
インフルエンサーマーケティングと合わせて近年話題となっているのがアンバサダーマーケティングです。インフルエンサーマーケティングと似た特徴を持ちながら、異なる特徴やメリットを持っているアンバサダーマーケティングは正しく行うことで大変効果的なマーケティング手法となり得ます。
今回はアンバサダーマーケティングを行う上で重要となる
- ブランドアンバサダーについての解説
- ブランドアンバサダーを起用する際の選定ポイント
- 実際に企業が行ったブランドアンバサダーの活用事例
をご紹介してまいります。
目次
ブランドアンバサダーとは?特徴を解説
ブランドアンバサダーとはどのようなものなのでしょうか。まずはじめにブランドアンバサダーの特徴やブランドアンバサダーを起用して行うアンバサダーマーケティングについて解説いたします。
ブランドアンバサダーとは?注目されている理由
ブランドアンバサダー(Brand Ambassador)とは、アンバサダー(Ambassador:「大使」の意)が語源であり、企業やブランドに対して好意的な意見や情報を発信し宣伝を行う人のことをいいます。潜在的な顧客に企業やブランドの魅力を広め、新たなファンの獲得を目指す、まさに「大使」としての役割を担います。
近年、様々な企業でブランドアンバサダーを起用して行うアンバサダーマーケティングが盛んに行われており、そのマーケティング効果の大きさからブランドアンバサダーはマーケティング業界で大変注目されています。
アンバサダーマーケティングとは
アンバサダーマーケティングとは、企業やブランドの熱心なファンに企業やブランドに対する好意的な意見や情報を長期的に発信してもらい、熱量の高いユーザーによる口コミ効果でファンの獲得を目指すマーケティング手法です。
インフルエンサーマーケティングがSNSなどの大規模なコミュニティ上で影響力の高いインフルエンサーを活用し、認知度向上やブランディングを行い、多くのファンを獲得することを目的として行われる認知の「量」を重視した手法であるのに対して、アンバサダーマーケティングは認知の「質」を重視した手法と言えます。
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企業がブランドアンバサダーを迎える3つのメリット
アンバサダーマーケティングを行う上で重要な要素であるブランドアンバサダーの起用。企業がブランドアンバサダーを起用することで得られる3つのメリットをご紹介します。
メリット1:ブランドとアンバサダーの長期的な友好関係を築ける
ブランドアンバサダーを起用することで企業は長期的にブランドのPRを行ってくれる熱心なファンを確保することができます。
熱量の高いファンであれば熱心にPRを行って貰えますし、企業側から発信してもらいたい情報の指定も行えます。企業やブランドに対する積極的なフィードバックも期待でき、ユーザーの意見を取り込みより良い商材を作り上げていくことも容易になるでしょう。
メリット2:起用アンバサダーに応じて詳細なターゲティングができる
商材のターゲット層をフォロワーとして多く抱えているブランドアンバサダーを起用することで詳細なターゲティングも可能です。
ブランドアンバサダーの活用しているSNSを通してターゲット層にブランドストーリーを訴求することができます。
投稿やハッシュタグを工夫することによっても効率的にターゲット層にリーチすることができるため、正確なターゲティングを行うことができる点もアンバサダーマーケティングの強みと言えます。
メリット3:自社ブランドの長期的なファン獲得につながる
ブランドアンバサダーを起用したアンバサダーマーケティングを通してターゲットにブランド理解を深めてもらうことで、顧客ロイヤルティが高い熱心なファンの新規獲得が狙えます。
ブランドアンバサダーや熱心なファンは自社ブランドに対して好意的で期待度も購買意欲も高い存在です。長期的にフィードバックを受けることが可能となり、ファンの意見を多く取り込めるため、自社ブランドの質の向上や改善を効率的に行えるようになります。
熱心なファンの期待を裏切らないブランドづくりを続けることで長期的なファンを獲得し続けることに繋がるのです。
ブランドアンバサダーを選定する際のポイント
ブランドアンバサダーを起用するメリットはお分かりいただけたかと思いますが、起用するブランドアンバサダーはどのように選べば良いのでしょうか。ここではブランドアンバサダーを選定する際のポイントを解説いたします。
ブランドストーリーに深く共感してくれる(ブランド愛用者であると理想的)
まずはじめにブランドストーリーに深く共感してくれる人物であることが重要です。ブランドに対して好意的な意見や情報を長期的に発信してもらうことになるため、ブランドに対して好意的であることは大切な前提条件となります。
ブランド愛用者であればブランドに対して好意的であることは確実ですし、ブランドへの共感・理解も深いためなお理想的であると言えます。
ブランド情報を発信する熱量が大きい(SNSでの影響力が大きく情報発信が積極的)
情報発信の熱量が大きいこともブランドアンバサダーを選定する際の最低条件です。
SNSで多くのフォロワーを抱えており、投稿の頻度が高く内容も充実している人物が理想的です。
ファンとの相互コミュニケーションを大切にしている(ファンとブランドの橋渡し役を全うできる)
アンバサダーマーケティングではいかに口コミ効果を高めるかが重要になります。そのため、ブランドアンバサダーにはファンとの相互コミュニケーションを大切にし、丁寧で積極的なコミュニケーションを取れる人物を起用しましょう。
ブランドアンバサダーはファンとブランドの橋渡し役です。しっかりとしたコミュニケーションを行うことができ、ブランド理解を促してもらえるようファンを導けるかが非常に大切なポイントとなります。
自社ブランドへの有益なフィードバックをしてもらえる(消費者の声をブランドへ届ける)
ブランドアンバサダーと企業は長期的に付き合っていくことになります。熱量が大きく自社ブランドへ熱心にフィードバックを行ってくれる人物の起用が望ましいです。ファンとブランドの橋渡し役としてファンの意見をしっかりと自社に届けてくれる人物であることも大切でしょう。
有益なフィードバックは自社ブランドの改善・価値向上につながるため、新たなファンの獲得、そしてブランドの長期的な成長のためにもとても重要なポイントとなります。
ブランドアンバサダーのマーケティング事例5選
それでは実際に企業・ブランドがブランドアンバサダーを起用して行ったマーケティングの事例をご紹介してまいります。
1.Kōki×ブルガリ
イタリアの高級宝飾品ブランド「ブルガリ(BVLGARI)」はブランドアンバサダーとしてモデルであり作曲家のKōkiさんを起用しました。
元SMAPの木村拓哉さんと歌手や女優として活躍し宝飾デザイナーでもある工藤静香さんの娘であるKōkiさんは作曲家でありながらもトップモデルを目指して活躍中であり、「ブルガリ(BVLGARI)」のブランドアンバサダーとしての起用は日本初かつ世界最年少とのことです。
モデルであれば宝飾品との縁はとても深いものです。「ブルガリ(BVLGARI)」のブランドアンバサダーとしてのKōkiさんの活躍に期待が持たれます。
参考:FASHION PRESS「ブルガリのブランドアンバサダーにKōki, 就任、日本初かつ世界最年少での起用」2018年8月9日(参照2019年6月16日)
2.大坂なおみ×日産
日本の大手自動車メーカー「日産自動車株式会社」はプロテニス選手・大坂なおみさんをブランドアンバサダーとして起用しました。現在女子プロテニス界で大活躍されている大坂なおみさん。日産自動車の高級スポーツカー「GT-R」が贈られ日産車ユーザーとなった他、CMや様々なPR・イベントに出演、日産自動車の公式Instagramの投稿にも数多く登場しています。
参考:日産自動車 ブランドアンバサダー特集ページ(参照2019年6月16日)
3.二階堂ふみ×J.Score
フィンテックとAIを利用したデータ分析を用いてスコアリングビジネスを行う企業「株式会社J.Score」は女優の二階堂ふみさんをブランドアンバサダーとして起用しました。
「株式会社J.Score」は個人の能力や可能性をスコアリングするサービスを提供しており、女優として活動しながらファッションモデルや写真家など様々な活動でクリエイティブに才能を発揮、新しいことに挑戦する二階堂ふみさんは同社のブランドイメージにマッチするとして起用するに至ったとのことです。
同社の公式ウェブサイトは二階堂ふみさんが登場するものにリニューアルされた他、都内の屋内広告やWeb広告などにも二階堂ふみさんのものが順次展開される予定です。起用から間もないですが、ブランドアンバサダーとしての二階堂ふみさんの活躍は今後広がってゆくでしょう。
参考:株式会社J.Scoreプレスリリース「J.Scoreが新たなブランドアンバサダーに『二階堂ふみ』さんを起用」2019年5月30日(参照2019年6月16日)
4.三浦大知×ニューバランス
アメリカのスポーツシューズメーカー「ニューバランス」の日本法人「株式会社ニューバランスジャパン」はブランドアンバサダーに歌手の三浦大知さんを起用しました。
ブランドスローガン「Fearlessly Independent Since 1906 君の強さは、君だ。」と独自の道を進みつつも、パフォーマンスを進化させ続ける三浦大知さんの姿勢がマッチするとしての起用であり、起用以後、三浦大知さんを前面に押し出したキャンペーンやプロジェクトが実施されています。
三浦大知さんも自身がパフォーマンスを行う際には「ニューバランス」の製品を使用していることを語っており、ブランドアンバサダー就任に際して新作シューズ「CM997H AI」が贈られました。
参考:FASHIONSNAP.COM「ニューバランスがブランドアンバサダーに三浦大知を起用、夢を実現する若者を応援」2019年2月13日(参照2019年6月16日)
5.田中美里×LOUVREDO(ルーヴルドー)
髪・肌を復元させるコンセプトで化粧品や美容器具などを開発・販売している企業「株式会社LOUVREDO」はブランドアンバサダーとして女優の田中美里さんを起用しました。8年前から同社の製品を愛用しており、ブランドアンバサダー就任前から雑誌やブログで同社の製品を紹介するなど同社製品の大ファンであったという田中美里さん。
テレビや映画、舞台などで活躍し輝く人生をおくられている点から同社との親和性が高く、LOUVREDOブランドの理念「ひとは、輝き続ける。」を体現する象徴として田中美里さんがブランドアンバサダーとして起用されました。
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8年も前からブランドの製品を愛用し大ファンであるという田中美里さん。女優として輝かしく活躍されている点も合わせて、同社のブランドアンバサダーとしてぴったりの人選と言えますね。
参考:SankeiBiz「女優 田中美里さんをLOUVREDOのブランドアンバサダーに起用 『ひとは、輝き続ける。』をテーマに特設サイトも公開」2019年5月1日(参照2019年6月17日)
SNSで人気の「インフルエンサー」をブランドアンバサダーに起用するアイデアと事例を紹介
テレビに出演している有名人をブランドアンバサダーに起用できれば、消費者から見える自社ブランドのイメージも大きく変わるでしょう。
しかしながら、実際のところブランドがタレントや芸能人とアンバサダー契約を結ぶというのは、様々な制約・調整・費用などがかかりハードルが高めのため実施に踏み切れないこともあります。
そこで、SNS上で人気の「インフルエンサー」をブランドアンバサダーとして迎えるアイデアをご紹介します。
インフルエンサーとは
インフルエンサーとは、InstagramやYouTubeなど人気SNS上で数万人~数十万人規模のファン(フォロワー)を抱えるカリスマユーザーを指します。
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上記のInstagram投稿は、人気インフルエンサーのゆうこす(@yukos0520)さんのものです。最近ではSNSで人気のインフルエンサーがテレビ出演しているなど、SNSをきっかけに爆発的な人気を獲得して有名になっている方も数多くいます。
インフルエンサーはInstagramやYouTubeといったSNSで主に情報発信をしており、コスメ、ファッション、ライフスタイル、グルメなど様々なジャンルに特化した専門性の高いインフルエンサーが活躍しています。
SNSのメインユーザー層は20代~30代男女のため、自社ブランドがその世代をターゲットとしているなら親和性が高いインフルエンサーも見つかるでしょう。
インフルエンサーをブランドアンバサダーとして起用した事例
インフルエンサーをブランドアンバサダーとして起用している事例を紹介します。
COFFRET D'OR(コフレドール)|株式会社カネボウ化粧品
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上の投稿はインフルエンサーであるMIHO*(@mmmiiihhhooo214)さんのInstagram投稿です。
株式会社カネボウ化粧品が展開するブランド「COFFRET D'OR(コフレドール)」のアンバサダーとして新製品をレポートしています。
フォロワーが数万人の「マイクロインフルエンサー」は、フォロワーが数十万~数百万人規模の「メガ/マクロインフルエンサー」よりもいいね!やコメントといったファンからの反応率が高い傾向にあります。
フォロワーにとって身近な存在であるマイクロインフルエンサーの投稿は訴求力のある口コミとなり、購買意欲の向上につながります。
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ゼロから学ぶインフルエンサーマーケティング-費用の現実と相場、依頼から分析の流れ
DHC|株式会社ディーエイチシー
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上の投稿は株式会社DHCの公式アンバサダーである野村日香理(@nomura.hikari)さんのInstagram投稿です。
同社は「DHC MUSE」として4名のインフルエンサーをアンバサダーとして長期にわたり起用しており、野村日香理さんはファッション部門の広告塔としてブランドアンバサダーを務めています。
DHCのファッションアイテムを取り入れたコーディネート写真はDHCの公式Instagramアカウント(@dhc_official_jp)でも2次利用され、公式アカウントのクリエイティブとしてさらに活用されています。
インフルエンサーの投稿に自社製品を紹介してもらい自社のInstagramアカウントにファンを誘導。さらにオンラインショッピングへつなげる導線づくりなどアカウント運用も参考になる事例です。
今では、ミレニアル世代は用がない限り企業・ブランドのウェブサイトを閲覧しないという調査結果もあります。(参考:ミレニアル世代は企業サイトをみない?コーポレートサイトに関するアンケート調査|AMP)
いかにターゲットとのタッチポイントを確保し、ブランドストーリーを伝えファンとして育成・ロイヤルティを高められるかが今後のブランドマーケティングで重要となってきます。
SNSで人気のインフルエンサーをブランドアンバサダーとして起用し、ターゲットとの長期的なリレーションを通してブランディングを行う施策も一つのアイデアとして検討してみてはいかがでしょうか。
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ブランドアンバサダーについて まとめ
ブランドアンバサダーの特徴や起用するメリット、実際に企業がブランドアンバサダーを起用した事例をご紹介してまいりました。
ブランドアンバサダーは自社ブランドの性質やマーケティングの目的に合わせて選定することが重要です。今回ご紹介した事例のように著名人をブランドアンバサダーとして起用することはなかなかハードルが高いもの。
しかしながら、ブランドアンバサダーの選定する際のポイントはどんな企業でも変わりません。ブランドアンバサダー起用の際には自社ブランドにマッチした人物の起用を心がけましょう。
本メディア「インスタラボ」を運営するFind Modelは、インフルエンサーマーケティングのリーディングカンパニーとして、豊富なSNSマーケティング支援や本メディアでの情報配信により蓄積されたノウハウを活用してお客様のブランド価値向上を実現いたします。
過去の成功事例やアンバサダー/インフルエンサー候補リストを見てみたいなど、ご検討の際は是非お気軽にご相談ください。
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