Instagramは、10月中旬にCMA(イギリスの競争・市場庁)の調査を受け、インフルエンサーが広告主から報酬・インセンティブを受け取っていることをInstagram投稿に明記することに同意しました。
この一連のやりとりは、つまるところ、今後Instagramを活用したインフルエンサーマーケティングのルールが厳しくなることを意味しています。
とはいえ、硬く身構える必要はありません。むしろステマを防止するなどメリットも多く業界や消費者にとって健全な取り組みになるため業界としてよい動きといえるものです。
本記事では、今回のInstagram社とCMAとのやりとりにより今後どのような変化があるのか、具体的に何をすればいいのか、以下で詳しく解説していきます。
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目次
Instagram、インフルエンサー施策ルールを一部厳格化へ
冒頭で紹介しましたが、Instagramはインフルエンサーが広告主から報酬・インセンティブを受け取っていることをInstagram投稿に明記する仕組みを2021年6月までに整える方針です。
具体的に何が変わるのか
具体的には、以下の変化が見込まれています。
- インフルエンサーがプロモーションしているInstagram投稿に「タイアップタグ」を表示
- 企業とのプロモーション投稿であるか投稿前に確認する仕組みの導入
- ステマ投稿の自動検出テクノロジー・アルゴリズムの導入
企業とインフルエンサーがやるべきこととして、Instagramを活用したインフルエンサーマーケティングを行う際に「企業とのタイアップタグ」の設定が今後必要になります。
タイアップ投稿タグとは
Instagramのタイアップ投稿タグとは、広告主と製品やサービスのプロモーションを依頼しているインフルエンサーとの関係性を閲覧しているユーザーに明示したものです。
Instagramの投稿内のプロフィール名の下に「●●(ビジネス名)とのタイアップ投稿」と表示され、投稿を閲覧する消費者に企業とインフルエンサーの関係性を明示することができます。
現状、広告主から報酬を受け取り広告主の製品やサービスを紹介する「インフルエンサーマーケティング」を行う際は主に
- 「#PR」「#Promotion」などのハッシュタグをつける
- 「●●企業からいただきました」などテキストで企業との関係性を明示する
といった形で、Instagramの投稿が広告案件であることを消費者に示していました。
今後、Instagramインフルエンサー(インスタグラマー)に依頼するプロモーションを行う場合は、上記で紹介している「タイアップ投稿タグ」をつけることが必要になります。
(※企業とインフルエンサーの関係性を明示するために、ハッシュタグやテキストでの関係性を示す必要がなくなるという意味ではない。)
Instagramのタイアップ投稿タグのメリット
Instagramのタイアップ投稿タグは主に以下のメリットがあります。
ステマを防止できる
Instagramのタイアップ投稿タグの設定が義務化されることで、企業とインフルエンサーの関係性を明示しステマの可能性を大きく下げることができます。
結果的に、「企業」と「インフルエンサー」と「消費者」が健全にコミュニケーションできるようになるメリットがあります。
ステマ(ステルスマーケティング)とは、企業がインフルエンサーに報酬を渡しているプロモーションでありながら、そのことを隠したままインフルエンサーにSNSなどへ投稿させる消費者を欺く行為です。
度々ニュースになりますが、ステマが発覚すると社会的信用を失い企業とインフルエンサーはその後の活動に甚大な支障をきたしますので、ステマは絶対に行ってはいけません。
タイアップ投稿タグからブランドのInstagramアカウントへリンクできる
Instagramのタイアップ投稿タグをタップすると、企業のInstagramアカウントへ遷移できるメリットがあります。
Instagram内で自社アカウントに誘導・集客するには
- Instagramでは投稿内に「アカウントタグ」をつける
- テキストで「メンション(@●●●●)」をつける
などの方法がありますが「タイアップ投稿タグ」により自社Instagramアカウントへの入り口がさらに増えることになります。
自社Instagramアカウントにて「ショッピング機能」を設定していれば、そのまま製品を購入して売上アップにつながるなど、集客の上でも貢献してくれる重要な機能です。
関連記事
Instagramショッピング機能(Shop Now)を導入・設定する方法をわかりやすく解説
タイアップ投稿タグのついた投稿のデータを取得できる
企業は、タイアップ投稿タグを設定したインフルエンサーのInstagram投稿からインサイトデータを取得することができます。
リーチ数、エンゲージメント数、リンククリック数、投稿保存数など、PR投稿の効果計測に重要なデータを取得できますので、効果計測のさいに大いに活用できます。
また、企業とインフルエンサーの透明性を確保する上でも重要となります。
Instagramのタイアップ投稿タグはすでに実装済みで簡単に設定できる
Instagramのタイアップ投稿タグ機能は、実はすでにInstagramに実装されており簡単に取り入れることができます。
具体的には以下の要領になります。
- 【企業のやること】
依頼するインフルエンサーに「ブランドのタグ付け」を許可する - 【インフルエンサーのやること】
ブランドのPRをInstagramに投稿するときに編集画面で「ブランドのタイアップタグ」を付ける
ちなみに、タイアップタグのつけられたInstagram投稿はアルゴリズムで区別されることなく一般的なオーガニック投稿と同じように表示されるとのことなので、安心しましょう。
Instagramのタイアップ投稿タグの詳しい設定方法は以下の関連記事で紹介していますので併せてご覧ください。
関連記事
Instagramブランドコンテンツのタイアップ投稿タグについて詳しく解説
まとめ
Instagramをはじめとしたインフルエンサーマーケティングにおいて「ステマ」は大きな課題でしたが、今回のInstagramとCMAのやりとりにより、企業・インフルエンサー・ユーザーの3社の透明性が確保され、より健全なマーケティングコミュニケーションが可能になります。
「タイアップ投稿タグ」の設定は簡単にできますのでマーケティングに携わる場合は必ずチェックして早めに取り入れるようにしておきましょう。
(参考)
- Instagram to tackle hidden advertising after CMA action|GOV.UK
- インスタグラム 、インフルエンサー施策のルールを厳格化:「これから立て続けに起きる成熟の一段階」|DIGIDAY
- Instagramのブランドコンテンツツール|Instagram Business
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