昨今、コスメ・美容業界では多くの企業がインフルエンサーを起用したSNS上のプロモーション施策を実施し、成功を収めています。
そんな中、従来の広告手法に加えて、インフルエンサーマーケティングを新たに実施しようとお考えの化粧品メーカー様も多いのではないでしょうか。
インフルエンサーマーケティングを始める際に必ず考えなければいけないのが「どのSNSを使うか」「どんなインフルエンサーを起用するか」という点ですが、インフルエンサーマーケティングを初めて行う場合には特に、基準が分からず手探り状態の担当者様も多くいらっしゃるかと思います。
そこで本記事では、
- 各SNSの特徴(Twitter・YouTube・Instagram・TikTok)
- 各SNSの活用方法(認知拡大・期待感醸成・商品理解の促進等)
- 各SNSを使っているインフルエンサーの特徴・発信方法
- 各SNSを使っているインフルエンサーの事例
をSNSごとにまとめてご紹介しますので、これからインフルエンサーマーケティング を始めようという企業ご担当者様はぜひご覧ください。
各SNSの特徴・活用方法・インフルエンサーの発信方法と事例
それでは早速、各SNSの特徴・活用方法・インフルエンサーの特徴や事例をご紹介します。
まずは、Twitterの特徴・活用方法・インフルエンサーの特徴や事例をご紹介します。
Twitterの特徴と活用方法
Twitterは短文投稿をメインとするSNSです。
画像添付が必須でなく、テキストのみで気軽に投稿できることからタイムリーな情報の収集・発信に強みを持っています。
また、ワンタップで他ユーザーと投稿をシェアできる「リツイート機能」が備わっているため、ユーザー間で爆発的に情報が拡散やすい(俗に言う「バズる」という状態)ことも大きな特徴の一つです。
上記の特徴から、Twitterは「バズ」の起点になることが多くあります。
発売後、製品を使用したユーザーのクチコミが爆発的に拡散され人気に火がつくことも多々ありますが、最近では発売日前から製品がバズることも珍しいことではありません(詳細は以下の参考記事をご参照ください)。
発売前に製品がバズり、製品に対する消費者の期待感が高くなればなるほど、発売後、実際に使用したユーザーから多くのクチコミが投稿されます。
多くのクチコミが投稿されれば、さらなる「認知拡大」に繋がりますし、実際に使用したユーザーからのポジティブなクチコミがバズれば、製品の人気に拍車をかけることもできるでしょう。
Twitterはタイムリーな情報収集・発信・拡散を特徴としていることから、「認知拡大」を目的として幅広いフェーズ(発売前〜発売後〜製品の評判定着以降)で利用できるSNSですが、「期待感の醸成」に成功した場合には、ユーザーの手を借りて爆発的に情報を拡散することができます。
Twitterはあらゆる段階における「認知拡大」に利用できるSNSであると同時に「発売前にユーザーの期待感を高める」ことに成功すれば、大きな「バズ」を生むことができるプラットフォームだと言えます。
参考記事
指原莉乃プロデュースコスメはなぜヒットするのか?SNS戦略を徹底解説!
大人気コスメ「リップモンスター」はなぜバズったのか?売り切れ続出の要因はSNS!?
Twitterを利用しているインフルエンサーの発信方法とその特徴
次に、Twitterを利用しているインフルエンサーの発信方法とその特徴をご紹介します。
Twitterの美容系インフルエンサーがコスメを紹介する際には、製品のスウォッチ画像や視覚的にインパクトのある画像と共に、製品の特徴や長所をテキストで説明する投稿が一般的です。
diorステラーグロス721ちゅるちゅる pic.twitter.com/F5DlJETH7K
— (@picopucopaco) April 26, 2022
やばいクレンジング見つけてしまった...
メゾンレクシアのミルククレンジング。
洗い流した瞬間からお肌がもちもちのふっかふかになる。流してる時からお顔の手触りがもう全然違う。これ絶対3回以上プッシュで使って。強制ルール。ほんっっっと世界変わる。
話題にならないのがマジ不思議 pic.twitter.com/2YS8rmkYGa— (@picopucopaco) December 7, 2021
Twitterのコスメ紹介投稿では、テキスト+画像を組み合わせて投稿するため、
- 画像にインパクトがある場合はテキスト短めで画像重視(例:リップ・チーク等)
- 画像で魅力が伝わりにくいアイテムは長めのテキストで機能をしっかりと説明(ベースメイク・アイライナー・クレンジング・ヘアケア製品等)
する等、製品によって画像重視かテキスト重視かを変更しているインフルエンサーもいます。
Twitterで活躍するインフルエンサーの事例
Twitterアカウント:佐々木 一憲|SASAMAKE(@kaz_hm)
フォロワー数:約6.5万人(2022年6月現在)
佐々木 一憲さんは、メイクが苦手な人でも簡単にできるメイク=ササメイクを提案しているヘア&メイクアップアーティストです。
佐々木さんのTwitterでは、佐々木さんのおすすめコスメが主に紹介されています。
今月下旬に発売されるCANMAKEの柔らかいペンシルタイプの涙袋用コンシーラー『アイバッグコンシーラー』¥715
アイシャドウ→このコンシーラー→ラメの順番で使ってます。ラメは無しでも🙆🏻♂️
コンシーラーは2色ありますがピンクの02がおすすめ。限定なので見つけたら買いだと思います。僕も買い足す予定。 pic.twitter.com/11Hhf73TyE— 佐々木 一憲|SASAMAKE (@kaz_hm) May 19, 2022
本ツイートで紹介されているのは、2022年5月下旬に発売されたキャンメイクのアイバッグコンシーラーです。
本ツイートは、製品発売直前に投稿されたものでありながら、2.1万以上のいいねを獲得しており、製品への期待感醸成に一役買ったと言えるでしょう。
YouTube
次に、YouTubeの特徴・活用方法・インフルエンサーの特徴や事例をご紹介します。
YouTubeの特徴と活用方法
YouTubeは動画投稿をメインとするSNSです(動画投稿を通したコミュニケーションが行われているため、インスタラボはYouTubeをSNSと位置付けています)。
日本国内の月間利用ユーザー数は6,200万人とLINEに次いで2番目に多く、10代〜40代の幅広い年齢層が利用しています。
YouTubeは動画投稿プラットフォームであり、TikTokとは違い、ある程度の尺を使ってアイテムの特徴や使用感を紹介することができるため、特に「消費者の商品理解の促進」に強みを持っています(もちろん、チャンネル登録者数の多いユーチューバーに依頼すれば「認知拡大」にも利用できます)。
そのため、「購入を検討している消費者(=製品は認知済みで興味がある)への購買後押し」に有効なSNSだと言えます。
「商品の比較・検討」フェーズにいる消費者に、動画を通して商品理解を深めてもらうことによって、製品の購入を強力に後押しすることができるのです。
一方でYouTubeには、再生までのハードルが高いというマーケティング的な弱点もあります。
他のSNSとは違って視聴にある程度の時間がかかるというのがその理由です。
そのため、視聴者に動画を再生してもらうためには、ユーチューバー/企画・コンテンツ/製品の3つに、視聴者の興味を惹きつける要素(知名度・人気・話題性・インパクトなど)が一定程度以上含まれている必要があります。
YouTubeを利用しているインフルエンサーの特徴・発信方法
次に、YouTubeを利用しているインフルエンサーの発信方法とその特徴をご紹介します。
YouTubeではある程度の尺を使って製品を紹介することができるので、美容系ユーチューバーがコスメを紹介する際には、複数アイテムのレビュー・比較検証動画・ハウトゥー動画・ルーティーン動画等の企画を行うことが多いです。
コスメは色味・発色・艶・質感・色持ち……等々の微妙な違いが重要になる商品です。
そのため、それらのポイントが一気に把握できる動画をYouTubeで視聴し、製品の購入を検討したり、類似製品との比較検討をする消費者も多くいます。
YouTubeで活躍するインフルエンサーの事例
次に、YouTubeで活躍するインフルエンサーの事例をご紹介します。
YouTubeチャンネル:nanakoななこ
チャンネル登録者数:約125万人(2022年6月現在)
ななこさんは、岐阜県出身・在住の美容系ユーチューバーです。
ななこさんのYouTubeチャンネルでは、メイク・ファッションを中心とした情報が発信されており、10〜20代を中心に絶大な支持を得ています。
本動画でプロモーションを行っている「JILLSTUART (ジル スチュアート)」は主に、10代〜20代の女性からの支持が厚いコスメブランドです。
「デパコスには興味があるし使ってみたいけど、なかなか勇気が出ない…」という若い女性たちをターゲットとして、デパコスの中でも比較的お手軽な価格帯であるジルスチュアートのコスメを使用して実際にメイクをする様子を見せることで、購買を後押ししているPR動画となっています。
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次に、Instagramの特徴・活用方法・インフルエンサーの特徴や事例をご紹介します。
Instagramの特徴と活用方法
Instagramは画像・動画投稿をメインとするSNSです。
視覚的な情報が主になることから、魅力的な画像でブランドの世界観を訴求したり、テキストと画像を組み合わせてライフハック等の情報発信を行ったりと様々な形で利用されています。
日本では特に、ストーリーズ機能(フィードの最上部に表示され、24時間で見られなくなる投稿)が人気がを集めています。
Instagramの活用方法は「商品理解促進」と「認知拡大」です。
コスメのプロモーションにおけるInstagramの強みは、多量の情報をコンパクトにまとめて発信することができる点です。
Instagramでは1投稿につき最大10枚まで画像を添付することができるので(Twitterは1投稿につき最大4枚)、複数の画像を使用して製品の特徴を視覚的に訴求することができます。
また、テキストを使って多量の情報を伝える場合(複数のアイテムを一気に紹介する場合や、製品の細かなポイントを紹介する場合など)にも、スライド1枚あたりの情報量を適切に調節することができます。
スライドあたりの情報量を調節することによって、文字を読みやすい大きさにしたり、文字・画像同士の間隔を取ることができたりするので読み手に視覚的な圧迫感を与えずに多くの情報を提供することができます。
さらに、画像にテキストや表を添えて情報を分かりやすく整理して提示することも可能です。
このように、Instagramではコンパクトに分かりやすく情報をまとめることができるため、1つの投稿に情報量を詰め込んだ場合でも最後まで目を通してもらえる可能性が高くなります。
そのためInstagramは、「短時間」で「商品理解を深めてもらう」ツールとして有効です。
また、Instagramで大きな影響力を持つインフルエンサー=インスタグラマーを起用すると「認知拡大」にも活用することができます。
Instagramでは「リポスト」をすることによって、他ユーザーのポストを自身のフォロワーとシェアすることができますが、この機能はあまり一般的ではありません。
そのため、Twitterで見られるほどの爆発的な情報拡散は起こりにくい傾向にありますが、インスタグラマーを起用することによって、インスタグラマーの支持層からの認知を獲得することができます。
先述したように、Isntagramの投稿は短時間で目を通すことができます。
投稿を見るハードルがかなり低いため、インスタグラマーをフォローしていないユーザーにも投稿を見てもらえる可能性があります(対してYouTubeは視聴に一定程度の時間を要するため再生までのハードルが比較的に高いです)。
Instagramを利用しているインフルエンサーの発信方法とその特徴
左画像:noako_cosme 右画像:tantaline15
次に、Instagramを利用しているインフルエンサーの発信方法とその特徴をご紹介します。
Isntagramでは画像やテキストの両方を用いて情報発信することができるので、美容・コスメ系アカウントは最新のコスメやオススメの製品などの情報をコンパクトにまとめて発信しています。
Instagramの美容系インフルエンサーがコスメを紹介する際には主に、
- 一つのアイテムをピックアップして紹介
- 特定のテーマに沿って複数の商品を紹介
どちらかのスタイルで情報発信されています。
どちらの場合でもパワーポイントのスライドのようなイメージで、画像+テキストでアイテムのポイントが分かりやすく紹介されています。
Instagramで活躍するインフルエンサーの事例
次に、Instagramで活躍するインフルエンサーの事例をご紹介します。
美容系・コスメ系インスタグラマーには以下の2通りが存在します。
- インフルエンサー本人が情報発信を行う
- 投稿者本人は顔を出さず、情報のみ発信している
どちらのタイプのインフルエンサーも、スライド内で画像とテキストを併用して豊富な情報を分かりやすく発信されています。
今回は後者のタイプのインフルエンサーさんをご紹介します。
Instagramアカウント:ブルベちゃん/コスメ・ファッション・スキンケア(@bluebe_chan)
フォロワー数:約10万人(2022年6月現在)
本アカウントでは、ブルベ向けのコスメのみが紹介されています。
テーマに沿って複数のアイテムが分かりやすく紹介されているので、求めている情報が見つかりやすい便利なアカウントとなっています。
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TikTok
次に、TikTokの特徴・活用方法・インフルエンサーの特徴や事例をご紹介します。
TikTokの特徴と活用方法
TikTokはショートムービーの投稿を主とするSNSです。
投稿できる動画の長さは15秒〜3分とYouTubeに比べてかなり短くなっており、手軽に視聴できることが特徴です。
TikTokの主なユーザーは10代〜20代となっているため、若年層に向けたプロモーション施策にうってつけのSNSだと言えます。
TikTokには視聴までのハードルがかなり低いという長所があります。
動画の尺が短くスワイプでどんどん次の動画を見ることができるので、ユーザーがそのコンテンツやインフルエンサーに強い興味がなくても、動画を視聴してもらえる可能性があります。
また、TikTokはユーザーの興味関心に合わせて「レコメンド」で動画を表示します(コスメに興味があると判断されたユーザーのフィードには、コスメ系の動画が自動で配信される)。
ユーザーの興味関心に当てはまると判断されれば、フォローしていない投稿者の動画も表示されます。
そのため、製品に興味を持つ可能性が高いユーザーに自社製品を広くアピールすることができます。
一方、短尺の動画という発信方法であることから、発信できる情報量が限られているという短所もあります。
また、ユーザーはいくつもの動画をテンポよく視聴していくので、一つの動画をじっくりと視聴することはありません。
以上のことから、TikTokは「商品理解の促進」ではなく、若者向け商品の「認知拡大」を目的として商品発売時などに活用したいSNSです。
TikTokを利用しているインフルエンサーの特徴・発信方法
次に、TikTokを利用しているインフルエンサーの発信方法とその特徴をご紹介します。
TikTiokはショートムービーが発信のフォーマットであることから、BGMを使用してテンポ良く製品の使用方法を伝える動画が多く見られます。
短尺であるため、早口で情報を詰め込むタイプのインフルエンサーもいらっしゃいますが、その場合には動画内にテキストや字幕がつけられ分かりやすくなっている場合がほとんどです。
YouTubeのダイジェスト版のようなイメージで尺が短く、盛り込める情報量に限りがあるため購買を決断させる大きな決め手にはなりにくいものの、レコメンド欄で表示される動画はユーザーの好みに合わせてフォロー外からもランダムで表示されるので、「認知拡大」には大きな効果を持ちます。
TikTokで活躍するインフルエンサーの事例
TikTokアカウント:ありちゃん【美容系、コスメTikToker】(@arichan_make)
フォロワー数:約39.9万人(2022年6月現在)
ありちゃんさんは、「毎月の支出の半分をコスメに充てる女」というインパクトのあるキャッチコピーを掲げて、日々おすすめコスメを紹介しているTikTokerです。
情報量が多いながらも分かりやすい動画作りで、コスメ好きから厚い支持を得ています。
@arichan_make ドンキで買えるちょっと変わったコスメをレビュー!!!毛を描き足すためだけのアイライナーとは、一体なんぞや・・!? #PR #ケイト ♬ オリジナル楽曲 - ありちゃん【美容系、コスメTikToker】
本動画で紹介されているのは、「デザイニングライナー」という、下まつげや髪の生え際などに毛を書き足すためのライナーです。
「毛を書き足すためのライナー」という馴染みのないアイテムであるため、まずは消費者に存在と使用方法・目的の概要を知ってもらうという意図でTikTokでのPRを実施したのだと考えられます。
TikTokのおすすめ欄にはユーザーの興味に合わせた動画が自動で表示されるので、コスメや美容に興味のあるユーザーに広く認知してもらうことができます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、
- 各SNSの特徴(Twitter・YouTube・Instagram・TikTok)
- 各SNSの活用方法(認知拡大・期待感醸成・商品理解の促進等)
- 各SNSを使っているインフルエンサーの特徴・発信方法
- 各SNSを使っているインフルエンサーの事例
をSNSごとにまとめてご紹介しました。
各SNS特徴やマーケティング的長所・短所がご理解いただけたかと思います。
今回ご紹介したポイントや事例が、今後のインフルエンサーマーケティング施策の参考になれば幸いです。
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