SNSで影響力の大きいインフルエンサーに自社ブランドの製品・サービスをPRしてもらう「インフルエンサーマーケティング」。
人々に浸透したSNSを通してより多くの人に訴求力・共感性の高い宣伝ができることから大きな注目を集めています。
一方で、インフルエンサーマーケティング施策を行っても、どのように効果分析をして、どのように施策を改善すればいいのかわからないという意見を多く聞きます。
そこでこの記事では、インフルエンサーマーケティングの効果分析で必ず押さえておくべき分析のポイントを紹介します。
自社でインフルエンサーマーケティングを実施する際の参考としてぜひお役立てください。
目次
効果分析とは?何をする?
まず、効果分析とは何をすることなのか、簡単に紹介しておきましょう。
効果分析とは、今回の施策の結果から
- 【結果】設定した目標を達成できたか否か
- 【要因】なぜ達成できたか/なぜ達成できなかったか仮説を立てる
- 【検証】仮説が正しいか検証する
- 【改善】検証した結果から良い要因をより伸ばす/悪い要因を取り除く
の一連の流れを導き出すプロセスの一つです。
特に、結果の【要因】【検証】を行う頭で考える部分の比重が重いといえるでしょう。
例えば「SNSアカウントのフォロワーを獲得したい」とき、以下のようなイメージで効果分析・検証を進めていきます。
- 成果
目標のフォロワー数に対して今週の達成率は80%で目標達成できなかった - 要因
(やったこと)今週は、シンプルな内容だが毎日SNS投稿をした
(仮説)毎日投稿はしているが、投稿の情報が薄くフォローするメリットを感じなかったのではないか? - 検証
来週は投稿頻度は変えず、SNSの1投稿あたりの内容を豊富にしてみよう - 改善
SNSの内容を豊富にしたらフォロワーが増えた。この品質・頻度を維持するために担当をもう一人増やそう
つまりは、
- 今ある成果が目的に対してどの程度貢献したのか事実を把握し
- 「なぜそうなったのか?」という仮説を立てて
- 「本当にそうなのか?」を検証し
- 検証の結果が「確からしい」なら良い部分を伸ばすか悪い部分を取り除いて
- 長期的に成果を高めていく
この一連の流れをつくり継続的に改善していくための基礎として効果分析を行っていきます。
インフルエンサーマーケティングの効果分析の前に設定すべきKPI
さて、効果分析とはどのようなものかわかったところで、本題のインフルエンサーマーケティングで見るべき効果分析の指標を見ていきましょう。
インフルエンサーマーケティングの効果分析について話す前に、効果分析に必要な要素を紹介しておきます。
インフルエンサーマーケティング施策におけるKPI
KPIとは、簡単にいうと、取り組む施策で特に重要視する「目標値」のことです。
インフルエンサーマーケティングにおけるKPIは、行う施策の目的によって大きく異なりますが、代表的なものには以下があります。
- リーチ数:投稿を見たユーザー数
- 動画再生数:動画が再生された回数
- いいね数・率:コンテンツへのいいね数、コンテンツを見た人に対するいいね数の割合
- コメント数・質:コンテンツに対する獲得コメントの数、ブランドに興味を持ったコメントの獲得
- フォロワー数:自社ブランドのSNSアカウントフォロワーの増加数
- 投稿保存数:Instagramであれば「保存」、YouTubeであれば「後で見る」など、見返したいと思い保存された数
- 獲得リード数:新規会員登録やメルマガ登録など、消費者の情報獲得数
- SNS経由サイト遷移数:SNSのURL経由でサイトに訪問したユーザーの数
- 購入数/売り上げ/利益:製品・サービスの購入数、それに伴う売り上げと利益の額
- 獲得単価(CPA):売り上げ1件の獲得にかかった費用
- UGC数:テキスト、ハッシュタグ、画像、動画など自社に関する投稿数
など
まずは施策の目的を適切に設定することが大切です。
自社が今回行うインフルエンサーマーケティングの目的をはっきりさせ、その目的の成果測定に適切なKPIを設定しましょう。
関連記事
【具体例】インフルエンサーマーケティングのKPIと3つの効果分析ツール
インフルエンサーマーケティングの効果分析で見ておくべき指標
インフルエンサーマーケティングを行う上で特にチェックしておくべき指標がありますので紹介しましょう。
以下で紹介する指標はインフルエンサーマーケティング独特のものですが、効果分析する際の参考となります。
(※なお、ここでの指標の呼び方は弊社独自のものであり一般的な呼び方でない場合があります。)
リーチ率
「リーチ率」とは、インフルエンサーのもつフォロワー数に対してどれだけ多くの人にPR投稿を見てもらえたのかを確認する指標です。
リーチ率(%)=(リーチ数 / フォロワー数)x 100
※リーチ数:投稿を見た「人の数」のこと。似た指標であるインプレッション数は投稿が「表示された数」を指す。
たとえば、
- インフルエンサーのフォロワー数:10,000人
- PR投稿のリーチ数:2,000人
であれば、
リーチ率
=(2,000/10,000)x 100
=20%
となります。
基本的にPR投稿はフォロワーに表示されるため、一般的にリーチ率は100%(=すべてのフォロワーが見た)未満になります。
しかしながら、洗練されたSNS投稿の場合、おすすめ表示されてリーチ率が100%を超える場合があります。
たとえば、以下の投稿はフォロワー数16万人のインスタグラマーの投稿インサイトデータです。
※Find Model所属インフルエンサーの投稿と投稿インサイトデータ
フォロワー数16万人に対して、リーチ数は約280万人なので、リーチ率は約1,750%(=フォロワー数の17倍の人に見てもらえた)となります。
これは、Instagramが投稿をおすすめ表示したことにより投稿の露出が増えたためです。
上記の事例は極端に良いですが、インフルエンサーがポテンシャルを発揮してリーチ率が数百パーセントに至り露出が増えることは珍しいことではありません。
インフルエンサーマーケティングを行うなら、リーチ数が増えることで目的とする成果も得やすくなるため、費用対効果の向上にもつながります。
各SNSには名称は異なりますが、
- Instagram:発見タブ
- Twitter:トレンド
- YouTube:急上昇
- TikTok:おすすめ
のように、「おすすめ表示」欄が設けられています。
各SNSで様々ですが、短期間にPR投稿がたくさん閲覧されたり、たくさんのエンゲージメント(いいね、コメント、シェアなど)を獲得して話題になったりすることでおすすめ表示される傾向にあります。
インフルエンサーマーケティングにおいても露出の多さは成果を高める上で大変重要ですので、PR投稿の「リーチ率」を必ず把握し、高める方法を模索しましょう。
関連記事
対フォロワーエンゲージメント率
「対フォロワーエンゲージメント率」とは、インフルエンサーのフォロワー数に対してどれだけいいね、コメント、シェアなどのエンゲージメント(反応)を得られたかを見る指標です。
対フォロワーエンゲージメント率(%)
=(エンゲージメント数 / フォロワー数)x 100
※エンゲージメント数:いいね、コメント、シェアなど投稿に対して行われたユーザーのアクションの合計数のこと
たとえば、
- PR投稿のエンゲージメント数:2,000
- インフルエンサーのフォロワー数:50,000人
であれば、
対フォロワーエンゲージメント率
=2,000 / 50,000
=4%
となります。
対フォロワーエンゲージメント率が高いインフルエンサーほど品質の高い投稿ができており、フォロワーとのコミュニケーションも良好であることがわかります。
算出に必要な「フォロワー数」と「エンゲージメント数」はどのSNSプラットフォームでも基本的に公開されている指標のため、インフルエンサーを選定する際の判断材料として活用してみましょう。
対リーチエンゲージメント率
「対リーチエンゲージメント率」とは、投稿を実際に見てくれた人がどれだけいいね、コメント、シェアなどの反応をしてくれたかを見る指標です。
対リーチエンゲージメント率(%)
=(エンゲージメント数 / リーチ数)x 100
※エンゲージメント数:いいね、コメント、シェアなど投稿に対して行われたユーザーのアクションの合計数のこと
※リーチ数:実際に投稿を見たユーザーの数
たとえば、
- PR投稿のエンゲージメント数:3,000
- 投稿のリーチ数:30,000人
であれば、
対リーチエンゲージメント率
=3,000 / 30,000
=10%
となります。
実際に投稿を見てくれた人がどれだけ反応してくれたのかが分かるため、対フォロワーエンゲージメント率に比べてより精度高く反響を計測することができます。
インフルエンサーマーケティングを行った際、PR投稿の内容によってリーチ数は大きく変化するため、分析を行う際は対リーチエンゲージメント率をみておくとよいでしょう。
なお、「リーチ数」のデータは基本的にインフルエンサーのみが見ることができる情報のため、インフルエンサーマーケティングを行った後にインフルエンサーからPR投稿のパフォーマンスデータをもらうようにしましょう。
投稿マッチ率
「投稿マッチ率」とは、PR投稿がインフルエンサーの普段の投稿と比較してどれだけエンゲージメント(いいね、コメント、シェアなど)を獲得できたかを見る指標です。
投稿マッチ率(%)
=(PR投稿のエンゲージメント率 / インフルエンサーの普段のエンゲージメント率)x 100
たとえば、
- インフルエンサーの直近10投稿のエンゲージメント率:2.0%
- PR投稿のエンゲージメント率:1.5%
であれば、
投稿マッチ率
= 1.5 / 2.0
=75%
となります。
インフルエンサーによるPR投稿はいわゆる「広告」であるため、見ているユーザーが違和感を感じやすく、一般的にエンゲージメント率は普段の平均値よりも低くなります(100%未満)。
一方で、商材とインフルエンサーの相性が良くフォロワーに対して魅力的なPRができると、PR投稿のエンゲージメント率は普段のインフルエンサーのエンゲージメント率よりも高くなります。(100%以上)
ですので、「投稿マッチ率」は商材とインフルエンサーの相性や魅力的なPRができたか否かを判断する場合に活用できます。
さらに、次回施策でインフルエンサーをキャスティングする際の一つの指標としても役立ちます。
「投稿マッチ率が高い」
=「商材とインフルエンサーの相性・PRの内容が良い」
といえますので、今回投稿マッチ率の高かったインフルエンサーと似た特徴をのインフルエンサーを起用することで、同様に高い成果を出せることが期待できます。
インフルエンサーはポテンシャルを最大限発揮でき、企業は費用対効果を高めたPRができるため双方にとってメリットがあるため、分析時にチェックしておきましょう。
【具体例】インフルエンサーマーケティングの効果分析のやり方
インフルエンサーマーケティングの効果分析のやり方について紹介しましょう。
分かりやすくするために
- インスタグラマー(Instagram)に商品をPRしてもらう
- KPIは「売上数」
- 施策の目標KPIよりも達成度が20%低かった
というシンプルな例として紹介します。
1. KPIに対して達成度はどのくらいか確認する
まずKPIである売上数が目標に対してどのくらいになったのか、達成度を確認します。
SNSでは商品が売れるまでに、基本的に
- 投稿を見る(リーチ数)
- 商品のURLをクリック(URLクリック数)
- ECサイトで購入する(購入数)
のステップを踏みますので、各ステップのデータも確認するようにしましょう。
なお、「Instagram経由で流入した人の購入数」に限定して分析するために必ず計測用のパラメータなどをインスタグラマーのURLに付与しておきましょう。
関連記事
【具体例】インフルエンサーマーケティングのKPIと3つの効果分析ツール
2. 何が要因でその結果になったのか仮説を立てる
KPIの達成度が20%低かった理由を考えていきます。
先ほどの各ステップのそれぞれに原因があると想定して考えてみましょう。
投稿のリーチ数(表示数)が少ない場合
- PR投稿がインフルエンサーの世界観とずれていた?
- 情報が少なくて商品の魅力が伝わらなかった?
- ハッシュタグが適切でなかった?
- 写真より動画の方がよかった?
- メリットの訴求ばかりで広告っぽくなってしまった?
など
商品URLのクリック数が少ない場合
- 商品のURLは正しく機能していたか?
- 商品URLの誘導が上手くなかった?
- 商品URLのCTAボタンが小さくわかりにくかった?
など
ECサイトでの購入数が少ない場合
- 遷移先のページが間違っていた?
- 会員登録から購入までスムーズか?
- ランディングページがあまり魅力的ではない?
- そもそもまだ認知されていない商品ではないか?
など
そもその原因の場合
- 選んだインフルエンサーのフォロワーに自社ターゲットが少なかったのではないか?(インフルエンサー選定ミス)
- KPIの設定を間違えたのではないか?(目標設定ミス)
- 自社ターゲットの利用者が少ないSNSを選んでしまったのではないか?(SNSの選定ミス)
など
3. 本当にその要因の影響なのか検証する
色々と原因を考えた時、「恐らくこれが大きな原因だろう」というものがいくつかに絞られてきます。
絞られた原因を改善したらどうなるか、あらためてインフルエンサー施策を行い検証してみましょう。
今回は、「情報が少なくて商品の魅力が伝わらなかった」ことが原因と考えられるので、
- フォロワーが知りたい部分の画像を増やす
- テキストによる補足でわかりやすくする
- メリット・デメリット、営業時間、店舗情報など詳細を記載
等でPR投稿をブラッシュアップさせて検証します。
4. 検証の結果「確からしい」なら要素を追加/維持/削除する
前回のPRの結果をベンチマークとして、検証していきましょう。
検証によって前回よりも結果が良くなったなら「仮説が正しい」と考えることができ、その要素(PR内容の充実)は残すべきと判断できます。
検証によって前回よりも結果が変化なしか悪くなったなら「仮説は間違っていた」と考えられるため、検証の要素は残すか除外するようにします。
こうして一つずつ要素を検証して、良いものは残し、悪いものは排除して「PRの成功法則」を見出していきましょう。
5. 長期的に洗練させていく
成功要因が分かれば、その成功要因を残す必要があります。
必ず社内で共有し、マニュアル化するなどして同じ失敗をしないよう徹底しましょう。
リソースが必要であれば確保するなど、社内の体制も整えインフルエンサーマーケティングの効果を長期的に高めていく仕組みもあわせて進めます。
インフルエンサーマーケティングの効果分析のポイント
ここまでインフルエンサーマーケティングの効果分析のやり方を紹介してきました。
最後にインフルエンサーマーケティングの効果分析を行う際のポイントを紹介しておきましょう。
前提として、インフルエンサーマーケティングは長期的に改善させていくものと心得る
「一度試したけど成果が悪かったからやめる」というのはやや乱暴であり、インフルエンサーマーケティングのポテンシャルを十分生かせずビジネスの機会損失につながる可能性もあります。
インフルエンサーマーケティングに限りませんが、行った施策は長期的に検証・改善していくことで成果を高めることができますので、一回の施策ごとに丁寧に振り返りと改善を行っていきましょう。
施策目的とKPIを明確にしておく
インフルエンサーマーケティングの目的によって見るべき指標が異なります。
たとえば、「認知獲得」を目的としているのにPRによる「販売数」を見ていたのでは目的と観測するデータが異なるため、分析を見誤ってしまいます。
目的が認知獲得であれば
- インプレッション数(投稿が表示された数)
- リーチ数(投稿を見た人の数)
- CPM(表示コスト)
目的が販売数であれば
- SNS経由の販売数
- SNS経由のEC遷移数
- CPA(獲得コスト)
など、目的と密接にかかわるKPIを設定するようにしましょう。
主観ではなくデータを重視する
効果分析は定量的に数値化して行うのが基本です。
インフルエンサーマーケティングの効果分析を行う際は、必ずインフルエンサーから受け取ったインサイトデータをもとに分析しましょう。
もちろん、「このPRは何となくここが良かったのではないか」と主観も分析には必要ですが、その主観を裏付けるデータがあってはじめて信用度が増します。
効果分析で仮説が立てられたなら、検証によってその仮説が正しかったかを「データで」確認するようにしましょう。
検証で変える条件は1つだけにする
インフルエンサーマーケティングの効果分析を通して、仮説がいくつも出てくることもよくあります。
すべての仮説を確かめたい気持ちはわかりますが、その仮説を検証する際は「変える条件は一つだけ」に絞りましょう。
というのも、変える条件が複数あると、どの要素によって成果が良くなったのか、あるいは悪くなったのかがわからなくなってしまうからです。
要素を一つ変えて、成果が良くなったか・悪くなったかを地道に一つずつ検証していくのが鉄則となります。
時間はかかりますが、丁寧に検証していくことで悪い要素を排除し、良い要素だけ残った洗練されたインフルエンサーマーケティングのPRを行っていきましょう。
まとめ
インフルエンサーマーケティングの効果分析について紹介してきましたが、いかがでしたか。
インフルエンサーマーケティングのKPIの設定やレポーティングについて悩んでいる方は多くおり、実際、インスタラボにもたくさんお問合せをいただいています。
効果分析は難しく考えずにシンプルに考えるほど上手くいくことも多くあります。
ぜひ難しく考えず、目的を見失わず、要点を絞って効果分析を行ってみてください。
今回の記事がインフルエンサーマーケティングの振り返りを行う上での参考になれば幸いです。
▼あわせてチェック▼
インフルエンサーマーケティングの基礎から成果を出す実践方法のすべて
本メディア「インスタラボ」を運営するFind Modelではインフルエンサーマーケティング支援が可能です。
インフルエンサーマーケティングの専門チームが、
- 施策目的に最適な「本物の」インフルエンサーキャスティング
- インフルエンサーのマネジメント
- PR実施ディレクション
- 下書きチェック、ステマ防止
- 目的に沿ったKPI設定
- 効果分析レポーティング
まで、ワンストップで提供させていただきます。
貴社に親和性の高いインフルエンサーのリストとお見積も無料でご提供しておりますので、是非お気軽にご相談ください。
お電話でのお問い合わせはこちら▼
050-3184-0601