あなたは「TikTok」を使ったことがありますか?使ったことがないという方でも、「YOASOBI」や「瑛人」といったTikTokを一つにきっかけにヒットした楽曲をご存知の方は多いのではないでしょうか。
実は最近の「TikTok」では、バズる(流行する)のは楽曲に限った話ではありません。
今、そんなTikTokで話題となっているのが「TikTok売れ」という言葉です。
「TikTok売れ」とはTikTokを起点に商品が発見され、さらに爆発的に拡散されて大きなトレンドと売り上げを生み出されることを指した言葉です。
実際に、情報誌「日経トレンディ」(2021年12月号)で発表された「2021年ヒット商品ベスト30」では、「TikTok売れ」が1位に選ばれマーケティングの観点からも大きく注目されていることが伺えます。
参考:TikTok動画がきっかけでモノが売れる現象「TikTok売れ」を徹底解説!|TikTok For Business
今回は、そんなTikTok売れについて、TikTokの最新の動向について触れつつ、
- なぜTikTokで商品が売れるのか?
- 企業の販促にどう活かせるのか?
という点について、事例と合わせて紹介してきます。
企業のマーケティング活動として重要なものとなってきますので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
目次
TikTok売れとは
あらためてTikTok売れについて紹介しておきましょう。
「TikTok売れ」とは文字通り、TikTokがきっかけで商品がバズる(=流行する)ことを指す言葉です。
「TikTokで流行ってるからとりあえず買ってみる」のように、商品の認知拡大からマーケティングフェーズを飛び越えて購買までつながるため、商品販売に大きく貢献してくれる特徴があります。
従来はダンス動画やジョーク系の動画が多いと思われていたTikTokですが、利用者数および利用者層が拡大しており、商品のマーケティングプラットフォームとしても大きな注目を集めています。
TikTokでの商品販売が注目されている理由・背景
TikTokでの商品販売が注目されている理由や背景について、最新情報と照らし合わせながら紹介していきましょう。
TikTokをきっかけに商品を買う人が増えている
「TikTok売れ」が注目される背景として、TikTokをきっかけに商品を購入する人が増えているという点が挙げられます。
株式会社TORIHADAが行ったTikTokの利用動向に関する調査によると、
- 3人に1人がTikTokをきっかけに商品を購入している
- 利用者の年齢層の上昇に伴い支出金額も増加している
という結果が得られました。
まず、TikTokを利用する10~50代までを対象とした調査によると、なんと3人に1人が実際にTikTokをきっかけに商品を購入したり、サービスを申し込んでいるという結果となりました。
TikTokの投稿がきっかけで「実際に商品/サービスの購入や申込を行ったことがあるか」と聞いたところ34.01%が「はい」と回答 ▼
出典:株式会社TORIHADA社「TikTokをきっかけとする商品/サービスの購買行動調査」|PRTIMES
購入される商品については、ゲーム(アプリ)やコスメといった若年層に人気のジャンルの商品以外にも、日用品や健康食品、家具家電といった、主婦層やサラリーマン世代向けも含め、幅広いジャンルの商品が購入されているということが分かります。
また、こちらの記事の中では、日本のTikTokユーザーの平均年齢が34歳であることに加えて、平均年齢は今もなお上昇傾向にあるということが紹介されています。
出典:DIGIDAY「日本のTikTokユーザーは平均34歳、博報堂調査が示す実態:要点まとめ」
「TikTok」がこれまでの“若者向け”のイメージから次第に変化し、主婦層やサラリーマン世代にも浸透しつつあるということが伺えますね。
また、TikTokの若年層ユーザーは支出に対して積極的であるというポイントも紹介されており、TikTokが市場に与える影響の大きさを伺い知ることができます。
他のSNSとの差別化
他のSNSとの差別化が図れる点も、TikTokでの商品販売を考える上で注目すべき点と言えるでしょう。
主なポイントは以下の通りです。
- 気軽に見られ、気軽に投稿できる
- 海外に発信ができて、海外の流行を取り入れることができる
気軽に見られ、気軽に投稿できる
まず、TikTokの一番の特徴は、気軽に見られるという点にあります。
例えばYouTubeでは、数分以上の長い動画が多く、たくさんの情報を得ることができる反面、全部を視聴することに時間がかかってしまったり、最後まで見てもらえないことも多くなります。
その点、TikTokの動画は15秒~30秒程度と、短いものがほとんどです。
シンプル且つ、飽きさせない工夫をすることで、確実に最後まで見てもらえるコンテンツを作ることができます。
また、編集の手間が少ないので、投稿側にとっても、気軽に発信を続けられる点がメリットと言えるでしょう。
海外に発信ができて、海外の流行を取り入れることができる
次に、「海外に発信がすることができて、海外の流行を取り入れることができる」という点。
尚、ここで紹介するポイントは、海外のユーザーが多い、というような単純なものではありません。
一番に注目したい点は、TikTokが文章の少ない動画コンテンツであるということです。
そもそも短い動画コンテンツであるTikTokは、長い文章や複雑な内容には適しません。
そこで発信者は動きや音といった要素で、視聴者に内容を簡潔に伝えることを意識した動画を作ります。
「見ただけで分かる」「動きが面白い」という言語に左右されないグローバルな動画作りが、海外に情報を効率よく発信し、海外の流行を取り入れることに繋がります。
「バズる」仕組み!?「バイラルマーケティング」との相性が良い
さて、TikTokが流行る理由を紐解いていくと、「バイラル効果」という仕組みに辿り着きます。
「バイラル」とは、話題や流行が人から人へ、口コミや噂などによって、広まっていくことを指します。
例えばTikTokで商品がバズる場合、以下のようなパターンが考えられます。
- ある1人のユーザーが、商品を特徴的なダンスとともに動画で紹介する
- そのダンスに興味を持った別のユーザーがその動画の真似をする
- さらにそれを見た別のユーザーが、更にその動画を真似する
のように、瞬く間に人から人へと広まっていきます
この流れこそが「バイラル効果」によるもので、企業が商品販売や集客に応用していくことを「バイラルマーケティング」と言い、TikTokと非常に相性がいいマーケティング手法の一つです。
なお、実際にTikTokを利用した「バイラルマーケティング」を取り入れる際には、自然と真似したくなるような簡単でシンプルな動きやポーズを考えたり、一度見た人が覚えやすい服装やBGM選びを工夫することがおすすめです。
視覚や聴覚に訴えかける分かりやすい動画を発信し「バイラルマーケティング」を意識しましょう。
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TikTok売れの成功事例
さて、ここからは実際に「TikTok売れ」の事例について、「TikTok売れ」に繋がったポイントなども考察しながら紹介していきます。
地球グミ(プラネットグミ)
「TikTok売れ」の事例としてまず紹介したいのが「地球グミ」です。
地球を模した「プラネットグミ」というお菓子を食べる、という内容の動画がTikTokで大流行し、10万袋以上が売れたことで一時的に商品が入手困難に。
「#地球グミ」の投稿はなんと5億回再生を超え、代表的な「TikTok売れ」の例と言えます。
@aip.p.p@aip.p.p への回答 地球グミの真ん中何味?諸説あるっぽいけど苺説が濃厚と思っている #日本グミ協会 #グミ #地球グミ♬ オリジナル楽曲 - あいうえお🌈🍇💖グミ - あいうえお🌈🍇💖日本グミ協会会長
この動画は主に、
- 地球グミのパッケージを口で噛み「パキッ」と音を鳴らして開封する。
- 青い「地球グミ」を口に頬張り、食べる
- 食べ終わった後に、青くなった舌を「ベー」と出した表情を見せる。
という流れで構成されています。
短い動画ではありますが、真似しやすい明確な工程がある点が特徴になっており、「バイラル効果」による典型的な例とも言えます。
小説「残像に口紅を」
こちらの動画は、小説や本の紹介をしている「けんご」さんというTikToker (ティックトッカー)が、「残像に口紅を」という小説を紹介した30秒の動画です。
@kengo_bookこれぞ文学の良さ。たまらん。#本の紹介 #おすすめの本 #小説 #小説紹介♬ 無音 - High-Resolution Raboratory
この30秒の動画をきっかけに「残像に口紅を」の口コミが一気に広がり、書店やネットショップで品切れに。
再販に再販を重ねたこの小説は、まさに「TikTok売れ」した本と言えるでしょう。
しかし更に驚くべき点は、この「残像に口紅を」が30年前に発売された小説だったということです。
この動画のポイントとしては、文章の要点を絞り、テロップで訴えかけることで、動きの少ない動画でも視聴者にインパクトを与えることができています。
また、あえて全てを語らず、動画の最後に含みを持たせることで小説を読んでみたくなるような余韻を残している動画の構成も、商品を紹介する上で効果的です。
1人のTikTokerが、たった30秒という短い動画で、30年も前の小説を紹介し、「TikTok売れ」に。
この事例はTikTokでの商品販売において大きな可能性を感じさせてくれます。
大塚商会「ファイブミニ」
最後に紹介する「TikTok売れ」の事例は、大塚商会から販売されている飲料「ファイブミニ」の事例です。
「ファイブミニ」は“美味しく手軽な“食物繊維補給飲料”として知られ、今でも愛されるロングセラー商品です。
そんな「ファイブミニ」の売り上げがある日突然2倍に。その立役者となったのがTikTokだったのです。
@motokano._.29最近マイブームが来てるオススメドリンクだよー!🧡#ファイブミニ #食物繊維 #PR♬ WAVE 16bit 44.1khz(968422) - ImoKenpi-Dou
元々は30代〜50代をターゲットとしていた「ファイブミニ」が、美容やダイエットのおすすめ商品として若い世代の間でブームを巻き起こしました。
これをきっかけに大塚製薬はインフルエンサーを起用するなどTikTokの広告運用にも参入し、「ファイブミニ」は更なる大ヒットに繋がっています。
「ファイブミニ」のTikTok売れで注目すべき点は、
- TikTokを通して、商品が若い世代でのブームに繋がった。
- ブームを見逃さずにTikTokに参入したことで、世代を超えて愛される商品として確立された
という点です。
SNSが普する現代では、思わぬ形で商品が注目されることもあります。
チャンスを柔軟に活かせるように、今のうちからTikTokなどのSNS広告の運用についての知識や経験を積んでおきましょう。
参考:note :TikTok Japan【公式】ティックトック『TikTokで若年層を購買に結び付けた大塚製薬「ファイブミニ」』
TikTokで商品を販売するときの成功ポイント
最後に、今回の紹介した内容のおさらいも兼ねて、実際にTikTokで商品を販売するときのポイントについてまとめていきます。
若年層をターゲットにする
ユーザーの平均年齢が上昇傾向にあるTikTokですが、現状として、「TikTok売れ」の事例は、若年層でバズる(流行る)ことで、拡散されるものがほとんどです。
- カジュアルなコンテンツを心がける
- 難しい用語を使わない
という点を意識するようにしましょう。たとえば以下の動画。
@hottomotto_com@arp____k への返信 のり弁当しか勝たん ##ほっともっと ##ほっともっとしか勝たん ##hottomotto ##お腹すいた♬ เพลงคนสวย - อาร์ม ซีทู🐳
「のり弁当しか勝たん」のたった一言ですが、あえて流行りの言葉を使うことで、若年層に親しみを持ってもらえますね。
難しい説明や用語はいっさい使わず、見るだけでのり弁当が出来上がっていく工程を楽しめます。
真似したくなるコンテンツ
「バイラルマーケティング」の項で触れたように、見た人が「自分もやってみたい!」と思うような真似したくなるコンテンツを作ることを心がけましょう。
ポイントとしては、
- 誰でも参加できる企画を考案し、ハッシュタグで拡散する
- 視覚や聴覚で楽しめるコンテンツにする
という2点が挙げられます。
「自分もやってみたい!」と思ってもらうためには、誰もが簡単に参加できるという点が重要になります。
ハードルを低くめに設定することで、「自分にもできるかな?」と気軽に参加してくれる人が増えます。
また、「#〇〇チャレンジ」というように、挑戦型の企画にすることで、逆に学生の参加意欲を掻き立てる場合もあります。
商品のターゲットに合わせて企画の内容を吟味しましょう。
尚、企画の拡散を促すために、ハッシュタグ#は必ずつけることを忘れずに。
そして「真似したくなるコンテンツ」を作る上で、「動画の分かりやすさ」は非常に重要です。
一度見ただけでどんな内容か分かるように、分かりやすいテロップを入れたり、動きのあるコンテンツを心がけましょう。
たとえばこちらはUNIQLO(ユニクロ)が発信した、「#UTPlayYourWorld」というハッシュタグチャレンジです。
@uniqlo.tiktok##UTPlayYourWorld UTグローバル・インフルエンサーオーディション開催!お気に入りのUTを着て、自分らしさを表現しよう。♬ #UTPlayYourWorld - UNIQLO UT
UNIQLOのTシャツ「UT」を着た投稿を呼びかけ、上位5名を「UT」のグローバルインフルエンサーに選出するという企画です。
世界中から17日間で約9.5万人が参加、「#UTPlayYourWorld」の投稿数は約18.5万投稿を達成。
日本発としては、世界で最も視聴されたキャンペーンとなり、現在では視聴回数が7億回を突破しています。
人気のTikToker(ティックトッカー)を起用する
最後に、人気のTikToker(ティックトッカー)を起用することについて紹介します。
過去の「TikTok売れ」の成功事例を眺めると、TikToker(ティックトッカー)の発信力による影響が非常に大きいことが分かります。
TikTokでTikToker(ティックトッカー)を起用することで、
- 数多くの人に商品について拡散することができる。
- 質の高い動画コンテンツを発信できる。
というメリットがあります。
TikToker(ティックトッカー)に限らず、すでに多くのファンを獲得しているインフルエンサーは、視聴者がどんなことに興味があるのか、どうすればバズる(流行る)のかというコツを心得ています。
インフルエンサーを起用することで、より効果的な方法で、商品を多くの人に知ってもらえるきっかけになるでしょう。
また、インフルエンサーのコンテンツは質が高く、歌やダンスといった特技を活かしたコンテンツ作成を得意としている場合も多いので、企業のブランドや商品のイメージに合ったインフルエンサーの動向を常にチェックするようにしましょう。
@pepsi_cm_challenge##ペプシ生CMチャレンジ ##生コーラスパイス使用 エントリーNo.8、ローカルカンピオーネさん(@localcampione)がペプシ〈生〉オリジナル楽曲でダンス!!! ##報酬は1いいねにつき10円♬ オリジナル楽曲 - ペプシ生CMチャレンジ
こちらは「#ペプシ生チャレンジ」というハッシュタグで投稿された投稿です。
大人気ダンス系インフルエンサーである「ローカルカンピオーネ(@localcampione)」さんが起用され、サントリー「ペプシ<生>」を持ちながらかっこいいダンスを披露しています。
男性メンバーのファッションやダンスの雰囲気が、「ペプシ<生>」の商品イメージに絶妙にマッチしています。
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まとめ
今回は「TikTok売れ」をテーマに、TikTokでの商品販売の事例を、TIkTokの最新の動向に触れつつ紹介させていただきました。
TikTokは、他のSNSと比べれば、まだまだ若年層が主体のSNSですが、現在のユーザー層の変化を鑑みれば、今後の成長が大いに期待できるSNSと言えます。
ユーザーの年齢層の上昇は、ユーザーの支出の上昇にも繋がっていきますので、TikTokは今後のSNSマーケティングにおいて、更に重要な販促を担っていくでしょう。
ぜひ今後のTikTokでの商品販売に活かしていただき、次なる「TikTok売れ」を目指していきましょう。
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