スマートフォンが普及に伴ってSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やYouTubeなどの動画共有サービスの利用者が急激に増加しています。
利用者の多いSNSや動画共有サービスはマーケティングの場としても注目されており近年、多くの企業や店舗がSNSを活用してマーケティングを行っています。
中でもSNSや動画共有サービスにおいて多数のフォロワーやファンを抱え、それらのユーザーに対して大きな影響力を持っている人々「インフルエンサー」の注目度は非常に高く、インフルエンサーを起用してPRを行う「インフルエンサーマーケティング」を行う企業や店舗も増えています。
今回は高額な商品の代表格である「自動車」に注目し、マーケティングの重要度が非常に高い自動車業界のインフルエンサーマーケティング事例をご紹介してまいります。
各成功事例の参考にしたい工夫ポイントもあわせて紹介していますので、ぜひ自社のマーケティング活動にお役立てください。
目次
【Instagram】自動車業界のインフルエンサーマーケティング事例
それでは早速、自動車業界のインフルエンサーマーケティング成功事例をご紹介してまいりましょう。
はじめに、Instagramにおける自動車業界のインフルエンサーマーケティング事例をご紹介いたします。
トヨタ自動車
はじめにご紹介するInstagramを活用した自動車ブランドのインフルエンサーマーケティング成功事例はトヨタ自動車株式会社の事例です。
トヨタ自動車は日本最王手の自動車メーカーで愛知県豊田市に本社を置いています。世界的に見てもそのシェアは非常に大きく、2018年の世界販売台数はトヨタグループ全体で約1,059万台で世界3位、トヨタブランド単独では約886万台で世界1位となっています。
こちらの事例で起用されているインフルエンサーは、2021年7月現在約53.7万人のフォロワー数を誇る人気インスタグラマーの「福田洋昭(@hirozzzz)」さんです。
福田洋昭さんは世界的に注目度の高い写真家で、活動拠点である東京を中心に日本全国、世界各地を旅しながら撮影した魅力的な風景の数々をInstagramに投稿されています。
PRの内容は福田洋昭さんを伴って東京~京都を実際に旅しながら各地で風景と共にトヨタの自動車「クラウン ロイヤル」と「G's ハリアー」の写真を福田洋昭さんが撮影、トヨタ自動車の公式Instagramアカウント(@toyota_jp)にて紹介するというものです。
東京で撮影されたクリスマスシーズンのきらびやかなネオンライトに照らされた煌めく「G's ハリアー」や、京都の紅葉とどっしりとした落ち着きのある佇まいが魅力的な「クラウン ロイヤル」の写真など、その場所によって違った魅力のある写真を多数投稿されており、とても見応えのある内容となっています。
自動車はファッションと同じくビジュアルが購入の決め手となる非常に重要な要素です。
自動車をより魅力的に演出する撮影技術を持った写真家、福田洋昭さんの起用は視覚的なアピールを行う上で大変効果的であると言えるでしょう。
日産自動車
次にご紹介するInstagramを活用した自動車ブランドのインフルエンサーマーケティング成功事例は、日産自動車株式会社の事例です。
日産自動車は神奈川県横浜市日本車を持つ日本の大手自動車メーカーで、2017年の国内登録車台数はトヨタ自動車に次いで2番目のシェアを誇っています。
こちらの事例で起用されているインフルエンサーは2021年7月現在約5.1万人のフォロワーを持つインスタグラマーの「aiai(@aiai0311)」さんです。aiaiさんは世界各地の旅行先で撮影した風景の写真を多数投稿されている旅行系インスタグラマーで、確かな技術を持って撮影された明るくカラフルな写真の数々は大変魅力的です。
当時日産自動車はWEBプロモーションキャンペーン「日産公式プロトラベラー」キャンペーンを実施していました。
キャンペーンでは日産のEV(電気自動車)である「リーフ」のオーナー向けサポートプログラム「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2 使いホーダイプラン」をPRするため、実際に「旅ホーダイ」を体験、その内容と感想を発信してもらう3名の「日産公式プロトラベラー」が募集されました。
公募された「日産公式プロトラベラー」の他に2名の「日産公式プロトラベラー 特別枠」が設けられており、aiaiさんはそのうちの1人として起用されました。PR投稿では「リーフ」と共に撮影した写真と実際に「リーフ」に乗った感想がキャプションで紹介されています。
aiaiさんの他にTwitterやInstagram、YouTubeで人気のペットインフルエンサー「柴犬まる(@marutaro)」が特別枠として起用されている他、一般から起用された「日産公式プロトラベラー」は学生・家族連れ・主婦といった構成となっており、異なる条件のドライバーに「旅ホーダイ」を体験してもらうことで幅広い層のユーザーにサービスのPRを行うという工夫が見られます。
本田技研工業
続いてご紹介するInstagramを活用した自動車ブランドのインフルエンサーマーケティング成功事例は、本田技研工業株式会社の事例です。
東京都港区に本社を置くホンダは日本の大手輸送用機器メーカーで、自動車の他にオートバイの製造・販売が有名です。
こちらの事例で起用されているインフルエンサーは、キャンプや旅行の写真を主に投稿されているインスタグラマーの「YURIE(@yuriexx67)」さんです。2021年7月現在約8.2万人のフォロワーがおり、キャンプや旅行先で撮影された写真は非常に美しくフォトジェニックなものが多いです。
PR投稿ではホンダの軽スポーツカーである「S660」に乗って東京ドイツ村に訪れた様子が投稿されています。ドイツ村のヨーロッパ風建築と青い空に赤い「S660」がよく映える写真が印象的な投稿となっています。
シンプルにお出かけのお供として「S660」を魅せており、単なる移動の手段としてではなく、女性にもスポーツカーがカッコいいと思ってもらえる訴求ができています。
マツダ
次にご紹介するInstagramを活用した自動車ブランドのインフルエンサーマーケティング成功事例は、マツダ株式会社の事例です。
マツダ株式会社は広島県安芸郡に本社を置く日本の自動車メーカーで根強いファンも多いブランドとなっています。
こちらの事例で起用されているインフルエンサーは、「旅とファンタジー」をテーマに日本全国・世界各地の旅行先で撮影した写真を投稿しているインスタグラマー「Halno Kujiraoka(@halno)」さんです。
2021年7月現在のフォロワー数約26.8万人を誇る人気インスタグラマーであり、箒に跨がって撮影されたユニークな「浮遊写真」が大変好評です。
PR投稿は東京ミッドタウンで開催されたイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」においてマツダブースに展示されたマツダのコンセプトカー「MAZDA VISION COUPE」と共に撮影された「浮遊写真」が投稿されています。
走る「MAZDA VISION COUPE」とともに箒に跨がって飛んでいるように見えるよう加工が施されており、お得意のファンタジー感と疾走感を演出することで「MAZDA VISION COUPE」を魅力的に紹介、自身の感想を述べたキャプションと共にイベントへの集客を行っています。
一見自動車とは関係の薄いHalno Kujiraokaさんの起用ですが、PRの目的はイベントへの集客であり紹介している自動車も一般販売されていないコンセプトカーです。
ビジュアル面でインパクトの大きい演出をすることができるHalno Kujiraokaさんの起用は効果的であり、実際に投稿に付けられた「いいね!」の数も約3,000件と多くのユーザーの関心を引いていることがわかります。
メルセデス・ベンツ日本
最後にご紹介するInstagramを活用した自動車ブランドのインフルエンサーマーケティング成功事例はメルセデス・ベンツ日本の事例です。
メルセデス・ベンツはドイツのダイムラーが所有する自動車ブランドで日本においても高級外車ブランドとして大変有名です。
こちらの事例で起用されているインフルエンサーは2021年7月現在約34.1万人のフォロワーを持つ人気グルメ系インスタグラマーの「saporin(@saporin_0109)」さんです。
現役で皮膚科医のお仕事をされている人物で、Instagramでは高級グルメを中心に多数の写真を投稿されています。和食や魚介を特に好まれており、高い技術で撮影された映える写真の数々がとても魅力的です。
saporinさんはメルセデス・ベンツが運営するライフスタイル情報サイト「Mercedes-Benz Live!」の記事ゲストとして起用されており、メルセデス・ベンツの「A180 Style」の助手席に乗って群馬県館林市の寿司店に訪れ、料理を楽しみながら交わしたトークが紹介されています。
「メルセデス・ベンツのあるライフスタイル」情報を発信するのがコンセプトのサイトである「Mercedes-Benz Live!」。
一見自動車とは全く関係のないジャンルのインフルエンサーを起用しているように思えますが、自動車は単なる移動手段ではなく「ライフスタイル」の一部であるという訴求としてブランドやサービスのコンセプトに合ったインフルエンサーを起用している事例です。
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【YouTube】自動車業界のインフルエンサーマーケティング事例
次に動画共有サービスYouTubeにおける自動車業界のインフルエンサーマーケティング事例をご紹介いたします。
トヨタ自動車
はじめにご紹介するYouTubeを活用した自動車ブランドのインフルエンサーマーケティング成功事例はトヨタ自動車株式会社の事例です。
こちらの事例で起用されているインフルエンサーは2021年6月現在でチャンネル登録者数約10.9万人を誇るユーチューバー「佐藤あやみ」さんです。
コスメやメイク、ファッションの動画をメインに動画なども投稿されています。注目したいのは自動車系の動画も多く投稿されている点で、佐藤あやみさん自身も愛車としてスバルのスポーツカー「BRZ」に乗っているという車好きの側面もある人物です。
PR動画ではトヨタ自動車の新型「ヤリス」を車の特徴や便利な機能を紹介しながら実際に運転、目的地へ向かい駐車場で自動駐車機能「アドバンストパーク」の凄さを紹介しています。
自動車業界が古くから抱えている問題として、自動車に興味を持つのが男性に偏っているという点が挙げられます。近年では昔ほど「車は男性のもの」という考えはなくなっており、自動車のドライバーは男女問わなくなっているものの、依然としてこだわりを持って自動車を購入する女性は男性と比較して少ない傾向にあります。
女性顧客の増加やPRを行うために自動車の情報を扱う女性インフルエンサーの自動車業界からの注目度はとても高く、本事例もそういった側面が感じさせられるものとなっています。
実際にこちらのPR動画に寄せられたコメントは女性視聴者からのものも多く、動画で紹介された「ヤリス」に対して興味や好印象を持った視聴者も多いようです。
日産自動車
次にご紹介するYouTubeを活用した自動車ブランドのインフルエンサーマーケティング成功事例は、日産自動車株式会社の事例です。
本事例で起用されたインフルエンサーは人気ユーチューバー「カズチャンネル」さんです。
カズチャンネル2021年7月現在約186万人ものフォロワーを持つ非常に高い人気を誇るユーチューバーで、幅広いジャンルの動画を多数投稿されています。
気取らず飾らないどこか素朴さを感じさせられる雰囲気が魅力的で、特にわかりやすく丁寧な商品紹介・レビュー動画には定評があります。
PR動画では日産自動車が提供しているサービス「ClickMobi」を紹介しています。スマートフォンの画面を表示しながらサービスの特徴や利用時の操作手順などを解説しており、カズチャンネルで普段投稿されているレビュー動画などと同様視聴者がわかりやすい丁寧なつくりの解説動画となっています。
動画の後半は日産自動車の「ジューク」に乗ってオートキャンプ場へ向かいキャンプをするキャンプ動画となっており、PRだけでなく動画としても楽しめるようにしっかり工夫されています。
PR動画はいわゆる広告であるため一般的に再生数が下がりやすくなりますが、動画の企画が面白いと広告と分かっても見たくなるように視聴者の興味関心を引くことができます。
ユーチューバーにインフルエンサーマーケティングを依頼するときは、動画の企画力の高いユーチューバーを起用することも検討してみましょう。
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マツダ
続いてご紹介するYouTubeを活用した自動車ブランドのインフルエンサーマーケティング成功事例は、マツダ株式会社の事例です。
こちらの事例で起用されているインフルエンサーは「バンディ」さんと「うんちゃん」さんのご夫婦で動画に出演されているユーチューバー「ばんのけ」です。2021年7月現在でチャンネル登録者数は約27.8万人であり、キャンプ、DIY、グルメ、商品紹介・レビュー、自動車などバラエティに富んだ様々なジャンルの動画を投稿されています。
PR動画ではマツダを代表するSUV「CX-5」の新型パッケージをバンディさんが運転し、400kmという長距離を走行した先にある日本で唯一砂浜を走行することができる石川県の「千里浜なぎさドライブウェイを目指します。
動画を通して「CX-5」の特徴の解説や運転した感想などを紹介しており、充実した内容のPRとなっています。念願のSUVだというバンディさんの様子がとても楽しげで、車の紹介も熱量が感じられ、CX-5が本当に良いものだということが感じられるのが素晴らしいポイントです。
商品のPRをインフルエンサーに依頼する際、その商品をインフルエンサーに気に入ってもらうことは真に迫った熱量の高い内容のPRを行ってもらえるため施策の成功に向けて非常に大きなプラスとなります。
可能であればすでに自社ブランドを愛用しているインフルエンサーを積極的に探してみましょう。
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自社と親和性高いインフルエンサーの探し方・見つけ方とキャスティング方法
FIAT
次にご紹介するYouTubeを活用した自動車ブランドのインフルエンサーマーケティング成功事例は、FIAT Japanの事例です。
FIATはイタリアの自動車メーカーで現在は持株会社のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の一部門となっています。日本においてはFCAジャパン株式会社が販売を行っています。
本事例で起用されているインフルエンサーは「SeikinTV」を運営されているユーチューバーの「SEIKIN」さんです。メインチャンネルであるSeikinTVのチャンネル登録者数は2021年7月現在で400万人にも上る大人気ユーチューバーであり、ゲームや音楽をはじめとした多様なジャンルの動画を投稿されています。
日本屈指のトップユーチューバー「HIKAKIN」さんのお兄さんであり、高級スポーツカーをはじめ複数台の自動車を所有するユーチューバー屈指の車好きであることも有名であり、自動車やドライブなどの動画も投稿されています。
PR動画ではSEIKINさんだけでなく弟のHIKAKINさんも出演。FIATのオリジナルソングを披露しつつFIATの代表的な車種である「FIAT500(チンクエチェント)」のカブリオレモデル「FIAT500C」に乗りドライブを楽しむ様子が公開されています。兄弟2人でドライブを楽しむものの、HIKAKINさんはなんと3年ぶりの運転。少し戸惑いながらも運転を楽しむ様子はコミカルで思わず笑みがこぼれます。
車の特徴や運転した感想などもしっかり述べられている他、概要欄に記載されている製品ページへの誘導も行いそつのないPR動画に仕上がっています。2021年7月現在の動画再生回数は約730万回超え、高評価数も約4.5万件と圧巻の数であり、超人気ユーチューバーの凄まじさがひしひしと感じられます。
本事例のように、別のユーチューバーとコラボする形でPRをしてもらうとそれぞれのフォロワーにPRを訴求できシナジーを生めるため効率的に情報を拡散することが可能です。
BMW
YouTubeを活用した自動車ブランドのインフルエンサーマーケティング成功事例として最後にご紹介するのは、ビー・エム・ダブリュー株式会社のインフルエンサーマーケティング事例です。
ビー・エム・ダブリュー株式会社はドイツの自動車・オートバイ・エンジンメーカーであるBMWの日本法人で、日本におけるBMW製品の輸入・販売を行っています。
こちらの事例で起用されているインフルエンサーは、YouTubeチャンネル「おつぽんTV」を運営し動画投稿を行っているユーチューバーの「おつぽん」さんです。
おつぽんさんは自動車の動画をメインに投稿されている珍しい女性ユーチューバーで、「三度の飯より車が大好き」と述べられるほどの車好きとのことです。2021年7月現在のチャンネル登録者数は約12.9万人とかなり多く、人気の高い車系ユーチューバーです。
PR動画ではおつぽんさんがイベント「BMW Motorsports Festival」を訪れ、サーキットでBMWの「M2コンペティション」に試乗、ノーマル車と「Mパフォーマンスパーツ」を装着した同車種の乗り比べを行い、BMWスタッフの解説のもと「Mパフォーマンスパーツ」やBMWのこだわりについて紹介しています。
動画の最後には
- BMW Motorsports Festival
- イベントの公式動画
- キャンペーンページ
への誘導も行っており、情報量が多くPR動画としては隙のない内容となっています。
まとめ
自動車ブランドの実施したインフルエンサーマーケティングの成功事例を紹介してきましたが、いかがでしたか。
自動車は人混みを避けて行動できる、行動の幅も広がる大変魅力的なアイテムです。
高い買い物である分、消費者目線かつ専門家目線のレビューができるインフルエンサーマーケティングを活用し、自動車の売り上げにつなげていきましょう。
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