インターネットの普及率は年々高まり続けています。元々はPCからのみ使用されていたインターネットは携帯電話やスマートフォンの登場以降、どこにいても簡単に利用できるものとなり、SNSの普及も進んだ近年、快適な社会生活を送る上で重要なツールとなりました。
さて、インターネットやSNSというと「若者が利用するもの」というイメージを抱きがちです。しかし近年、シニア・高齢者層のインターネット・SNS利用者が増加していることをご存知でしょうか。
携帯電話キャリア各社からはシニア・高齢者層向けスマートフォンもリリースされ、インターネットやSNS利用のハードルは低下、今やシニア・高齢者層の人々も当たり前にインターネットやSNSを利用する時代となりつつあります。
今回は増加傾向にあるシニア・高齢者層のインターネット・SNSユーザーに着目し、シニア・高齢者層向けのSNSマーケティングについて解説してまいります。自社でシニア・高齢者層向けSNSマーケティングを検討・企画される際の参考としてぜひ、ご活用ください。
目次
SNS(インターネット)を通してシニア・高齢者へ情報を届けるべき理由を統計データで解説
シニア・高齢者向けにインターネットやSNSでマーケティングを行ったとして、十分なマーケティング効果は見込めるのでしょうか。インターネット・SNSを通してシニア・高齢者へ情報を届けるべき理由について、統計データを見ながら解説していきましょう。
尚、世界保健機関(WHO)で高齢者として定義される65歳以上を含む60代に加えて、今後数年で高齢者となる50代についてデータを紹介します。
日本の高齢化が進んでおり、高齢者が今後増加する
まず、そもそも日本の高齢化が進んでおり、高齢者比率が増加している点がシニア・高齢者層へのSNSマーケティングを行うべき理由のひとつです。
総務省統計局「統計Today No.114 『人口ピラミッド』から日本の未来が見えてくる!? ~高齢化と『団塊世代』、少子化と『団塊ジュニア』~」によると、日本の総人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は2016年9月15日時点で27.3%と極めて高い水準であると発表されています。
中でも女性の高齢者割合は30.1%と高く、始めて3割を超える水準となりました。これは全国連加盟国の中で最も高く、日本は「世界一の超高齢社会」であるということになります。
以下は日本の「人口ピラミッド」です。(人口ピラミッドとは、縦軸の年齢ごとに人口を男女別の横棒グラフで表したもの)
画像:「人口ピラミッド」から日本の未来が見えてくる!?~高齢化と「団塊世代」、少子化と「団塊ジュニア」~|総務省統計局
2015年国勢調査の結果による日本の人口ピラミッドを見ると、
- 団塊世代(66~68歳、1947~49年生まれ)
- 団塊ジュニア世代(41~44歳、1971~74年生まれ)
の2つの年齢層の人口が全人口に対して非常に多いことがわかります。
団塊世代にあたる66歳人口は216万人、団塊ジュニアにあたる41歳人口は197万人となっており、1歳児人口100万人の2倍前後にも達する非常に大規模な人口となります。
高齢者は若い世代よりも消費支出額が大きい
高齢者は若い世代よりも比較的消費額が大きい点も、高齢者向けにマーケティングを進めたい理由の一つです。
年代別の消費額について、「家計調査報告(家計収支編)2018年(平成30年)平均結果の概要」より「図1-1-4 世帯主の年齢階級別消費支出額及び対前年実質増減率」にて興味深い結果が出ています。
画像:家計調査報告(家計収支編)2018年(平成30年)平均結果の概要|総務省統計局
世帯主の年代別でみた月の消費支出額を見ると、
- 40代未満世帯:270,560円
- 50代世帯:342,757円
- 60代世帯:291,019円
となっており、50代~60代がで40代未満および全世帯平均を上回っていることがわかります。
世帯主が40~49歳、50~59歳の世帯と比較すると低い金額ではあるものの、引き続き高齢化が進行する点を考慮すると、今後シニア・高齢者層の消費支出額はさらに大きくなっていくと考えられます。
紙媒体も依然人気だが、インターネット(PC、スマホ)、SNSを利用する高齢者が増えている
シニア・高齢者のインターネット/モバイル/SNSの利用については、すべてにおいて利用率が高まっています。
まず、高齢者のインターネット利用についてのデータを紹介しましょう。
総務省発表の「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、50代~60代のシニア層のインターネット(PC・スマホ)利用率が年々増加傾向である結果となっています。
画像:平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省情報通信政策研究所より。インスタラボにてタイトル・凡例追加
高齢者のインターネット利用率(行為者率)について2012年と2018年を比較すると、
- 50代:63.4%(2012年) ⇒ 82.0%(2018年)+18.6ポイント
- 60代:42.3%(2012年) ⇒ 59.0%(2018年)+16.7ポイント
となっており、50代と60代の世代で共にインターネット利用率が大幅に増加しています。
シニア・高齢者によるスマートフォンの普及についても注目すべき点です。以下は、同調査による年代別モバイルデバイスの利用率を調べた結果となります。
画像:平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省情報通信政策研究所より。インスタラボにてタイトル追加
2012年から2018年にかけてのスマートフォン利用率は
- 50代:13.7%(2012年) ⇒ 85.9%(2018年)+72.2ポイント
- 60代:4.7%(2012年) ⇒ 60.5%(2018年)+55.8ポイント
と、ここ数年で急激に伸びており、フィーチャーフォン(ガラケー)の利用率を逆転し、スマートフォン利用率がフィーチャーフォン利用率を上回りました。
SNS利用率(ソーシャルメディア行為者率)もほぼ一貫して増加傾向を見せています。
画像:平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省情報通信政策研究所より。インスタラボにてタイトル追加
高齢者世代である60代および、これから高齢者となる50代において、
- 50代:4.6%(2012年) ⇒ 28.5%(2018年)+23.9ポイント
- 60代:1.5%(2012年) ⇒ 10.2%(2018年)+8.7ポイント
のように、SNS利用者率が大きく増加していることがわかります。
特に、50代のSNS利用者数が非常に大きく伸びており、高齢化が進む日本でシニア向けマーケティングを実施する上で、インターネット・SNSを活用して接点をつくる重要性が今後さらに増していくと言えるでしょう。
ECサイトを活用する高齢者も増えており、SNS・インターネットによる誘導・集客が売り上げ拡大のチャンスになる
ECサイトを通してネットショッピングしている高齢者も増えています。
総務省統計局「統計Today No.113 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」の第4項によると、高齢者世帯におけるネットショッピングの利用割合がかなりの勢いで増加傾向にあることがわかります。
画像:統計Today No.113 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-|総務省統計局
世帯主が65歳以上の世帯におけるネットショッピングの利用率は
7.0%(2007年)⇒18.2%(2017年)
まで増加。75歳以上の世帯に関しても2017年には1割を超える12.5%まで増加しました。
「店で商品を買って持ち帰る」という負担を減らし、自宅に直接届けてもらえるECサービスの利用が高齢者にとって身近な存在・必要な存在となってきていることが分かります。
高齢者のデジタル利用傾向まとめ
ここまで紹介した高齢者のデジタル利用傾向を今一度まとめておくと、以下のようになります。
- 消費支出の多い高齢者の人口割合が増え続けている
- 高齢者のインターネット・スマホの利用率が高くなっている
- 高齢者(特に予備軍である50代)のSNS活用率が大きく伸長している
- 高齢者のECサイト利用率も高まっている
若い世代の利用が多いと考えられているECサイトですが、高齢者でも利用する人が増加していることがわかります。
そのため、シニア・高齢者層に対してもSNSやインターネット経由でECサイトへ誘導する導線づくりが有効に働き、売上拡大のチャンスになると考えられます。
シニア・高齢者へ向けたSNSマーケティング経路は大きく2つ
シニア・高齢者へ向けてSNSマーケティングを行うとして、どのようなアプローチが効果的なのでしょうか。
有効であると考えられるSNSマーケティング経路としては大きく分けて以下の2つが挙げられます。
1. シニア・高齢者に向けて直接アプローチ(高齢者専用SNSの活用)
1つめに考えられるマーケティング経路としては、シニア・高齢者に向けた直接のアプローチです。
TwitterやFacebook、Instagramなどの人気SNSをはじめ、様々なSNSが日本では利用されていますが、シニア・高齢者のユーザーが利用することを想定し運営されている高齢者専用SNSも複数存在し、多くのユーザーが利用しています。
当然ながらシニア・高齢者ユーザーの割合が多いため、高齢者専用SNSを活用することでシニア・高齢者層のSNSユーザーに直接アプローチすることができます。
知名度向上やブランディングに効果的な純広告が主になりますが、公式で提供されている広告メニューを活用した広告配信も行うことが可能です。
2. シニア・高齢者と一緒に住んでいる人へのアプローチ(介護や同居している人が利用しているSNSを活用)
2つめに考えられるのは、シニア・高齢者と同居している人や介護している人へのアプローチです。
シニア・高齢者と同居している人や介護している人が利用している人気SNS(Instagram、Twitterなど)を活用することで情報感度の高いSNSユーザーに情報を届けることができます。
自社で「SNSアカウント運用」をして集客・ファン化を促すことはまず基本となります。
各SNSが提供している「SNS広告」は年齢や性別をはじめ、趣味や志向など詳細なターゲティングが可能であり、シニア・高齢者に関連する情報を求めているユーザーへリーチしやすいという利点があります。
シニア・高齢者に関連するインフルエンサーを起用しての「インフルエンサーマーケティング」も有効で、非常に訴求力が高いPRを行うことが可能です。
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シニア・高齢者が利用しているSNSへのアプローチ方法の解説
シニア・高齢者が利用している高齢者向けSNSとはどのようなものなのでしょうか。高齢者向けSNSにおけるアプローチに方法について解説いたします。
SNSへの広告掲載による自社サイトへの誘導
高齢者向けSNSでは公式でSNS広告サービスを提供しているものがあります。
インターネット上で見かけることも多いバナー広告をはじめとした「純広告」が主となりますが、SNSへの広告掲載によって自社やブランド、製品などのブランディングや知名度向上を行うことが可能です。
自社のホームページや製品ページ、オウンドメディアなどへの誘導を行うことで効果的にシニア・高齢者のSNSユーザーにアプローチできるのが大きなメリットです。
SNSアカウント運用によるファン獲得(一部サービスで可能)
一部のサービスでは企業がSNSアカウントを運用することも可能です。
TwitterやInstagram、Facebookなどと同様フォロー機能があるSNSが多いため、有用な情報発信を継続して行うことによるファン獲得を目指すことも良いアプローチ方法です。
たとえば以下は富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社の提供する高齢者向けSNS「らくらくコミュニティ」に企業の公式アカウントを設けることができるサービスです。
シニア・高齢者が多いSNS内で企業のアカウントを運用できるため、自社でコンテンツのコントロールがしやすく、高齢ユーザーとも相互コミュニケーションが取れる点が大きなメリットとなります。
高齢者向けSNS・サービス例
日本では現在、様々な高齢者向けSNSが運営されています。
多くのSNSに共通して実装されているのは日々の出来事を書き込み投稿することができるブログ・日記機能です。投稿に「いいね!」を付けたり、気に入った人をフォローできるサービスも多く、Facebookなどと同じように利用することができます。
ジャンル別の掲示板やTwitterのように「つぶやき」を投稿することができる機能が実装されているなど機能的に充実したサービスが多く、各地で開催されるイベントなどユーザーが実際に会って交流を深める手助けをする機能があるなど、有名SNSとは異なるタイプの機能が充実しているものも多いです。
利用者の保護に努めているサービスが多く、犯罪や個人情報流出の防止、悪質なセールスの排除が行われるなど、シニア・高齢者が安心して利用できる環境づくりに力が入れられている点も高齢者向けSNSの特徴です。
以下は現在サービスが提供されている高齢者向けSNSの一例ですので参考にしてみてください。
自社商材との親和性や各社から提供されているサービス内容などを加味して、利用するSNSを選択していきましょう。
シニア・高齢者と住んでいる人へのアプローチ(介護や同居している人が利用のSNSを活用)方法の解説
シニア・高齢者と住んでいる人へのアプローチをする場合、TwitterやFacebook、Instagramなどの同居人や介護している人が利用する人気SNSを活用する方法がおすすめです。
具体的には以下のような方法が挙げられます。
SNSアカウント運営によるファン獲得(役立つ情報発信、お得なキャンペーン実施など)
まず挙げられるのは自社でSNSアカウントを運営、役立つ情報を継続的に発信したりお得なキャンペーンを実施することでファンやフォロワーを獲得する方法です。
例として、家事代行や家政婦の派遣サービスを提供している「株式会社ベアーズ」の公式Facebookアカウントを紹介します。
画像:株式会社ベアーズ 家事代行 We are Bears|Facebook
同アカウントでは、自社で提供しているサービスの紹介やメディアへの出演情報を発信している他、開催されるキャンペーンなどのお得な情報を発信しています。
最も特徴的なのは家事についてのアドバイスや豆知識などのお役立ち情報を発信している点で、掃除の際の頑固な汚れの落とし方や洗剤の選び方、掃除用具の手入れの仕方といった主婦や家事を行う人にとって大変ありがたい情報を発信しています。
実は、同社は家事代行や家政婦派遣だけでなく以下のような高齢者向けの支援サービスも提供しており、高齢者さらには高齢者の生活を心配する人(高齢となった父母の息子や娘)との接点づくりの一環としてFacebookをはじめ、Twitter、Instagram、LINE公式アカウントなど積極的にSNSを活用しています。
画像:高齢者支援|Bears
高齢者支援サービスは、実のところ高齢者自身よりも高齢者の周りの息子・娘といった「高齢者を心配する人」が必要性を感じることも多いため、
- 高齢者と一緒に住んでいる
- 高齢者を心配している人
はサービスを利用してもらうために大変重要なターゲットとなります。
そのターゲットに対して「家事で役立つ様々なノウハウ」という切り口で情報を発信し、見込み客となりうる自社サービスと親和性の高いファンを獲得しているのです。
Facebook、Instagram、Twitterなど人気のSNSは20代~40代の利用者も多く無料で始めることができるため、同社のサービスを訴求する手段として効果的と言えるでしょう。
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詳細なターゲティングができるSNS広告から自社サイトへ誘導
SNSで提供されている広告配信サービスは詳細なターゲティングのうえ広告を配信できるため非常に便利です。
年齢や性別、居住地域などといった基本的な情報に加え、ユーザーの趣味や嗜好、訪れたウェブサイトなど様々な情報を活用することで目的のターゲットに的確にリーチすることができます。
SNS広告の事例として、様々なにんにく製品を提供している「株式会社岡崎屋」が配信したTwitter広告の成功事例を紹介しましょう。
にんにく製品は高齢者の健康維持食品として高い人気を誇ります。商材のメインターゲットは中高年以上の高齢者ですが、新たな層への認知拡大のためにTwitter広告を活用しました。
黒にんにくのメインターゲット層は中高年以上の方達です。それ以外の若い層の方達にも商材認知を広めて顧客層拡大を狙いたいと思い、Twitter広告を導入しました。
こちらで紹介されている事例では、「黒にんにく」についてのTwitter広告(プロモツイート広告)を配信。効果的に拡散された結果、自社のTwitterアカウントのフォロワーを2ヶ月で約650人増やすことに成功しました。
2020年1月現在、同社のTwitterアカウントは3,500人以上のフォロワーを獲得しており、マーケティング活動に貢献するSNSアカウントに成長しています。
また、同社の公式ホームページの「お客様の声」ページでは、高齢者の方からの感想もありますが、「高齢となった自分の母親に製品を勧めた」といった感想も数多く掲載されています。
主に高齢者をターゲットとしている同社の製品ですが、高齢となった自分の母親・父親の健康を心配している若い娘・息子世代へのアプローチとしてTwitterなどSNS広告の親和性が大変良いことが分かります。
SNS広告ではクリエイティブを配信できるだけでなくCTA(コール・トゥ・アクション)ボタンやリンクを設置することができ、自社サイトやオウンドメディアへ誘導できるため集客に役立てていきましょう。
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SNSインフルエンサーによる訴求力の高いプロモーション
SNSを活用したマーケティングにおいて非常に高い効果が期待できるのがSNSインフルエンサーを起用してPRを行ってもらうインフルエンサーマーケティングです。
インフルエンサーマーケティングとは、企業ブランド・製品・サービスをSNSで人気のインフルエンサーにPRしてもらい、数万人~数百万人という大変多くのユーザーに高い訴求力をもって口コミを届けるマーケティング手法です。
たとえば以下のInstagram投稿は、書籍も出版し非常に人気の高い料理系インスタグラマー「まいちく(@maichiku3)」さんによるPR投稿です。
一見普通の料理写真が並んでいますが、「まっぷる」などのブランドで有名な地図メーカー「株式会社昭文社」とタイアップし、同社の高齢者向けサービス「おかえりQR」のPRを行っている投稿となっています。
この事例では、インフルエンサーの普段の世界観を損なわないよう写真の2枚目にPRする製品画像を追加。投稿キャプションにて丁寧に解説をしています。
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普段様々な料理レシピを投稿している「まいちく」さん。こちらの投稿についても普段の投稿と同様に「おかえりQR」の紹介と無料モニター募集の周知を行っています。
無料モニターへ応募する際には「おかえりQR」の公式Instagramアカウントをフォローする必要があり、PRした企業アカウントのフォロワーを獲得する工夫も見られる事例です。
さらに注目すべき点はインフルエンサーである「まいちく」さんご自身が高齢者のご家族を介護されている点です。経験談を交えたサービスの紹介によってとても訴求力が高いPRとなっています。
「まいちく」さんが普段料理レシピを投稿されているインスタグラマーということで、フォロワーにママや高齢者介護をしている世代の人が多いこともポイント。
「まいちく」さんのように自身が高齢者との同居・介護しているインフルエンサーの発信する情報は、同じく高齢者と同居・介護しているフォロワーの共感を得やすく、似た属性のファンが集まりやすくなります。
結果的に無駄なくターゲットへ情報を届けられる点もインフルエンサーマーケティングの大きなメリットとなります。
インフルエンサーマーケティングを行う上では、起用するインフルエンサーとターゲットとするユーザーの親和性が高いほど効果を発揮しますので、インフルエンサーを起用する際には意識して選定するようにしましょう。
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シニア・高齢者へのSNSマーケティングの注意点
最後に、シニア・高齢者へのSNSマーケティングを行う上での注意点について解説いたします。
誰に訴求するのが効果的かターゲットを明確にする
高齢者向けの製品やサービスをPRしたい場合でも、高齢者自身が必要性を感じていない場合など、高齢者に直接訴求するよりも同居人や高齢者の介護をしている人に訴求したほうが効果的にSNSマーケティングを行える場合があります。
ターゲットが変わると、SNSアカウント運用内容や、SNS広告の配信先なども大きく変わってきますので、製品やサービス、ターゲットの性質を把握し、誰に訴求するのが効果的であるかターゲットをはっきりさせ、SNSマーケティングを実施するようにしましょう。
(シニア)インフルエンサーを起用する際はフォロワー属性を確認する
高齢者に情報を届けるために高齢者のインフルエンサー、いわゆる「シニアインフルエンサー」を起用したとしても、フォロワーに高齢者が多いとは限りません。
インフルエンサーマーケティングを実施する場合においても、情報を届ける相手を「高齢者」とするのか「高齢者の周辺の人」とするのかを明確にした上で、起用するインフルエンサーのフォロワー属性を確認しましょう。
※フォロワー属性とは、インフルエンサーのフォロワーにどのような人が多いのかを表したもの。
自社商材とインフルエンサーのフォロワーとの親和性が低い場合、インフルエンサーにPRをしてもらっても、似ているユーザーが興味を示さない可能性が高くなります。
性別や年代をはじめとしたフォロワーの情報は効果的にPRする上で必須となるため、インフルエンサーに聞くなどして必ずフォロワー属性を確認するようにしましょう。
シニアインフルエンサーによるPRは高い効果が期待できるが、ステマをしない/させないように注意する
シニアインフルエンサーによるPRはシニア・高齢者のファン・フォロワーに対する訴求力の高さから高いマーケティング効果が期待できますが、ITリテラシーの面などで若年のインフルエンサーに及ばない部分もあるかもしれません。
企業との関係性を明示していない、あるいはハッシュタグ「#PR」を付け忘れたなど、意図せずステルスマーケティングを行ってしまうとネット上で炎上しインフルエンサーや自社が大きな被害を被る可能性もあります。
起用するシニアインフルエンサーのITリテラシーに配慮し、PR投稿前には必ず投稿の下書きをチェックするなどトラブル防止対策を打つことが重要です。
当然ながらシニアインフルエンサーのITリテラシーの低さに付け込んでシニアインフルエンサーが不利になる条件での依頼はしてはいけません。適正な条件のもと、丁寧な話し合いの上で両者が納得する内容で契約を交わしましょう。
まとめ
シニア・高齢者向けのSNSマーケティングは現在はさほど盛んではありません。しかしながら、徐々に実施する企業は増加しており、企画・検討している企業や店舗も少なくないでしょう。
今回解説させていただいたとおり、シニア・高齢者層の人々は消費者のうちの大きな割合を占めるようになりつつあり、シニア・高齢者層のインターネット・SNSユーザーも確実に増加傾向にあります。
この機会にシニア・高齢者に向けたSNSマーケティングの企画・検討を行い、競合他社よりも早期の参入を目指してみてはいかがでしょうか。
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