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TikTok、動画に店舗レビュー機能を追加 若者の「検索」利用、Googleに対抗か
画像 : TikTok Now Displays Reviews for Certain Location-Tagged Posts in the App
ショート動画プラットフォームのTikTokは、アプリ内で店舗や施設のレビューを閲覧できる新機能のテストを開始しました。位置情報がタグ付けされた一部の動画において、コメント欄に新たに「レビュー」タブが表示されるようになっています。
ユーザーレビューを動画内で共有
アプリ研究者のジョナ・マンザーノ氏が報告した例によると、特定の動画のコメントセクションに従来のコメントとは別に「レビュー」タブが設けられています。このタブには、動画にタグ付けされた場所(店舗、レストラン、観光名所など)に関するユーザーからのレビューが表示されます。
利用者はこれらのレビューを閲覧できるだけでなく、各レビューに対して「いいね」のような形で評価(アップボート)することも可能です。さらに、レビューをタップすると、そのレビューを投稿したユーザーのTikTokプロフィールに移動できます。
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若者の情報検索ツールとしての存在感
画像 : TikTok Now Displays Reviews for Certain Location-Tagged Posts in the App
TechCrunchの報道によれば、この新機能の追加は、TikTokが検索エンジン大手のGoogleに対抗しようとする動きの一環と見られています。近年、特に若年層の間で、TikTokは新しい商品や体験を発見するための情報源として重要性を増しています。クリエイターによる直接的な紹介を通じて、様々な情報を得る傾向が強まっています。
実際に2022年には、Googleの幹部が「若者の約40%がランチの場所を探す際に、Googleマップや検索ではなく、TikTokやInstagramを利用している」と指摘したことが話題となりました。依然としてGoogleは情報検索の主要なツールですが、TikTokがこの分野で影響力を増していることは間違いありません。
独自のレビューシステム構築へ?
TikTokは過去に、Googleマップの情報を利用した店舗情報やレビュー表示機能のテストも行っていました。しかし、今回確認された新しいレビュー機能にはGoogleのロゴが見当たらないことから、TikTokがGoogleとの連携から離れ、独自のデータベース構築を進めている可能性が示唆されます。
これは、Googleが連携プロジェクトを見直したか、あるいはTikTokが自社でレビューデータを蓄積する方が、今後のサービス展開において有利だと判断したのかもしれません。
アプリ内サービスの拡充に向けた布石か
画像 : TikTok Now Displays Reviews for Certain Location-Tagged Posts in the App
この動きは、TikTokが力を入れているアプリ内ショッピング機能の拡大戦略とも関連している可能性があります。TikTokの中国版であるDouyin(抖音)では、すでにアプリ内での商品販売やサービス提供(例:フードデリバリー)が収益の大部分を占めています。TikTokは欧米市場でも同様の「アプリ内経済圏」の確立を目指しており、徐々にアプリ内での売上を伸ばしています。
しかし、米国市場においては、中国からの輸入品に対する関税引き上げなどの影響で、従来の物販型Eコマースが今後、価格面での課題に直面する可能性も指摘されています。こうした状況を踏まえ、TikTokがレビュー機能を強化することは、将来的にフードデリバリーやその他の地域密着型サービスをアプリ内に統合し、新たな収益源を確保するための布石となる可能性も考えられます。
今後の展開に注目
現在、このレビュー機能は、一部の限られた地域でタグ付けされた動画でのみ利用可能となっています。まだテスト段階ではありますが、ユーザーが場所に関する情報をTikTok内でより簡単に見つけられるようにする、興味深い試みと言えるでしょう。
この新機能が今後どのように展開され、ユーザーの利便性向上やアプリ内での購買活動にどのような影響を与えるか、注目されます。
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