
前述の通り、noteは記事を投稿できるメディアプラットフォームです。
投稿できる内容は
- テキスト
- 画像(30枚まで)
- 動画(YouTubeまたはVineo)
- 音声(MP3またはAAC)
- つぶやき(140文字まで)
の5通りありますが、テキスト投稿をメインにしている方が圧倒的に多いです。
テキスト中でも見出しや画像挿入などが簡単にできるため、初心者でも簡単に読みやすい記事を作成できます。
WordPressを使ったブログの場合では、サーバーの選考やテーマ・プラグインの導入、時にはプログラミング言語の理解など、開始までのハードルが高いですが、noteではそれらのハードルを低く設定しているのが特徴です。
会員登録も簡単で、さらにはGoogleまたはTwitterのアカウントに紐づけたログインも可能です。
またnoteにもフォロー・フォロワーの制度がありますが、ある程度他のSNSで認知されているのであればフォロワーも早く集まるでしょう。
いろいろな人のnoteを読んで気に入った人をフォローすることで、自分好みのフォロワーを形成していくことも可能です。
「note」のメリット・デメリット
手軽さ
前述のように、noteはブログと比べて手軽に始めることができます。
アカウント承認からテキスト執筆開始まで早ければ1分で済みます。
さらに書き上げた記事は簡単にTwitter・Facebook・LINEでシェアできるので、他のSNSのフォロワーにも簡単に読んでもらいやすくなります。
ランキングや広告がない
多くのブログでは「アクセス数ランキング」のようなランキングがあり、上位に行けば行くほど注目度も増すのでさらにアクセス数が上昇します。
しかしnoteは「あらゆる文化圏のひとたちが共生している場所」をコンセプトに掲げているため、ランキングで優劣をつけていません。
そのため、初心者でもタグ付け次第で読んでもらえる可能性は高まります。
また、ブログはアフィリエイトと呼ばれる広告収入が主な収入源のため広告も多いですが、noteには広告が一切ありません。
読者も記事が読みやすくなり、クリエイターも広告への導入等を考えずにすみます。
コンテンツの有料販売が可能
noteは投稿する前に、「公開設定」で販売設定を「無料」と「有料」から選ぶことができます。
(デフォルト設定は「無料」)
その金額も100円〜10000円までであれば自由に設定でき、さらに有料でも「どこまでを無料で公開するか」まで設定できます。
記事の冒頭で引き付け、「その後は有料です」と設定すると有料で購入してくれる確率が上がります。
また、「マガジン」でまとめて販売というスタイルをとることもできます。
マガジンとは、お気に入りの記事をまとめたり、テーマに沿って分類したりできる機能です。
マガジン単位で有料設定ができるので、メルマガのような感覚でコンテンツを発信できます。
毎月決まった量の記事を出す方は月額課金制の「定期購読マガジン」で販売し、単独で記事を購入するより定期購読にしたほうが安い、という状況を作ることで読者を増やすこともできます。
クリエイターサポート機能
画像:クリエイターサポート画面
読者の方の中には「無料だけど、素敵な記事だったからクリエイターを支援したい」と思う方もいるかもしれません。
そんな時は記事の下部にある「気に入ったらサポート」をクリックすると、気軽に投げ銭することができます。
金額は100円〜10000円までで、140文字までなら個人的に応援のメッセージを送ることも可能です。
コンテスト・コラボ企画で雑誌への連載も
noteでは定期的にコンテスト・コラボ企画を開催しています。
クリエイター側はそのお題に沿った記事を書き、指定のハッシュタグをつけるだけで応募完了となります。
応募した作品は特設ページに掲載されるため、記事を見てもらえる確率も上がります。
上記の画像は、「文藝春秋SDGsエッセイ大賞」の応募画像です。
「#未来のためにできること」をハッシュタグに設定し記事を書くだけで応募が完了し、大賞受賞の暁には文藝春秋に全文が掲載されます。
他にも雑誌に掲載・連載される可能性のある応募は多数あるため、自分の得意とする分野で応募することができます。
書籍の出版支援も
noteでは、クリエイターの創作活動支援のため「クリエイター支援プログラム」を掲げ、多数の出版社やメディアの方々とパートナーシップを結んでいます。
そのため、哲学書・レシピ本・漫画など、多種多様な本がnoteをきっかけに出版されています。
クリエイターはいい記事さえ書くことができれば、本が出版されるのも夢ではないのです。
デメリット
広告をつけることができない
noteは広告がなく読みやすいですが、クリエイター側からすると「広告収入がない」ということになります。
noteで稼ぐためには有料コンテンツを購入してもらうしかありませんが、無料でも見ることができるものにお金を支払うのには抵抗がある人もいます。
そのため、アフィリエイトで稼ぎたい人はブログをおススメします。
装飾することができない
noteは初心者に使いやすくしているため、操作がシンプルです。
その反面、文字の色や大きさの変更など、ブログではできるのにnoteではできないことも数多くあります。
見た目の華やかさなども加味したい場合はブログのほうが便利です。
SEO分析ができない
noteには基本的に「Googleアナリティクス」のような分析機能がありません。
有料版のnote proであれば可能ですが、月に数万円支払う必要があり、初心者には向いていません。
クリエイターは「スキ」やコメントの数などでしか判断する手立てがなく、記事をさらに読んでもらうための策が練りにくくなってしまうのです。
こんな人・団体も「note」を書いてます
noteには様々なクリエイターがいますが、その中でも特徴的なクリエイターをご紹介しましょう。
企業:ロート製薬株式会社
ロート製薬と言えば123年前に創業した老舗の製薬会社で、ハトが飛ぶテレビCMでも知られています。
ただ、ロート製薬がnoteを開始したのはまだまだ企業のnoteも少ない2018年からで、まさに先駆け的な存在と言えます。
現在は社内有志によるnote編集部チームを発足し、noteに注力しているのです。
2021年の記事「創業122年の製薬会社が、noteに本気で取り組むことを決めた理由」では、「伝えたいことと、編集方針」の項目で下記の内容を記載しています。
まず、広く受け入れられた商品の開発ストーリーや、その時代ごとに企業広報で大切にしてきたことの歴史を伝えたい。
他にも、スタッフがよりよく働くための施策がつくられた背景にある考えや、個々の社員がもっているアイデアがどう生まれ、結実していくか。そういった内容を、ひとつずつ扱っていきます。
さらに、このたびのリニューアルでは、このnoteで扱うコンテンツについて、
「読んでくださった方の、心と体がウェルビーイングになるきっかけをつくること」
という方針を定めました。したがって、ふだんの仕事を書き残すだけでなく、生活に取り入れたくなるような知恵や気付きがあるかどうかを踏まえて、コンテンツを編んでいきます。
私たちのつくる肌ラボやオバジ、メンソレータムや目薬などと同じように、みなさんの生活に取り入れていただけるよう、丁寧な情報発信をこころがけたいです。
こういった観点から、社内での取り組みや新製品の紹介、さらには「妊活」のような社会の取り組みに関する記事を積極的に執筆しています。
HowTo:菅原大介|リサーチャー
菅原大介さんはリサーチャーとして小売・サービスの分野における市場調査・ユーザーリサーチ・プロダクトリサーチを担当し、自身もマーケティング・広報・店舗開発の実務経験を有する方です。
個人でも「リサーチハック」をキーワードに、リサーチの魅力や技能を普及させる著述・講演活動に取り組み、業界・職種・施策・課題ごとの調査設計やデータ分析のノウハウを多方面で紹介しています。
記事でも「リサーチャーが毎日行っている、「調べる習慣」の身に付け方」や「公式SNSの運営価値を高めるユーザーアンケート活用法」など、マーケティングに役立つHowToについて執筆しています。
さらに、noteがきっかけで、アスカビジネスから「新・箇条書き思考」という本も出版されています。
漫画:暴力とも子
画像:暴力とも子|note
noteでは画像も載せることができるため、漫画を連載する場としてnoteを選ぶ人も多くいます。
暴力とも子さんもその一人で、VR世界内での恋愛を描いた漫画「VRおじさんの初恋」は話題となり、一迅社から出版されています。
その後もBuzzfeed賞など様々な部門の賞を受賞しています。
そもそもこの漫画は2018~2019年にマンガアプリに掲載していたものを、暴力とも子さんが権利を手元に戻してnoteに再投稿したもので、noteという場所を借りることによって花ひらいた作品であるといえます。
音声:銀色夏生
画像:銀色夏生|note
銀色夏生さんは詩人、随筆家、作詞家、写真家など様々な顔を持つクリエイターです。
そんな銀色夏生さんのnoteは文章を書いているわけではなく、ラジオのような一人語りを音声メディアとして配信しています。
記事は一律100円で販売されていますが、テキストの記事同様、20分程度の音源のうち最初の1分を無料で公開しています。
初めて聞く方も、最初の部分を聞くことで温度感が伝わり、記事購入の判断がつきやすくなっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
noteは2020年代の新たなメディアプラットフォームとして、さらに広がっていくことでしょう。
初心者の方はまず無料記事を書いて話題性を集め、ある程度フォロワーが増えてきた段階で有料記事を導入することをおススメします。
参入のハードルが低く、さらにはTwitterなどのSNSと併用することで相乗効果も期待できるので、長文を書きたい人は初めてみましょう!
最後までご覧いただき誠にありがとうございます。
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