株式会社電通グループは12月16日に、世界59市場から収集したデータに基づいて取りまとめた「世界の広告費成長予測(2021~2024)」を発表しました。
この予測は毎年2回を基本として実施されているもので、今回は2022年、2023年、2024年予測の更新と2025年の新規予測が行われています。
目次
2022年の世界の広告費成長率は8.0%増見込み
画像:電通グループ、「世界の広告費成長率予測(2022~2025)」を発表 dentsu
2022年の世界の広告費成長率は、不安定な経済状況が及ぼす消費活動の減少により、前回7月の予測から0.7pt下方修正した8.0%となり、市場規模は7,136億米ドルになると見込まれています。
市場成長を牽引しているデジタル広告費は、2022年の成長率が13.7%となり、総広告費に占める割合が55.3%となる見通しです。
2023年は3.8%の成長を予測、市場規模が初の100兆円へ
2023年の世界の広告費については3.8%の成長を見込み、市場規模は7,409億米ドル(約100兆円※)になると予測されています。
画像:電通グループ、「世界の広告費成長率予測(2022~2025)」を発表 dentsu
地域としては、中東を除く、北米、西ヨーロッパ、中央および東ヨーロッパ、アジア・パシフィック(日本含む)、ラテンアメリカでプラス成長となり、市場規模のトップ5は、2022年と変わらず米国、中国、日本、英国、ドイツとなる見通しです。
今後、世界の広告市場は順調に拡大し、2024年には4.8%増の7,769億米ドル、2025年にはさらに4.5%増の8,116億米ドルになるとの予測がされています。
画像:電通グループ、「世界の広告費成長率予測(2022~2025)」を発表 dentsu
媒体別で見てみると、2022年に13.7%成長予想のデジタル広告費が、2023年においても7.2%と高成長を維持し、世界の総広告費に占めるデジタル広告費の割合は57.1%に達する見通しです。
広告費の成長率の中でも、動画広告(+7.1%)、ソーシャルメディア広告(+13.5%)、検索連動型広告(+7.2%)の成長率が高いと予想されています。
また、テレビ広告費は0.2%、ラジオは2.0%、映画館(シネアド)とOOH(屋外/交通)は、それぞれ6.1%、2.0%の成長を予想されている一方、新聞と雑誌は、それぞれマイナス成長(△3.7%、△3.4%)との予測が出ています。
世界の広告費成長率予測の概要
世界の広告費成長率予測は、2022年11月下旬までに、世界の58市場からデータを収集し、各市場における専門的な知見を取り入れて作成しています。対象媒体は、デジタル、テレビ、新聞、雑誌、OOH(屋外/交通)、ラジオ、シネマとなります。
広告費は、交渉によるディスカウントやエージェンシー・コミッションを差し引いた金額で、現地通貨建てで提供され、全世界および地域の数値は2022年11月の平均為替レートで米ドルに換算しています。
本予測は年2回を基本として発表しており、実績値と最新の予測値はすべて恒常為替レートに基づき修正しています。
これからの日本の広告市場
2022年の日本の広告市場は、デジタルを中心に好調に推移したことから、前回7月予測から2.8pt上方修正となる3.6%の成長を見込んでいます。
また、2023年も1.5%の成長を予測しており、引き続きデジタル広告が成長を牽引すると見ています。
また、業種としては、人の移動を伴う経済活動等の活発化に伴い、「交通・レジャー」や「外食・各種サービス」などの出稿増が期待されます。
2021年にはインターネット広告費がマスコミ四媒体広告費(新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディアの媒体費と製作費の合算)を初めて上回るなど、デジタル広告が勢いをつけていることが分かります。
これは世界の広告市場の推移からも見られている傾向であり、多くの企業がデジタル広告の活用に乗り出していることが伺えます。
デジタル広告の重要性
今後の広告市場の予測から、世界的にもデジタル広告が年々注目されていることが分かりました。
コロナ禍が回復傾向にある一方、一度巣ごもり生活などにより増加した動画サービスなどによるエンターテイメントの消費行動や、ECサイトなどでのショッピングは消費者に浸透しています。
デジタル広告と一言で言っても、様々な種類があるため、今回は一例をご紹介します。
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンを使用した際、検索したキーワードに連動して表示されるテキスト型の広告のことを指します。
広告がクリックされたタイミングにのみ費用が発生する仕組みとなっているため、表示されただけでは料金はかかりません。
検索したキーワードにまつわる広告をユーザーにアプローチできるため、広告を掲載する側としてもよりターゲットに近い層へのアプローチを行えるといったメリットがあります。
しかし、広告の掲載順位は検索エンジンが広告の品質といったデータをもとにして決定しているため、上位に表示されるためには分析や改善といった手間がかかることがデメリットとして挙げられます。
SNS(ソーシャルメディア)広告
SNS広告(ソーシャルメディア広告)とは、Facebook、Instagram、Twitter、YouTube、TikTokなどのソーシャルメディア上で展開する広告のことを指します。
日本ではLINEの利用率も高いため、重要視されています。
広告フォーマットの形態はテキスト・動画・画像と様々で、ユーザーのタイムライン上に自然な形で表示させることが出来る点が特徴的です。
また、ユーザーの年齢・性別・地域・消費行動といったデータを基にして広告を表示させることもできるため、自社のターゲットに適したユーザーにリーチすることが可能です。
また、タイアップによる広告やPR広告をインフルエンサーによる投稿で打ちだすことも出来るため、広告に依存していない影響力を見込むことも出来ます。
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動画広告
動画広告は「インストリーム動画広告」と呼ばれる、YouTubeを始めとする動画プラットフォーム内で再生されるタイプの広告が幅広く使われてきました。
また、最近ではウェブやアプリの広告枠で再生される「アウトストリーム動画広告」が増えてきています。
アウトストリーム動画広告は、動画プレイヤーや動画コンテンツに依存せず、ページのどの部分でも広告を配信することが可能であるため、注目されています。
最近ではTikTokやInstagramリール動画などのショートムービー機能が人気となっていることから、より多くの数の動画が再生されており、動画と動画の間に広告を挟むことも容易になっています。
一方、見たい動画の間に挟まれる動画広告に対しては未だ嫌悪される傾向も高いため、より魅力のある動画広告を作成することが重要となってきます。
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まとめ
コロナ禍の影響により一度減少傾向にあった世界の広告費成長率ですが、2022年からまた上昇傾向に転じていることが分かりました。
また、その中でもデジタル広告の占める割合は特に増加しており、今後はデジタルマーケティングが一層重視されることが見込まれます。
また、今後はコロナ禍で客数が減少していた「交通・レジャー」や「外食・各種サービス」といったジャンルも回復傾向が見込まれることから、デジタルマーケティングやSNSを用いての集客を行う企業も増加していくと予測されます。
今後の広告業界の動向に注目しながら、自社のマーケティングにも力を入れていきましょう。
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