インターネット広告が普及する昨今では、特にSNSマーケティングを広告施策の要としている企業が増えてきています。
実際に、株式会社サイバー・バズの調べによると、国内のソーシャルメディアマーケティングの市場規模は、2023年以降に1兆円を超えていくと推計から予測されています。
このような動向からも、SNSマーケティングの導入は多くの企業にとって優先事項となりつつあります。
しかしながら、新たにSNSマーケティングを導入したいけれど費用面で不安がある・コストをなるべく抑えたいといった実情があるのも事実です。
そんな時に是非とも検討したいのが、今回ご紹介させていただく、SNSマーケティングに活用できる補助金です。
補助金は、政府主導の公的機関による制度であり、審査や資格を満たすことで給付されるお金のことです。
2023年現在、SNSマーケティングに活用できる主な補助金には、
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金
という2つの制度があります。
本記事では、SNSマーケティングに活用できる上記2つの補助金について、詳細をご紹介していきます。
SNS運用担当者は特に必見の内容となっておりますので、是非とも最後までご覧ください!
目次
SNSマーケティングに活用できる主な補助金は2種類!
SNSマーケティングに活用できる主な補助金は、
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金
の2種類です。
本項で2つの補助金制度の内容や条件などをしっかりと確認しうまく活用していきましょう。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者自らが作成した持続的な経営に向けた経営計画に基づく、地道な販路開拓等の取組(例:新たな市場への参入に向けた売り方の工夫や新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発等)や、地道な販路開拓等と併せて行う業務効率化の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。
分かりやすくまとめると、地域雇用や産業を支える事業者の生産性向上と事業発展を支援するために、経営計画に基づく地道な販路開拓の取り組みに要する経費を一部補助する制度となります。
SNS運用が、事業者のとっての「販路開拓の取り組み」に該当することから、本制度を活用することが認められています。
対象者
制度の名称にもあるように、補助金の対象者は小規模事業者となります。
小規模事業者の基準は、「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」の冒頭で次のように定められています。
- 製造業その他の業種(次号に掲げる業種及び第三号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの 20人(以下)
- 商業又はサービス業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの 5人(以下)
- 政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの 当該業種ごとに政令で定める数
上記のように、業種ごとの従業員数が基準になっています。
1と2 以外の業種で、判別が難しい場合などには、近くの商工会・商工会議所に問い合わせてみましょう。
また、上記に該当する、
- 会社
- 会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合、士業法人(弁護士・税理士等))
- 個人事業主
- 一定の要件を満たした特定非営利活動法人
も対象となります。
補助上限
- [通常枠] 50万円
- [賃金引上げ枠] 200万円
- [卒業枠] 200万円
- [後継者支援枠] 200万円
- [創業枠] 200万円
- [インボイス枠] 100万円
「通常枠」の50万円をベースに、令和3年度からは、働き方改革に則った「新銀引き上げ枠」や、個人事業者に係る「インボイス枠」も新たに設置されています。
補助率
- [補助率]2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者については3/4)
補助率については、前述した補助上限に対して2/3の割合となっており、赤字事業者については3/4の割合で補助金の支給を受けることができます。
対象経費
対象となる経費は以下の項目に分けられています。
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
- 旅費
- 開発費
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 設備処分費
- 委託・外注費
尚、基本的にSNSに係る経費は「ウェブサイト関連費」に該当します。
参考資料:令和元年度補正予算・令和 3 年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型> 公募要領
IT導入補助金
IT導入補助金もSNS運用に活用することができます。
本項では、SNSマーケティングに活用することができる「通常枠」について解説します。
IT導入補助金「通常枠」とは?
中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。
自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていただくことを目的としています。引用:事業概要|IT導入補助金
IT導入補助金は、本制度が定める所定のITツールを導入する際の費用を補助してくれる制度となります。
よって、SNSマーケティングに活用したい場合に全体の経費に充てられるわけではなく、SNSマーケティングに役立つITツールを導入する際に活用できる形になります。
※IT導入補助金で活用したいSNSマーケティング向けのITツールについては、本記事の後半で詳しく触れていきます。
対象者
- 中小企業(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)
業種・組織形態 | 定義 |
1.製造業、建設業、運輸業 | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社
常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人事業主 |
2.卸売業 | 資本金の額または出資の総額が1億円以下の会社
常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人事業主 |
3.サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社
常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人事業主 |
4.小売業 | 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社
常時使用する従業員の数が50人以下の会社および個人事業主 |
5.ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社
常時使用する従業員の数が900人以下の会社および個人事業主 |
6.ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社
常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人事業主 |
7.旅館業 | 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社
常時使用する従業員の数が200人以下の会社および個人事業主 |
8.その他の業種(上記以外) | 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社
常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人事業主 |
医療法人、社会福祉法人 | 常時使用する従業員の数が300人以下の者 |
学校法人 | 常時使用する従業員の数が300人以下の者 |
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 | 常時使用する従業員の数が100人以下の者 |
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 | 上記1〜8の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者 |
特別の法律によって設立された組合またはその連合会 | 上記1〜8の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者 |
財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益) | 上記1〜8の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者 |
特定非営利活動法人 | 上記1〜8の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者 |
- 小規模事業者
- 製造業その他の業種(次号に掲げる業種及び第三号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの 20人(以下)
- 商業又はサービス業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの 5人(以下)
- 政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの 当該業種ごとに政令で定める数
※小規模事業者については、小規模事業者持続化補助金の項で触れた小規模事業者の基準と同様です。「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」と併せてご確認ください。
補助上限
- [A類型] 30万円~150万円未満
- [B類型] 150万円~450万円以下
IT導入補助金「通常枠」は、A類型・B類型に分かれおり、導入するソフトウェアの業務プロセスや賃上げ目標といった申請の要件が異なってきます。
補助率
- [A類型] 1/2以内
- [B類型] 1/2以内
補助率は[A類型][B類型]ともに1/2以内で同率です。
対象経費
- ソフトウェア購入費
- クラウド利用料
- 導入関連費
- デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)※ハードウェア購入費も対象
補助金の対象となるITツールについては、サービス等生産性向上IT導入支援事業にて必ず最新の情報をお問合せください。
小規模事業者持続化補助金をSNSマーケティングに活用する
ITツールの導入に適応するIT導入補助金に比べて、小規模事業者持続化補助金は活用範囲が広いのが魅力です。
特におすすめの活用方法として今回は、
- インフルエンサーマーケティング
- SNSアカウント運用代行
- SNS広告配信
をご紹介します。
インフルエンサーマーケティングに活用する
SNSマーケティングで絶大な効果を誇るのがインフルエンサーマーケティングです。
インフルエンサーマーケティングは、小規模事業者持続化補助金を利用するならまず選択肢に挙げておくべきSNSマーケティング戦略になります。
インフルエンサーマーケティングで注目したい強調点は、
- 多くのファンに向けた購買促進・売上獲得
- PRによる新商品・サービスの認知・拡大
に強みを持つことです。
インフルエンサーの発信力を活かしたPR施策を実施することで、通常のSNS広告を凌駕する成果に期待することができるのです。
一方で、発信力の強い(=フォロワーが多い・PR実績豊富な)インフルエンサーに依頼するには、相応の費用を要します。
その点で、小規模事業者持続化補助金を充当できることは、費用対効果を考えても大きなメリットと言えるでしょう。
また、補助金をインフルエンサーマーケティングに活用したいけど、「ノウハウがない」「成果を最大化したい」という場合には、インフルエンサーキャスティングに強み持つ会社に依頼するのもおすすめです。
小規模事業者持続化補助金は、SNS関連会社への「依頼費用」にも活用することができます。
補助金をインフルエンサーマーケティングに活用したい時におすすめ▼
Find Modelでは、過去の実績をもとに企業様のターゲットに適したインフルエンサーを選出し、KPIに見合った投稿を行うサポートを行っています。
インフルエンサーマーケティングを活用することで、自社のアカウントでは訴求できない潜在顧客へのアプローチを行うことができますので、是非ご活用ください。
SNSアカウント運用代行に活用する
小規模事業者持続化給付金を受けることで、費用面のメリットが得られる一方、実際にSNSマーケティングの施策を行うための人員やノウハウといったリソースが不足してしまうケースも多々あります。
「せっかく補助金の申請が通りそうなのにうまく活かせるか不安・・」
というような時には、SNSアカウント運用代行を依頼するのもおすすめです。
SNSマーケティング会社に依頼することで、プロのノウハウによるSNS運用、アドバイスなどを受けることができるので、自社のリソース不足を補うことができるでしょう。
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自社のアカウントの伸ばしたいとお考えのご担当者様は是非ご相談ください。
SNS広告に活用する
小規模事業者持続化補助金は、事業の販路開拓への活用としてSNS広告の出稿にも充てることができます。
特にSNSの公式アカウントをお持ちの場合には、PR投稿など広告を打ち出してみるといいでしょう。
主要なSNSでは、広告主に向けたプロアカウントやビジネスアカウントを作成することで、広告を出稿することができます。
また、SNS広告の効果を最大限に活かすには、
- 的確なターゲティング設定
- 目的に合った出稿プランの選択
- 効果測定・分析
などが重要になります。
SNS広告の効果的な運用を目指すために、プロのSNSマーケターに相談してみるのもおすすめです。
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小規模事業者持続化補助金をSNS広告やSNS運用代行に活用する際に必要となるもの
小規模事業者持続化補助金をSNS広告やSNS運用代行に活用する際に必要となるものは以下の通りです。
- 広告予算がわかる見積書
- 広告登録をした際の発注書
- 広告配信期間に応じて発生した費用データ
- 実績報告書
- 代理店から受け取る請求書
- 支払い証明書
- 掲載した広告画面など
補助金は対象となる事業の施策を終えてから給付されますので、施策を進める中で、上記の書類をもれなく控えておくようにしましょう。
IT導入補助金をSNSマーケティングに活用する
IT導入補助金は、ITツールの導入支援を目的とした補助金の位置付けになるため、ECサイト・予約・決済・業務効率化などが中心となります。
そこで今回はSNS用のツールとしてIT導入補助金の認可を得ている「OWNLY」をご紹介します。
IT導入補助金で活用したいツール「OWNLY」
IT導入補助金に活用できるSNSツールの代表例には、SNS向けマーケティングプラットフォーム「OWNLY」が挙げられます。
OWNLY(オウンリー)は、SNSのマーケティングを一元管理できるサブスクリプション型のマーケティングプラットフォームとなっており、主にTwitterやInstagramのマーケティングに適しています。
SNSキャンペーンでの集客や、ユーザーによる口コミ投稿(UGC)を活用した施策を行うことができるので、SNS上での販促に加えて、ブランディング向上を目的としたSNSマーケティングとも相性が良い点が特徴です。
IT導入補助金では、「OWNLY」の費用を充当させることができるので、ツールを導入し、その分の資金で運用をSNSマーケティング会社に依頼したり、キャンペーンの賞品に充てたりと、施策に幅を持たせることができるでしょう。
SNSマーケティングの補助金で知っておきたい注意点
最後に、SNSマーケティングの補助金について、知っておきたい注意点を解説していきます。
申請後の審査がある
補助金には審査があり、各制度の条件を満たしていたとしても必ず採択されるとは限りません。
小規模事業者持続化補助金もIT導入補助金も採択率はおよそ60%ほどになっています。
審査で重要になる点は事業計画、つまり「補助金の使い道」になります。
自社のSNSマーケティングの目的を明確にし、どのような成果を見込めるのか、入念に計画を記すことで、補助金の利用資格に値する内容であることを示しましょう。
全額支給されるわけではない
補助金には、条件に応じた補助率が設定されるため、全額支給されることはありません。
補助金の財源はあくまで税金であるため、事業の発展的な活動の相応分が支給されます。
申請の目的に準じた経費の一部を負担するような形で給付することで、本来の目的とは異なる使用や悪用を抑制しているのです。
後払いで補助される
補助金は、あらかじめ提出した事業計画の取り組みに対して発生した経費を支払い、報告が認められた後、はじめて支給されます。
よって、必要な経費は先に事業主が負担する点を念頭に入れておく必要があります。
あらかじめ運転資金やキャッシュフローを整理しておくことで、余裕のある事業計画を心がけましょう。
まとめ
今回は、SNSマーケティングに活用できる補助金についてご紹介させていただきました。
SNSマーケティングに補助金を活用することで、費用面の負担を減らすことができます。
また、申請のために事業計画書を作成する過程を通して、自社のSNSの取り組みや施策のビジョンを改めて明確にするきっかけにもなるでしょう。
SNSマーケティングに活用できる主な補助金には、
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金
上記2つの制度があります。
特に小規模事業持続化補助金は、
- インフルエンサーキャスティング
- SNS運用代行
- SNS広告
にも活用することができますので、是非ともご活用してみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!
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