Amazonや楽天といったECサイトを筆頭に、インターネットを通してほしい商品を購入するシーンが増えてきました。
実はネットショッピングを提供するECサイトとInstagramは非常に相性がよく、両社のメリットを生かして様々な企業が売り上げをアップさせています。
今回は、ECサイトを運営している企業向けに、
- ECサイトの売上を増やすためにInstagramを活用するべき理由
- Instagramを活用しているECサイトの成功事例と分析
- 実際にInstagramを活用する際に意識するべきポイント
を詳しく解説していきます。
インスタグラムのアカウント担当の方で運用方法に悩んでいる方はぜひ一つの参考にしてみてください。
目次
ECサイト(インターネット通販サイト)がInstagramを活用するべき3つの理由
ECサイト(インターネット通販サイト)がインスタグラムを活用するべき理由は次のようなものがあります。
- SNSの影響を受けて商品を購入する人が増えている
- 利用シーンや活用アイデアなどを具体的に訴求し、コストを抑えつつ認知拡大につなげられる
- ショッピング機能の活用で商品購入までをシームレスに誘導できる
それぞれ説明していきましょう。
1. SNSの影響を受けて商品を購入する人が増えている
引用:市場調査メディア ホノテ「ミレニアル世代は貯金意識が高く、投資や資産運用に興味あり?消費意識やお財布事情などを調査」
こちらのデータは、買い物のときSNSの情報にどれくらいの影響を受けるかを調査したものです。
10代~30代までのSNSに慣れ親しんでいる世代では、半数以上がInstagramやTwitterといったSNSから影響を受けて商品を購入していることが分かります。
さらに、インターネットをはじめ、スマホやSNSが身近にある彼ら彼女らはインターネットで買い物を完結させる傾向が増えています。
こうした背景から、デジタルネイティブ世代を見込み顧客にするために、SNSの性質を利用してECサイトへ集客することが今後の成功のカギになっています。
2. 利用シーンや活用アイデアなどを具体的に訴求し、コストを抑えつつ認知拡大につなげられる
Instagramの大きな特徴は「写真」や「動画」を使って見ている人に視覚的に訴求できることです。
たとえば、ファッションブランドであれば、商品単体の写真をアップするよりも、自社のアイテムを取り入れたコーディネートを写真に撮って投稿することで、ユーザーは自分が使っているところをよりイメージしやすくなるので興味を持ってもらいやすくなります。
また、子供向けのおもちゃのようなブランドであれば、実際におもちゃを使っているシーンを動画に撮って投稿することで、質感や音声といったアピールポイントが伝わりやすくなる効果もあります。
さらに、Instagramの投稿が話題となれば、口コミ効果でさらに情報が広がり、費用をかけずに自社ブランドの認知を広げることができます。
普通なら自社ECサイトを知ってもらうために大きな費用かけて広告を出すなど、お金と手間がかかりますが、そのコストを抑えて認知拡大ができるのはSNSならではの強みです。
3. ショッピング機能の活用で商品購入までをシームレスに誘導できる
ショッピング機能とは、Instagramの写真、動画、ストーリーズ投稿に自社ECサイトの商品タグを設定できるというものです。
ショッピングタグをクリックすると商品の詳細が表示され、そのまま自社ECサイトの商品購入ページへ遷移させることができます。
従来までは気に入った商品を見つけても、
- 検索エンジンで調べる
- ネットショップを訪問
- 商品名や型番を検索
- 商品ページを閲覧
- 商品を購入
という遠回りをすることになり機会損失につながることが課題でした。
しかしながら、Instagramショッピング機能の登場により、ユーザーは「この商品ほしい!」と思ったら直接ECサイトの商品ページへ行き購入することができるようになりました。
ショッピング機能の導入にはInstagramによる審査が必要になりますが、非常に有用な機能ですのでECサイトの所有企業は是非導入することをおすすめします。
Instagramショッピング機能の導入方法についてはInstagram「ショッピング機能(Shop Now)」をECに導入する設定方法と日本国内成功事例の記事にて詳しく解説していますので、併せてご活用ください。
Instagramを活用しているECサイトの成功事例を徹底分析
ここからは、ECサイトを所有している企業がInstagramを活用している成功事例を紹介していきます。
VILLAGE VANGUARD(ヴィレッジヴァンガード)
遊べる本屋「ヴィレッジヴァンガード」はInstagramのショッピング機能を活用して、オンラインストアとうまく連携した運営を行っています。
Instagram上の投稿をタップすると商品の詳細が表示され、そのままECサイトへ遷移して購入することができます。
気に入った商品を見つけたユーザーの熱が冷めないうちに購買につなげられるスピード感は、売り上げを伸ばすうえで非常に重要となります。
また、そのとき話題になっているアイテムや人気アイテムをInstagramストーリーズに投稿。それらをカテゴリー別にハイライトとしてまとめてプロフィール欄に表示しています。(「ハイライト」とは、ストーリーズ投稿をまとめて保存・公開しておける機能です)
ストーリーズには紹介している商品の購入ページへのリンクも付加されているので、こちらもそのままECサイトへ遷移して購入することが可能です。
Instagramを通して商品を紹介し、ECサイトへの入り口を増やし、購入までの誘導を上手くしている好例です。
北欧、暮らしの道具店
キッチン雑貨、日用品を紹介するネットショップ「北欧、暮らしの道具店」は74万人以上のフォロワーのいる人気アカウントです。
思わず見とれてしまう北欧テイストのインテリアや雑貨写真をインスタグラムで見ることができ、まさにオンラインカタログとしてインスタグラムが活用されています。
写真だけでなく、商品を活用した収納術のアイデアなどを紹介した動画の投稿や、レシピ集のヒントといった投稿も行っています。
出典:北欧、暮らしの道具店
ECサイトではInstagramに投稿したアイテムを紹介している特集ページがあり、Instagramを見てくれたファンが商品購入時に迷わないようにユーザービリティを意識した設計がされています。
Instagramショッピング機能も導入されていますが、特集ページと併用することでECサイトへの遷移後にユーザーの回遊率を上げる効果も見込めます。
また、過去には直接商品の紹介とは関係ないスタッフの絵日記風の投稿などもあり、ブログの様な使い方もされています。
単に商品の宣伝だけではなく、ユーザーにとって役立つコンテンツ、楽しんでもらえるコンテンツも多く投稿することで、日常のブログ閲覧感覚で投稿サイトを訪れてくれるファンを増やしていく工夫が見られます。
MAJOLICA MAJORCA(マジョリカマジョルカ)
資生堂のコスメブランド「マジョリカ マジョルカ」は、くすんだゴールドを基調にしたアンティーク風のパッケージや色鮮やかなシャドーやネイルをラインナップに、『まるで魔法がかかったように』をコンセプトにした若い世代に人気のブランドです。
自社商品の使い方やワンポイントアドバイスを動画にしてInstagramに投稿しているのが大きな特徴です。
30秒ほどの動画の中には、新商品の紹介、具体的なメイクの仕方、ビフォア・アフターが分かりやすく表現されています。
メイクの仕方を動画で紹介することで見ているユーザーは実際に使用しているところをイメージすることができ、商品に共感しやすくなります。
また、「メイクのワンポイントアドバイス」のように投稿を見ることでに何かしらの「学び」を得られるコンテンツにすると、ユーザーがメリットを感じてアカウントをフォローしてもらいやすくなります。
フォトジェニックな画像だけではなく、実用的なノウハウも教えてくれるInstagramアカウントの使い方です。
GU(ジーユー)
「GU」も人気アカウントのひとつです。10代〜20代の若者向けのファストファッションを販売する企業ですが、単に商品単体を紹介するのではなく、商品をどういう風に日常のコーディネートで活用するかという提案がされているのがポイントです。
Instagramアカウントの特徴としては、動画や写真を3枚同時に投稿するスタイルであることが挙げられます。
投稿はGUのアイテムでコーディネートしたファッションに統一。さらに、3枚の同時投稿で横一列を同系統のテイストとすることで、アカウント全体に洗練されたイメージを生み出しています。
安価なファストファッションでありながら、そうとは感じさせないInstagramの運用は非常に参考になります。
また、投稿それぞれのキャプション(コメント)も丁寧に書かれています。
商品名と価格が書いてあるので、ユーザーは写真のコーディネートの内容を把握しやすくなるとともに、商品への理解を深めることができます。
商品の紹介とユーザーの教育をさりげなく行っている点も参考になるポイントです。
DHOLIC(ディーホリック)
DHOLICは女性向けファッション通販サイトです。
こちらも、アイテム単体ではなく、全身のコーディネートを投稿してユーザーがイメージしやすい配慮がされています。
DHOLICの面白い取り組みに、24時間限定の10%OFFセールがあります。
ECサイトで10%OFFの対象となっている商品をInstagram上で紹介し、サイトへの誘導を促しています。
ECサイトに遷移してからも10%OFFのセール商品が一覧で表示されるため、商品が探しやすい設計です。
また、1日の投稿数が5回〜7回と多めで、ファンを飽きさせない運用をしているのもポイント。
10%OFFセールの対象商品は毎日更新されるためユーザーは毎日Instagramのアカウントをチェックしたくなるような工夫がなされています。
E hyphen world gallery CIRCUS(イーハイフンワールドギャラリー サーカス)
「アースミュージック&エコロジー」などのレディースブランドを手がける株式会社ストライプインターナショナルは新レーベル「CIRCUS」を立ち上げ、ネット上で多くのファンを抱えくちコミの拡散などに影響力を持つインフルエンサーを起用した通販戦略を敷いています。
面白い特徴は、インフルエンサー(SNSで影響力のある人)とコラボしたアイテムを開発している点。
開発した商品をインフルエンサー本人にInstagramなどのSNSを通して紹介してもらい、商品画像がアップされてから24時間の「いいね」の数に比例した数量を店頭とECサイトで販売するというユニークな仕組みを持っています。
同社の選ぶインフルエンサーは、インスタグラムで6万人以上のフォロワーを抱え、ファッション感度が高くこだわりを持つ人物を厳選しているとのこと。
その中の一人「ゆうこす(@yukos0520)」も38万人以上のフォロワーを持つ人気インフルエンサーです。
ストーリーズのライブ配信などで積極的にコラボアイテムについて語った動画を配信しており、ゆうこすさんとのコラボアイテムは発表後24時間で合計2万件以上の「いいね」がつく反響を見せ、商品も即完売となりました。
ファッションに敏感な若い世代に影響力のあるインフルエンサーを使って宣伝し、インスタグラムの反響を見ながら在庫管理も行うという効率的な運営方法が成功しています。
こうしたインフルエンサーを起用したマーケティングは従来のマスマーケティングと異なるPR手法として大きく注目されています。
本メディア「インスタラボ」を運営するFind Modelでは、人気インスタグラマーやユーチューバーに商品をPRしてもらいECサイトへ誘導することで売り上げを大きく伸ばした成功事例も多数あります。
ECサイトの売上アップにInstagramの活用を検討されている際はお気軽にご相談ください。
インフルエンサーに依頼し、商品を魅力的にPRできた成功事例8選では、インフルエンサーに実際に商品PRを依頼した成功事例を紹介していますので併せてご覧ください。
ECサイトでInstagramを活用する際に意識するべきポイント
ECサイトへの導線としてInstagramを活用して集客することは非常に有効です。
以下では、ECサイトを意識しつつInstagramの自社アカウントを運用する際のポイントを紹介します。
写真の表示は正方形であることを意識する
インスタグラムでやはり特徴的なのは、基本的に写真は正方形がデフォルトの表示であるという点です。
少し前にヨコ・タテの比率やサイズが自由に選べるようになったことで、長方形の写真を投稿する方も増えてはいるものの、統一感を考えた場合にはやはりスクエア型を前提とした写真撮影をおすすめします。
こちらの二枚の写真を見てもらうとわかる通り、写真一枚で見たときには問題がなくても、一覧として見た際には上下が見切れてしまっているのがわかります。
出典:https://www.instagram.com/thesartorialist/
ヨコ長の写真の場合も同様で、一枚単位で見た場合は問題なくとも、一覧だと左右が見切れた状態で表示されてしまうため、注意が必要です。
被写体は基本的に中心におさめるように心がけながら撮影し、インスタグラムへアップロードする際に見切れないよう意識しましょう。
アカウントの世界観は統一する
こちらも一覧表示に重点を置いたテクニックですが、やはり一つのブランドとして写真全てに統一感を出しておいた方が見栄えは良くなります。
具体的な撮影方法としては、例えばいつも同じテーブルの上で商品を撮影する、背景を白の壁で統一するなどの方法があります。下の例のように、デザインの差を強調したい場合は全て同じ撮影方法・背景でアップロードするのも良いでしょう。
出典:https://www.instagram.com/wackomaria_guiltyparties/
あるいは毎回同じ加工機能を用いて写真をアップロードするといった、撮影以外のところで統一感を出す方法もあります。
「商品カタログを作っている」と思ってアカウントを運用していきましょう。
ユーザーが求める撮影形式を心がける
自社ECサイトで販売している商品によって、上手な見せ方、写真の撮り方は変わってきます。
SNSを活用しているユーザーは「自分が使っているイメージ」「その商品が生活を変えているイメージ」など、自分が体験しているイメージをして商品を購入します。
ですから、
- ファッション系の商材なら、全身のコーディネートとして見せる
- コスメ系の商材なら、ビフォア・アフターなどのわかりやすい効果を見せる
- インテリア系の商材なら、実際の生活で使用しているシーンを見せる
などのように、商品単体写真だけではなく、日常の使用シーンを切り取ってコンテンツを投稿しましょう。
こちらが「見せたいもの」とユーザーが「見たいもの」は、ずれていることを意識することが大切です。
プロフィールにはURLを記載してECサイトへ誘導する
Instagramでは個々の投稿にURLを記載することができません。
自身のアカウントのプロフィールにはURLを記載できる項目がありますので、ECサイトの所有者は必ずプロフィールにECサイトへのURLを記載しましょう。
ショッピング機能はInstagramに申請を出して承認が下りないと使えません。
また、ストーリーズも自分のアカウントのフォロワーが1万人以上でないとURLを添付できません。
アカウントを開設したばかりでまだ規模が小さいタイミングでは、ECサイトへ誘導できる導線が制限されていますのでプロフィールのURLを活用しましょう。
Instagramショッピング機能の申請方法は、Instagram「ショッピング機能(Shop Now)」を導入する設定方法と日本国内活用事例の記事に。
アカウントのプロフィールにURLリンクを追加する方法についてはインスタグラムで自分のアカウントURLを調べる方法と、URLリンクを乗せる方法の記事にて解説しています。
併せてご活用ください。
顧客へアプローチするための最適なハッシュタグ(#●●)を見つけ、使い分ける
自社アカウントや宣伝したい商品をインスタグラム検索でヒットさせるには自社のブランドや商品名等のハッシュタグを必ず投稿に付けるようにしましょう。
また、ハッシュタグの種類にも気を配る必要があります。
たとえば、チョコレートのハッシュタグをつけたい場合、「#チョコレート」と「#chocolate」では検索結果が大きく変わってきます。
検索するユーザーが多い人気のハッシュタグであれば自社の投稿を見てもらえる可能性は広がりますが、多くの人がつけるハッシュタグのため投稿の表示がすぐに下の方へ流れてしまう可能性があります。
反対に、ニッチなハッシュタグをつけた場合、検索結果の上部には表示されやすいですが、そもそもInstagramで検索してくれる人が少ないため目につきにくくなります。
ですから、自社製品に相性のよいハッシュタグは何かを見極めることが大切です。
自社と競合となる会社のInstagramアカウントをチェックして、どんなハッシュタグが使われているのかを学ぶのも一つの手です。
ハッシュタグ選びのポイントは、インスタグラムでハッシュタグを効果的に使う3つのポイントの記事にて紹介していますので、併せてご活用ください。
投稿キャプションにはメンション(@●●)も入れる
ハッシュタグと併せてもう一つ、投稿のキャプション(コメント欄)には「@」から始まるメンションを記入しましょう。
メンションとは「@+ユーザーネーム」を付けることで、アカウントのプロフィールページに遷移させることができる機能です。
たとえば、ヴィレッジヴァンガード(@village_vanguard)の場合、「@(半角)」にInstagramユーザーネームの「village_vanguard」をくっつけることで作成できます。
Instagramの投稿を見てくれた人をプロフィールへ誘導するための貴重な導線の一つになりますので、忘れずにつけておきましょう。
Instagramを制すものがEC業界を制す
インスタグラムには次々と新機能が実装されています。以前は企業のマーケティングにおけるインスタグラムの活用方法は、ファンを作り、「いいね」やコメントを通してコミュニケーションを計り、親密性を深めるということが主流でした。
現在は導入された機能を使いこなして、ブランドの認知、来店促進、購入促進、アプリのダウンロード促進といった、ユーザーに対してアクションを促していくマーケティング活動が行われています。
ECサイトを運営する企業も、より積極的な購買活動をユーザーにとってもらえるように、インスタグラムを活用していきましょう。
本メディア「インスタラボ」を運営するFind Modelでは、InstagramからECサイトに誘導し売り上げを大きくアップさせた成功事例も数多くございます。
ECサイトの売上アップにSNSの活用を検討されている際は、お気軽にご相談ください。
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