近年、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や動画共有サービスで多数のフォロワーを持ち多くのユーザーに対して大きな影響力を持つ「インフルエンサー」を起用した「インフルエンサーマーケティング」の注目度が高まり、実際にインフルエンサーマーケティングを実施する企業や店舗も増えています。
今回はSNSにおいて根強い人気ジャンルである「旅行」に注目し、旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング事例をご紹介してまいります。
InstagramとYouTubeにおいて行われた事例それぞれの特徴や工夫されている点もご紹介いたしますので、自社でインフルエンサーマーケティングの実施を検討する際の参考としてぜひ、ご活用ください。
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目次
【Instagram】旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング事例
それでは早速、旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング事例をご紹介してまいりましょう。はじめにInstagramで実施されたインフルエンサーマーケティング事例をご紹介いたします。
1. 東京都・東京観光財団
はじめにご紹介するInstagramを活用した旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング成功事例は、東京都と公益財団法人東京観光財団によって実施された事例です。
東京観光財団は東京商工会議所や民間企業・団体が出捐する公益財団法人であり、さまざまなパートナーと連携して旅行者やイベントの誘致を行い東京都の観光振興を行っている団体です。
東京都と東京観光財団は2020年東京オリンピックに向けて、多種多様な東京の魅力をひとつの作品にまとめ上げて世界へ発信するプロジェクト「20 Cheers for Tokyo」を開催しました。
プロジェクトの内容は2020年にちなんで、20週間、20のテーマで東京の魅力を表す写真や映像を募集するというもの。このプロジェクトサポーターとしてインフルエンサーである「福田洋昭(@hirozzzz)」さんが起用されました。
福田洋昭さんは抜群のセンスと優れた撮影技術によってカリスマ的人気を誇る写真家であり、活動拠点である東京を中心に世界各地を渡り歩き撮影した写真をInstagramに多数投稿しています。
アーティスティックな感性の写真が世界中の人の心をつかみ、Instagramにおけるフォロワー数は2020年7月現在で約54.6万人に上る人気となっています。
インフルエンサーマーケティングのポイント解説
東京と言えば世界的にも有数の大都市ですが、そんなイメージを覆す下町の飲み屋街を撮影したノスタルジックな写真で普段は目立たない東京の魅力を紹介しています。
本プロジェクトは福田洋昭さんの他にも各国の人気インスタグラマーが複数起用されており、各インフルエンサーの特色を活かしてPRを行いました。
インフルエンサーはそれぞれ独特の世界観を持っていますので、一つのプロジェクトに複数名のインフルエンサー(インスタグラマー)を起用することで、インフルエンサーそれぞれの感性を通して多角的な表現が可能となります。
また、どのタイプのインフルエンサーに依頼すると効果が高いか検証もできるメリットもあり、次回施策の際に役立てることもできます。
観光地の定番なものはもちろん、地域の人間ではなかなか気づけない「新たな魅力」を発見し高い訴求力で発信してくれるため、新しい視点を取り入れる意味でも感性の豊かなインフルエンサーを複数起用してみるのはよい取り組みといえるでしょう。
2. JR東海(静岡県)・東京カメラ部
Instagramを活用した旅行・観光関連のインフルエンサーマーケティング成功事例として次にご紹介するのは、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)と東京カメラ部株式会社が行った事例です。
東京カメラ部株式会社は企業や団体向けにSNSアカウントの立ち上げ・運営サービスの提供やInstagramなどSNS上でのフォトコンテスト施策の運営、写真コンテンツの生成といったサービスを提供している企業です。
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こちらの事例で起用されたのは「詩歩(@shih0107)」さんです。
詩歩さんは世界各地で訪れた絶景の写真をInstagramで多数投稿されており、2020年7月現在約12.4万人に上るフォロワーを持つ人気の旅行系インスタグラマーです。
詩歩さんは書籍の出版もしており、書籍「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」はシリーズ化されるほどのベストセラーとなっています。
インフルエンサーマーケティングのポイント解説
投稿では静岡県の富士霊園で撮影された美しい写真と共に、静岡県とJR東海による「静岡デスティネーションキャンペーン」を紹介しています。
詩歩さんはキャンペーンの一環として開催されたJR東海と東京カメラ部によるフォトコンテストにおいて審査員として起用されました。
観光地を訪れている旅行が好きなインスタグラマーは写真撮影技術に秀でた人も多いため、インスタグラマーの審査員起用はユーザーのキャンペーン集客に加えて、審査員としての力量にも期待できる効果的な起用法と言えるでしょう。
また、「フォトコンテスト」により、観光地に関するクオリティの高い写真投稿がInstagramに集まるメリットもあります。
実際、キャンペーンハッシュタグである「#静岡dc」のInstagram投稿数は増え続けており、2020年7月現在2.1万件をこえる美しい写真が投稿されています。
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Instagram上に観光地の美しい写真が増えることで、旅行の情報収集をしているユーザーの興味関心を高める効果があります。
さらに魅力的な写真を広告で二次利用、地域のInstagramアカウントで紹介、ホームページやパンフレットへの掲載など応用性も高い手法です。
フォトコンテストの告知と集客に加え、Instagramに観光地の投稿を増やし地域の魅力を広く発信するという一手で様々なメリットが享受できるインフルエンサーマーケティングの成功事例といえるでしょう。
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3. JR東日本
Instagramを活用した旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング成功事例として次にご紹介するのは、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)による事例です。
JR東日本はJR各社のうち東北・関東・甲信越を事業地域にて旅客鉄道事業を営んでいる企業です。
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こちらの事例で起用されているインフルエンサーは「Halno Kujiraoka(@halno)」さんです。
「旅とファンタジー」をテーマに世界各地の旅行写真を投稿されているインスタグラマーで、箒に跨がったポーズで撮影された浮遊写真と幻想的な景色を楽しむことができる写真が大変好評です。
2020年7月現在で約26.9万人に上る多数のフォロワーを獲得しています。
インフルエンサーマーケティングのポイント解説
投稿ではまるでタイムスリップしたかのような歴史を感じさせられる町並みと幻想的な雪景色をドローンを使った空撮動画と得意の浮遊写真で紹介。
まさにファンタジーのような写真で東北は山形の魅力をPRしています。
ハルノさんのように、「特定のポーズ」をポリシーとしてInstagramに写真を投稿しているインフルエンサー(インスタグラマー)の方もいらっしゃいます。
たとえば「人気のインスタグラマーの訪れた場所で同じポーズで撮影しよう」のような形でフォトスポット化することで集客したり、観光地に関するInstagram上での投稿増加につなげることもできます。
ユニークな特徴をもったインフルエンサー(インスタグラマー)の起用も長期的な観光地の集客につなげられますので、企画アイデアとして検討してみましょう。
4. 星野リゾート
Instagramを活用した旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング成功事例として次にご紹介するのは、株式会社星野リゾートの事例です。
星野リゾートは長野県の軽井沢に本社を置く総合リゾート運営会社で、北海道から沖縄に至る日本各地でリゾート施設を運営しているほか、インドネシアや台湾、タヒチなど海外にも運営施設があります。
こちらの事例ではインフルエンサーとして「宮城舞(@mai_miyagi)」さんが起用されています。
宮城舞さんは雑誌やファッションショーでモデルとして活躍されている人物で、男の子のお子さんがいるお母さんでもあります。
Instagramではファッションを中心にお子さんやご家族と一緒に日常の風景を撮影された写真などを投稿されており、2020年7月現在でフォロワー数約36.4万人という高い人気を誇っています。
インフルエンサーマーケティングのポイント解説
PR投稿では星野リゾートが運営するリゾートホテル「リゾナーレ トマム」を宮城舞さんとそのご家族で楽しむ様子が紹介されています。
「リゾナーレ トマム」で楽しむことができる施設やアクティビティ、グルメ、サービス、雪の質に至るまで多数の写真で紹介しており、PR投稿は全部で6件に及び写真の枚数も40枚と大変熱心なPRとなっています。
紹介が大変丁寧に行われており「リゾナーレ トマム」の魅力がとてもわかりやすい良いPR投稿です。
「ファミリー向け視点」と「大人向け視点」の2つの視点でホテルの魅力を訴求しており、の両方を持ち合わせているので、ホテルのターゲットとなりうる宮城舞さんのフォロワーへ広くアプローチすることに成功しています。
また、ホテル集客では大きく
- ホテル自体を目的に来る旅行客
- ホテル周辺の観光地を目的に来る旅行客
に分かれますが、本事例は「ホテル自体」と「雪アクティビティ」の両方を上手く紹介しており、どちらを目的にしても興味がそそられるPRとなっているのもポイントです。
親子で旅行を楽しむ様子も微笑ましく、PR抜きの純粋な投稿としても魅力的な内容になっているのが素晴らしいインフルエンサーマーケティング事例といえるでしょう。
5. エイチ・アイ・エス(HIS)
Instagramでの旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング事例として最後にご紹介するのは、株式会社エイチ・アイ・エス(HIS)の事例です。
株式会社エイチ・アイ・エスは日本の大手旅行業者で、特に格安航空券の販売や比較的価格の安いパッケージツアー商品やフリープラン商品を豊富に取り扱っていることに定評があります。
本事例は純粋なインフルエンサーマーケティングではありませんが、多数のインスタグラマーを起用しているユニークな事例として、HISの運営する女性が作る旅行コミュニティ「タビジョ」をご紹介します。
タビジョは女性旅行者が旅先の魅力を発見、共有し合うことを目的として運営されているコミュニティであり、タビジョの公式Instagramアカウント(@tabi_jo)ではInstagramでハッシュタグ「#タビジョ」を付けられた旅先の写真や動画投稿が共有されています。
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インフルエンサーマーケティングのポイント解説
指定のハッシュタグがつけられたInstagramの投稿を自社Instagramアカウントにて紹介(リポスト)していますが、その中には人気のインスタグラマーも含まれており、インフルエンサーの投稿を自社Instagramアカウントに紹介することでインフルエンサーと観光地・ブランドとのつながりをつくっています。
インスタグラマーとのつながりをつくることで、あらためて観光地PRとしてインフルエンサーマーケティングを依頼するといった方法も可能のため、Instagramアカウントでインスタグラマーの投稿をリポストさせてもらう手法はマーケティングにおいて効果的です。
そのためにも、観光地やホテル・旅館などは
- 旅行客へ「自社のオリジナルのハッシュタグ」をつけてInstagramに投稿してもらう
- Instagramでハッシュタグ検索をして地域に来てくれた人へお礼をする
などSNS上のコミュニケーションをとる努力もしてみましょう。
また、タビジョでは「タビジョオフィシャルトラベラー」「タビジョ レポーター」といったアンバサダー制度も実施しており、アンバサダーによるコンテンツ・UGCをうまく活用して旅行需要の促進や自社で取り扱う旅行商品の販売促進を図っています。
Instagramにより観光客や人気のインスタグラマーとの交流をとおして、自社SNSアカウントのフォロワー獲得、ひいては自社サービスの利用へつなげている非常に学び多いインフルエンサーマーケティングの応用事例です。
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【YouTube】旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング事例
次に、動画共有サービスのYouTubeで行われた旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング事例をご紹介いたします。
1. 鈴鹿サーキット
はじめにご紹介するYouTubeを活用した旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング事例は鈴鹿サーキットの事例です。
鈴鹿サーキットは三重県鈴鹿市にあるレーシングコースを中心としたレジャー施設であり株式会社モビリティランドが運営しています。レーシングコースの周囲に宿泊施設や遊園地などがあり、自動車を題材としたモビリティリゾートを形成しています。
インフルエンサーとして起用されているのはユーチューバーの「JULIDY」です。
JULIDYは「JULIA」さんと「CODY」さんの2人で活動されているカップルユーチューバーで、チャンネル登録者数は2020年7月現在で約57万人に上ります。
VLOGを中心に旅行やファッション動画などを投稿されており、いつも仲の良い2人の様子がとても魅力的です。
インフルエンサーマーケティングのポイント解説
PR動画はJULIDYお得意のVLOG動画です。初の三重県旅行ということで鈴鹿サーキットに訪れており、遊園地のアトラクションを楽しんだりサーキットで開催されるレースを観覧したりと鈴鹿サーキットを2人で楽しむ様子が投稿されています。
動画の編集力や表現力も高く、視聴者をくぎ付けにするコンテンツ内容はさすがです。
動画の表現力が高いユーチューバーは要点を抑えつつターゲットに刺さるPRができるため、インフルエンサーの選定時にも意識したいところ。
本事例では鈴鹿サーキットの特徴や訪れた感想がしっかり紹介されており、視聴者からも施設の魅力がわかりやすくなっています。
三重県の美味しいグルメも堪能しつつ旅行を心から楽しんでいるという雰囲気が感じられる点が何よりも素晴らしい点で、観光地への集客において訴求力の高いとても良いPR動画であるといえるでしょう。
2. 京の七夕実行委員会
YouTubeを活用した旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング成功事例として次に紹介するのは、京の七夕実行委員会による事例です。
毎年8月に京都各地で開催されている「京の七夕」は様々な企業・団体の協力・協賛による七夕のイベントです。
こちらの事例では人気ユーチューバーの「QuizKnock」がインフルエンサーとして起用されています。
QuizKnockは東大クイズ王「伊沢拓司」さんを中心としたメンバーで活動されているグループユーチューバーで、2020年7月現在のチャンネル登録者数はメインチャンネルが約140万人、サブチャンネルが約47万人という大人気ユーチューバーです。
クイズや勉強をテーマにした動画を主に投稿されており、クイズ番組のように楽しむことができる動画の数々は学生をはじめとした若い世代から大人まで幅広い視聴者層から支持されています。
インフルエンサーマーケティングのポイント解説
PR動画はQuizKnockメンバーの「伊沢拓司」さんと「須貝駿貴」さんの2人が浴衣姿で京都の各地を歩きながら紹介していくというもの。
QuizKnockらしく京都についての豆知識とクイズが盛り込まれており、視聴者もクイズを楽しみながら京都についての理解を深めることができます。
「京の七夕」のイベントについても動画内で解説されているほか動画ページの概要欄に詳細情報がしっかり記載されている丁寧な作りです。
旅行や観光とは関係の薄いユーチューバーであるQuizKnockですが、地域について興味を持ってもらったり理解してもらうことがPRにおいて重要な要素となる旅行・観光業界において、教養や歴史に関連するテーマを扱うQuizKnockのようなユーチューバーの起用は高いPR効果が期待できる面白いアプローチです。
実際にPR動画に対する反響は大変大きく、動画の再生回数は2020年7月現在で約44.5万回に上り、約1,200件ものコメントが寄せられています。
特筆すべきは高評価数と低評価数の割合で、高評価数1.2万件に対し低評価数は83件と圧倒的な高評価率です。PR案件でここまで高評価の割合が大きいのは珍しく、動画内容の素晴らしさとQuizKnockの支持層の広さがうかがえるインフルエンサーマーケティング事例となっています。
3. 淡路島日本遺産委員会
YouTubeを活用した旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング成功事例として続いてご紹介するのは、淡路島日本遺産委員会による事例です。
兵庫県淡路市、洲本市、南あわじ市によるストーリー「『古事記』の冒頭を飾る『国生みの島・淡路』〜古代国家を支えた海人の営み〜」が2016年4月25日に文化庁から日本遺産として認定されており、淡路島日本遺産委員会はその魅力を発信し地域のPRを行っている団体です。
こちらの事例で起用されているインフルエンサーはユーチューバーの「こみちん」さんです。
こみちんさんはメインチャンネル「ぽこにゃん」とサブチャンネルの「こみちんチャンネル」を運営されており、メインチャンネルでは主にゲームの動画を投稿し、サブチャンネルはキャンプや旅行、DIYなどの動画を投稿しています。
2020年7月現在のチャンネル登録者数はメインチャンネルが約77万人、サブチャンネルが約14.6万人となっており、大変人気の高いユーチューバーです。
インフルエンサーマーケティングのポイント解説
本事例のPR動画はサブチャンネルの「こみちんチャンネル」で投稿されています。動画の内容はこみちんさんが1泊2日の淡路島観光を楽しむというもの。
淡路島観光協会による淡路島日本遺産をテーマにしたスマホゲームアプリ「はじまりの島」を遊ぶことで手に入るクーポンを利用しながら淡路島各地の施設やアクティビティを体験し紹介しています。
GPSを活用して観光地に行くとゲーム内で特殊なアイテムがもらえるなど、観光地巡りを促す工夫もされているのは面白いですね。
「ゲーム」は年齢・性別を問わず楽しんでもらえるジャンルのため、ゲーム動画配信をしているインフルエンサー(ユーチューバー)とコラボすることで幅広い世代にPRできるメリットがあります。
- ゲーム好きなインフルエンサーにより観光用ゲームアプリの認知拡大
- ゲームによる淡路島の理解を促進
- GPSの活用やクーポンの発行で観光地訪問の興味関心を高める
という、集客の導線設計がされたユニークなインフルエンサーマーケティング事例です。
4. パラダイスセガサミー
YouTubeを活用した旅行・観光業界のインフルエンサーマーケティング成功事例として次にご紹介するのは、韓国の観光・アミューズメント企業のパラダイスグループと日本のゲーム・アミューズメント企業のセガサミーホールディングスの合弁事業である統合型リゾート施設「パラダイスシティ」の事例です。
パラダイスシティは韓国初の統合型リゾート施設であり、カジノやクラブ、アミューズメント施設に2つの宿泊施設、様々な飲食店を楽しむことができます。
こちらの事例で起用されているインフルエンサーは2020年7月現在で約541万人のチャンネル登録者数を誇る大人気ユーチューバー「東海オンエア」です。
東海オンエアは「てつや」さん、「としみつ」さん、「しばゆー」さん、「りょう」さん、「ゆめまる」さん、「虫眼鏡」さんの6名からなるグループユーチューバーで、様々なバラエティ企画動画を多数投稿されており若者を中心に支持されています。
インフルエンサーマーケティングのポイント解説
2019年3月に屋内型遊園地「WONDERBOX」が開業したパラダイスシティですが、本動画が2019年4月に公開されていることから、日本からの旅行客を獲得するための認知拡大・集客施策としてインフルエンサーマーケティングを実施していることがわかります。
いつも賑やかで楽しげな東海オンエアらしい内容となっており、登場する施設の魅力を引き立てて訪問したくなる気持ちが掻き立てられます。
2020年7月現在の動画再生回数は約389万回という圧巻の数で、高評価数も5.6万件と多数の視聴者から好評のPR動画となっています。
こちらの事例はさらにもう一つの大きな資産を作り上げています。
それは、SEO(検索エンジン最適化)での長期的な流入です。
以下は2020年7月時点のGoogle検索結果です。「パラダイスシティ」のキーワードで検索すると、本事例のYouTube動画がピックアップされて表示されます。
画像:Google検索結果
近年、検索エンジンも進化しており、検索キーワードと関連性の高いYouTube動画も検索結果に表示されるため、動画マーケティングも大変重要な施策となっています。
コストをかけず継続的に検索エンジンからの流入が狙えるため、人気のインフルエンサー(ユーチューバー)を起用したインフルエンサーマーケティングにより、SEOも意識した「ユーザーに役立つ動画コンテンツ」を作ることも検討してみましょう。
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5. 春秋航空日本(SPRING JAPAN)
YouTubeを活用したインフルエンサーマーケティングの成功事例として最後にご紹介するのは、春秋航空日本株式会社(SPRING JAPAN)の事例です。
春秋航空日本は中国の航空会社である春秋航空公司などが出資する日本のLCC(格安航空会社)です。
こちらの事例で起用されているインフルエンサーはユーチューバーの「SUSURU TV.」です。
YouTubeチャンネル「SUSURU TV.」は各地のラーメン店で提供されるラーメンやカップラーメンなど様々なラーメンを食べて紹介するラーメン専門チャンネル。SUSURU TV.のメンバーであるSUSURUさんは毎日欠かさずラーメンを食べる「毎日ラーメン生活」を続けているほどのラーメン好きです。
ラーメン以外の料理を紹介したり料理以外のジャンルの動画を投稿するサブチャンネル「SUSURUのミッドナイトTV.」も運営されており、本事例はこちらのチャンネルでPR動画を投稿しています。
2020年7月現在のチャンネル登録者数はメインチャンネルが約82.8万人、サブチャンネルが約15.6万人となっており、グルメ系ユーチューバーの中でもトップクラスの人気を誇ります。
インフルエンサーマーケティングのポイント解説
動画の内容はSUSURUさんとチャル蔵さん、ノビーさんのSUSURU TV.メンバー3名で春秋航空日本の航空機に乗り成田空港から九州佐賀国際空港に向かい佐賀から福岡にかけて2泊3日のラーメン食べ歩きツアーを行うというもの。各地で観光を交えながら九州のラーメンを食べ歩きます。
オリジナルのオープニングやあらすじ、凝った編集でテレビ番組にも引けを取らない完成度で、3人の軽快なトークもとても面白い魅力的な動画となっています。
PRは計6本のパート編成となっており、各話の最後には春秋航空日本で利用できる九州への旅行券が当たるプレゼント企画に応募するためのキーワードが発表されているため、すべての動画を見てもらう工夫も参考になります。
そして、とにかく丁寧な動画づくりがされており非常に完成度が高いのが特徴で、PRを抜きにしても視聴者の満足度が高くなる内容になっているのが大変魅力的です。
SUSURU TV.のように丁寧かつ精力的に魅力的なコンテンツを制作できるインフルエンサーを起用することができればインフルエンサーマーケティングの効果は飛躍的に向上します。
旅行の醍醐味の一つとして「ご当地グルメ」は外せない要素になりますので、グルメ専門のインフルエンサー(ユーチューバー)を起用して自社サービスの利用を促している本事例は、観光とは少し切り口を変えたアプローチとして大変有効といえるでしょう。
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まとめ
インフルエンサーマーケティングを成功させるためには企業や商材に合ったインフルエンサーの起用が重要であり、その上で他社との差別化やマーケティング効果を高めるための工夫が必要になります。
今回ご紹介した10件の事例はどれも独自の工夫が見られ、特にユニークな特徴を持った事例も複数ありました。
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響によって旅行需要が減少し、旅行・観光業界にとって非常に厳しい年となっています。政府や地方自治体によって旅行や観光の需要を促進する施策が実施・計画されているものの、前年よりも難しい状況であることは間違いないでしょう。
コロナ禍による危機を乗り越えるための一手としてインフルエンサーマーケティングの実施を企画・検討される際にはぜひ、今回ご紹介した事例を参考にしてみてください。
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