2023年7月6日、Twitter(現 X)のAPI制限が厳しかったころに合わせ、Meta社が前倒しでリリースしたSNS「Threads」。
インスタラボでもThreadsについては過去何度か取り上げています。
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Twitter(現 X)の代替候補としてひときわ存在感を放っていたThreadsですが、現在はどのような動向を見せているのでしょうか?
本記事ではリリース以降の動向、そしてマネタイズの可能性について探っていきたいと思います。
Threadsの運用に迷っている企業のSNS担当者の方も、ぜひ参考にしてみてください!
利用者は減少傾向にある
Threadsは開始から約1日で3000万ユーザー、5日で1億ユーザーを超える驚異的な伸びを記録しました。
しかし、ユーザーが急増したのは実は最初の数日だけでした。
ユーザー数を追跡している「Threads User Count Tracker」によると、9月12日時点で1億3,100万ユーザーであり、1億ユーザー突破後の2か月で約3,000万ユーザー増加に留まっています。
ThreadsはInstagramの登録アカウントがあればそのまま使用できますが、現在Instagramの全世界のユーザー数は20億ユーザーを突破しているため、大まかに計算するとそのうちの約6.5%がThreadsにも登録しているということになります。
本来まだまだ伸びしろはあるものの、Instagramでも躊躇している人が多いというのが現実でしょう。
さらにアクティブユーザー数はというと、ピーク時は1日あたりのアクティブユーザー数が4,400万ユーザーでしたが、わずか1か月後の8月初旬には800万ユーザーと80%以上減少しています。
Instagramのアクティブユーザーは約半数にあたる10億ユーザーであることを考えると、アクティブユーザーの割合が10%を下回っているであろうThreadsはなかなか厳しい状況と言えるでしょう。
芸能人での比較
では、有名人のフォロワーは現状どうなっているのでしょうか?
今回はInstagram、Threadsの両方で日本の有名人トップのフォロワー数を誇る渡辺直美さんで比較してみましょう。
2023年9月現在、フォロワー数は
Instagram…1,002万人
X(旧Twitter)…201万人
YouTube…132万人
TikTok…130万人
Threads…63.7万人
となっており、Instagramと比較すると約6%のフォロワー数です。
この数字は先ほど計算した全世界のInstagramユーザー数とThreadsのユーザー数の割合とほぼ一致しており、Threadsの影響力はInstagramの1割以下と言えるかもしれません。
Threadsはなぜ伸び悩んでいるのか?
先ほどお伝えしたように、Threadsは開始当初の勢いこそすごかったものの、現在は落ち着いてしまっています。
その理由には以下のようなものが考えられます。
ヨーロッパ圏ではリリースされていない
短文系SNS界に鳴り物入りで登場したThreadsですが、実はまだヨーロッパ圏ではリリースされていません。
EUにはGDPR(一般データ保護規則)というプライバシー保護の法律があり、Metaはこのルールに準拠するためにまだThreadsをリリースできていないのです。
リリース時期もまだ未定ということで、ヨーロッパのユーザーがThreadsに参加できていないのはユーザー数の伸びの妨げになっていそうです。
X(旧Twitter)が普通に使えるように戻った
TwitterはXと名称を変え、さまざまな変革がおこなわれてきました。
一連の変革によって離れるユーザーも多かったですが、多くのユーザーが離れようと考えたきっかけは、API制限によりフォロワーのポストが見えなくなることでした。
しかしAPI制限も数日間だけで、その後は元のように使えるようになっていきました。
その結果、Twitterの代替のポストを狙っていたThreadsへの移住はあまり進まなかったのです。
X(旧Twitter)には存在する機能が備わっていない場合がある
Threadsは文字は500文字、写真は10枚、動画は5分まで投稿できるため、X(旧Twitter)と比較して多くの内容を投稿できるのが特徴です。
しかし、以下の内容については未実装のままです。
- キーワード検索
- ハッシュタグ機能
- リスト機能
- ダイレクトメッセージ
- 「いいね」をした投稿の閲覧
特に「タグる」ことが多くなった現代では、キーワード検索やハッシュタグ機能がないことはかなりの痛手となっています。
またThreadsは現在iOS/Androidアプリ版しかありません。
利用者が一度減ると加速していきやすい
X(旧Twitter)をしている人の中には、炎上などの騒動にうんざりしてThreadsに移行したという人もいます。
ただほとんどの人は、X(旧Twitter)を気の合うフォロワーとの交流の場として捉えています。
そのため、フォロワーがいないところに投稿してもリアクションがなく、ユーザーがだんだんと離れていってしまいます。
するとそれに伴いさらにユーザーが離れていくため、利用者減の速度が加速していくのです。
Threadsが利用者を増加させるためには
では今後、Threadsのアクティブユーザーが増える可能性はあるのでしょうか?
機能の改善
先ほど挙げたキーワード検索やハッシュタグ機能が実装されると、利用者が増加する可能性があります。
実際、当初は存在しなかった「フォロー相手のみを時系列順に表示するフィード」が実装された際、Threadsに戻ってくるユーザーが増加しました。
こういった機能の充実はユーザーに戻ってきてもらうための第一手段です。
機能が充実すると、投稿できる内容量が多いことは大きなアドバンテージとなるでしょう。
X(旧Twitter)と差別化を図る
現在X(旧Twitter)はイーロン・マスクによって、有料ユーザーの導入など様々な変革がなされています。
しかしユーザーによっては、「前の方が使いやすかった」という人もいるでしょう。
今後の変革によってX(旧Twitter)離れが再び加速すれば、Threadsの利用者が再び増加していくと考えられます。
そのためにも、X(旧Twitter)と比較したときの長所を伸ばしていくべきです。
Instagramユーザーを流入させる
InstagramユーザーはすぐにThreadsのアカウントを作ることができるにもかかわらず、その割合はまだ10%にも満たないというのが現状です。
おそらくできたばかりのSNSということもあり、まだまだ様子見という人も多いのではないでしょうか?
今後はInstagramユーザーにどれだけThreadsのアカウントを作成してもらい、アクティブユーザーになってもらうかがカギとなってくるでしょう。
Threadsでマネタイズするためには
Threadsでマネタイズするためには、他のSNSと同様に以下の方法が考えられます。
アフィリエイト
Threadsではリンクを貼ることが可能なため、Threads内で商品を紹介してアフィリエイトのリンクを貼ればマネタイズが可能です。
たとえば2023年7月に楽天アフィリエイトの利用が可能な「認定SNS」にThreadsが追加されたため、Threadsに楽天アフィリエイトのリンクを貼ることで、投稿者がマネタイズ可能になります。
現在はまだフォロワー数が少なくても拡散されやすいため、集客用SNSとして活用してもいいでしょう。
企業PR案件の獲得
Instagramなどでインフルエンサーがおこなっているような企業PR案件も可能です。
特に現在Instagramでインフルエンサーになっている方なら、Threadsはまだ競争率が低いため、チャンスかもしれません。
さらに今Threadsを積極的に投稿しておくとフォロワーも増え、先行者利益が得られる可能性も十分高いのです。
なお、現在ThreadsにはDM機能がないため、依頼はInstagramのDMに来るかもしれません。インフルエンサーの方は注意しましょう。
自社商品・サービスのPR
現在Threadsには広告機能がないため、広告でPRすることはできません(のちに付与される可能性は高いです)
ただ、企業アカウントでPRする分には問題ありません。
画像:スターバックス公式|Threads
たとえば「スターバックスコーヒー」は、Threadsで自社の期間限定ドリンクを紹介しています。
この投稿はInstagramにはないオリジナルの投稿なので、Threadsをフォローすることにも意味があります。
できればThreadsとInstagramの内容を分けると理想的ですが、厳しければまず同じ内容を投稿して様子を見てみてもいいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Threadsはサービス開始当初の勢いから見ると苦戦しているようにも見えます。
しかし、Instagramも写真だけが投稿できる状態から、リールやインスタライブの機能が加わって進化していったように、Threadsも他のSNSの長所を取り入れながら進化していくことでしょう。
そしてある程度ユーザーが満足できるSNSとなった時、再びユーザーが戻ってくるでしょう。
特にThreadsはInstagramにはない文字主体という部分で、細かい情報などが書き込めるため、企業案件にとってはむしろ有利かもしれません。
一般ユーザーも企業のSNS担当者も、今のうちからフォロワーを増やしておけば、マネタイズにつながる活動がしやすくなるので、うまく運用してみましょう。
もしThreadsの運用で不安な点があるSNS担当者の方は、ぜひこちらまでお気軽にご相談ください!
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