「新しい商品やサービスを広めたい!」「もっと多くの人に商品を知ってほしい!」という方には、口コミマーケティングがおすすめです。
今や口コミは、ユーザーの購買行動の最大要因の一つとなっています。
この記事では、口コミマーケティングとは一体何なのか、口コミマーケティングを実際に使用して成功した事例などを詳しく紹介していきます。
口コミマーケティングとは
口コミマーケティングとは
口コミマーケティングとは、販売したい商品やサービスに関する口コミを意図的に広げて商品の宣伝をするマーケティング手法です。
戦略的・意図的に口コミを広めることで、効率的に顧客を獲得したり、商品をアピールすることができます。
商品やサービスを購入するかどうか迷った際は、口コミやレビューを見て決断する方も多いのではないでしょうか?
口コミやレビューは、ユーザーの購買行動の最も大きな要因の一つとなっており、最近では多くの企業が口コミを利用したマーケティング手法を取り入れています。
最近ではインフルエンサーに協力してもらうケースが増えている
インターネット上で口コミを広めるためには、影響力や拡散力が必要となります。
そのため、口コミマーケティングを行うにあたり、SNSで影響力のあるインフルエンサーに協力してもらうことが多くなっています。
インフルエンサーとは、多くのフォロワー数やファンを持っており、世間に与える影響力が大きい人たちを指します。
インフルエンサーの例としては、メディアへの露出が多いモデルやタレント、人気スポーツ選手、専門分野に詳しい人たちなどが挙げられます。
インフルエンサーと言うと、テレビで活躍する芸能人や海外セレブを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、もっと身近にもインフルエンサーはたくさん存在します。
例えば、多くのファンを持っているブロガー、ユーチューバー、インスタグラマーなど。
最近では、SNSでの投稿を通して有名になる一般人も増えてきています。そういった人たちもインフルエンサーと呼ばれており、彼らに無料で商品やサービスをプレゼントしてモニターになってもい、口コミで広げてもらう方法もあります。
インフルエンサーを起用したマーケティングについては、
の記事にて解説していますので、併せてご覧ください。
バズマーケティング? バイラルマーケティング? どんな違いがある?
口コミマーケティングは、別名「バズマーケティング」や「バイラルマーケティング」などとも呼ばれています。
「バズマーケティング」の「バズ」には、多くの人が話題にするという意味を持っており、ある物事や単語などがインターネット上で爆発的に広がることを「バズる」などと言います。この「バズる」効果を使い、売りたい商品やサービスの口コミを広め、低コストで効率的な顧客獲得を狙うマーケティング手法を「バズマーケティング」と呼びます。
「バイラルマーケティング」の「バイラル」という言葉は、「感染的な」「ウイルス性の」という意味を持っており、口コミマーケティングと同様に低コストで効率的に商品の宣伝や顧客獲得を行うマーケティング手法です。1997年にマイクロソフトに買収された「Hotmail」も、この手法を使って急成長しました。
「バイラルマーケティング」も「バズマーケティング」も似たような手法として知られていますが、「バイラルマーケティング」は情報が自然に拡散することを狙っているのに対し、「バズマーケティング」は意図的に注目を集めて話題にするという違いがあります。
そのため、意図的に口コミを広げて売りたい商品やサービスの認知度を上げる「口コミマーケティング」は、「バイラルマーケティング」よりも「バズマーケティング」に近い手法になります。
口コミマーケティングのビジネス成功事例3選
多くの企業が実際に口コミマーケティングを活用して効率的に顧客を獲得し、ビジネスを拡大させています。ここでは、実際に口コミマーケティングで成功したビジネスの事例を見ていきましょう。
Dropbox(ドロップボックス)
出典:Dropbox
Dropboxはインターネット上にファイルを保存できるクラウドストレージサービスです。
無料でサービスを利用できるのが特徴ですが、無料で利用する場合はストレージの容量に制限があります。
しかしより多くの容量を利用したい人に向けてDropboxはサービスに友達を招待してもらう仕組みを導入し、サービスの利用者数を大きく
この仕組みによって約1年で300万人ほどユーザーが増えたと言われています。このような友達招待の施策は数多く見かけますよね。
しかしこのDropboxの事例のようにどのサービスでも成功しているわけでは決してありません。なぜDropboxは友達招待の仕組みを導入してサービスをスケールさせることに成功したのでしょうか。
答えはシンプルで、商品そのものに大きな価値があったからです。
使っているユーザーが商品に魅力を感じていてもっと快適に利用したいというニーズがユーザーにしっかりとあったからこそ、自発的に友達招待のキャンペーンを利用したのです。
もし利用しているサービスに大きな魅力を感じていなければ、自分にメリットがあるとはいえ友達に無理にすすめるようなことはしません。それだけのメリットがユーザーにないからです。
友達招待という施策は利用しているユーザーが商品に大きな魅力を感じている場合にのみ有効だということを覚えておきましょう。
もしも商品に圧倒的な魅力があれば、友達招待はサービスの成長を劇的に加速させてくれる仕組みになります。
Airbnb(エアビーアンドビー)
出典:Airbnb
Airbnbも口コミマーケティングの仕組みを利用して、口コミしてくれる人とそれを受ける人の両方にトラベルクレジットを配布し、旅行者にサービスを宣伝してもうらうことを促しました。
この施策により大きくサービスを成長させることに成功しました。
先ほどのDropboxと同じように、Airbnbはこれまでの価値観や常識にとらわれない画期的なサービスになるため、ユーザーの満足度も自然と高くなり、口コミマーケティングが効果的に作用しやすくなります。
ちなみにAribnbはもともと海外のサービスになり、それぞれの国で効率よくサービスをプロモーションするために口コミマーケティングの仕組みと合わせてインフルエンサーにサービスを紹介してもらうマーケティングを実施したことも、サービスの急速な成長につながった理由の一つです。
Ptengine(ピーティーエンジン)
出典:Ptengine
Ptengineはユーザーのサイト内での行動をサーモグラフィーで可視化したアクセス解析ツールになります。こちらのサービスも口コミマーケティングの仕組みを利用して大きな効果をあげました。
Ptengineは他のサービスと同じように無料プランを用意していて、無料プランがあれば使ってもらったユーザーにブログやSNSでレビューしてもらうことで自然とサービスが広がっていく予定でいましたが、なかなか思ったように口コミが広がっていかなかったそうです。
そこでプロモーション方法を改善し、特にソーシャルメディアで影響力を持つ人物にPtengineのサービスについて記事にしてもらうことが重要だと考え、新たな対応を行いました。
具体的には「Klout」というサービスを活用してソーシャル上で影響力を持つ人物を抽出し、その人だけが特別プランでPtengineを使えるというキャンペーンを実行したのです。
Kloutは、ソーシャル上でのアカウントの影響力を可視化してくれるサービスになり、Twitterの場合はフォロワーやリツイート数、Facebookであれば「いいね!」の数などを分析してそれらをスコアリングしてくれます。
このKloutというサービスを利用してPtengineのサービスと相性のいいインフルエンサーを抽出し、ブログやSNS上からも個別にアプローチをしてキャンペーンをお知らせしていきました。
こちらの施策は、あくまでもプランを提供しているだけで、記事を書いてもらうことをお願いするアプローチではないのが大きなポイントです。
企業として行ったことは、宣伝効果の高い人物を抽出し、その人をターゲットにPtengineの特別プランをお知らせしただけです。その結果として実際に利用したユーザーがブログやSNSでレビューをしてくれた、というのがポイントになります。
この施策によって月間での利用者数は3〜5倍と大幅に増加したそうで、Ptengineについての記事をブロガーが投稿してくれたことでSEO対策の面でも効果があり、狙っているキーワードの検索結果で1位を取れるようになったそうです。
先ほどの上のairbnbの事例でも紹介しましたが、口コミマーケティングとインフルエンサーマーケティングの組みあわせは、他のプロダクトやサービスにも応用しやすい仕組みになりますのでぜひ参考にしてみましょう。
口コミマーケティングのキャンペーン成功事例5選
口コミマーケティングはビジネスの拡大に活用できますが、自社のブランディングや話題作りといったマーケティング活動でもその効果を発揮します。
ここからは、口コミを使ったマーケティングの成功事例を5つ紹介していきましょう。
ポッキー&プリッツの日を広めた江崎グリコの成功事例
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全国16会場限定
目指せ!参加者11,111人企画
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11月3日より行っていた #ポッキープリッツの日 に向けたこの企画…つ、ついにっ!_人人人人_
>目標達成<
 ̄Y^Y^Y^Y ̄現在、参加者が15,000人を超えています!!ご参加されたみなさん、ありがとうございます!https://t.co/9WehIVSch4
— Pocky Japan (@PockyJPN) 2017年11月11日
江崎グリコの「ポッキー&プリッツの日」に向けたキャンペーン事例です。Twitterを使ってギネス世界新記録を狙いました。
以下のように、当初定めた目標を大幅に超える素晴らしい結果となりました。
江崎グリコは、11月11日を「ポッキー&プリッツの日」とし、Twitter上でつぶやきのギネス世界新記録を狙うキャンペーンを行いました。
このキャンペーンの内容は、11月11日の24時間以内につぶやかれた「ポッキー」を含む投稿数を計測するというもの。
目標は200万ツイートだったそうですが、結果は目標をはるかに上回る371万44ツイートという結果に。「ポッキー&プリッツの日」(11月11日)にあわせた販売イベントにより、10月15日から11月14日までの1月間の両製品の売上高を前年同期比で3割増やした。
「ポッキー」という言葉を含むツイッターの投稿数が今年11月11日に371万44にのぼり、1日の投稿数の多さでギネス記録に認定された。
出典:https://www.sankei.com/west/news/131121/wst1311210019-n1.html
さらに、この企画と同時進行でポッキーの形をしたロケットを飛ばす「ポッキーロケットプロジェクト」という企画も実施。
この様子は生中継され、多くの人から注目を集めました。このキャンペーンを行ったことで、江崎グリコの売り上げは前年度に比べて120%伸び、11月11日がポッキーの日だということも定着しました。
「みんなでサクラを咲かせよう」キャンペーンを行ったルクルーゼの成功事例
ルクルーゼは、Instagram上で「みんなでサクラを咲かせよう」というキャンペーンを行い、口コミを一気に広めることに成功しました。
このキャンペーンは、ルクルーゼの花をモチーフにした食器を広める目的で行われ、「#ルクルーゼサクラ」というハッシュタグと共にサクラに関する写真をInstagramに投稿し、ルクルーゼの公式アカウントをフォローした読者に食器をプレゼントするという内容でした。
季節もちょうどサクラの時期で、花見に行く人なども多かったことから多くのユーザーがキャンペーンに参加。ルクルーゼは、この企画で多くのフォロワーを獲得しました。
InstagramやTwitterといったSNSを活用してユーザーにキャンペーンを促す方法は今注目されています。
このようなハッシュタグを使った効果的なキャンペーン事例についてはInstagramで人気投稿になるハッシュタグの効果的な付け方・選び方を徹底解説で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
エイプリルフール企画で注目を集めたはなまるうどんの成功事例
ダイオウイカ天なう #エイプリルフール pic.twitter.com/1jDOSDmt2i
— 【讃岐】はなまるうどん (@hanamaru_udon) 2013年4月1日
はなまるうどんは、テレビ番組で話題になっていた「深海の超巨大イカ」をエイプリルフールのキャンペーンに取り込み話題になりました。
「超巨大ダイオウイカを天ぷらにしました」という広告をSNSで広め、見事アクセス数を24倍にまで伸ばすことに成功しました。
2013年4月、体長18メートルの"ダイオウイカ"を天ぷらにして発売するとエイプリルフールネタとして発表し、驚きとともに大きな話題を創り出した讃岐うどんチェーン店・はなまるうどん。SNSを中心にウェブ上で多くの注目を集め、同社サイトへのアクセス数は通常の24倍という数字を記録した。
出典:https://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201402/cat426/001526.php
ユーザーが興味を持つようなインパクトのあるPRを行うと、それが話題となりSNSを通して瞬く間に拡散されます。
意外性や話題性を生むPRをつくるにはどうすればよいのか、デジタルネイティブ層である「ミレニアル世代」の動向を知るなどして、トレンドをつかむようにすることが大切です。
SNS慣れしているミレニアル世代へのマーケティングについては、【事例あり】ミレニアル世代のマーケティングで絶対外せない14要素の記事にて解説していますので併せてご覧ください。
ペット写真投稿企画を行った「Pecon」の成功事例
Peconとは、株式会社ピーリングが立ち上げた国内最大級のペットインフルエンサー事業です。
ペットと暮らしている人を対象に無料でペット関連商品をプレゼントし、モニターになってもらうという企画を行っています。
ユーザーは、まずPeconで会員登録し、ペットの写真と一緒に「#pecon」というハッシュタグをつけてインスタグラムに投稿。選ばれたユーザーはPeconから無料でペットグッズが貰えます。
キャンペーンには多くの犬好きや猫好きが参加し、現在ハッシュタグの投稿数は370,000件を超えています。
ペットグッズをもらえたユーザーはそのグッズを使ったペット写真を投稿しブランドがさらに話題になる、という好循環が生まれる上手な成功事例です。
Twitterでキャンペーンを開催して売り上げを倍増させた無地良品の成功事例
【回答で5,000マイルプレゼント】無印良品についてのアンケート
無印良品では、より良いものづくりをめざして日々開発、改良を続けています。
今回は、無印良品についてお聞かせください。(全39問・所要時間10分)
アンケートはこちら:https://t.co/gQWJQQiRrW pic.twitter.com/22jGLnht5h— 無印良品 (@muji_net) 2018年7月26日
無印良品は、有楽町店10周年を記念して口コミキャンペーンを行いました。このキャンペーンの内容は、TwitterやFacebookで「無印良品と言えば、〇〇」というメッセージ投稿すれば10%オフになるというもの。
このキャンペーンを行った結果、SNS上で一気広まり、売り上げを倍増させることに成功しました。
また、無印良品はこのキャンペーン以外にも「アンケート回答で5,000マイルプレゼント」など、定期的にさまざまなキャンペーンを開催し多くの顧客を獲得しています。
ネットストアの店頭告知で急増したMUJI.net会員は、実店舗のセール情報のニーズが高く、現在でもネットストア購入未経験者が会員の6割以上を占める。
「現在の会員数は約120万人。年4回の『無印良品週間キャンペーン』で全品10%オフのクーポンを会員に送ると、10日間の期間中にのべ20万人以上が来店してクーポンを利用する」(川名氏)。
この取り組みが奏功し、全社の売上高が上昇に転じた。2002~2004年の売上高は、対前年比で5.3%減~3.7%増と停滞したが、2005年以降は6.3%増~9.2%増と好調だ(いずれも2月期)。
ネットストアも、実店舗客が多数訪れて一部がネット購入したことで売り上げが急増した。
出典:https://business.nikkeibp.co.jp/article/nmgp/20070817/132288/?ST=dmg_print
たとえば、毎年同じ時期にキャンペーンを行うことで「恒例行事」となり、ユーザーも「そろそろあのブランドのキャンペーン時期だな」とブランドを認知してくれるようになります。
長い期間はかかりますが、一度定着してしまえばその後のマーケティングが円滑に進むので、恒例行事を上手くカレンダーに組み込めるように意識することも一つの手です。
その他のInstagramキャンペーン事例集・お役立リンクはこちら▼
【年間・シーズン】Instagramキャンペーン・プロモーション事例リンク集
口コミマーケティングを実施する上で注意するべきポイント
口コミマーケティングを行う際には注意点が2つあります。一つはステルスマーケティング、もう一つはネガティブな口コミへの対応です。この2つの対処を理解しておくことで事前にトラブルを回避できます。
ステルスマーケティングのリスクを理解する
ステルスマーケティングとは、「ステマ」とも呼ばれており、批難やネット炎上の対象になります。
ステマは、いわゆる「サクラ」のことです。
よくみられるステマの例は、企業の人間が消費者になりすまして口コミを書いたり、有名人に宣伝を依頼をしているにも関わらずそのことを隠してPRしてもらうなどが挙げられます。
ステマを防止するためには次のことに注意するよう周知しておくとよいでしょう。
- 自社と関係ない一般消費者のフリをしてSNSやブログに口コミを投稿しない
- 芸能人やインフルエンサーに宣伝を依頼するときは自社との関係性を明示する(「PR」や「宣伝」の明記)
- 同業他社に対し、利用者のフリをして悪口を書かない
ステマの一番の問題は「消費者を騙すこと」で、消費者に誤った情報を与えることです。
ステマが発覚した場合、会社に対する信用も失ってしまうので十分に気をつけましょう。
関連記事
炎上・ステルスマーケティング(ステマ)防止マニュアル
ネガティブな口コミに関する対応方針を事前に決定しておく
口コミが広がるのは嬉しいことですが、必ずしも良い口コミばかりとは限りません。
ネガティブな口コミも発生してくることも考えられます。ですので、事前に方針を決定しておくとよいでしょう。
基本はネガティブな口コミの意見を受け入れ、真摯な対応を心がけることが大切です。たとえば「対応が悪い」といった口コミには、お詫びや品質向上への取り組みなどを真摯に返信しましょう。
ネガティブな口コミは、サービス向上のために役立つこともあります。というのも、他のお客様も同じ不満を持っている場合があるからです。
1つのネガティブな口コミで気づきを得てサービスや製品の品質向上に努めれば、他のお客様の不満も改善できる可能性があります。
「なぜこのネガティブな口コミは発生したのか」という原因を意識して丁寧に対応していきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
SNSで人とつながることが簡単になった現代では、テレビCMや新聞広告のようなマスマーケティングよりも、コミュニティ内で口コミマーケティングを活用した方が効果的にPRできる場面が増えてきています。
多くの企業も口コミマーケティングを活用し、さまざまなキャンペーンを行っています。
そうした企業の実施しているさまざまな事例を研究することで、自社商品のPRにつながるアイデアを見つけ出すことができます。
「このPRはなぜ成功したのか」「どうすれば自社商品に応用できるか」を深く考える視点をもち、ケーススタディを効果的なものにしていきましょう。
本メディア「インスタラボ」を運営するFind Modelでは、人気インスタグラマーやユーチューバーを起用して口コミを生む「インフルエンサーマーケティング」を提供しています。
口コミマーケティングを活用してキャンペーン拡散や自社ブランディングを行う際にお力添えできますので、お気軽にご相談ください。
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