みなさんはインターネットで買い物をしたことはあるでしょうか?
現代ではおそらく、ほとんどの人が上記の問いに「YES」と答えるでしょう。
amazonや楽天のような通販サイトやUber Eatsのようなオンラインフード注文・配達など、買い求めるものも多岐にわたります。
そしてこれまでのネット販売は「eコマース」と呼ばれる手法が中心でした。
しかし2020年以降、特に世界では「dコマース」と呼ばれる販売方法が盛んになってきており、これからの主流になるのではないかと言われています。
本記事では、eコマースとdコマースの違いについてお伝えいたします。
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目次
「eコマース」と「dコマース」はどう違う?
画像:Eコマースからデジタルコマースへのパラダイムシフトの本質と対応するための処方箋|NTTデータのデジタルコマース実現へのアプローチ
まず、eコマースのeはElectric(エレクトリック)、dコマースのdはDigital(デジタル)の略です。
言葉だけでは違いが分かりにくいですが、中身はかなり異なります。
eコマース
まずeコマースは「インターネットなどのネットワークを介して契約や決済などを行う取引形態」で、主にBtoCのやり取りを指すことが多いです。
eコマースは実店舗と異なり、
- 24時間、どこからでも購入手続きが可能
- 他店との価格の比較が容易
- 商品を配送してもらえる
という利点があります。
そのため、ネットの普及に伴い2000年以降に消費者に浸透していき、日本国内のeコマース全体の市場規模としてはBtoCに限っても、2020年で21.7兆円という規模になっています。
eコマースに似た考えとして「O2O」や「オムニチャネル」があります。
「O2O」はOnline to Offlineの略で、実店舗を持つ飲食店がオンライン割引クーポンを発行するなど、顧客が実店舗に来るように促すマーケティング手法です。
「オムニチャネル」は店舗やECサイト、SNSなどを活用して顧客と接点を作り、購入の経路を意識させずに販売促進につなげる戦略のことを指します。
例えばアパレルショップで好みの服ではあるものの自分に合うサイズがなかった時、店員がネットショップにアクセスして在庫を確認し、あれば後日自宅に商品が届くように設定することで商品の購入機会を逃さない、という方法です。
いずれも販売元には実店舗があるパターンが多く、多くの小売業にとってeコマースは新規サービス・新規業務となり、既存のビジネスとは独立して始まる場合がほとんどでした。
dコマース
一方のdコマースもインターネットを介した商品の取引ということには変わりないのですが、「販売者と消費者が直接やり取りすることなく、インターネットを介して対話的に情報をやりとりしたり、セルフサービスの体験を通じたりして、商品やサービスの購入、および販売すること」を指します。
eコマースとの大きな違いの1つは、洋服や食べ物といった実物だけでなく、映像・音楽・ニュース・サブスクリプションなどの実態のない商品やサービスも対象になるという点です。
これはいわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいることにも関わっており、「OMO(Online Merges with Offline)」や「ニューリテール」ともつながってきます。
OMOとニューリテールはほぼ同義で、「インターネットとデータテノロジーで小売業のDX化し、オンラインとオフラインを融合させること」を指しています。
O2Oやオムニチャネルの発展形と捉えられ、ユーザーに新しい体験をさせるビジネスモデルです。
ニューリテールは既存の小売店のように「店側が商品を仕入れ、消費者はそこから選択する」という形式とは異なり、「顧客のニーズを基にサービスを展開している」のです。
中国でのdコマースの具体例
画像:中国小売業の急先鋒、盒馬鮮生(フーマー)。「ワクワクする売場」に感じた「強さの本質」
dコマースについて、具体例を交えてもう少しわかりやすく解説していきましょう。
近年、dコマースを積極的に取り入れている国は中国であり、数々の企業がdコマースを開始しています。
スーパーマーケット
dコマースを開始した企業の中でも最も成功したと言われているのが「アリババグループ」で、ニューリテールという言葉自体も実は同グループの創業者であるジャック・マー氏により提唱された言葉です。
その事業内容は多岐にわたるのですが、その中の1つに2016年設立の生鮮食品のスーパーマーケット「盒马鲜生:フーマー」があります。
実店舗を構えるスーパマーケットのため、オンライン・オフラインどちらでも購入が可能なのですが、その特徴は「スマホを活用した新たな顧客体験を軸にしたビジネス設計」です。
例えば、商品に貼られているバーコードの読み取ることで、商品の原産地や成分を知ることができます。
さらには、大型の水槽から直接生鮮食品を選ぶと、ベルトコンベアで店舗内のレストランに運ばれて調理され、顧客はその場で食事を楽しむことができます。
決済はアリババグループが提供するAlipayでほぼ行われ、顔認証もしくはQRコードでの決済が可能です。
また、オンライン購入では半径1.9マイル以内であれば30分以内の配達を行っています。
顧客にとって便利なことづくめのフーマーのサービスですが、dコマースの利点はこれにとどまりません。
顧客の購買データはアプリを通じて蓄積され、顧客の購買体験をよりパーソナライズすることで満足度を高めています。
そのほかにも顧客データ・購買履歴から細かな需要予測を可能にし、世界各国から豊富な種類の品を無駄なく仕入れ、新鮮なものを提供し続けています。
この高度なデータ分析と物流網により、スーパーであるにもかかわらずバックヤードに在庫を抱えていない、というこれまででは考えられなかった経営方法も可能なのです。
美容ショップ
「美谷美購新零售店」は化粧品分野でニューリテールを進めている企業です。
他のニューリテールの店舗同様、QRコード付きのタッチパネルで会計、店舗からのオンライン購入、店舗から自宅への配送といったことが可能ですが、美谷美購新零售店独自のサービスもあります。
美谷美購新零售店の店舗には肌診断機が設置されていて、自分の肌の水分や皮脂、毛穴の状態などを確認することで自身の肌の状態に合ったコスメを薦めてくれます。
またスマートミラーを使えば、口紅やファンデーション、アイシャドウなども仮想メイクで色味が確認できます。
特に口紅については、原料や成分、香り、色味を選び、その場で自分だけのカスタマイズ口紅をチョイスし、わずか6分で作ることができるので消費者を待たせません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
特に中国で進んでいるdコマースですが、日本の小売業界でも、DXによる顧客満足度の向上、新たな価値やビジネスの創作に取り組んでおり、デジタル技術の比重が高いdコマースへの注目が高まっています。
デジタルと言ってもその分野がかなり広いため、eコマースと比べても導入には時間がかかるかもしれませんが、2020年代ではその勢いは増すと考えられます。
これまでeコマースを実施していた企業の方は、ぜひdコマースの導入も前向きに検討してみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。
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