インスタグラムは現在、多くの企業がマーケティング施策に取り入れる必須のSNSの一つとなっています。しかしながら、インスタグラム広告や企業アカウントの運用を始めたら、その効果を正確に測定し、分析することが必要不可欠となります。
しかし、多種多様な分析項目や公式ツールの使い方、加えて、数多く存在する分析ツールの中からどれを選べばいいかといった問題に直面してしまうことも少なくありません。
そこで、この記事では、効率的にインスタグラム分析を行うために必要な基本的な項目や公式ツール「Instagramインサイト」の活用方法をはじめ、インスタラボが厳選した7つの分析ツールを紹介し、その選定基準も解説します。この記事を読めば、初心者でも安心してインスタグラムの分析に取り組むことができるようになります。
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目次
- 1 なぜInstagram分析が重要なのか
- 2 Instagram分析を行うときに確認したい重要指標
- 3 無料で利用できる「Instagramインサイト」の活用で基本的な分析が可能
- 4 Instagramインサイトと合わせて使いたいおすすめのInstagram分析ツール7選
- 4.1 SINIS(サイニス)│アプリで閲覧していたインサイトデータをPC管理
- 4.2 Insight Suite|公式ツール以上の情報量を無料で確認可能
- 4.3 MASAI(マサイ)|100以上の指標データから自社KPIにあわせた数値振り返り
- 4.4 Aista(アイスタ)|アカウントの全体動向、投稿分析が行える
- 4.5 Iconosquare|解析内容が一目で分かるようなビジュアルで、プレゼン等にも活用可能
- 4.6 Union Metrics|基本的な解析に加え、競合分析・リアルタイムデータ分析が行える
- 4.7 シェアコト インスタレポ|KPI把握に役立つ分析内容をPDF形式のレポートにまとめてくれる
- 5 Instagram分析ツールの選び方
- 6 まとめ
なぜInstagram分析が重要なのか
そもそも、Instagramの分析はなぜしなければいけないのでしょうか。
それは、現状の施策が目標達成のために適しているのかどうかを判断するためです。また、これらの現状分析に加え、その分析結果によって洗い出された問題点を軌道修正することでゴールまでの最短経路を歩むことができるというメリットがあります。
Instagramを活用した施策や広告を打ち出す場合、認知向上や特定のCV獲得といったマーケティング上の目的と、それを達成したかどうかを判断するために「フォロワーを○人増やす」「いいね!数を○獲得できるようにする」のようなKPIの設定を行なっているはずです。
定期的にInstagramの分析を行うことで現状の目標達成率を把握できるので、目標を達成するために取るべき最善の改善策を選択することができるようになります。
Instagram分析を行うときに確認したい重要指標
設定した目標やKPIによって分析時に重視すべき数値は変わってきますが、ここではどのような目標設定をした場合でも重要となる7つの指標について紹介していきます。
フォロワー数と日々の増減率
インスタグラムではフォロワー数が最も重要な数値となっています。
フォロワーが増えることによって、そのアカウントで表示される広告の影響力もあがるからです。
いいねの数やコメント数、エンゲージメント率をあげるためにもまずはフォロワー数を増やす必要があります。
長年インスタグラムをやっていてもフォロワー数が伸びない場合、ユーザーに受け入れられていない原因が潜んでいると考えられます。
いいねの数
いいねの数も非常に重要な数値となります。ユーザーは写真が良いと思った時にいいねを押してくれます。
いいねの数が少ない場合はその写真の質、コンテンツになにかしら改善点があるはずです。フォロワー数とともに増やしていきたい数値です。
コメント数
フォロワーやいいねの数が増えてきた次はコメントの数を気にしましょう。
コメント数が多いのは、それだけフォロワーからのエンゲージメント率が高いことを意味します。
コメント数を増やすためには質の良い写真やコンテンツだけでなく、キャプションに書くテキストなどでも工夫する必要があります。
エンゲージメント率
エンゲージメントはSNS上で使われることが多い用語の一つ
エンゲージメントが強いとフォローしてもらえるのはもちろんのこと、いいねやコメントも多くつけてもらえるようになります。
エンゲージメント率=(いいねの数+コメント数)/フォロワー数の計算式で数値を出すことが可能です。
日々のエンゲージメント率をチェックし、下がっている場合は写真の改善などのアクションを行う必要があります。
投稿時間
投稿時間によってインスタグラムのユーザーの反応は大きく変わります。
投稿時間の設定はインスタグラム広告のターゲットによって変えましょう。学生や社会人などでもインスタグラムをチェックする時間帯は大きく変わります。
日々写真を投稿する中で、一番効果的な時間帯を見つけていきたいところです。
クリック数
インスタグラムの投稿でユーザーがどれだけ広告のリンクをクリックしたかを把握することはとても大切です。
たとえばAの投稿ではクリック率が少なく、Bの投稿ではクリック率が多い場合、ユーザーはBのコンテンツの方が高い関心を示したと考えられ、次からのコンテンツ作りの参考にすることができます。
コンバージョン率
クリック数と同様に重要なのがコンバージョン率です。
コンバージョンとは事前に定義した最終成果であり、「商品の購入」「資料請求」「問い合わせ」「会員登録」などが代表的なものです。
こちらの定めた最終的なゴールに至れば「コンバージョン」です。つまり、業界やサービス、ユーザーの状況によって、「コンバージョン」の指すものは変化します。
コンバージョン率=(コンバージョン数÷訪問者数)という計算式で数値を出すことが可能です。これでコンバージョン率を高めるためにはどういったコンテンツが良いのかを考える参考にすることができます。
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保存数
保存数とは、投稿がどれだけ保存されたかを図るための指標です。
保存した投稿をカテゴリーごとに分類する機能も追加されるなど、ユーザーが活用しやすい機能に改善されていることが伺えます。
保存数が多い
=ユーザーの興味関心が高い
=良質なコンテンツ
と判断することができ、保存数はユーザーが「またあとで見たい」という投稿であることの表れとも捉えられます。
さらに、インスタラボのインフルエンサーマーケティング施策の実データでは、投稿の保存数に比例して商品の購買数も増えたという結果が出ています。
保存数は、ユーザーの関心が高く、購買にもつながりやすい投稿か否かを判断する重要な指標となります。
無料で利用できる「Instagramインサイト」の活用で基本的な分析が可能
効果測定数値を日々分析するのは大変です。インスタグラムの効果測定の数値を効率よく分析するために、分析ツールを活用しましょう。
まずは、インスタグラムの公式ツール、Instagramインサイトで出来ることと使い方を解説します。
Instagramインサイトは企業向けアカウント用にインスタグラムが用意している「Instagramビジネスツール」のひとつです。
インスタグラムのアカウントをビジネスプロフィールに変更すると、Instagramインサイトを無料で利用できるようになります。
Instagramインサイトは数値計測とフォロワー属性解析、投稿のソートが可能
数値計測
投稿やストーリーなどコンテンツの閲覧状況に数値を計測します。
数値の計測期間は過去7日間~過去90日間まで選択することが可能です。
インプレッション数、リーチ、自社ウェブサイトクリック、フォロワーアクティビティ、エンゲージメント、動画の再生数、投稿の保存数等が分析できます。
投稿ごとのインプレッション、リーチ、エンゲージメント、アクティビティを確認することもできます。
フォロワー属性解析
自社のフォロワーについての情報を解析します。
自分のフォロワーについて、性別、年齢、位置情報、アクティブな時間帯の他、インプレッション数、リーチ、エンゲージメント数を確認できます。
投稿のソート
全ての投稿を次のインサイト順で並べ替えができます。
・インプレッション
・リーチ
・アクション
・いいね!
・コメント
Instagramインサイトはこうした解析作業が行えますが、今のところPCからの閲覧やCSV等を利用したデータエクスポートには対応していません。
Instagramインサイトを導入するには「ビジネスプロフィール」を設定する
インスタグラムのアカウントがビジネスプロフィールになっていれば、誰でも利用可能です。
どうすればビジネスプロフィールに変更できるのかわからない、という方は以下の手順で設定を変更してみてください。
変更の手順
1.Facebookページを作成する
2.インスタグラムのプロフィールを「ビジネスプロフィール」へ変更
3.Facebookページを関連付ける
①プロフィールを表示し、歯車をタップしてオプションページを表示。
② [ビジネスプロフィールに切り替える]をタップ。
③[Facebookページをリンク]画面でインスタグラムのビジネスプロフィールと関連付けるページを選択
※関連付けられるFacebookページは1つのみです
④[ビジネスプロフィールを設定]ページでFacebookからインポートされたビジネスの連絡先情報を確認
メール・電話・住所、いずれか1項目で良いので入力します。入力が終われば画面右上の「完了」ボタンをタップします。
これで導入や設定は完了です。週ごとの投稿のインプレッションやリーチを確認したり、人気の投稿をランキングで並び替えをしたりして自分のアカウントを分析していきましょう。
ビジネスプロフィールに切り替えると連絡先の表示を表示でき、ビジネスの入り口が広がる
ちなみに、ビジネスアカウントに変更すると、連絡先アイコンがプロフィールに表示されるようになります。
このアイコンをタップしてもらうと直接メールや電話の連絡ができます。
商品についての問い合わせ、仕事の依頼を受けるなどビジネスの入り口が広がります。
Instagramインサイトを使った具体的な分析方法、PDCAの回し方に関して参考になる情報は【徹底解説】instagramインサイトの分析で過去最大の効果を出す具体的な技術の記事にて詳しく書いていますので併せてご活用ください。
Instagramインサイトと合わせて使いたいおすすめのInstagram分析ツール7選
Instagramインサイトでもある程度の解析を行うことはできますが、それだけでは自社が求める情報を得るには不十分だった、もっと詳細な分析結果が欲しい、という場合も多いと思います。
そのような時は企業が提供を行なっている分析ツールを併用することでより正確な分析を行うことが可能になります。
今回は数多くあるツールの中から7つに厳選して紹介します。
【参考】サービス選定基準・比較ポイント
- 運用規模に適した費用感か
- (有料の場合)無料トライアル期間有無
- 自社KPIに適した分析が可能か
- レポート作成、ダウンロード機能の有無
- 競合、ベンチマークアカウントの分析が可能か
- サポート体制
SINIS(サイニス)│アプリで閲覧していたインサイトデータをPC管理
出典:SINIS(サイニス)
SINIS(サイニス)は、今までスマートフォンアプリから閲覧していたフォロワー数推移や投稿エンゲージメントなどのインサイトデータをパソコン上で管理することを可能にします。データはCSVでダウンロードできるほか、期間を指定して過去データを確認できるなどの機能があります。
費用:LITE 0円/月 STARTER 1万円/月 PROFESSINAL 5万円/月 ENTERPRISE 料金お問い合わせ
Insight Suite|公式ツール以上の情報量を無料で確認可能
Insight Suiteは、初期費用・月額費用ともに0円の無料インスタグラム分析ツールです。期間を指定し、フォロワー・リーチ・インプレッション・エンゲージメント数などの推移を確認できるほか、フォロワー属性や場所・時間帯なども確認可能です。また、新たに企業やインフルエンサーなどのアカウントエンゲージメントを分析することで影響力・投稿傾向がわかる「インフルエンサーチェック機能」も新たに搭載されています。
費用:無料
MASAI(マサイ)|100以上の指標データから自社KPIにあわせた数値振り返り
出典:MASAI(マサイ)
国内5000社が使用した分析ツール「PONY」の最新版として2020年9月にリリースされた「MASAI」は、フォロワー数やエンゲージメント数、投稿時間など100以上の指標データが見られ、自社KPIにあった数値で振り返りを行うことができます。自社アカウント以外にも、競合などベンチマークアカウントの数値動向も追えるほか、運用レポートの作成機能は、Power Point・PDF形式でダウンロードが可能です。
費用:スターター 1万円/月 ベーシック 5万円/月 プロ 10万円/月
14日間の無料トライアルあり
Aista(アイスタ)|アカウントの全体動向、投稿分析が行える
出典:Aista(アイスタ)
Aista(アイスタ)は、日本初のインスタグラム専門分析ツールとして「アカウントの分析」「市場動向の調査」などに活用できるツールです。アカウント分析では、アカウントの全体動向や投稿毎の分析も可能です。
ハッシュタグ分析-ハッシュタグ毎の投稿数・エンゲージメント率、キャンペーンハッシュタグ分析
投稿時間帯分析-いいね数、フォロワー数、投稿数を10段階のヒートマップで視覚化
ユーザータグ分析-タグ付けした&されたアカウント名と回数を表示
投稿分析-コメント数、エンゲージメント率
競合アカウント分析
プレミア版特有の機能
・想定されるキャンペーンハッシュタグの延べリーチ数を測定
・自社、他社のキャンペーンに関わらず、複数のキャンペーンハッシュタグを測定
・投稿一覧をいいねの多さ、エンゲージメント率の高さ毎に並べ替え、集計が可能
・キャンペーンに参加した一般ユーザーも含めて、インフルエンサーの特定・分析が可能
・現状最大1万投稿までのデータをストックすることが可能
・投稿内容、投稿アカウントなどのデータがExcelにて出力可能
費用:通常版 1万円/月 プレミア版 30万円/月
Iconosquare|解析内容が一目で分かるようなビジュアルで、プレゼン等にも活用可能
出典:Iconosquare
Iconosquareは、投稿数、いいね数、コメント数、フォロワー数、直近7日間のフォロワーの増減数、月ごとのフォロワー増減数、投稿頻度などを視覚的にわかりやすく整理してくれるアナリティクスツールです。
解析内容をインフォグラフィックや動画にしてくれるので企業のレポートやプレゼン資料としても転用しやすい仕様です。
費用:Pro $49/月 Advanced $79/月 Enterprise $139/月
14日間の無料トライアルあり
Union Metrics|基本的な解析に加え、競合分析・リアルタイムデータ分析が行える
Union Metricsは、Iconosquareと同じような解析をしてくれますが、有料プランで競合分析(Competitive analysis)もやリアルタイムデータ分析を行ってくれるのが特徴です。
ある程度の規模でアカウントを運営している企業で、競合相手の動向も分析したい場合は導入を検討してみるとデータ分析に役立つでしょう。
ハッシュタグに関する指標も分析可能です。
費用:Social Manager $49/月 Social Marketer $99/月 Marketing Team $199/月
シェアコト インスタレポ|KPI把握に役立つ分析内容をPDF形式のレポートにまとめてくれる
出典:インスタレポ
インスタレポは、企業の公式インスタグラムのアカウント分析・レポーティングを行うサービスです。レポートはPDF形式で作成され、単発での依頼も可能です。
アカウント運用におけるKPI把握のための実績データをきちんと取りたい、きれいにまとまったレポートを会議資料などで使いたい場合は便利なサービスです。
フォロワーの増加推移
当月投稿まとめ
エンゲージメント率・いいねTOP5
時間帯投稿反応率
同時投稿ハッシュタグ分析、ハッシュタグ推移
写真・ユーザー分析
費用:10万円/1回
Instagram分析ツールの選び方
数あるInstagram分析ツールの中でどちらを選ぶべきか、お悩みの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、Instagram分析ツールを選ぶ際に重要なポイントを御紹介していきます。
必要となるデータを得ることができるか
まず自社がInstgramにおいてどんなデータを得ることが目的であるかを明確にし、該当する情報を得ることができるツールであるかを確認しましょう。
特に、
・投稿のインサイト分析
・フォロワーからのインプレッション率
・ハッシュタグ分析
・競合分析
などの分析は、Instgramアカウントの運用を行う際に必要なデータとなります。
自社の製品やサービスの認知拡大を行う際には上記のようなデータを上手く活用していくのがいいでしょう。
データの活用のしやすさ
自社Instagramアカウントのデータ分析の際、出力されたデータが自社にとって良い数値であるのか、他社と比較してどのような数値であるのかといったポイントが分からなければ、その後のアクションに繋げていくことも難しくなります。
分析ツールを利用する際は、出力されたデータがどのような数値であるのか、改善ポイントはどこにあるのかといった点が分かるかどうかも重要となるでしょう。
数値の並べ替えや絞り込みといった仕組みを利用できるか、出力形式が柔軟に対応されているかといった点を踏まえて分析ツールを選んでいきましょう。
サポート範囲がどこまでであるか
Instagramの数値分析を行った後には、具体的なアクションが重要となります。
競合アカウントも多く運用が難しいInstagramにおいては、ノウハウを持ったプロによる運用のアドバイスを活用することも有効となるでしょう。
分析ツールを利用する際は、その後のアクションまでサポートしてもらえるのかなど、サポートの範囲を明確にしておくことが重要となります。
自社で行える範囲を考慮し、様々なプランの中から最適なプラン・分析ツールを選択していきましょう。
まとめ
分析時に注目すべき項目とインスタグラムの分析時に活用したいオススメのツールについて解説しました。
記事中でも述べた通り、企業によって掲げているマーケティング目的が異なってくるため、インスタグラムの分析時に見るべき項目や重視すべきポイントは変わってきます。
そのため、どの項目を見れば目標達成率を正確に把握することができるのか、重視しなくていい項目の数値が芳しくなかったとしてもあまり気にせず施策を続ける、という取捨選択を行えるようにしましょう。
また、ツールは数多くあるため、最初のうちはどれを使えばいいか迷うかもしれません。その場合は無料トライアル等で実際に使ってみて試し、その中から一番使いやすものを選ぶのが一番です。
使いやすさだけでなく「キャンペーン運用時に役立つ分析」や「競合他社の解析」など、自社にとって特に重視したい分析ができるかどうかも判断材料の一つにすると、より分析作業を効率的に行えるツールを選択することができるでしょう。
Instgramをはじめとする各種SNSで自社のアカウントを伸ばしたいとお考えのご担当者様はこちらからお気軽にご相談ください。
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