現在、日本の企業でも国際的にマーケットを広げる企業が増えてきました。
もちろんこれまでもそういった企業はありましたが、海外ではマーケティングの規模も大きく、どこかの国でヒットした場合でも大幅な需要の増加が見込めます。
長年好景気ではなく、なおかつ少子化にもなっている日本よりも、海外のほうにマーケットを意識するのは至極当然と言えるでしょう。
ただし海外向けにマーケティングをおこなおうとした場合、まずは言語の壁があります。
しかしその壁を乗り越えたとしても、単純に英訳すれば解決、というわけでは決してありません。
海外向けのマーケティングを行う上で、押さえておきたいポイントが確実にあるのです。
本記事では、海外でマーケティングを行う上で押さえておきたいポイントなどを解説いたします。
企業のSNS担当者の方で、海外向けでも展開したいという場合は是非参考にしてみてください。
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目次
日本と海外でのSNSマーケティングの違いとは?
では、日本と海外のSNSマーケティングの違いについて、細かく見ていきましょう。
主戦場とするSNSが異なる
まず、日本で流行っているSNSが海外でも同じように流行っているかと言えば、決してそういうわけではありません。
日本ではあまり流行っていなくとも、海外では流行っているSNSもあるのです。
日本・世界のSNSユーザー数をまとめたデータは下記の参考記事に載っているのですが、その中から日本と世界で利用者数が多いSNSトップ7をご紹介します。
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【最新Excel配布中】日本・世界のSNSユーザー数まとめ(Facebook,Twitter,Instagram,YouTube,LINE,TikTok)
日本国内のSNSユーザー数ランキング
順位 | SNS名 | 月間利用者数 |
1位 | LINE | 9,400万人 |
2位 | YouTube | 6,500万人 |
3位 | 4,500万人 | |
4位 | note | 3,880万人 |
5位 | 3,300万人 | |
6位 | 2,600万人 | |
7位 | TikTok | 1,690万人 |
世界のSNSユーザー数ランキング
順位 | SNS名 | 月間利用者数 |
1位 | 29億5,800万人 | |
2位 | YouTube | 25億1,400万人 |
3位 | 20億人 | |
3位 | 20億人 | |
5位 | 13億900万人 | |
6位 | TikTok | 10億5,100万人 |
7位 | 8億7,500万人 |
おそらく日本のものはLINEを筆頭に聞きなじみのあるものが多いと思いますが、世界のランキングだと日本ではあまり聞かないものもランクインしています。
WhatsAppは欧米、WeChatは中国で主に使われているLINEのようなメッセージ系SNS、Linkedinは世界最大級の「ビジネスSNS」で、Facebookのビジネス版と呼ばれるほどそっくりです。
つまり海外ではFacebookやそれのビジネス版であるLinkedinが人気で、さらには日本で人気のTwitterやLINEなどはそれほど人気ではないのです。
そのため、企業のSNSとしては日本でもなじみのあるFacebookやYouTube、Instagramから取り掛かったほうがよいでしょう。
人数としても30~100倍近くのユーザーがいるため、市場規模もかなり大きいと言えます。
言語では細かい言い回しの違いも重要
SNSで発信するとき、言葉を使わない「ノンバーバルコミュニケーション」を使うという手もありますが、とりわけビジネス用のSNSアカウントでは厳しいでしょう。
そのため、外国語での発信は必須となります。
さらに、もし英語圏のみでの発信であれば英語のみでも大丈夫ですが、それ以外の国に発信したいときはその国の言語を使う必要があります。
もちろん、現代では翻訳サイトの性能も向上していますが、だからといって日本語のSNSに書いている文章を機械的に翻訳して終了、というわけにはいきません。
皆さんも海外のサイトで日本語が使われていたとしても、その日本語が不自然であれば不信感を抱くでしょう。
同様に、海外の言葉もフレーズの言い回しや表現が全く違うこともあるため、できればその国の言語に精通したスタッフを登用するとよいでしょう。
もしそういったスタッフがいない場合、教育コストがかなりかかることになるので注意が必要です。
その国でメジャーなSNSを使用する
上記でもお伝えしましたが、日本と世界では各SNSの使用頻度が異なります。
そして、さらにその中でも国別でメジャーなSNSは異なります。
たとえば中国で人気のSNSには、先ほど紹介したWeChatやTikTokのほかに、Sina WeiboやTencent Weibo(QQ)といった「中国版Twitter」があります。
逆に、LINEやFacebookをはじめ、日本で主要なSNSは軒並み使うことができません。
「郷に入っては郷に従え」という言葉通り、その国に合ったSNSを運用する必要があります。
事前の市場調査は必須
日本でも新規事業に参入する際、事前の市場調査をする企業がほとんどでしょう。
そしてそれは海外でSNSマーケティングを行う際も同様です。
まずはターゲット層と親和性が高いSNSを選ぶ必要性が重要となってきます。
たとえば先ほど、中国ではSina WeiboとTencent Weibo(QQ)はどちらも中国版Twitterとお伝えしました。
しかし厳密には、Sina Weiboは中国本土にある北京、上海、武漢などの高賃金エリアに住む都市や、台湾や香港などの地域、日本を含めた海外での利用率が高く、一方のTencent Weiboは農村部や地方都市に住む低賃金低所得者のエリアに住む人の利用者が多い、といわれています。
そのため、自社の製品が中国の中でもどのターゲット層を狙うのかによって、どちらのSNSを使うかが変わってくるでしょう。
他にも、実際に現地に出向いて地域の文化や消費者のニーズをつかみ、何が流行しているのか、SNSでどのように発信しているのかを把握することがとても重要です。
海外の習慣に歩み寄り、現地のやり方に合わせたSNSモデルを展開しましょう。
もし現地調査で自社製品と競合になりそうな商品があった場合、その商品のSNS戦略は大変参考になるでしょうし、ターゲットの変更や新たな付加価値の提案なども検討できます。
特に日本とビジネスの感覚が異なる国が多いので、細心の注意が必要です。
ホームページやECサイトも海外仕様に
もしSNSでその商品に興味を持った場合、次にやることはホームページやECサイトへの訪問でしょう。
ということは、海外でSNSマーケティングをやる以上、これらについても海外仕様のサイトを作成する必要があります。
SNSマーケティングはあくまで宣伝のための媒体なのです。
そしてSNSの場合は文章や写真のみに気を遣えばよかったですが、サイトの場合はデザインやレイアウトも現地仕様にする必要があります。
海外向けのサイトの場合は、まずは現地の人が使いやすい、親しみやすいサイトというのを念頭に置く必要があるでしょう。
海外向けSNSマーケティングの方法
SNSアカウント運用
まずは自社でSNSアカウントを作成するところから始めましょう。
自社アカウントを開設・運用することで、ユーザーとの信頼関係を築き、ファンを獲得することができます。
さらに、企業のブランディングを行うことも可能です。
他にも、現代で増加した「SNSでの検索」にも対応できるのです。
それほどSNSは新規顧客を獲得できるツールであり、今までは実現されなかったお客様との距離感の近いコミュニケーションが可能です。
SNS広告
SNSでの広告も現代では効果的なマーケティングの1つです。
画像や動画を用いた訴求力の高い広告は、消費者の関心を高めることができます。
さらに、SNS広告ではユーザーの年齢・性別・職業など詳細なターゲティングを設定することができるという特徴があり、目的とするターゲットへ効率的に情報発信することができます。
動画広告はノンバーバルでも十分通用しますが、国によってどのような広告がウケるかはお国柄によって異なってきますので注意が必要です。
インフルエンサー(KOL)マーケティング
海外でもインフルエンサーマーケティングは効果的です。
特に自社のフォロワーがまだまだ少ない場合は、ある程度の料金を払ってでも、インフルエンサー(海外ではKOL(Key Opinion Leader)と呼ばれています)を利用するべきでしょう。
インフルエンサーが第三者視点で商品やサービスの解説を行うことで、インフルエンサーが持つフォロワーに対して、強い訴求ができます。
特に外国の製品はフォロワーにとっても抵抗がある場合が多いので、インフルエンサーによって心理的ハードルを下げてもらうという効果があります。
海外SNSマーケティングの成功事例
最後に海外向けのSNSマーケティングの成功事例をご紹介しましょう。
今回ご紹介するのは「株式会社ポケモン」です。
ポケットモンスターシリーズといえば1996年に第1作が発売されてから27年が経ちますが、今でもゲームや映画の最新作が公開されれば人気になるコンテンツで、最近ではポケモンカードの人気も高いなど、日本を代表するコンテンツになっています。
そして株式会社ポケモンは1998年に設立されましたが、そのきっかけも「ポケモンを海外に発信していきたい」という思いからでした。
そのため、まだSNSも黎明期で、海外での人気も低かった2000年代から海外向けのSNSページ「Pokémon」を開設。
現在はYouTube、Facebook、Instagram、Twitterで日本語版とは別の英語版ページを作っています。
画像:The Official Pokémon YouTube channel
YouTubeでの多言語による動画配信や、TwitterやFacebookによるイベント告知など、積極的に海外向けSNSマーケティングを展開していきました。
いずれもフォロワーは数百万人単位で、海外向けのファン拡大に大きく貢献しています。
そしてもちろん、ECサイトも海外向けのものをしっかりと用意しています。
画像:Pokémon Center Official Site
その結果、売り上げ全体の約65%以上が海外というグローバル化を成功させました。
Twitterの投稿においても、英語での公式ツイートが最も高いエンゲージメントを獲得するなど、海外ユーザーからの注目度は下がることなく高まっています。
日本発のコンテンツでも、海外向けにしっかりとSNS対策をすれば知名度拡大、ひいては売り上げ拡大に大きく貢献できるという良い例といえるでしょう。
まとめ
本記事では海外向けのSNSについての対策をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
海外向けというと一つ敷居が高くなってしまうようで、なかなか始めるまでのハードルが高いという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ただこれからの時代、グローバル化を目指すためにはSNSは必須といえます。
特にSNSでは「バズる」ということがあるので、市場調査でも予測できないような思わぬ形で有名になるという可能性もあります。
そのためにも、現地に住む人が読んでも違和感のないようなSNSの運用が求められるのです。
もし海外向けのSNS運用に不安がある企業のご担当者様は、一度こちらまでお気軽にご相談ください。
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